ソードアート・オンライン〜英雄の影に英雄あり〜 作:静かな人
突然すぎるのだが、俺は土下座している。
「えっ、カー君どういうことダ?!」
と土下座してる相手ーーーアルゴが戸惑った声で話しけてくる。
「カー君は料理というかジュース作りがしたいんだナ?」
アルゴが聞いてくるので土下座したままはいと答える。
俺は今ジュースを作りたい、出店を経営しているプレイヤーがいてそこのジュースを飲むととても美味く、
(こんな美味しいものを作れるなら俺も作ろう!!)
と思って色々準備している。
「カー君はそんなに金を使いたくない、でもキッチンは欲しい、選択肢は2つ家を買うかキッチン付きの部屋を借りるか、でも家を買うのは高すぎて論外、そうすると残った選択肢のキッチン付きの部屋、しかしそれも高すぎ、いい方法ないかと考えた、「そういえばアルゴの借りてる部屋ってキッチンあったな」ということで、部屋の家賃を半分肩代わりするから居座らせてくれ、ということだな、そういうことでいいんだよナ?」
アルゴが問い詰めるので今度は顔を上げ答える。
「はい、そうのとうりです、どうかお願いします!野郎が娘の部屋に居座るなどいけないと承知ですが、どうか!どうか!お願します!ここに居座らせてください!」
へりくだった口調でそう熱弁すると再び床に額を付ける。
「でもここ一層だし不便だヨ。」
「別にいいんです、転移門使えば関係ないんで」
「うーん………だけど詰めろヨ。」
恐ろしい言葉を聞いた俺は顔を一気に上げる。
「はい、詰めさせてもらいます…小指でいいですか?」
まぁ、体力の回復とともに再生するけどと思いながら話すとアルゴが腹抱えて爆笑しだした。
「にゃハハハハハハハハハハハハ、面白すぎるよカー君!こっちの言い方も悪かったけど…にゃハハハハハハ、詰めるってアイテムスペースのことだヨ、小指詰めるって、にゃハハハハハハ…ヒィ、笑い死ぬ〜」
よかった〜と安堵する横で言うことを言ったアルゴまだは笑っている、40秒くらいかけ笑いが収まるとジュースが作れる嬉しさでアルゴの手を強く握り上下に振ると電気が走る感覚とともに俺は吹き飛んでしまった。
「《ハラスメント防止コード》だナ」
「こんなことで発動するのかよ…」
そう言いベットも持ってきてないのでここで眠る。
6時に頭の中いっぱいにアラームが鳴り響く、現実なら投げ飛ばして壊せばいいのだがシステムなのでそんなことはできない、まず現実でも投げない。
よろよろと立ち上がった俺はアラームを止めてテーブルに座り前日から用意してたホットドッグらしきものを食べ、装備を整え出て行くもうアルゴは出かけていた、今日はベータテストで5層の頃からチャレンジし続けた「体術」のスキルを習得するべく、3回目の挑戦に2層に向かう
習得できる場所は2層の最北端にある。
2層の主街区「ウルバス」に転移するとすぐさま走り出し1時間ほどで修行場に到着した。
スキル習得までは師匠に話しかけ、5つのステップをクリアし、最後に師匠の弟子と対決し勝たなければいけない、
ルールは素手、これは当たり前だろう、他に自分が持ってきた物は一切使えず、支給された物を着なければならない、弟子のステータスは自分と同じになり、体術スキルはある程度使えるがこれは弟子も同じ事だ。
そして5つのステップは簡単なのだが、最後の弟子が強すぎるのが体術スキル習得の難しさだ。
体術スキルを使えば手足に当たり判定が発生する。もし、武器が壊れた時体術スキルさえあれば戦えるので習得しようとする者は多々いる。
5つのステップをクリアし弟子との勝負に入る。
勝負はデュエル形式で《初撃決着モード》で戦う。
カウントが0になると弟子の方から仕掛けてくる。
体術スキルは硬直時間が少なく、本当にこれくらいのスピードで試合しているんじゃないかってくらい硬直時間が短いのでスキルの打ち合いになる。
弟子のスキル「コンビネーションパンチ」の左ストレート、右ストレート、左フックをかわし、「フル・ストレート」の左で弟子の顔面目指して放つが、手首を掴まれ止められる。
「想定内だよ!!」
声を上げると同時に手首を掴み返しこちら側に引き寄せ頭突きをかますが、相手も咄嗟の判断で顔を引いたため決定打にはならないが、顔を引いた時手を離したので態勢を崩している。
態勢を崩した弟子の顔は驚いているように見える、体術は柔術のことを指すらしいがSAOでは色んなものが混じっているため柔術で俺を転ばせてから強攻撃で仕留めるつもりだったんだろうが、システム外の頭突きが来るとは思わなかったのだろう。
前まで俺が負けていた理由はチャンスの時にスキルを連続で出せないからだ、5つのステップで練習してるとはいえ不慣れなスキルはどうも発動させにくくミスアタックの隙を突かれ負けるというパターンだった。
俺と同じ理由で負けてしまう人は多く皆5〜8回連続で挑戦してスキルの発動を完璧にし、スキル習得という流れらしいが、俺はなんども挑戦するのが面倒なので何度もスキルの発動を練習して戦いの中に組み込み(スキルは発動もしないしダメージも無い、だけど隙は作れる)、戦っていたのでもう完璧なはずだ。
「ウォォォー!!」
と一気に畳み掛ける「右フック」、「左フック」でさらに態勢を崩し、顔を狙った「
「オラァァァァァ!!」
叫び、「エルボープレス」をキャンセルする動作を起こし一瞬の硬直時間の後全力で体を右回転で捻り「裏拳」を発動させ、システムに身を任せ一回転する。
弟子も不運だったかもしれない、その拳は弟子の顔面にヒットした、すると同時に俺の頭の上に《winner》と表示される。
「よっしゃゃゃゃゃゃゃ!!」
勝ちどきを上げた後は師匠からの話を聞いた後帰路に着いた、道中体術スキルを試したり、ジュース作りの材料を採ってきたりしているとかなり遅くなった。
部屋に帰ると中はシーンとしておりまだアルゴ帰ってはなかった。
「よくこんな遅くまで頑張れるよなー」
つぶやきながら材料をオブジェクト化させる。
ミキサー、自動ジューサーはあるわけないので職人クラスが作ってくれた手動ジューサーで作る、手動ジューサーの作りを知っていて、職人クラスの奴を見つけるのは難しかった。
手動ジューサーの作りは簡単で果物を入れるための容器と圧搾するためのハンドルがついていて、容器の部分に切った果物を入れてハンドルを強く握ることでてこの原理を利用して圧搾することができ、横に注ぎ口がある優れモノだ。
アイテムを10種類、1種類ごとに分けて絞る、筋力パラメーターはかなりあるのでかなり絞れる、面倒なのは皮を取り除く作業だった、容器と圧搾する部分で皮は挟まれて底に残ると思ったのだが、結構の量の皮が注ぎ口から出てくる。
まずはベースを作ってそっから美味しくしていこうと思っていた俺は10種類全て混ぜ合わせた、そうするとメロンソーダ色のものが出来上がった。
「ふん、見た目は…美味しそうだな。」
そう値踏みし一口飲んでみる。
「……うっ、ぐっ、ガァァァァァ!!!!ァヌァァァァァァ!!うっ、ガッ、ウァァァァ!!!???」
床をのたうち回り猛獣が苦しんでいるような声を出すが、本当に苦しい。
そのうち吐き気がしてくる、
「苦い!!苦い!!苦い!!苦い!!苦い!!苦い!!苦い!!苦い!!苦いーーーー!!!!」
また絶叫して倒れるとアイテムボックスが目の前に見える、それが救いの神に見える。
水を10個ほど取り出し一気に全て飲み干すと、味がしなくなる。
「ふぅ〜助かった〜。……うっ、グァァ…!!」
やはりまだ苦い、これがSAO以外のMMORPGなら強制ログアウトレベルだ。
苦みから来るストレスから逃れる以外の思考ができるようになった俺は1層しかもこの近くに美味い出店があると思い出しダッシュする、まだ開いてるということを望んで。
300メートルほど走るとそれは目に入ってきた、まだ開いてる。
「ひとつくれーーーー!!」
叫びながら出店の前に飛び込む。店のオヤジはびっくりしていたがすぐに用意してくれる。それは四角いシュークリームだった、パリパリした皮の中にクリームがある、それは味がしなかったが不意に甘い味がした。
「あぁ…美味い…」
やっと苦味の呪縛から解放された。
帰りに二つ買って行く。俺とアルゴの分だ。
今日は疲れた、前線のクエスト4つ裏付けはきつい。
重い足を引きずって部屋のドアを開ける、カー君はまだ帰って来てないようだ、情報をまとめておこうとテーブルに座ると見慣れぬ物が目に入る。
「へー、これがカー君が作ったジュースがカ〜」
色はメロンソーダのような色で美味しそうだ、一口飲みコップを置くと、数秒の無味の後ものすごい苦味が来た。
「にゃゃゃゃゃゃ!!うっっ、うああああ!!あああああああ!!」
床をのたうち回る。
部屋の戸を開けると絶叫が響き渡る。びっくりしたが数分前の自分を思い出し、恐る恐るテーブルを見る。
やっぱりさっきより量が減っている。
すぐさまアイテムボックスに走り、水を10個ほど取り出しのたうち回るアルゴを押さえつける。
「アルゴー!!しっかりしろ!水だ飲め!」
俺と同じく一気に飲み干す、がすぐに苦しい表情をする。
「にゃゃ…ううう…にゃゃ…」
そこであの四角いシュークリームを食べさせると。
「美味いナ〜」
「助けてくれてありがとナ、でもジュース作りってそんな難しいのカ?」
「いや俺が悪いと思う、10種類全部一緒にしたからな」
「道は険しいナ」
「今度は一種類ずつ作って見るよ、それはともかく、美味い食べ物買ってきたぞ…ってアルゴの分もう無い!」
「え〜カー君ひどいナ!」
「違うって!アルゴがさっき食べた奴がそれだったんだ!…まぁ…半分ならあげるから…」
なぜか照れくさくなった。
「ありがとナー!!」
と言って半分にしたシュークリームをすぐ食べ終わる。
その後少し話すといつの間にか情報をまとめるのを手伝う流れになっていた。
「アルゴ〜寝かせてくれ〜」
「後少しなんだから頑張りナ!」
そんな俺に起きろと言わんばかりの頭の中に着信音がなり響く、ディアベルからだ
「ディアベルからということは…」
「どんなメールダ?」
「明日は第二十五層ボス攻略会議だ」
次こそは第二十五層攻略です。頑張って戦闘描写多めにしょうと思います。