100均ホウキに百合が咲く~最強限界無職女のダンジョン救助配信~   作:羽黒楓

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第33話 あたしはかわいいんや!

「キャーーッ! かわいいっ! やっぱり甘ロリ最高!」

 

 澄見歌(すみか)が声を上げる。

 言われた小梅はかわいいと言われてちょっと得意げに黒髪ボブ(おかっぱともいう)を払って、

 

「せやろ? あたしはかわいいんや! ……で、誰だっけ?」

「あの、こないだ伺った奏天寺澄見歌(すみか)と湯歌(ゆか)です!」

「ああ、紅亜(くれあ)の友だちやんな? 紅亜(くれあ)が友だちを部屋の中まで連れてくるなんて初めてやんな。ええでええで、ゆっくりしとき。なんかお菓子だしてやるわ」

 

 そう言ってパックに入ったゲソを雑に皿へ乗せる小梅。

 

「あ、たらやの羊羹あります! 妖命酒のおかげで私助かったんです、改めてありがとうございます!」

「ええでええで。羊羹あるんか、じゃあそれをみんなで食おか」

 

 ちゃぶ台を囲んで羊羹をつつく四人。

 

「で、小梅ちゃん」

 

 紅亜(くれあ)はノートパソコンを小梅に見せながら言う。

 

「私、こういうの始めようかと思ってるんだけど……」

「ほー。面白そうやないかい。たいていのダンジョンにいるモンスターなら紅亜(くれあ)は余裕で勝てるさかいな。お前でも危ないのは首塚ダンジョンと恐山ダンジョンと……あとは白峯ダンジョンと黄泉比良坂ダンジョンやな。そこ行く時だけはあたしに相談してからにせえや」

 

 それを聞いて湯歌(ゆか)が言う。

 

「それ全部、出入り口の土地を国が買い取って自衛隊が封鎖しているから大丈夫だと思います」

「ほーん。国も対策しとるんやな。で、スミカとか言ったか」

「はい」

「お前、男友達いっぱいおる?」

 

 聞かれた澄見歌(すみか)は困惑した表情で、

 

「いや、全然いないですけど……?」

「紅亜(くれあ)はあたしの唯一の子孫なんや。いっぱい子供産んで子孫繁栄してもらわんとあかん。合コンとかいっぱいセットして男見つけたりや」

「はあ……でもそういうのは本人の意志というか……」

「ま、せやな。紅亜(くれあ)はまだ若いからボチボチな。頼むで」

 

 男?

 男なんて絶対いらない。

 澄見歌(すみか)ちゃんがいればそれでいいんだ、と紅亜(くれあ)は思った。

 

「合コンとか全然興味ないし。澄見歌(すみか)ちゃん、まともに聞かなくていいからね」

 

 小梅はため息をつく。

 

「これやからなあ……。困ったもんや」

 

 そこで、紅亜(くれあ)は気になっていたことを小梅に聞くことにした。

 

「で、小梅ちゃん。あの妖命酒ってまだある?」

「あるにはあるけど、あと一本だけや。あれは年に数本しかできないんや。最後の一本はあげるけど、貴重なもんやからな、ほんとにピンチのときだけ飲むんやで」

「うん、ありがとう」

 

 やはり、湯歌(ゆか)の『奇跡の外科手術(ミラクル・オペレーション)』の力は絶対に必要なようだった。

 

「じゃ、紅亜(くれあ)さん、これ今からアップしますね!」

 

 

     ★

 

【速報】超格安救助隊結成される

 

47 探索者名無しさん

これってあのホウキ女か!

 

48 探索者名無しさん

スミーも参加しているみたい

 

49 探索者名無しさん

安すぎだろ!

 

50 探索者名無しさん

価格破壊もいいとこだな

 

51 探索者名無しさん

信用できるのか?

詐欺だろ

 

52 探索者名無しさん

〉〉51

でもスーパーボランティアも推薦してるぞ。

公式Xッターでも紹介してた

 

53 探索者名無しさん

月々1500円って小学生でも払えるぞ

 

54 探索者名無しさん

ホウキ女ってまじで強いの?

 

55 探索者名無しさん

〉〉54

知らんのか、あのミエスタを完封して話題になっただろ

 

56 探索者名無しさん

Xッターのトレンドに入ったな

 

57 探索者名無しさん

ダンジョンに行くような奴は死んでも本望だろ

 

58 探索者名無しさん

不景気すぎてそれ以外食う方法がないやつもいる

 

59 探索者名無しさん

ダンジョン探索って儲かるの

 

60 探索者名無しさん

〉〉59

そんなでもない

日本人の平均年収くらいじゃね

配信とかやってるやつは別だけど

 

61 探索者名無しさん

深く潜ればマニアに売れる素材とれて億り人になるやつもいる

 

62 探索者名無しさん

薬草のサンジーヴァニとか億で取引されてるしな

 

63 探索者名無しさん

ただ深く潜ると死ぬやつも多いし、素材とれたところを襲われて奪われたりもする

暴力団もかかわったりするし、ほんとリスキーな商売だよ

 

 

     ★

 

 

国会審議。

予算委員会。

 

「自由こころの党、塩田でございます。防衛大臣にお聞きします。現在、ダンジョンにおける事故事件が多発しております。重要なダンジョンの出入り口には自衛隊員を配置しており、それ以外のダンジョンにおいても、委託した民間会社の警備員を配置し、その出入りを確認しているところだと承知しておりますが、すべての出入り口に警備員を配置できているのでしょうか」

 

「菅井防衛大臣」

 

「はい、現在確認されているダンジョンは全国に78か所、一つのダンジョンに出入り口が複数あるものも多数ありまして、出入り口の数で言いますと356か所が確認されているところであります。そのほとんどに警備員を配置しております」

 

「塩田君」

 

「今、大臣はほとんどとおっしゃいましたが、私どもの調査によりますと、警備員が配置されていない出入り口が全国に28か所あるんです。15歳未満の立ち入りは原則禁止しているはずですが、最近、子どもや認知症高齢者がその出入り口からダンジョンに入ってしまう事故が多発しております。これは政府の怠慢ではないのですか!」

 

「防衛大臣」

 

「えー、予算にも限りがあり、また、出入り口が私有地にあることも多いことから、すべての出入り口に警備員を配置できているわけではないのはその通りであります」

 

 ヤジが飛ぶ。

 

「なんだと! 政府は国民の命をなんだと思ってるんだ!」

「法整備して全部の出入り口を封鎖しろ!」

「一般国民がダンジョンに入っていいわけないだろ!」

「失業者対策でダンジョンを放置しているんじゃないか!」

「だいたいこの大不況だって政府の責任だろ!」

「すさんだ世の中をなんとかしろよ!」

「早く解散しろ!」

 

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