ガバガバ近代日本史(世界史) in 惑星パラドックス   作:AKI久

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現実:()内は惑星パラドでの年号との差
1645年(+263) 錦光山宗兵衛の創業
1907年(×) 日露協約
1907年(×) 世界恐慌
1908年(×) 高平・ルート協定(パラド星では南北アメリカは分かれたまま)
1912年(-4) 明治天皇崩御、大正天皇が践祚
1916~28年(?) 中国軍閥時代

こう見ると惑星パラドの日本も目線が外に向いた時期かも?
収束するなんて、よく出来たシミュレーションだぁ~。


第七講 悲報、悪名高まる(1907~1909)

「先週は大日本帝国が経済的成長だけでなく、軍拡や対外政策にも目を向けられるようになったって所までやったな。今日は1900年代後半の保護国化ラッシュを説明する。一応敵国の名前も出すが、一気に覚えようとしなくていいぞ。どうせ世界史なら中国史でも教えるし、日本史なら戦争の詳しい状況までやるからな」

 

「政府のガバラッシュの後だと不安になるわ……」

 

「アヘンの時間だ! 世界史の始まりだぁ!」

 

生徒の声を無視し、教師は簡単に中国大陸を描いていく。

 

―――――

 

「はいはい、戦争中はアヘン使うから静かにしとけ~。

1907年1月23日に朝鮮へ保護国化の要求を突きつけた。いきなり殴りつけるような野蛮なことは出来ないからな。相手は交戦の意思を示したから数か月後に戦争が始まった」

 

「『バック・トゥ・トヨトミ』で見ました!

もう李舜臣はいないじゃないって台詞が大好きです!

将軍徳川斉昭の二七回忌に被らせないために、その三日前に要求したんですよね!」

 

「相手の銃弾を日本刀で切って進むのカッコイイよね~」

 

生徒達は最近公開された映画作品で盛り上がり始める。

 

「それは創作だからな~。実際の所は知らない。

翌年の1月19日に終戦し、日本は初の属国を手に入れたわけだ。

両国の死者の比率は3.8倍だった。日本軍人が1人倒れるまでに3.8人相手を倒したって感じだ」

 

「なんか思ってたより弱くない?

一騎当千は誇張だって分かってるけど、10人にも行かないんだ」

 

戦争とは縁遠い現代日本では仕方がないことだが、物語に毒されすぎているように思う教師だった。

 

「いやめっちゃ強いから。3人相手に勝てるってことだからな。

実際に交戦したわけだが、戦費負担も全く経済に影響を与えなかったことから、大日本帝国はイケイケになった。準備をし過ぎたって側面もあるな」

 

「アヘンが足りてなかったんでしょ。

アヘンがもっとあれば死者は減るからキルレシオは向上したはず。

アヘンを軽んじるからそんな体たらくで終わった。もっと早く日本農園社を設立すべき」

 

「あれ……アヘンってもしかして強い?」

 

生徒の一人がアヘンの利点について説いている。事実生存率を上げるのには当時としては有用であり、一概に間違っているわけでもない。大陸で販売することでより多くの軍資金も集められる。だが、中毒性のあるものに対し生徒達が好意的になり過ぎるのもどうかと、教師は何とも言えないもどかしさを覚える。

 

「朝鮮戦争終結の二日後、1月21日に満州に保護国化を要求した。満州戦終結後、同年12月6日に山東派軍閥へ同じ要求を突きつけた。その次は質でも同じことをして、1909年4月に大日本帝国は拡張を一旦終了した」

 

「ここが世界史的に重要なんだ。

度重なる対外拡張によって、国際社会における大日本帝国の悪名は高まっていた。

このことに政府が気が付いたのは、オランダやロシアが指摘してくれたからとも言われている。彼らから悪名高い国との交友は控えないといけないと言われ、大日本帝国は質の保護国化を最後に近代での侵略戦争は終えた。時間を置いてやれば、もっと他の国も保護国に出来たんだろうけどな」

 

「やっぱり……ガバからは逃れられないのか……」

 

教師は白板に描いた中国大陸の地図を指しながら説明を続ける。

 

「これによって、黄海、朝鮮半島と中国大陸に挟まれた海の周りの国は一つを除いて日本の勢力下に入った。残りの一つは湖南派軍閥、そこはロシアに解放されていたからな。仲の良いロシアへ不凍港を渡したような形となった」

 

「だが、一気に何か国も征服したのが不味かった。

これには1908年7月27日に明治天皇が崩御なされたことが関係していると考えられている。軍部が主の墓前に花を手向ける意味も込めて暴れ回った側面もあるとされている。

まあ外国からは、まだ29歳と若い大正天皇が、即位直後に侵略するような危険な人物として見られたんだがな」

 

教師は大日本帝国が母語国化した地域、朝鮮半島や華北から華東を赤いマーカーで塗っていく。

 

「……悪い意味で暴れん坊将軍だと思われたってことか。もう将軍じゃないけどさ」

 

「これは狂犬。先代もブラジルに戦艦100隻送った件といい、やべー国扱いも当然」

 

―――――

 

「戦争についてはこんな所だろう。

ぶっちゃけ、世界史的には戦果が重要な戦争でもないし、それが国際社会に与えた影響の方が大きい」

 

「もしかして、結構余裕な戦いだったんですか?

他の戦争なら勝利した側の条約とかがその後に影響すると思うんですけど」

 

「まあ、言い方は悪いが国同士でも格が違った。

当時の日本の国力ランクとGDPは世界2位、つまりイギリスの次だった。一方相手は軍閥だからな。その証拠として、戦中にも関わらず日本は4つ目の大企業を設立するくらい余裕だった。という訳で、今日は8/12だから出席番号20番、どんな企業か答えてみろ」

 

「アヘン!」

 

予習をしたのか、それとも生徒自身の興味が優先されてしまったのか分からない回答に教師は困惑する。その意欲だけは残して正しい知識を教えるべく、教師は言葉を選ぶ。

 

「残念ながら、それは1930年だな。戦争で引っ張られたのかもしれないが、外れだ。

1908年のは錦光山宗兵衛だ。当時はガラスや陶器を作る工房と伐採所を管理して、民生品から建築資材を主に供給していたな。現代なら、この教室の窓やタブレットの画面もその会社が作ったものだろうよ」

 

「へ~聞いたことないや。有名なの?」

 

「まあBtoBだしな。企業同士のやり取りがメインだから学生には縁遠いかもな。

少し余談で年代は飛ぶが、1914年の国際的な統計では日本の4つの大企業は世界の上位を占めていたとされている。企業の利益で比較したものだが、大日本帝国のは世界1・2・4・6位にランクインしていた」

 

「6年でその……きんこうざんって奴は6位になったんだ。

もしかして、そんなに外国では大企業は流行ってなかった?」

 

「逆に4位の企業が気になるぜ!

宗兵衛が頑張ってんのに、3位になれないのかよ!」

 

仲の良い友人の名前のように、あるいは悪者探しをするいじわるさを含んで企業名を呼ぶ生徒の指摘。教師は自らも昔はそんな風に思ったものだと懐かしさを覚える。

 

「いや普通に世界の頂上の戦いだからな。

3位はフランスのドルフュス・ミエッグ&カンパニー、まあ4位の三井の富岡製糸場と思いっきりパイを食い合ってたから仕方ない。あっちの方が絹や服を扱う先発企業だったことも影響してるだろうな」

 

「話を戻すが、これで近代における日本の拡張は終わった。

新しく手に入れた属国に資源採掘のための施設を建て、産業に必要な材料を手に入れたことで経済発展は続いた」

 

「そういえば、そのために拡張したんでしたね」

 

生徒の中には本題を忘れてしまっていた者もいるようだ。教師としては話を逸らしているつもりはなかったが、教わる側にとっては脇道が多かったと自省する。

 

「他にも投資権を使ってロシアに鉱山やオランダにゴム農園を建てまくった。その影響もあって、後々ロシアのGDPは世界3位になった。現地の人がそこで働き、その産物を世界市場が買うことになるからな。その甲斐あって、新ロシア有限責任会社は独自の高級品ロシア産鉄を産出するまでの規模になった」

 

「へ~、そういう繋がりもあるんですね。この間のボランティアだけだと思ってた」

 

「ここまでが経済含めた状況の話。

次回は日本が真に列強に並ぶと力を示した、エポックメイキングな戦争についてやるぞ~。

それで世界史における日本近代史は終わりだ~」

 




プレイ中:
・悪名25越え
以前のバージョンだとこれを超えるとヤバかったイメージ。
もっと保護国化したかったが、断念。そのままゲーム終了まで拡張戦争のことが頭から抜け落ちる。

・錦光山宗兵衛
研究を後回しにし過ぎて4つ目の企業設立が遅れる。投資権を与えた途端、外国で伐採所を建てまくる。ちなみにこれ以外の起業は£400k以上の利益を上げている。やっぱり日本の企業は強い。

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