100均ホウキに百合が咲く ~限界無職女のダンジョン救助配信~ 作:羽黒楓
●【スミー】奏天寺澄見歌part432
250 名無しの配信者
クソ女め
なんでこんなに日本語ペラペラなんだ変態のくせに
251 名無しの配信者
〉〉250 語学の天才でも有名だしな
252 名無しの配信者
スミー、もう助からない?
253 名無しの配信者
無理だろうな
254 名無しの配信者
どうにかならんか
あれからなにも喉を通らなくなった
俺ももう死にたい
255 名無しの配信者
このスレもお通夜みたいになったな
256 名無しの配信者
だれか3500万円払えよ
257 名無しの配信者
前金で3500万円だぞ。成功報酬合わせると6000万円
個人で出せる奴はいないだろ
258 名無しの配信者
クラウドファンディングやればワンチャン
でも時間がかかりすぎるな
259 名無しの配信者
待て、スミー本人はそのくらいの貯金あるんじゃね?
スミーの妹はなにやってる?
260 名無しの配信者
いやでもミエスタと戦うんだろ?
いくら積まれても俺なら断る
261 名無しの配信者
なんでよりによってスミーなんだよ!
頼むからなんとかしてくれ
262 名無しの配信者
誰かボランティアで助けに行ってくれ
263 名無しの配信者
〉〉262
ボランティアとかバカ言うな、相手は多分世界一強い探索者だぞ
264 名無しの配信者
ミエスタってエロい恰好してるよな
265 名無しの配信者
〉〉262
そういや山口県のスーパーボランティア、今東京に来ているよな
頼んでみよう
266 名無しの配信者
〉〉265
さすがにミエスタを相手にするとなるとスーパーボランティアでも無理だろ
断られるに決まってる
267 名無しの配信者
このスレの住人じゃなんの役にもたたんな
★
スミーちゃんねる
配信コメント欄
〈どうにかならんか〉
〈俺明日仕事休む〉
〈スミーがいないならあたしも生きている意味がないよ〉
イモスミ 〈日本探索者協会に電話しましたがミエスタ相手なら受けられないと断られました〉
〈イモスミきた〉
〈イモスミも動いていたか、当たり前だよな〉
〈誰?〉
〈スミーの妹でマネージャー〉
〈っていうか協会にも断られてたのか。金あっても無駄だったか〉
イモスミ 〈ミエスタさん、このコメント聞こえていますか? 交渉しましょう。前金で100万ドル支払います。お姉ちゃんを生きたまま帰してください。その後さらに300万ドル支払います〉
★
カメラは横たわる
ミエスタが声だけで答えた。
『ああ? 信用できないね。こいつ規模の配信者がそんなに金を持っているとは思えないね。どうしても金を払いたきゃオークションに参加しな。ヒヒヒ、300万スタートだけど吊りあがるだろうから400万ドルでも足りないと思うけどねえ』
★
●Xッター
田所椎子 @tadokoro_shiko
今日は鈴木さんにラーメンおごってもらいました!
すごくおいしい!
プロフィール画面をラーメンに変えちゃいました(笑)
ダンジョンで鈴木さんを助けられて本当によかった!
みなさんもダンジョン探索の際は十分お気をつけてくださいね
https://x.com/tadokoro_shiko/status/2087180936500953398
⤴返信
ペペロンチーノ@澄見歌ファン
FF外から失礼します
スーパーボランティアで有名なシーコさんにお願いがあります
配信者の奏天寺澄見歌さんという方があのミエスタに襲われて危険な状態です
シーコさん、助けていただけませんか?
⤴返信
田所椎子@tadokoro_shiko
あれ、その人赤ずきんちゃんと時計の宝石ってボカロ曲をカバーしてた人だよね
少年院にいたころあの曲好きだったんだよなあ
★
「まったく、しょうもない連中がウダウダやってもどうしようもないだろうがよお」
ミエスタはタバコに火をつけてそう呟いた。
目の前にある
だが、完全なマヒ状態になっていて喋ることもできない。
「ヒヒヒ。とは言えだ。このままじゃほんとに誰かきたらめんどくさいねえ。今のうちにこいつを運び出す算段をつけておくか」
タバコを根元まで吸いつくしたミエスタは、無造作にそれを床に投げ捨てた。
そして、指をパチンと鳴らす。
すると、植物のモンスター、ヴォブローノの茎から一本のツタがヌルリと伸びて、その先が二枚貝のように成長していく。
地上の自然界に存在する食虫植物、ハエトリソウそっくりの形になった。
ただしそれは人間をそのまま飲みこめるほどの巨大なものであった。
食虫植物、というよりも食人植物、と言った方が似つかわしいのかもしれない。
ヴォブローノはトゲの生えた二枚貝のような器官でパクリと
〈なんだこれ〉
〈おいおいこれ消化されちまうんじゃないか〉
〈スミーは虫じゃねえぞ!〉
イモスミ 〈やめて! 500万ドル! 500万ドル払うから!〉
「ヒヒヒ。嘘だね。登録者98万人もいるが、バズってからまだ一年。まだそこまでの資産はないはずだ。今AIで調べたよ。身代金よりそのまま売った方が儲けがでかい。おっと大丈夫、今はこいつの身体を運ぶだけさ。レプスタイン島の変態金持ちども、いくら払ってくれるかねえ……。ん? 誰か来たな? こいつを助けにきたのか?」
ミエスタの言葉どおり、ダンジョンの暗闇の中にポツンと一つ明かりが見えた。
「ヒヒヒ、若い女だったらいいが……。そしたらもう少し儲けられるんだけどね」
それはミエスタの期待に十分応えられるほどの若くて美しい女性だった。
ただし、どう見ても探索者とは思えない装備である。
なにしろ、ホウキとチリトリ、それにバケツを持っているのである。