オリキャラしか出てきません。
特に読まなくても大丈夫だとは思います。
俺は今死にかけている。
散々里の外には強いモンスターがいるから魔法を覚えるまでは出てはいけないと言われていたのに。
俺はそのことを無視して好奇心で里の外へと出ていった。
体が重い。
足と腕には切り傷があり、服はところどころ焼けこげている。
後ろからはモンスターが迫ってきている音がする。
里まではまだまだ距離があり、モンスターとの距離はもう数メートルしかない。
もうダメかもしれない。
そう思った時、心が沈んでしまったからか、足が木の根にひっかかってしまった。
モンスターと目があった。
その時だった。
俺の目はモンスターに飛びかかった影をしっかり捉えた。
次の瞬間、モンスターは呻き声を残して動かなくなった。
俺はとあるものから目を離せないでいた。
紅く輝く、不思議な形をした剣に。
気づいたら、俺は立ち上がっていて、その剣を持っている人の目の前まで行こうと歩いていた。
その人もまた、こちらへ歩いてきて、口を開いた。
「大丈夫か?いや、ケガだらけじゃないか!」
「全く大丈夫です。そんなことより、今の技を教えてください」
「え?今のはこの刀がないとできなくて...」
「刀!その不思議な形をした剣は刀っていうんですね!なんだか不思議としっくりきます」
「おお、いい反応だね。それよりもこの回復ポーションを使いな。たぶんケガも治ると思うから」
そう言って、ポーションを渡してきた。
俺は一気に飲み干す。
「ありがとうございます。とても体が軽くなった気がします」
「そうか。それはよかった。ところでなんでこんなところに?あ、その紅い瞳、紅魔族?」
「はい」
「そうか、良かった。じゃあ近くに紅魔の里があるんだね。そこに案内してもらえないかな?えーと、そういえば君、名前は?」
「あおあおです」
「......それはあだ名かな?」
「本名です」
「.........そ、それじゃ、あおあお君。紅魔の里まで連れて行ってもらえないかな?」
「わかった」
そう言って、俺は紅魔の里まで向かい始めた。
逃げ回っていたが、通った道はすべて覚えているので迷う心配はない。
そして、紅魔の里が見えてきたので
「刀の勇者さん。ちょっとここで待っててください」
「?わかった」
待たせた理由はもちろん、里のみんなに外の人が来たことを伝えるためだ。
俺は里の入口を進み、里の中心までいき
「外の人がきたよー!」
叫んだ。
そしたら里のみんながあわただしく動き始めた。
「やべー。俺のローブどこ行った!?」
「私の杖もどこいったけー?」
俺は里のみんなに伝えた後、刀の勇者のところに戻った。
「なにかあったのかい?なにやら里があわただしいようだけど」
「いつものことですよ」
そう言ったら納得したような感じで歩いてきた。
里につくといかにも普通そうに装ってはいるが同じ道をいったりきたり、こちらをちらちら見たりして、いかにも見てもらいたそうにしている。
すると、里の入口にいた大人が
「ようこそ!その人!ここは紅魔族達が住む里、紅魔の里だ!」
「これはどうも。私は魔王討伐を目指している者です。ここには仲間となってくれるアークウィザードを探しに来ました」
「ほお!外の人なのにわかってるじゃないか!魔王討伐とは紅魔族の琴線にビンビン来るよ!そんな感じで里のニートどもを連れて行くといい。やつらなら暇を持て余してるからな」
「は、はあ。ありがとうございます」
「もしお時間があるなら観光名所に行ってみませんか?この里には様々な観光名所があるんですよ。きっと楽しめますよ」
「本当ですか!では、観光名所に案内させていただけますか?」
そう言って、勇者は観光をしに行った。
俺ももちろんついて行って、いろいろ説明してあげた。
なにやら結構微妙そうな顔をしていたけど...
そして、もう日が沈んできたので、俺は勇者に助けてもらったお礼だと言って、勇者を家に泊めた。
それからの日々はとても充実したものだった。
勇者とともに里の外へ行き、勇者がモンスターを倒していくのを見る。
そのあと、里の働かない大人達のところへ出向き、勇者が一緒に旅に出ないかと誘い、ことごとく断られていくのを見る。
そんな毎日を繰り返していたある日、ついに勇者との別れの時がきた。
俺はまだ勇者と一緒に居たかったが、魔王軍と戦うというならばしょうがない。
だって、彼は勇者なのだから。
「ごめん、あおあお。そろそろ行かないといけない。仲間は誰も得られなかったが、一人でも魔王を倒して見せる」
「それだと、おとぎ話の勇者みたいになっちゃうよ?」
勇者は苦笑する。
それを見て、俺は勇者に言葉をかける。
「あなたはそうならないことなんて知ってるよ。それに、仲間は得られなかったけど、あと数年後、俺が魔法を習得できたら、仲間にしてくれませんか?」
勇者はそんな俺を見て驚いたようだった。
そして、しばらく何かを考えた後、こう言った。
「その時が来ても、もし君がまだ一緒に戦ってくれるというならこちらから頼むよ」
勇者は笑ってそう言ってくれた。
俺は最後にと、勇者に言った。
「ありがとう。その時を楽しみに待っているけど、また絶対に会いに来て」
「ああ、約束しよう。魔王軍幹部でも倒したらこの里にまた来よう」
そう言い、勇者は去っていった。
俺は勇者はどうせすぐに魔王軍幹部を倒してくるだろうと思っていた。
その時まで、俺は強くなっておこうと、修行を始めた。
とはいえ里の外には出ていない。
そして、勇者が旅立ってから約二週間がたった。
俺はその日も修行をしようと、里の中を走っていたところ、里の入口に見慣れた人がいた。
俺はその人が目に入った瞬間、一目散にその人のところへと走っていった。
どうやらその人も俺に気づいたようで、一瞬驚きながらも、俺の方へ歩いてきた。
「お帰り!ずいぶん早かったね。どうだった?」
俺が興奮しながらそう問うと、その人、刀の勇者はとても困惑したような顔を浮かべていた。
「?どうしたの?」
俺がもう一度そう問うと、勇者は今度こそ言おうと言った感じで、覚悟を決めた顔になり
「あおあお、動揺せずに聞いてくれ。まず、魔王軍幹部は倒せなかった。やつに深手を負わせることはできだが、代わりに奴の攻撃をくらってしまった」
「そ、そっか。でもすごいじゃん!魔王軍幹部に深手を負わせるなんて!」
俺は嫌な予感がしつつもそう賞賛する。
すると、勇者は告げた。
「深手を負わせることはできたが、やつは魔王城に逃げてしまった。そして、深手を負わせる際に、奴の攻撃をくらった。魔王軍幹部、”勇者殺し”ベルディアの死の宣告を」
それを聞いた途端、俺はその場にへたり込んでしまった。
「え、え?でも全然そんなことないじゃん。すごい元気そうで、目立った傷もないし...」
「死の宣告とは、相手を殺す、遅効性の呪い。王都の凄腕のアークプリーストでさえも解呪するのをあきらめた、最悪の呪いだ。あと一週間で、死ぬらしい」
俺はそれを聞いて、うろたえつつも、問いかける。
「嘘だよね。大丈夫なんだよね。だって、俺が魔法を覚えたら一緒に冒険をするって...」
「ごめん。その約束はもう、果たせそうにない。その代わりにあと一週間はこの里で過ごすよ」
それを聞いて、俺は頭が真っ白になった。
死ぬ?勇者が?なんで?
そう自分に問いかけるが何もわからない。
俺は呆然としながら勇者が歩いていくのについて行った。
それからの日々は以前とは違って充実した日々ではなかった。
以前と同じように里の外の魔物を倒してはいたが、俺の気持ちは違った。
勇者が死ぬという事を受け入れることができなかった。
そして、勇者が死ぬという前日、俺と勇者二人で部屋にいた。
なにやら勇者が俺に話があるという事らしい。
部屋に着くと、勇者はいつも里の外にモンスターを討伐しに行く恰好で椅子に座っていた。
「呼び出してすまない。大事な話がある」
そう言って勇者は話を切り出してきた。
「もうあと明日には死の宣告が発動し、この身は壊れるだろう。このままここで死ぬ予定だったが、最後の最後に多少足掻くくらいはしてみようと思う。だから、この話の後、魔王城へ向かう」
そこで一息ついた後、告げた。
「明日にはここを発つ。だから、今日でお別れだ」
「...行かないで」
「ん?」
「行かないで!死なないで!なんで、なんで、なんで!」
「あおあお...」
「なんで、死ぬの?死なないでよ...」
「あおあお、人は皆等しくいつかは死ぬんだ。それが少し早いだけのこと。この過酷な世界では簡単に長生きはできない。だから、私はできる限り他の人のためにもこの命を燃やす」
「刀の...勇者...」
「そうだ、一つ訂正をしとくのと、説明をしよう。この刀は魔刀、この世界の人には作成不可能なレベルの武器、神器と呼ばれるものだ。もし、今後私のことを呼ぶことがあったら、魔刀の勇者とでも呼んでくれ」
そこで、魔刀の勇者は一息つき、その魔刀を取り出した、
それを俺の前に差し出した。
「この魔刀を君に託す。この魔刀は私以外が使おうとすると、刀の重さがありえない程の重さになる。それこそ筋力によほど自信がないとまともに持てない。しかし、神器なだけあって、絶対に壊れないし、紅魔族にはあっている武器だと思う。君が将来これを持てるようになるかはわからない。でも、これで私の敵を討ってほしい。だから、今は私の最期くらい自由にさせくれないか?」
「っ!それだと刀を持たないまま魔王軍と戦うことに...」
「正直、刀を持ったまま魔王軍と戦っても刀を失ってしまう。さっきも言ったが、私以外に効果を発揮しないとはいえ、この刀は脅威になり得る。だから、紅魔族の君に託す。私の意志を継いでくれ!」
そのときの俺の顔はひどいものだった。
顔は涙と鼻水でぐちゃぐちゃで、泣いていた。
しかし、その顔にある目は、これまでにないほどに紅く輝いていた。
俺は両目を紅く輝かせながら、手を伸ばし、勇者...魔刀の勇者に言った。
「我が名はあおあお!刀を愛す者にして、勇者の意志を継ぐ者!!」
そこで、俺は体中の筋肉を総動員し、魔刀を持った。
その瞬間、体がつぶれそうになり、魔刀の勇者に支えられそうになったが、それを押しとどめ、なんとか魔刀を持つ。
「そして、やがて魔王軍幹部を打ち倒す者!!」
今できる精一杯の力を振り絞り、魔刀の勇者に向かってそう名乗った。
勇者の方を見てみると、勇者は笑っていた。
「その挨拶、やっぱり君は紅魔族だな」
などと当たり前のことを言ってきた。
「にしても驚いた。動かせないとはいえ、その年齢でこの魔刀を持てるとは...。君に託して正解だったようだ。頼むぞ、紅魔族の魔刀使い」
そう言って、勇者は立ち上がり、魔刀とは別の刀を持った。
そして、荷物を持ち、部屋の出口に向かった。
俺はその背中を見て、最後の質問をした。
「あのっ!」
魔刀の勇者はゆっくりと振り向いた。
「あなたの、あなたの名前を教えてください!」
そして、俺はその疑問を発した。
魔刀の勇者は少し戸惑っているような気がした。
そして、笑みを浮かべながら、名乗った。
「我が名は
初めて見た外の人の素晴らしい名乗りを見て、俺は両目を紅く輝かせながら魔刀の勇者の名乗りを賞賛した。
「アオイ...。とてもいい名前だね!!」
「そ、そうか...ちょっと紅魔族からの名前の褒め言葉は素直に受け取れないな...」
なんか微妙そうな顔をしている。
なんでだろう?素直にカッコいい名前だと思うんだけどな。
そんなことを思っていると、魔刀の勇者は、最後の言葉を告げた。
「それじゃ、これでお別れだ。って、そんな顔するなよ...」
別れと聞いて俺は泣かずにはいられなかった。
「だって、これが最後になっちゃうんでしょ?俺には、そんなの...」
「まあ、その魔刀を私の代わりにとは言わない。けどな、死んでそれで終わりじゃあないんだ。天国だってあるし、生まれ変わりもある。だから、そう悲観するな。それに、もし、魔王軍幹部を倒したら、あおあおが天寿を全うした後に、世界に貢献した功績によって私ともう一度会えるさ」
俺はそれを聞いて正直な話信じられなかった。
しかし、不思議と嘘とは思わなかった。
だから、俺はそれを信じて、前を向いて歩いて行こうと思う。
そう思った俺を見て、魔刀の勇者は満足したように歩いて、部屋を出ていった。
俺はそれを追いかけようとしたが、魔刀の重さで思ったように体が動かない。
なんとか建物から出た後、魔刀の勇者が向かっていった里の入口まで行き、里を出て、歩いていく背中に向かって叫んだ。
「魔刀の勇者ーッ!!」
魔刀の勇者は足を止めて、こちらに振り向いた。
俺は思っていることをぶちまけた。
「俺を、助けてくれて、世界のことを教えてくれて、一緒にいてくれて、この魔刀を授けてくれて」
「ありがとうーッッ!!」
その時、魔刀の勇者は一瞬、驚いた。
しかし、そのあとは笑顔で俺に向かって、
あとは頼んだよ。紅魔の魔刀の魔法使い。
そう言った。
魔刀の勇者の名前に深い意味はないです。
特に佐藤和真の血縁者とかではない、普通の佐藤さんです。
明日からは忙しくなるので、次の投稿は来月以降になります。
すみません。
物語のペースはどのくらいがちょうどいいですか?
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今くらい(少し早めかも?)
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今より早め(いろいろ飛ばしていく)
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今より遅め(めぐみんの出番を増やしたり)