ソードアート・オンライン〜英雄の影に英雄あり〜 作:静かな人
朝5時に頭の中でアラームが鳴り響く。一層から15層に引っ越してきて初めての朝を迎える。
アラームを止めて、緑色の七部袖の革装備をしてその上に迷彩柄の薄いながら防御力が高い胸当てを付け、動きやすい濃い緑色のレギンスで覆う形でこれまた緑色のブーツを履く、これだけ緑でも《鬼神》の二つ名は消えない。
最後に左手に「ザ・ナックル」と言うゲームの中間で初心に帰ったような名前だがかなり使いやすい。腰に青龍刀「
昨日から用意していたパンを食べながら、まだ寝ているアルゴに
「行ってきま〜す」
と気の抜けた言葉をかけ、外に出る。
今は四十九層までクリアされているので攻略のために転移門で、転移・ミュージエン、と言うところだが今日はレベリングのために
「転移・フローリア」
と四十七層を指定する。
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「アリの谷」と名づけられたそこは名前負けせずにアリが大量に出てくる場所である。そこのアリは攻撃力こそ高いもののHPがそこまで高くない、簡単な相手である、しかも大量発生と言う事で今大人気のレベリングスポットなのである、だから1グループ1時間の決まりを設けている。俺はその待ち時間が嫌いなゆえにこんな早い時間帯に出てきたのである。
そのため早く出てきたが先客がいた。赤いバンダナを巻い奴を筆頭に6人の集団が。
「おーい、クライン!!」
全員が振り向きこっちをみる
「おお、カイじゃねーか!」
「なあ、俺も混ぜてくれないか?俺がタゲ取り続けるから、あとこの人数なら女王アリも倒せるし!どうだ?」
「女王アリか、一回倒してみたかったんだよ!リーダーいいだろ?」
ギルトメンバーが聞く
「みんないいな?…よし、よろしく頼むぜカイ!」
「おう!よろしくな!」
パーティーは組まなかったが仲間に入れてもらいアリの谷の入り口に入る。
そこには俺たちより早い先客がいた。
俺は疲れ果て安全地帯の床に倒れ込んでいると何人かが入ってくる。だがそれはバンダナをつけた見慣れた顔でポイ、とポーションを投げてくる。その後ろにはこれまた見慣れた顔がある。
「最近、無理なレベリングしてるらしいな。今レベルは?」
とカイ。
「今日で69だ」
「まだ前のギルトとこと気にしてんのか、もう半年だぞ」
とクライン。
「それを言えばまだ半年だ」
「蘇生アイテムなんてガセだ。ガセに命がけになってどうする?」
「本当にそうだよ。十中八九ありゃガセだぜ。」
「それでも行かなきゃならいんだ。」
「場所の検討は?」
「一応はついてる」
「アルゴより早いとは恐れいるね…」
「そうか…俺はそろそろあっち見てくるわ、あいつらドジしそうだし。」
「キリト、絶対無理すんなよ」
カイが忠告してくれるが俺の意思は変わらない
ーーーおい、女王が出てきたぞ!!
ーーーよっしゃー!行くぞ!
そんな声を後ろに聞いているとサチの死ぬ瞬間がフラッシュバックしてくる
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12月24日
俺はアルゴからおつかいを頼まれている。だが簡単にものを買ってくる仕事ではなく、クエストの裏付けだ。
報酬は1万コルとアルゴの攻略本だ、攻略本はその層のmobの攻撃パターンから美味しい店まで網羅しているので攻略組といえど欲しい者は多いだから前線付近では500コル、その金で中層には無料配布だ。
一層ではボスの攻撃パターンが違ったので一旦作ってはいなかったが、十五層から作るのを再開したのだ。もちろん裏付けもして。そして最近信用されてきたのか、攻略とかの帰りにクエストを頼まれる。少し嬉しさを感じながら帰ろうとした時右上にメールアイコンが光る。アルゴからだ
「急いで戻って来てくれ、49層のミュージエンのクリスマスツリーの下で待ってる」
あいつが急いで戻ってくれとは、どんな事態だろうと考えてみるが思いつかない。まあ、緊急事態ぽいのでどちらかというと敏捷力振りのバラメーターを全開にして走り出す。
6時くらいにミュージエンについた。
「遅いゾ!」
急に呼びつけたアルゴが怒っている
「お前な!ほとんどmob避けて来たんだからな!目の前にいたら速攻切り抜けて、追いかけて来たら反応圏内をどうにかくぐり抜けて来たんだぞ!!」
「まぁいい、それでだナ。キー坊ってイベントボスにソロで行こうとしてるだロ、オレっち、キー坊に死なれると困るからキー坊を説得してくれないカ?これからキー坊は情報を買いにここに来るから説得してくれ、カー君が来ることは伏せてあル。」
俺の頑張りを『まぁいい』で済まされた気がしてイラッとくるが聞き返す
「キリトを?」
「キリトを」
とこの時はカタカナにならずオウム返しだ。
「そうか、俺もあいつに死なれちゃ困る」
そんな会話をしていると表情まで黒ずくめの男が歩いてくる。
「カイ、今日はなんで…?」
質問には答えられないので濁す。
「まぁまぁ、ここ座って」
と言いながらベンチを勧めアイテムストレージを操作し温かい飲み物を二つ取り出し、アルゴとキリトに渡す。このジュースはホット用に作った物で【マズかったら1万コル】の条件でアルゴに味見してもらい『温かいバナナジュース』との好評をいただいた。
キリトがジュースを飲むのを固唾飲んで見守る……………ノーリアクションだったとりあえず飲める範疇だったということで自己解釈で心の中でガッツポーズする。
どんな味だったか聞きたかったが、近くで見るとより一層暗い影を顔に落としいるので聞き難い
「何か情報はないのか?」
「いくつかあるけど金が取れるものはないネ。」
「情報屋の名が泣くぜ」
「βテストにはなかったクエストだ、今日の12時モミの木の下で「背教者ニコラス」が現れル…マジでソロで行くつもりかヨ?」
いまだ!!と言わんばかりの目線をアルゴが温かいバナナジュースを飲んでる俺に向ける。
「キリト、やめたほうがいい、あんなの大方ガセだ、仮に見つけたとしても、強いに決まってるだろう!死ぬぞ!」
「死んでもいい…」
ボソッとつぶやいた一言なのにかなりの重みを感じる
「キリト…お前が『死んでいい』なんてよほどのことがあったんだろう…もう俺は止めねーよ、生きろよ!」
「ご馳走様」
と俺の手にジュースを飲み終えたコップを起き去って行く。
「バカヤロー!!」
と頭を叩かれる。
「うぉ、うぉ、うぉ、っとあぶねーだろ!」
とコップを落としそうになるが持ちこたえる。
「何が『死なれちゃ困る』ダ!賛成してるだろーガ!」
「いや、だってさ〜」
弁解するとアルゴが走り出す。
「ちょ、アルゴどこ行くの〜!」
走り、追いかける。
「転移・ピグルアー」
と俺に聞こえる声で叫ぶ、俺もついていく。
その後は圏内を抜けある村の一角に入る、敏捷値極振りのアルゴに徐々にされていったが見失うことはなかった
「アルゴ入るぞ〜」
とドアを開けると視界が真っ白になり倒れる、そして美味い。
状況判断に時間がかったが大体予想できる俺はアルゴに『パイ投げ』をされたのだ。圏外だというのにかなりの勢いだった。何より誰が作ったかだ。
「アルゴこれ誰が作った!」
パイを拭いながら聞く
「知り合いの料理人ダ」
と笑いながら答える。
その後は知り合いの料理人が作ったクリスマス料理を食べ家に帰ったが心残りがある
「アルゴ!やっぱりキリト助けに行くぞ!!」
「えー?行くのカ?」
「ああ、お前も死なれちゃ困るだろ。」
「じゃ行くカ」
心残りを消すため出発する
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三十五層・迷いの森
追跡スキルを使いキリトを追う。キリトまでもう少しのところで西洋の騎士と和の武士が乱戦していた。
「アルゴ…あいつらは」
「《聖龍連合》ダ。」
バンダナ男がつばぜり合いをしていたのでその相手を体術スキル「反転脚」の後ろ回し蹴りで吹き飛ばす
「クラインこれはどういう状況だ?」
「キリトを助けに来たんだが、つけられてな、俺たちが食い止めてんだ」
「アルゴ、投剣スキルはいくつだ?1000コル払う」
「400くらいダ。お代はいらないヨ。」
「じゃ、これを使え。」
とアイテムストレージを操作しアルゴに渡す。
「【パラライズピック】×60と【パラライズクロー】×2?」
「その名の通り麻痺ピックと麻痺クローだ。俺があいつらの防具を潰す。そこを麻痺で仕留めてくれ。」
全ての会話を手短かに済ませ騎士40人対武士6人の中に乱入する
クラインが相手をしていたやつの胴に向かって「毒斬」を食らわせる。残り47%「断鉄」で敵の防具耐久値を0にする。すぐさまピックが飛んでくる。アルゴを見て視線で「グッジョブ」と送ると次の敵に斬りかかる。
次はソードスキルを使ってきたので突進系青龍刀スキル「
この後は大乱戦だったがどうにか勝った、麻痺させたのが15人くらいで戦意喪失して、いくらか帰っていった、残りはリーダーの剣を壊すと逃げていった。
皆座っていて休憩したい衝動に駆られるが友のことが気になり走り出す。
キリトは不気味なサンタクロースと戦っていた。子供の時に見たら間違いなくトラウマもののサンタクロースと。
「キリトー!!」
叫ぶ。
「来るなー!!!」
怒気を含んだ声だった。
「これは!俺一人でやらなきゃいけないんだ!」
共闘は無理らしい。
「死ぬなよ!!!」
そう残し去っていく。
元の場所に戻った俺はアルゴに
「帰るぞ」
と一声だけかけて帰っていく。
その後キリトは生還した。死後10秒なら復活させれる蘇生アイテムを持って。
この世界の命は軽すぎる。右上のHPバーが消えるだけ。そんな簡単に死んでしまうなら、簡単に復活できてもいいじゃないか。茅場晶彦への怨みを募らせる
なんか最後らへんおかしい、戦闘描写テキトーですいません、次はシリカが出てくると思います。だぶんカイはシリカとほとんど話しません、影になると思います