100均ホウキに百合が咲く~最強限界無職女のダンジョン救助配信~ 作:羽黒楓
そこには、頑丈そうなドアがあった。
この先に、
「行くよ。まず第一は
その隙間にルセッシュのノズルを当てると、
プシュゥ! と液体が霧状になってドアの向こうにばらまかれた。
十回ほどレバーを引く。
これで、弱いモンスターならば昏倒しているはずだ。
ドアの向こう側からはまだなんの気配もしない。
「3,2,1……ゴー!」
バンッ! とドアを開けた。
まず最初にドローンが飛び込み、ライトを点灯した。
それに続いて
そして
壁に寄りかかっている、小学生くらいの少女。
沙希 〈
だけど。
白かっただろうワンピースは血で真っ赤に染まっていた。
わずかに開いた瞼から見える瞳には、輝きがない。
「フシューフシュー」
さらには。
傷口からは骨と肉が見えていた。
血液特有のムッとした匂いが充満している。
〈死んでる!?〉
〈間に合わなかったか!?〉
〈ああああああ小学生がこんな……ひどい!〉
〈いや息はしてるぞ〉
〈でもほぼ死にかけだぞ!〉
沙希 〈乃音! 乃音! 乃音!〉
その傍らにいるのは、一人の女性だった。
オフショルダー、つまり肩まで出ている赤いドレスを着た、地中海系っぽい若い女性。
ガニ股で床にしゃがみこみ——斬り落とされた
そして、その切り口に自らの口をつけてじゅるじゅると血液をむさぼるように吸っていた。
――
身体が一瞬で熱くなった。
怒りと闘争心が沸き上がる。
その女は
「ちょうどいい、血液が自分でやってきた——」
女がそう言うのと、
女はそれをヒョイと顔だけで避けた。
「うわあああああああ!」
すると、狙い通り、女は地面を蹴って飛び退り、
そして叫んだ。
「
「はい!」
「うん! ララララルラーーーー!」
途端に
それは長さ3メートル、稲妻のように曲がった長刀だった。
そして、叫んだ。
「
その手はそれぞれ、メス、鉗子、縫合用の針、それに輸血用バッグを持っている。
「まだ生きてる! 助かる! 助ける! 損傷した内臓を縫合!」
手術を始める
「ああ? そいつは私のもんだぞ?」
女が腰を落とすと、前蹴りを繰り出してきた。
これだけで並みのモンスターは瞬殺してきた。
だが。
女はそれを片手だけで受け流すと、
「おらよ!」
ドレス姿にはおよそ似つかわしくないあらっぽい声を出し、
赤いドレスのスカートがひらめく。
「くっ」
チリトリでその蹴りを防ぐ
「やるな、もういっちょだ!」
女が今度は左ボディフックからの右ストレートのコンビネーションで殴ってくる。
とんでもないスピードだったが、
バキッと音がして、チリトリにヒビが入った。
〈なんじゃこいつ強い!〉
〈あのホウキ女が防戦一方だぞ〉
〈こいつなにもんだ!〉
女は
すぐには反撃せずに、女の顔をじっと見た。
女はその場でガニ股でしゃがみこみ、
「……ありゃなにやってんだ? あいつは私のものだぞ?」