「助けて死にゲーの新作に転生したの!!」「黙れマゾヒストのおっさん!!」   作:マゾ屋ーっ!!

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完結作がないので初投稿です


失神したら転生してたの!!

 ──どぉおおおおおおおおおおん──

 

 そんな重い音が脳内に響くような気がした。

 どうやら俺は地面に倒れているようだ。そういえば、先日は48時間ぐらいぶっ続けで死にゲー「デッドオブアソウル」をプレイしていたっけ。気を失うのも無理はないか。

 

 なぜ俺がそこまで根を詰めてゲームをやっていたか。

 

 それはファンである「クロムソフト」が新作の死にゲー「ブラッドオブダークネス」をようやく明日発売すると聞いたからだ。言うならば腕鳴らし。「デッドオブアソウル」をとりあえず三周ぐらいしようと思っての蛮行だった。人間嬉しくなると変なことやっちゃうよね。

 

 しかし仕方ない。「クロムソフト」の生み出す超絶難易度のゲーム……いわば死にゲーは、まさに芸術と言って良いのだ。極めてハードな世界観、理解しづらい難解な設定、不親切なチュートリアル、そこから放たれる三桁死んでも足りないんじゃないかとぐらいの超絶難易度……。

 

 ……自分で言っててなんでこんなゲームやってるんだという気になった。

 でもその超絶難易度をクリアした時に出る何かしらの成分は脳を灼くのだ。またこのゲームをやろうという気にさせてくれる。ドーパミンってやつである。

 

「ともあれ、ここは……俺の部屋じゃないよな……」

 

 見た感じ、何かしらの廃墟にいるみたいだ。

 ひび割れた壁、土の露出した地面、修道女のような骸骨。

 ……骸骨? 明らかにおかしいな、うん。もしかしてまだ夢の中にいるのか?

 

 夢ならば問題ない。ひとまず骸骨を調べてみよう。

 なぜってクロムの死にゲーならば必ずそうするだろうからだ。

 

 おっ、なんか色々荷物があるな。片手剣に盾、それからポーチに回復役か……。

 血で描かれた遺言のようなメモもある。

 

『黒き血を求めよ──さすれば世界は救われる』

 

 …………なんかクロムっぽいメモだな?

 でも「デッドオブアソウル」の導入はこんな感じじゃなかったはずだぞ?

 

 つまり、あ~~~なんだ……?

 もしかして俺、新作である「ブラッドオブダークネス」の夢を見てる? 

 

 ……まぁ発売前のPVとか穴が開くほど見たからな。

 脳内で架空の「ブラオダ」を生み出してしまっても仕方ないのかもしれない。

 となればこの夢を思いっきり楽しむとするか。

 

「いやっほぉおおおおおおおおお!! 俺はブラオダの世界に転生したんだぁあああああ!!」

 

 ドォオオオオオオオオオオオオオオオン!!

 さっそく廃墟から出ると、中央広場みたいな場所に出た。

 ……のはいいけれど、初期ボスみたいなのまで出てきちゃったね、これね。

 

 なんていうか龍をモチーフにした鎧を装備した騎士……。

 竜騎士って感じ? 手に持っているのは斧槍──ハルバードだな。

 

「あっ、第一村人さんですか……?」

 

 ……返事なし。そのままこっちに向かってくる。

 クソっ、やってやる!! こちとら何千時間もクロムゲーやっとるんじゃあああああ!!

 

 うおっ!? 横薙ぎの一撃ッ!!

 

 あぶねぇ、思わずローリングで避けてしまった。けっこう体が機敏に動くね。まるでゲーム内みたいだ。ニートで、ろくに運動もしていない俺からすると、まるで生まれ変わったみたいである。もっとも俺の夢なんだから、それぐらい好きに動いたって文句はないだろう。

 

 ともあれ、何回もは避けられない。今のは運が良かっただけだ。

 なんて言ってたら一回、二回、三回と振ってきた!! 俺は盾でなんとかそれを弾き、のけぞった勢いで背後へとローリング。そのまま二撃目、三撃目を避けることが出来た。

 

 やばいな……!! マジで勝てる方法が浮かばねぇ!!

 まぁクロムの初期ボスって死にイベントだもんな、うんうん。

 

「うぉおおおお!! 喰らえっ!!」

 

 とにかくヤケになって片手剣で一撃を見舞う。

 ガギィン、と鈍い音がしつつも俺の一撃は、騎士の肩部分をひしゃげさせた。

 おお、けっこう効くじゃん。これなら繰り返していったら倒せそうだな……。

 

 だがパターンが変わったようで、今度は天高く飛翔した。

 とてつもないジャンプ力である。……いや、それだけじゃない!!

 

 飛んだってことは落ちてくるってことだよ!

 実際、空を見上げたらハルバードを構えて落下してくる……!!

 

 くっ、一か八か奴の勢いを利用する……!!

 俺は剣を両手で構え振りかぶる。そう落ちてきたところにぶつけて威力を利用する作戦だ。

 もちろん俺も無事ではすまないだろうが、どうせこれは夢だ。

 

 つまるところ死んだって文句はない。ならいけるはずさ……!!

 さぁ、来い!!

 

 めぎゃっ。

 そんな鈍い音がして、どちらが潰れたかはわからない。

 まず間違いなく言えることは俺の意識はそこで一度途切れたってことだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 …………

 ……………………

 …………………………………………

 

「おお……どうした、ブラム」

 

「ほう……? 漂流者か」

 

「まさか渡ってすぐ竜騎士を屠るとはな……」

 

「ふむ」

 

「面白い」




◆用語◆
クロムソフト     :超絶難易度の死にゲーばかりだしている会社。バランスが絶妙。
デッドオブアソウル  :クロムソフトの出世作。3まで出ているが1が至高と言われている。
ブラッドオブダークネス:クロムソフトの新作。その内容は謎に包まれている。

ふぉふぉふぉ、こんな感じで短めに
連日投稿していくんじゃよ……
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