100均ホウキに百合が咲く~最強限界無職女のダンジョン救助配信~ 作:羽黒楓
それは、柄が1.2メートルほどもある長いホウキだった。
100円のホウキと違って、自分の魔力が十全にホウキへ行き渡るのを感じた。
「これは……? シーコさん、どうしてここが……?」
「へへ、
「コメント欄の人が、シーコさんとアカリちゃんがこのダンジョンに潜ったって教えてくれたの!」
AIの選別による読み上げから外れたコメントもすべてチェックしていたのだ。
「ザコめらが! お前の命で勘弁してやる!」
テージャスがアカリに斬りかかる。
アカリはそれを何とか両手の
耳をつんざくような音がしたかと思うと、左手に握った
剣先が回転しながら床に突き刺さる。
「ふん、命を捧げよ!」
伝説の剣、アシがアカリを襲う。
だが、テージャスの攻撃より
長い柄のホウキをまるで槍のように突き出す
馬上からシーコがムチを振るう。
ムチの先は音速を超えてテージャスに向かうが、テージャスは音速を超える太刀筋でそのムチを叩き斬った。
★
アンティアも動いていた。
彼女にしてみれば、
どちらとも消耗してくれれば良い。
アンティアの狙いはサンジーヴァニ、そして
一番の脅威である
その隙をアンティアは逃さない。
「その子をよこしなあ!」
アンティアは大きく飛び跳ね、
「お前ごとき三下、私の敵じゃあないね! 内臓ぐちゃぐちゃにしてやる!」
そして、
「裏切者! させないよ!」
アンティアの蹴りに耐えきれず、七支刀が光の粒となって霧散する。
だが、アンティアの方もはじき返されていた。
くるりと回転して床に降り立つ。
「チッ! だが、お前はもう武器を失った!」
「何言ってるの! ラララララァァァァーー!」
再びマイクから光る刀身が伸びた。
今度は蛇矛のようなギザギザの刀身。
「私の魔力が尽きるまで! 私の武器が尽きることはない!」
「チッ、てめえごときの魔力、すぐに尽きるさ!」
再びアンティアが跳躍しようとしたとき――。
そのアンティアに向かって白い馬体が突撃してきた。
ユニコーンであるユニーが、シーコを背にのせたまま、その長く鋭いツノをアンティアに突き刺そうとする。
「むお!?」
アンティアは飛び退ってそれを避けた。
「あっちは
シーコがユニーから飛び降りてムチをバシィッ! と鳴らした。彼女のムチも
ユニーはそのまま
アンティアを前後に挟み込むようにして
「チッ、ザコどもが!」
アンティアは華麗な体さばきで
一方、
大混戦が始まった。