これは昨日の分としてあげます。今日の分はちゃんと今日中にあげます。
第二話 この冒険者の誕生に祝福を!
気がつくと、おそらくどこかの家の前にいた。早速転生できたのか…?
あの
早速、異世界を探検しようとした時、異変に気づいた。
よくよく考えれば変だった。なぜか視界は狭いし、とても低い位置からあたりを見渡しているようだった。
最初は異世界だから周りが自分とは違い、めちゃくちゃでかいというものだと思っていたが、どうやらそんなことではないらしい。
そう、気がつくと俺は体が縮んでいた!
しかも某名探偵とは違い小学生とかいうレベルではなく、マジで赤ちゃんレベルまで縮んでいました。
え?何?ちょっと理解が追いつかない。試しにしゃべって見ようとすると、
「あぅー、うぇー」
駄目だコレ!まさか転生前にあいつが焦っていたのってやっぱり事故りそうだったからなのか!?クソ、そういえばあいつ一回も試した事無くて、手抜きで俺を転生させようとしたから事故ったのか!あのやろう!
そういえば最後の方に記憶とか命とか言ってたような…
もしかして最後にあいつが何かしらしないでそのまま転生させてたら死んでたり記憶が無くなってたりしたのか!
そうだ、俺のチートはどうなった?ちゃんとその紅魔族とやらになれたのか?正直実感が全く湧かないというか赤ちゃんに逆戻りしてるせいで全くわからん。
まあいい、だいたい現状は把握した。いや、そんなことないけど。
全くわからん。
どうすんの?俺これからどうすればいいの?また一から人生やり直しちゃうの?
その時、急に空から紙がひらひらと落ちてきた。
その紙には
【ごめんなさいね。私は悪くないと思うんだけど、一応謝っておくわ。今何が起こったかよくわからないだろうから、私が説明してあげるわ!えっとね、あなたを転生させる時に、ちょこーっとだけ不備があったみたいで、能力を付与したり、送る時間軸がパーになっちゃって、どうやらあなたを送ろうとしていた16年前に送っちゃって、その影響で16年前に若返りしちゃったみたいなの。この手紙はあなたの転生と同時になんとか一緒に送れただけで、その時間軸に私はもう影響できなそうなの。怒られちゃうから。でも安心して!最後の最後で私の素晴らしい機転が発揮されて、無事に記憶と命は守ったから!場所も安心しなさい。ちゃんとモンスターに襲われないように紅魔の里の誰かの家の前に送ったから!これで親切な人に拾ってもらえるわね。えーと、あとはあなたが選んだチートなんだけど、まあ、これがね?流石の私といえどね、ちょっと完全に紅魔族にするのは難しかったみたいでね、あの短時間で命と記憶を守っただけすごいと思うの!だからね、ちょっと言いにくいんだけどね?紅魔族って黒髪紅目で、体のどこかにバーコードがあって、高い知性と魔力を兼ねそろえていて、さらに中二病なんだけど、あなたは茶髪で、知力は元のままの魔力がちょこっとだけ高い中途半端の紅魔族になっちゃったのでした!でもね、安心して!一番大事な見た目の方はなんとか似せてみたから!黒髪は茶髪だし似たようなものでしょ?それで目の色なんだけどね、片方だけ紅目にできたから。こっちの方がかっこいいんじゃない?良かったわね!あとおまけの方はいじるのが楽だったから、おまけのスキルポイント50を100にしてあげたから!まあ、そういうことだから私は頑張ったの。だからね、あなたもこれから頑張ってね!それじゃ、願わくば、数多の勇者候補の中からあなたが魔王を撃ち倒すことを願っています。まあ、成長するまで無理だしできるわけないと思うんだけど。一応言っておく決まりだったから。じゃあ最後に一応、もう一度だけ謝っておくわね。ごめーんね! 水の女神アクアより 追伸:この手紙は10分後に消失します】
ふざけんな!つか手紙長えよ!よく短時間でこんなん書けたな!って、そうじゃなくて。
マジでやりやがったなあのクソ女神が!
何が若返っただ!赤ちゃんに戻ったわ!
チートは中途半端でおまけの方増やして、見た目だけこだわりやがって!あと紅魔族って中二病なの?聞いてないんだけど。
つか一回もしたことないってことと、中二病ってことを聞いて入れば絶対これ選ばなかったのに!
ふざけんなよマジで!
はあ、まあ心の中で騒いで、キレてもどうしようもないし、誰か親切な人に拾ってもらうのを待つしかないか。
できれば美人な人で、可愛い妹がいる家とかがいいな。
あ、今は俺が0歳だからその場合は姉になるのか。
まあどっちでもいいしこれからできたらいいな。
というか今、夜だけど大丈夫かな?まあ別に一晩くらいどうってことないよな。
気長に待つとしますか。
〜1日後〜
あれ?誰にも拾ってもらえずにまる1日経ったんですが?
と言うかこれ、家の前とか言ってたけど家と家の間のところだから!
いや、人によっては家の前っていうとらえ方もできなくはないかもだけど。
これだと見つかりにくいから拾ってもらえるかわからないんだけど。
あと、お腹空いてきたし、もう眠くなってきたわ。
もう誰でもいいから拾ってください。
ご飯をください。
あれ?誰かがこっちに気づいたような…
あ、こっちに向かってくる!
けどもう眠い。限界だわ。
ここで俺の意識は闇に落ちた。
〜10年後〜
俺の名前はカズマ。
10年前、とある駄目神のせいで0歳児になり異世界転生をした者。
あいつはマジで許さない。
いつか絶対に復讐してやる。
そして、転生直後に誰にも見つからず、ひっそりと飢え死にしそうなところで、ゆいゆいさんという方に見つけてもらった。
ゆいゆいというのは本名です。
本人が言ってましたから。
今になって分かった事だが、ゆいゆいさん家は貧乏だから俺を養えるはずもなく、どうやら俺が送られたところの家の人に引き取られた。
そこは靴屋だったらしくて、そこに拾われた。
ちょうど年が近かった靴屋の倅のぶっころりーとゆいゆいさんのとこの娘、めぐみんが俺の2年ちょい後に生まれて一緒に育った。
ぶっころりーというのも本名です。
同じくめぐみんというのも本名です。
というか紅魔族の人達はみんなこんな名前です。
そこで俺も名付けられそうになったが、超大暴れして、ギャン泣きして、死ぬ気で頑張ってカズマカズマと伝わるまでずっと叫びまくっていたらなんとか伝わったようでカズマになった。
どうやらカズマという名前も紅魔族的には結構ありらしい。
解せぬが、変な名前をつけられるよりかは何千倍もマシだ。
そんなこんなで数個上のぶっころりーと2歳下のめぐみんと育つこと早10年。
俺は10歳になった。
紅魔族は12歳になると学園に通うことになっているが、その前に冒険者カードは各自のタイミングでもらえる。
ぶっころりーはもう卒業していて、何やら同級生のそけっとが気になっているようだがそんなことはどうでもいい。
ついに、ついに、ついにやっとここまで来た!長かった。
早10年とか言ってるけど普通に長かった。
0歳に若返ったせいで精神年齢的にはもう26歳くらいなのか?
でも、普通に10歳になるまで年相応の遊びとかしまくってたから全然そんなもんじゃなく16歳で止まっていると思っている。
今まで親に冒険者カードを欲しいと何度もねだって見たが、10歳まで待ての一点張りで手いれられなかった。
それで、10歳になったのでついに冒険者カードを手入れられるということ。
そして、冒険者カードを手に入れられるということは、ついに魔法とかが使えるようになること!
この10年ただただぶっころりーやめぐみんと遊んでいただけじゃない。
本当だよ?
ちょっと心まで若返ってみて遊んだりした時もあったかもしれないけど。
それで、この世界のことについて調べて、冒険者というものがどういう職業なのかも調べた。
調べなかったら色々常識が無くて馬鹿にされていたかもしれない。
そして、俺は転生前の日本の記憶があるため、それはもう小さい頃は話すのも読み書きも早かったから、色々とちやほやされたものだった。
でも、俺は転生前は生粋のゲーマーだった。
だから、せいぜい義務教育くらいの知識しかないし、まともに勉強なんてしてなかったので、中学の半ばまでくらいしか勉強はやってない。
豆知識とかどうでもいいことは知ってるんだけどな。
なので、高い知力を誇る紅魔族にすぐに抜かれた。
その時の俺の心には計り知れないダメージが入った。
俺の16の知識は10歳もいかない子供に負けるのかと。
しかし、転生前の記憶のおかげで学園の図書館を使えたから情報収集は簡単だった。
そして、どうやら冒険者というものには職業、つまるところのジョブというものがあるらしい。
冒険者や戦士、魔法使いにプリースト、実に色々な職業がある。
さらにはそれらの上に上級職というものがあり、ソードマスターやルーンナイト、クルセイダーにアクウィザードなどがある。
そして、ここは紅魔の里。
高い知性と魔力を持った紅魔族達が住む場所で、紅魔族全員がアークウィザードになるという素晴らしい里!
今までただの末期の中二病患者達が住む痛い里と思っていたが、それはそれ、これはこれ。
俺も中途半端だけど一応紅魔族の一員だ。
アークウィザードになって魔法を使いまくって、無双してやると意気込み、紅魔族ローブを羽織って外に出た。
「俺の伝説が今、始まる…」
「カズマカズマ。何が始まるんですか?」
「うおっ!って、なんだめぐみんか…。驚かせるなよ。ちょっと今のは無かったことにしてくれ」
コイツはめぐみん。俺を見つけてくれた恩人ゆいゆいさんの娘で、俺の幼馴染である。
美少女だけどまだ8歳の子供だから、俺の守備範囲外だ。
それに、めぐみんの家系は代々慎ましいので、俺の好みとは違う。
俺は断じてロリコンではない。
「おい。今何か失礼な事を考えていなかったか?」
「い、いやー、そんな事ないよ。それで、今日は冒険者カードをもらう日だろ?」
「露骨に話をそらしましたね。まあいいでしょう」
ふー、危ない危ない、めぐみんが追撃してこなくて助かった。
コイツは何かと鋭いところがあるからな。
「確かに今日はカズマも冒険者カードをもらえるんですよね。そのオッドアイのカズマが覚醒する時がついに来ましたか…」
「おう。まあ覚醒というわけではないが、ついに来た!という感じではあるな」
ついに魔法が使えるのだ、ついに!
俺がわざわざこのチートを選んだのは魔法がつかえるから!
冒険者カードで魔法を覚えないと使えないから、今まで使えなかったが、それも今日で終わりだ!
見たことがあるかについては、里の大人達が魔法を使っていたところを何度か見ていた。
が、正直なところ、一方的に魔物達を蹂躙していっただけなので、あまりテンションが上がったりはしなかった。
一方的な蹂躙じゃなくて魔法対決とかを見たいんだよなぁ。
「そうですか。カズマは紅魔族っぽくないところもあるのでアークウィザードになれるか心配です」
「問題ないだろ、多分。確かに俺は親がわからないからな。紅魔族じゃないかもしれないし。めぐみんも俺と一緒にもらうんだろ?」
「はい。カズマと一緒にもらいたいなと思っていましたから」
実際、親は紅魔族じゃなく、生粋の日本人なんだが。
「おっ、早速ついたな」
そうこうしてるうちに、冒険者カードを受け取る場所に着いた。
ここで俺の隠された才能が発揮されて、周りが騒然となるんだよな。
「カズマよ、よく来たな。ついにこの日がやってきたか…お前のオッドアイが覚醒する時が…」
着いたらぶっころりーが話しかけてきた。
「おう。めぐみんと同じこと言ってるな。マジで今日は楽しみすぎて12時間しか寝れなかったわ」
「十分寝すぎじゃないですか。もしかして、ついさっきまで寝てたんですか?」
「もちろん」
「本当に兄弟揃って呆れますね…。もう昼過ぎですよ。カズマはぶっころりーみたいなニートにならないでくださいよ?」
「俺はまだニートじゃない。来るべき決戦の時に備え、常日頃から英気を養っているだけだ」
まだって事は将来的になる予定があるのか。
「安心しろって、ぶっころりーみたいなニートにはならないよ」
ぶっころりーみたいじゃないニートにはなるかもしれないが、俺は働いて金持ちになったら働かないだけだ。
働いていたのだからニートではないと言えるだろう。
「そんなことよりさっさと冒険者カード貰おうぜ」
「それもそうですね。こんなニートの相手なんかしてる暇ありませんでした」
「だから俺はまだニートじゃないって」
ニートがなんか言ってるがそんなことより冒険者カードだ。
「ふっ、とうとうやって来たか…お前達が真の紅魔族として覚醒する時が…そこの能力を見通す水晶に己の封印されし能力を解き放つべく手をかざせ」
「わかった。これでいいか」
「それでいい…さて、ステータスは…」
ちょっと緊張してきた。
本当にアークウィザードになれるよな?
この時、俺は忘れていた。
最初にアクアからもらった紙の内容など10年も経てば全て覚えていられるはずもないことを。
もはや転生時に事故って若返ったことだけが間違いだと思っていたのだ。
「さて...カズマの封印されし能力値は…なんだと!?おかしいぞ?こんなステータス…」
「え?なになに?俺のステータスってもしかしてそんな高すぎた?ごめんな、ぶっころりー。俺はどうやら百年に一度の天才だったようだ」
俺が調子に乗ってそう言っていると
「いや、違う。お前だいたい平均的だな。知力と魔力が高いだけだぞ。この程度だとアークウィザードにはなれないな。お、幸運値が今まで見たことないくらいに高い。これなら紅魔族随一の幸運の持ち主と名乗れるな」
「おいおいカズマ、お前さっきあんなこと言ってたけどなんだよ。俺でさえ上級魔法を操るアークウィザードだぞ?だからさっきニートと言ったことを取り消せ。俺はまだニートじゃない」
ぶっころりーが何か言ってきていたが、俺にはそんなことが耳に入らないほどに落ち込んでいた。
それと同時に10年前のアクアの手紙の内容を思い出した。
【ちょっと完全に紅魔族にするのは難しかったみたいでね、あなたは茶髪で、知力は元のままの魔力がちょこっとだけ高い中途半端の紅魔族になっちゃったのでした!】
「あのクソ女神めー!ふざけんな!」
「あの、カズマ、落ち着いてください。大丈夫ですよ。ちょっとショックだったのはわかりますがそんなことでみんなカズマのことを見捨てたりしませんよ。ほら、アークウィザードになれなくても、他にもっといい職業が、職業が…ありませんね。最弱職と呼ばれている冒険者かアークウィザードの完全下位互換であるウィザードくらいしかありませんね…」
「うわあああああああああああ。聞きたくない。聞きたくない。そんなこと聞きたくなあああああああああああい!」
あー、終わった。俺の冒険者人生が…
「ま、まあ元気出せよ。他に隠されし才能があるんじゃ…ってお前これすごいぞ!スキルポイントが最初から100もあるぞ!」
「本当です!すごいですよカズマ!これならどんな魔法も詠唱さえ覚えればすぐに取得できちゃいますよ!」
そういえばあの駄女神はおまけでスキルポイントあげるって言ってたっけか。
そんなものいいからアークウィザードにさせてくれよ…
「まあ、放心状態のカズマは置いといて。めぐみん、お前も一緒にもらうんだろ?なら封印されし能力を解き放つべく、その水晶に手をかざせ」
めぐみんが水晶に手をかざすと
「んー、どれどれ…って、すごいぞ!知力は紅魔族平均より高いし、魔力は過去一の高さだ!他にも力も高いぞ!これは100年に一度の天才だ!」
「ふっ、我が封印されし能力は簡単に他を圧倒してしまったようですね…天才とはいつの時代も孤高なものなのです…」
どうやらめぐみんは100年に一度の天才だったようだ…。
俺は軽く引きこもりそうだ…
「そうか…よかったなめぐみん... 天才さんは孤高だから1人でも大丈夫なんだろ。俺はちょっと引きこもるから…。昔の一緒に冒険者になるってのは無かったことにしてくれ…。お前なら1人でも戦えるだろ…俺はウィザードだと完全下位互換だからもう冒険者でいいや。じゃあな…」
俺は職業を冒険者にして、冒険者カードを持って数日間くらい家で引き篭もろうとした。
そしたら、めぐみんが腕を掴んできて
「ちょっと待ってください!引きこもらないで元気出してください!さっきのはただ言ってみたかっただけなんです!それに、冒険者は最弱職と呼ばれていますが、全ての職業のスキルを使えるという利点もありますよ!他にもレベルは上がりやすいし、レベルが上がればもしかしたらアークウィザードに転職できるかもしれません。私はアークウィザードですけど、魔法系のスキルしか覚えられませんから」
「ありがとうめぐみん。慰めてくれてるんだよな…。気持ちは嬉しいが余計に心に刺さる…」
「まあ、その冒険者が最弱職って呼ばれる所以なんかは、どのスキルも使えうけど、職業補正がつかないから本職に及ばないっていうただの器用貧乏なだけなんだがな」
その言葉が俺のガラスメンタルを粉々に砕き割った。
俺は倒れかけたところをめぐみんに支えられた。
「ちょっ!カズマ、大丈夫ですか?一旦今日はもう帰りましょう。ほら、カズマの家に行ってぶっころりーのお菓子でも食べながら遊びましょう。ほら、行きますよ」
「ちょっとめぐみん!今俺のお菓子を食べるって言った?俺の隠してるお菓子の事なんで知ってるんだ!?誰にも言ってないし、食べているところを見られたこともないのに!あ、ちょっと待てよ!」
そんな言葉も俺の心には届かず、めぐみんに引きずられながら家に帰っていった。