100均ホウキに百合が咲く~最強限界無職女のダンジョン救助配信~ 作:羽黒楓
あの子が言ったことは本当なの?
女の子を信じるか、それとも位置情報を信じるか。
「あの子の言う通りにした方がいいのかな?」
「でも……」
「ヤクザさんが言ってた。女と、制服を着た小学生がいたって。あの子がその小学生だと思う」
「ってことは、女の人とあの子がグルってことでしょ?」
「それはわからない。女の人ってのが人間なのか、モンスターなのかも。でもさ。あの子は人間じゃないのは確かだよ。問題は
沙希 〈あの!〉
コメント欄が読み上げられる。
沙希 〈あの子、合言葉を言ってた……〉
「合言葉?」
沙希 〈はい。お母さんが呼んでるよとか言って子どもを誘拐する事件があるじゃないですか。だから、家族で合言葉を決めてたんです。ほんとにお母さんか私が呼んでいるときは必ずこの言葉を言うって……〉
「あ、それがさっきの青汁がなんとかってやつ?」
沙希 〈マーチって昔うちで飼ってた犬です。『マーチが青汁を飲みたがってる』って……〉
「その合言葉って、家族以外は絶対だれも知らない?」
沙希 〈知らないはずです。
「もしかしたら、
「でもお姉ちゃん、そしたら
「そんなのわかんないけど……」
そして二人の姉妹は
今、この救助隊の隊長は
「どうする?」
聞かれて、
「あの子を信じよう。もし罠だったらすぐに引き返して位置情報を追いかけよう」
それを聞いて、
「わかった!
「私もです。
まっすぐ自分を見つめてくる二人を見て、
私の決断ひとつで
ギュッとホウキを握りしめ、
「よし、じゃああの子が案内した方に行くよ! 隊列は今までの通り!」
★
その後も制服の女の子はふいっと現れ、分かれ道の先でちょいちょいと手招きをしてはまたふっと消えた。
途中、何度かモンスターに襲われたが、そのたびに
「え、こんなところに道が……!?」
普通なら見落としてしまうような細い道。
案内なしではとても発見できなかっただろう。
さらには。
女の子がなにもないはずの壁をちょいちょいと指さしている。
その向こうに広がるのは新しいエリア。
「隠し扉……こんなの、絶対私たちじゃわかんなかったよ……」
こうして、
そして、ついに地下6階へ降りる階段へたどり着いた。
「この先にいるわ。急いで。ケガをしている。治療の準備を。あとそこのホウキ女も備えて。強敵がいるわ」
「どんな強敵? 教えてくれないと備えようがないよ!」
「そうね。ここまで来てくれたのだものね。この先にいるのは……夜を統べる闇の女帝よ」