俺は家に帰ったあと、荷物をまとめて、さっき買った剣を持って、外に出た。
周りを見渡しつつ、誰もいないことを確認した後、俺は剣を鞘から抜いてみた。
「おお...!」
おっと、思わず声が出てしまった。
正直なところ今すごく気分が高ぶっています。
だって、せっかく異世界に来たというのに、どっかの駄目神のせいで、どういうことか若返りをして、ようやく冒険らしいことをできるようになったんだ。
それに、男子はこういう剣とかに憧れるものだ。
修学旅行の時も、お土産を買う時間になったときに、男子はだいたいみんな特に意味もなく木刀とかを買っていただろ?
だから、こうなってしまうのはしょうがない、だってみんなそうなるんだから。
俺はそうやって誰かいるわけでもないのに、心の中で言い訳をしていると、急に後ろから声をかけられた
「おい、なにしてるんだ?」
「うおっ!?」
思わず、びっくりして声を出してしまった。
「なんだ、カズマか」
どうやらさっき会ったあおあおだったようだ。
「おい、驚かすなよ。びっくりするだろ」
「悪いね。普通にもう夜になりかけているのに挙動不審で、剣なんかかかげていたもんだから。それで、どうしてこんなところにいるんだ?」
「っ!?...い、いや特になにもないけど?そ、そう、さっき買った剣の試し斬りでもしようとしていたんだよ」
危ない危ない、危うく俺が剣に憧れていたので、特に意味はないですなんて言えないからな。
「へー、そうか。なら一緒に行くか?俺もいまからちょうど日課があるんだよ」
「日課?」
なんだろう、その時、俺はあおあおが腰に刀を差してるのに気が付いた。
「そうそう、いつもこれで森の魔物を狩ってるんだよ。レベル上げのためにな」
「へー。って、それって大丈夫なのか?いくらその刀がすごそうでも里の周辺の魔物は結構強いだろ?」
「いや、問題ない。それよりも、この刀の良さがわかるか!いやー、なかなかにいい目をしてるな。それじゃ、俺がこの刀についていろいろ説明してやろう」
とか言って、なんか勝手にペラペラと説明しだした。
さすが紅魔族随一の刀愛好家だわ。
長くなりそうだったので、聞き流しながら、
「あ、悪い。用事を思い出したわ。急な用事だったから早く行かないと!それじゃまたな」
「あ、待てまだ話は始まってすらいないぞ。この刀の手に入れた経緯はだな...」
まだ続けようとしたので、一直線に家に帰って寝た。
次の日の朝、めぐみんが来て、
「カズマ、起きてください。あと少しで出発の時間になりますよ」
「うーん、あと5時間...」
「長すぎですよ!どんだけ寝るんですか!普通はあと5分とかでしょう!」
そんなことを言ったら、めぐみんに布団を引っぺがされて、強制的に起こされた。
「ふわぁ、めぐみん、おはよう」
「おはようございます。では、ささっと着替えてください。行きますよ」
そう言ってめぐみんは部屋から出て行ったので、俺は着替えて朝飯をとった。
そして、荷物を背負って外に出ると、もうすでにめぐみん一家は揃っていた。
「すいません。お待たせしました」
「いえいえ、大丈夫ですよ。それでは行きましょうか」
そう言ってゆいゆいさんは詠唱を始めた。
「『テレポート』」
景色が変わって、どこだろうとあたりを見渡してみると、どうやら街の入口らしかった。
「ここは始まりの街アクセルだ。カズマくん、私たちはこれから商品をこの街の魔道具店に売ってくるから、娘を頼むよ。観光でもしつつ、冒険者ギルドを目指すといい」
「わかりました。それではまた後で」
そう言って俺とめぐみんは歩き出した。
「ますはスキルを教えてくれる人を探さないとなんだが...」
「そうですね。それもそうですが私はカズマと観光したいです。何分、他の街に来るのは今回が初めてなので」
「それもそうだな。俺も里から出たことがなかったからな。適当に街をぶらついてみるか。歩きながら優しそうなスキルを教えてくれる冒険者の人でも探そう」
そう言って歩いていると、いかにも冒険者らしき銀髪の男の子が話しかけてきた
「キミ、もしかしてスキルを教えてもらいたいのかな?でも、見たところ紅魔族だよね?」
「あ、そうなんですけど、どうやら俺って純粋な紅魔族ってわけじゃなくて、アークウィザードになれなかったんですよ。それで、最弱職の冒険者になることになったんですが、代わりと言ってはスキルポイントが最初から大量にあったのでいろいろなスキルを教えてもらいたくて,,,」
「そうなんだ。まだ冒険者になるには早いとは思うけど、それなら私は盗賊だから、いろいろな便利なスキルがあるよ!せっかくだし教えてあげるよ!」
そういって、親切な男の子...じゃなくて、女の子だったのか...。
間違えてごめんなさい。
でも、あのスレンダーボディを見たらみんな変声期前の男の子って間違えてもおかしくないと思う。
「キミ、今なんか失礼なこと考えてなかった?」
「いや、そんなことないですよ。あ、自己紹介まだでしたよね、それじゃ...」
と言って、俺が自己紹介をしようとしたとき
「我が名はめぐみん!紅魔族随一の天才にして、やがて最強の魔法を習得する者!」
「そ、そうなんだ。あ、私はクリスだよ。よろしくね」
クリスが若干引き気味に返事をした。
そうか、この世界はまともで、やっぱり紅魔族が頭がおかしかったのか。
「俺の名前はカズマです。よろしくお願いします」
「なっ!カズマ、カッコいい名乗りはどうしたんですか!初対面の人にはしっかり名乗らないと失礼ですよ!」
「何言ってんだよ。クリスさんが困ってるだろ。というか、やっぱり紅魔族がおかしいんじゃねえか!昔お前にちょっと変に思って聞いたとき、特に変じゃないって言ってた癖に!」
「なにおう!そういうカズマも紅魔族で、里ではノリノリで名乗ってたじゃないですか!」
ギクッ!それを言われると事実なので何も言い返せない。
紅魔族随一の天才の名は伊達じゃないな。
まだ八歳なのに。
「まあ、それは置いといて、クリスさん。何かお礼をしなくて大丈夫ですか?」
「別にお礼なんかしなくてもいいよ。減るもんじゃないしね。あと、別に呼び捨てでも構わないよ。としもそんなに離れてないと思うし。それじゃ、早速スキル習得いってみよう!」
テンションの高いクリスに感謝しながら俺達はスキルを教えてもらうために場所を移動した。
「それじゃ、早速教えてあげるよ!盗賊のスキルは便利なものが多いからね。スキルポイントもたくさんあるみたいだし、いろいろ教えちゃうよ!まずは、《潜伏》と《敵感知》だよ!これには相手が必要だから...。そうだ、めぐみん、ちょっと協力してもらっていいかな?そこに立って、向こう向いててくれない?」
「わかりました」
そういってめぐみんは向こうを向くと、クリスは何をしているのか樽の中に入って、めぐみんに向かって石を投げつけた!
石は手加減されているようで、放物線を描きながら、見事にめぐみんの頭にあたった。
めぐみんが振り返って、若干目を紅く光らせながら周りを見渡している。
どうやらちゃんと潜伏はできているようだ。
と思ったが、俺の視線が樽の方に向いているのを見て、樽の方へ近づいていく。
敵感知も教えるために潜伏は解いたのか。
「敵感知、、、敵感知、、、!めぐみんの敵意をピリピリ感じるよ!あ、あの、めぐみん?これはスキルを教えるためにやってるんだからね!ちょ、頭に当てたのは悪かったから、ってああああああああああああ!」
めぐみんにクリスは樽ごと転がされながら悲鳴を上げている。
本当に、こんなんでスキルを覚えられるのか...?
そのあと、他にもわざわざ罠を仕掛けて、それを解いて、≪罠設置≫と≪罠解除≫も教えてもらった。
他にも《バインド》や《宝感知》など、他にもいろいろ教えてもらった。
冒険者カードのスキル習得欄にしっかりとかいてあったから、全部習得しておいた。10ポイントも使わなかったのでまだまだ余裕はある。
「それじゃ最後にあたしの一押しスキル、窃盗をやってみようか。これは対象の持ち物をなんでも一つ、ランダムで奪い取る。成功率や奪えるものは、ステータスの幸運値に依存するよ。敵の武器を奪ったりだとか色々と使い勝手のいいスキルだよ」
なるほど、窃盗スキルはなかなか使えそうだ。
しかも、成功率が幸運値に依存って事は、俺の唯一高いステータスを活かせるってことだ。
「じゃあ、キミに使ってみるよ?それじゃ、いってみよう!『スティール』ッ!」
クリスが手を出して、そう叫ぶと同時に、その手にはあるものが握られていた。
「あっ、俺のサイフ!」
クリスの手には俺のサイフが握られていた。
まあ、2つ用意してて、そっちは小銭用で、中身がそんなに入ってないやつだけど。
「おっ!当たりだね!」
そうとも知らず、クリスは喜んでいるようだ。
「それじゃあ、サイフを返、、、」
クリスは、サイフを返そうとして、にんまり笑った。
「ねえ、あたしと勝負してみない?あたしからなにか一つ、スティールで奪っていいよ。別に、なにもこのサイフを丸ごともらおうってわけじゃないよ。このサイフの中身より、間違いなくあたしのサイフの中身のほうや装備の方が価値があるよ。キミはどんなものを奪ったとしても、これと引き換え。どう?やってみない?」
ほう?確かにいいな。サイフは分けてあるんだし、明らかにこっちが有利だ。
しかも、こういった賭け事みたいな事っていかにも荒くれた冒険者っぽくて憧れる!
「よし、その勝負乗った!何をとられても大丈夫なんだよな?」
「いいね!ノリがいい人って好きだよ!早速やってみなよ!っさ、何が盗れるかな?サイフが当たりで、この魔法がかかったダガーが一番の大当たりだよ。四十万エリスはくだらないからね!」
「四十万!?」
めぐみんが驚いている。
まあ、あいつん家貧乏だからな。
「よし、やってやる。俺は昔から運だけはいいんだ!『スティール』ッ!」
叫ぶと同時、俺の右手には何かがしっかりと握られていた。
さて、なにを盗ったかなと、手に入れた物を広げ、まじまじとみてみると、
「なんだこれ?」
それは、一枚の白い布切れだった。
俺はそれを掲げて、
「おおー!?これは、当たりも当たり、大当たりだああああああああああああああああ!」
「い、いやああああああああああああ!ぱんつかえしてえええええええええええええっ!」
なにやらめぐみんが俺の事を白い目で見てくるが、無視だ、無視。
クリスが涙目になりながら、ぱんつを取り返しに来た。
そこで、俺は言ってやった
「クリスが何をとってもいいっていったし、俺もちゃんと何をとられて文句言うなよっていったよな?」
「そ、そうだけど、そうだけどさあ!いくらでも払うからぱんつ返して!」
「自分のぱんつの値段は自分で決めな。もし、俺が提示する金額に満足しなかったら、このぱんつはもれなく我が家の家宝として奉られることになる」
「わかった、わかったから!有り金全部あげるからあああああああああ!」
そう言って、クリスは俺のサイフと自分のサイフを差し出してきたので、俺は渋々、ぱんつをクリスに返してやった。
めぐみんが思わず凍り付きそうな冷たい目で見てくるが、俺は悪くない、勝負を仕掛けてきたクリスが悪いのだ。
そのあと、クリスに冒険者ギルドに連れて行ってもらうことになったが、めぐみんの目の温度が変わらないので、俺は物で釣ることにした。
「め、めぐみん」
「なんですか」
ちょっと、いや、かなり怖いが、ご機嫌を取るためだ。
なにも悪いことではない。
「い、いやさ、スティールってランダムだから、パンツを狙ったわけじゃないんだよ。それに、お金は、めぐみんと一緒に屋台とか回りたいからさ。ほら、クリスからもらったお金で、あとで食べ歩きでもしながら観光しよう!」
「しょうがないですね!全く!」
めぐみんはすごい嬉しそうにしながらそう言った。
どうやら物で釣る作戦はうまくいったようだ。
俺はめぐみんの機嫌が直ったことに安堵しつつ、クリスの後をついていった。
クリスは、先輩の後始末のために、なにかとカズマを気にかけてくれています。
そこら辺の話は、一章の終わりに閑話として書こうと思っています。
今になって色々見返してみると、めぐみんとの年齢差がおかしいことに気づいたので、変えました。
できるだけ原作の設定には沿っていきたいと思います。
物語のペースはどのくらいがちょうどいいですか?
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今くらい(少し早めかも?)
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今より早め(いろいろ飛ばしていく)
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今より遅め(めぐみんの出番を増やしたり)