100均ホウキに百合が咲く~最強限界無職女のダンジョン救助配信~ 作:羽黒楓
「で、どうする……?」
「
アンティアとテージャスにダメージを受けたシーコとアカリは、自分たちで持ってきていたチョコレートをかじっている。
「いやあ、死んだかと思ったよ。助かった、ありがとう」
シーコがそう言い、アカリも、
「私も……内臓が口から全部でちゃうかと思った」
と言ってチョコレートを口にほおばる。
「シーコさんとアカリちゃんが来てくれるなんて……」
〈シーコ、そこの女子高生のケツを追っかけて東京に来ていたからな〉
「馬鹿、そういうんじゃない。進路の相談があるっていうから! ウチが相談に乗ってあげてたんだよ」
シーコがそう言うと、アカリは少しほっぺたを染めながら、
「シーコさん、すごく親身になってくれて……。私、この能力があるから探索者になろうかなって。そしたらシーコさん、今すぐじゃなくて高校を卒業するまでは我慢しろって……」
チラッとシーコの顔を見てさらに顔を真っ赤にすると、アカリは唇についたチョコをペロッと舐めた。
〈シーコ、言っておくけど犯罪だぞ〉
「なにがだよ、誤解を生むようなこというなって! ウチも昔はグレてたから、他人事だと思えなくてさ」
〈少年院あがりだもんな〉
〈グレた者同士でちょうどいいかもな〉
「で、
〈殺せ〉
〈吸血鬼なら胸に杭を打つか首を斬っちゃえ〉
〈テージャスは八つ裂きにしておけ〉
うーん、と
「えっと、状況を整理すると……サンジーヴァニは自生していて、たまたまそこにいたテージャスさんが自分が守るって言って、そんでもって命と引き換えなら渡すって言って私たちを殺そうとして……で、アンティアさんは
「ん? なに考えてんだ? こいつらはモンスターだ。モンスターはやっつけることになっているんだ。いいモンスターなんていないけん、今のうちにとどめ刺しておこうよ」
いいモンスター……。
モンスターだからといって無条件に殺す、という価値観は
特に知性を持っているモンスターについてはそうだ。
小梅がいなかったら
「でも……もうこの状態のこの人たちにとどめを刺すなんて……? なんか意味あるかなあ?」
「生かしておくと誰かほかの人間が襲われるかもしれないですよ?」
でも、アカリがそれに答えた。
「自分の意志でダンジョンに潜ってるんだからモンスターと戦うのは織り込み済みでしょ。国だって推奨していないことを自分の意志で探索しているんだから、やられちゃってもその人の責任だよ。戦争区域に自分から遊びに行って殺されちゃっても自己責任じゃん。同じ同じ」
「
それを聞いて、シーコはため息をついた。
「ま、それでもいいけどな。えーと、こいつテージャスっていったっけか。あーあ、完全にノビてるよ」
テージャスのそばまで行くと、シーコはテージャスのコメカミのあたりをコツンと蹴る。
「さて、と……。意識はないみたいだな。ってか瀕死だ。やるか。モンスターを討伐したらもらえるものはもらうのは法律でも認められている権利だからさ」
「ま、まさか……」
「まずこの剣はいただこう。アシとか言ってたか? 高く売れそうだな。着ているものは……。うーん、見たことない素材じゃん。売れるかもしれないからもらっとく。っていうかこいつ、今は生きているけどこっから回復できんのか? まあいいや。腰布をこうやってはぎとって……おわ! こいつ、でっけえ! 見たことないほどでっけえ!」
ケタケタと笑うシーコ、やっぱりこの人善人ではないな、と思う
ちなみに
「……さて、
顎をクイッとさせるシーコ。
その先には、特異なオーラを発する植物が生えていた。
「そうだった、私たちはサンジーヴァニを採りにきたんだった」
それは、スイセンみたいな葉っぱをもつ、高さ60センチくらいの植物。
三株、まとまって生えていた。
別に何の意味もないだろうけど、思わず手を合わせる。
「ごめんなさい、一株だけ、もらいます」
そして、サンジーヴァニを一株、根っこから優しく地面から引き抜いた。
触っただけで尋常ではない魔力を感じる。
さすが伝説の薬草である。
「
沙希 〈ありがとうございます! ありがとうございます! ほら、
夏子もちょっと背伸びをして
「ほら、ごめんなさいとありがとうでしょ」
と言った。
姉と夏子の言葉を聞いて
そして、ペコリと頭を下げて言った。
「私のせいでみんなに危ない目させて、ごめんなさい! ありがとうございます!」
「うん、大丈夫だよ。私も沙希ちゃんと
「もちろん。で、こっちはどうすんの? 今にも死にそうだけど」
シーコがアンティアを指さして言った。