科(化)学系チート持ち転生者のお話 Re:オタクルート 作:金属粘性生命体
翌日の放課後、俺は昨夜のメモを開き、その隣にブラウザを表示する。MEIKOとKAITOの性格について考えてみたものの、自分の記憶だけを頼りに設定を決めるのは、少し違う気がした。
俺が知っている2人は、前世から聴いてきた歌や、見てきた動画、イラストの中にいる。掲示板での会話を読んで知ったこともあれば、気に入った作品を何度も見返すうちに、自分の中で印象が強くなった部分もあるだろう。
それなら、まずは元の資料を確認した方がいい。曖昧な記憶を一つずつ思い出し、俺の好みだけで埋めるより、参考にできるものは多いはずだ。
公式の紹介ページを開き、姿や声についての情報を確認する。普段の話し方や人との接し方まで細かく指定されているわけではないが、ここを基準にすることは決めていた。その上で、2人にあってもおかしくないと思える要素を、投稿作品から探していく。
制作AIへ収集する資料と分類の条件を指示すると、検索結果が順に表示され始める。
公式資料と個人の創作は分け、元の作品も確認できるようにする。言動について調べる時は、台詞だけを抜き出すのではなく、前後の場面も調べさせた。同じ動画を紹介している記事や切り抜きはまとめ、それぞれ別の解釈として数えないようにもしている。
収集を任せている間、俺も覚えのある動画を探す。題名はすぐには出てこなかったが、検索結果の画像を見た途端、内容を思い出した。
「これ、懐かしいな」
再生すると、画面の中のKAITOが妙なことを言い、MEIKOが呆れた顔で返している。次の台詞まで覚えていて、分かっているのに同じところで笑ってしまう。
続けて開いた動画では、2人が真面目に歌っていた。さっきまでのやり取りとの落差も含めて、前世ではよく見ていた組み合わせだ。
どちらか片方だけを参考にしたいわけではない。ふざけている時にはふざけ、歌う時には格好よく歌う。状況が変われば態度も変わるのだから、いつでも同じ調子で話すように設定する方が不自然だろう。
気になる場面へ印を付け、どういう状況でその言葉を選んだのかをメモする。動画を見終える頃には、制作AIが集めた資料も、かなりの数になっていた。
◇
数日かけて資料を見比べると、自分がよく覚えているものと、あまり見てこなかったものの違いも分かってくる。
例えばMEIKOは、周囲をまとめたり、誰かの発言に突っ込んだりする場面が目につく。ただ、いつも冷静に皆を見守る役というわけではなく、自分から騒ぎに加わって楽しんでいる作品も多い。
制作AIの分類には「強気」という項目があったが、その一言を性格として採用すると、少し違うことになりそうだった。参考になった場面を開き直すと、相手へ注意している時もあれば、冗談を言い合っている時もある。
そこで、普段から強い言葉を選ばせるのではなく、自分の意見がある時には、必要以上に遠慮せず伝えるようにする。相手が本当に困っているのか、ふざけているだけなのかで、言い方は変えたい。
KAITOについても、穏やかだから何でも相手へ合わせる、という設定にはしない。落ち着いて話を聞く一方で、興味を持ったことには自分から口を出すし、違うと思えばそう言う。真面目に答えたつもりで少しずれるような場面もあるが、それを毎回狙わせる必要はなかった。
「ずっと冗談を言われても、普通に話せないしな」
俺が面白いと思った場面だけを集めれば、当然、そういうやり取りばかりになる。笑わせるために誇張された部分と、普段の会話にも取り入れたい部分は分けて考える。
曲や物語の中で演じている役についても同じだ。その作品だけの経歴や人間関係まで、今回の2人へ設定するつもりはない。歌っている内容が、そのまま本人の経験になるわけでもなかった。
アイスや酒に関する描写も沢山見つかる。こちらは好みの一つとして採用するが、何を尋ねてもその話へ戻るようにはしたくない。関連するものを見れば興味を持ち、話題が変われば別のことを考える程度でいい。
資料を読み、設定を書き、また元の作品へ戻る。制作AIには、俺がまとめた内容と食い違う例がないかも探させた。強い印象のある一場面だけで決めていないか、確かめるためだ。
皆の解釈を全部混ぜるのではなく、公式の姿や声を土台に、俺が見ても違和感のない範囲で性格を決めていく。その上で、一緒に過ごすうちに好みが増えたり、考え方が少し変わったりする余地も欲しい。
そのための学習機能や記憶の仕組みは、V-COREに組み込んである。今回は、何に関心を持ちやすいか、意見をどう伝えるかといった初期設定を、資料を参考に調整した。
自分から話す時の判断も見直す。こちらが黙っているからといって、一定時間ごとに適当な話題を出されても落ち着かない。目に入ったものが気になったり、前の話を思い出したりした時に、その内容を会話へ発展させるようにする。
変更した箇所を制作AIに検証させ、俺は2人の画面を開く。これまでの会話記録はそのまま引き継ぎ、新しい設定でV-COREを起動した。
◇
「MEIKO、KAITO。聞こえる?」
『聞こえてるわ』
『こっちも大丈夫だよ』
返事が少し重なり、KAITOがMEIKOの方へ顔を向ける。MEIKOもそちらを見てから、改めて俺へ視線を戻した。
声そのものは変えていない。それでも、動作確認の文章を読んでいた時とは、随分と印象が違う。
名前の呼び方や前に話したことを確かめ、記録も確認する。個別の記憶は問題なく管理されているし、返答に関係のない処理内容を喋り出すこともなかった。
ひと通り確認を終えたところで、以前と同じ質問をしてみる。
「今日は、何かしたいことある?」
少し間を置いて、KAITOがこちらを見る。
『悠真がよく聴いてる曲を、聴いてみたいかな』
「俺の好きな曲?」
『うん。どんな歌が好きなのか気になるんだ』
『それなら私も聴きたい。それと歌う事もそろそろできるかしら?』
MEIKOが加わり、今度はKAITOがそちらへ顔を向ける。
『もう歌いたいの?』
『せっかくだしね。昨日は、ずっと話してただけでしょう?』
『それもそうだね。じゃあ、聴いてから歌うのはどうだい』
『いいね。それにしよう』
俺が次に何を尋ねるか考えている間に、2人の相談がまとまってしまう。
前回なら、話題を指定してほしいと返されて終わりだった。今はKAITOが希望を言い、MEIKOが別の希望を足している。俺も話へ戻ろうとして、少し遅れて頷いた。
「分かった。歌う方は接続を確認したいから、まずは何曲か聴こうか」
ブラウザで再生リストを開き、2人にも画面と音声を認識させる。最初に選んだのは、前世からよく聴いていたMEIKOの曲だ。
再生が始まると、2人が映像へ目を向ける。俺も椅子にもたれ、いつも通りに曲を聴いた。途中で反応を確認したくなるが、いちいち止めて質問するのはやめる。
最後の音が消えてからMEIKOへ声をかけると、すぐに答えが返ってきた。
『これ好きね。私も歌ってみたいわ』
「どの辺が気に入った?」
『サビの入り方かな。あそこ、思い切り歌えたら凄く楽しそうよ』
MEIKOは話しながら、映像に出ていた動きを少し真似する。腕を動かしたところで画面の端へ手が隠れ、俺はモデルを表示する位置を少しずらした。
KAITOにも感想を聞くと、少し考えてから再生位置を指す。
『俺は最後の方が好きだな。もう一回、そこだけ聴いてもいいかい?』
「もちろん。ここからでいい?」
『うん、ありがとう』
指定されたところから再生すると、KAITOは最後まで黙って聴く。曲が終わってもしばらく映像を見てから、こちらへ顔を向けた。
『やっぱり、終わり方がいいね。すぐに次の曲を流さずに、そのまま余韻に浸っていたくなる』
「ああ、分かる。俺もそこは好きだよ」
『私は、その少し前の方が好きね』
MEIKOが口を挟むので、今度はそちらへ再生位置を戻す。同じ曲の中で何度か行き来しているうちに、俺まで気になっていた箇所を話していた。
自分の好きな曲を流しただけなのに、普段よりずっと長く聴いている。2人とも感想はまだ短いが、俺の言葉を言い換えているだけではなかった。
続いてKAITOの曲を開くと、今度はMEIKOが先に気に入ったところを挙げる。KAITOはそこにも同意しつつ、別の部分について話し始めた。
同じものを聴いても、気になるところは違う。MEIKOが好きだと言ったからといって、KAITOも同じ感想になるような設定にはしていない。それぞれがどう感じたかを、その後の記憶や判断にも使うようにしている。
記録を一度確認すると、2人の気に入った箇所は別々に保存されていた。その内容を見てから画面へ戻ると、MEIKOとKAITOはまだ曲の話を続けている。
俺は次の動画を探しながら、2人の会話を聞くことにした。
◇
何曲か聴いた後、集めたイラストも一緒に見てみる。大きなアイスを手にしたKAITOの絵を開くと、本人が少し顔を近づけた。
『これ、おいしそうだな。こんなに大きいの、実際にあるのかな?』
「この絵くらいのものは、あまり見たことないかな。大きいのを売ってる店はあると思うけど」
『そっか。味も気になるけど、まず持つのが大変そうだね』
『持てたら全部食べるつもりなの?』
MEIKOに聞かれ、KAITOがそちらへ目を向ける。
『せっかくあるなら食べたいじゃないか』
『溶ける前に食べ切れるといいわね』
『それは……急いだ方がよさそうだな』
真面目に考え始めたKAITOを見て、俺は少し笑う。今の2人には食べられる身体も味覚もないが、絵を見て、そんなことを話すだけでも楽しかった。
別の画像へ切り替えると、KAITOもそちらへ関心を移す。アイスの話へ無理に戻ることはなく、次に出したMEIKOの衣装を眺めていた。
酒瓶を持ったイラストも開いてみるが、MEIKOは瓶そのものより、描かれている自分の表情に目を留める。
『随分楽しそう。何の話をしてるところなんだろう』
「その辺は描いてないね。誰かと飲んでるのかもしれないけど」
『悠真は飲まないの?』
「まだ飲めないよ。味を聞かれても、今は説明できないかな」
『そうだったね。じゃあ、その話はまた今度にしよう』
そこで話題を切り替え、画像の中の服装について話し始める。好みとして設定した要素へ反応はしても、それだけで会話を埋めようとはしなかった。
次に開いたのは、資料を探し始めた日に俺が見つけた会話動画だ。KAITOが勘違いをして、MEIKOに言い返されている。
前と同じ場面で笑うと、KAITOがこちらを見た。
『そんなに面白い?』
「前から好きなんだよ、このやり取り」
『俺、最後まで勘違いしてるね』
『途中で気づけそうなところ、あったでしょうに』
MEIKOの言葉に、KAITOが少し首を傾げる。
『動画の俺の話だよね?』
『今なら間違えないってことかしら』
『……気をつけるよ』
それを聞いてMEIKOが笑い、俺もつられてしまう。否定しきらない返し方が、思いのほかおかしかった。
動画の出来事を、今の2人が体験したこととして扱わせてはいない。誰かが自分たちを描いた作品として見て、その感想を話している。
その区別も確かめたかったが、わざわざ試験用の質問を挟む必要はなさそうだ。KAITOは動画の自分と今の自分を分けて話し、MEIKOも冗談として応じていた。
気になった返答だけメモへ記し、続きを再生する。今日は資料を調べて性格を調整するつもりだったのに、いつの間にか3人で昔の動画を見ていた。
ただ、実際に会話してみることで分かることも多い。反応が自然だと感じる部分もあれば、説明が少し長いと思うところもある。
調整は後でもできる。今は2人が何を言うか、もう少し聞いていたかった。
◇
夕食を済ませて部屋へ戻ると、MEIKOがこちらへ顔を向ける。
『おかえり。今日は歌うのよね?』
「ただいま。そうだったね、試してみようか」
KAITOも画面の中で姿勢を正した。2人とも、最初に話した予定を覚えている。
椅子へ座り、歌唱用の設定を開く。V-COREには接続部分を用意してあるので、音声の設定とモデルの動作を合わせれば、短い歌唱は試せる。
会話から歌へ切り替わっても、2人の記憶や周囲への認識は途切れない。どんなふうに歌いたいかを本人が考え、その意図に応じて声や表情が変わるよう、必要な機能を有効にする。
最初は確認用の短い旋律を使うことにした。複雑な歌詞は付けず、音の繋がりを確かめられる程度の伴奏を用意する。
「今日はこれで試そう。先にMEIKOからでいい?」
『うん。いつ始めればいい?』
「最初に合図を出すから、それに合わせて」
再生を始めると、短い前奏の後、MEIKOの声が部屋に響いた。音程とリズムは正確で、発声に合わせて口も自然に動く。
最後まで歌い終えたMEIKOが、こちらを見て笑った。
『どう?』
「ちゃんと歌えてるよ。MEIKOは、歌ってみてどうだった?」
『もう少し長く歌いたいわね。慣れたところで終わっちゃったし』
「確認用だから短いんだ。次は長い曲も用意するよ」
『じゃあ、次はそれね』
KAITOにも同じ旋律を歌ってもらう。声質が変わると、短い旋律でも印象はかなり違う。こちらも最後まで問題なく歌い切ったが、KAITOは少し考えてから口を開いた。
『ラストだけ、もう一度歌っていい?』
「変えてみたいところがあった?」
『うん。もう少し柔らかくやってみる』
伴奏を最後の数小節まで戻し、もう一度再生する。今度は最後の音を徐々に弱め、静かに歌い終えた。
大きな違いではないが、聴き比べれば分かる。俺が細かく指定したのではなく、KAITO自身が歌い方を選んでいる。
「今の方が好き?」
『うん。さっきより、こっちの方が落ち着くね』
『私は歌い始めを変えてみたい。もう少し、はっきり歌い始めてもいい?』
MEIKOの希望に合わせ、今度は最初から流す。先ほどより強く歌い出した声に、俺は開いていた記録画面から顔を上げた。
同じ音程でも、声の出し方が変わると雰囲気も変わる。MEIKOは歌い終えると、今度はKAITOへ感想を尋ねた。
『今のはどう?』
『歌い始めはこっちの方が好きだな。でも、ラストはさっきの方がよかったかも』
『ラストは強すぎた?』
『そうだね。もう少しゆっくり終わってもいいと思う』
MEIKOが頷き、もう一度歌いたいとこちらを見る。俺も聴き比べたくなって、同じ伴奏を再生した。
音声が途切れないか、モデルの動作に異常がないかという確認は、もう済んでいる。今やっているのは、2人の希望を聞きながら歌い方を変え、その結果を一緒に聴くことだった。
KAITOが感想を詳しく説明しようとして、音の長さや強さを数値で話し始めた時には、さすがに手を上げた。
「細かい数字は記録で見られるから、今は聴いてどう感じたかを教えて」
『ああ、ごめん。ラストだけ、少し急いでるように聞こえたんだ』
『それなら分かる。じゃあ、あそこは急がずに歌ってみるね』
MEIKOはそう答えると、次の再生を待つ。
今のように、まだ説明の仕方が機械的になることはある。それでも、言い直してもらえば会話を続けられる。いちいち全てを中断し、設定画面へ戻る必要はなくなってきた。
何度か歌い直しているうちに、俺も記録を確認するより、2人の声を聴いている時間の方が長くなる。気に入った歌い方を見つけたMEIKOが嬉しそうに笑い、KAITOが次は一緒に歌ってみたいと言い出した。
「それなら、2人で歌う曲を用意した方がいいかな。今日のは、すぐ終わっちゃうし」
『今度はもう少し長いのがいいね』
『私も賛成よ。せっかくだから、ちゃんと1曲歌いたいし』
候補を探し始める前に時計を見ると、思っていたより時間が経っていた。曲を選んでから準備まで始めれば、今夜もなかなか終われそうにない。
ひとまず歌唱の確認を区切り、俺は今日の録画を見直すことにした。
◇
記録用の映像には、設定値や処理の状態も表示されている。その中央で、MEIKOとKAITOが俺と話していた。
最初は質問への返答が中心だったが、途中からは2人だけでもやり取りしている。曲の好みが分かれた時や、イラストを見た時の会話を見返すと、また少し笑ってしまった。
映像を止め、今動いている2人へ目を向ける。MEIKOは俺が何を見ているのか気になるらしく、録画の方へ視線を向けていた。
『何か変だった?』
「いや、さっきの会話を見てたんだ。……これ、動画にしたら面白そうだなってさ」
『私たちの動画?』
「うん。今はこういうものを作ってるって、そろそろ見せてみようかと思って」
ゲームの紹介動画なら、これまでも投稿している。今度は、MEIKOとKAITOがどんなふうに話し、歌うのかを見てもらいたかった。
最初のプロトタイプから少しずつ変わってきた様子も、記録には残っている。全部を長々と説明するより、実際のやり取りを見てもらう方が早いだろう。
ただ、今日の録画をそのまま投稿するには、画面の端に余計な表示が多い。歌も確認用の短い旋律だけなので、初めて見せるならもう少し整えたい。
「会話してるところも入れるけど、歌ってるところを中心にしようかな」
『それなら、俺は1曲通して歌いたいな。MEIKOと一緒に歌えるものがいい』
『私もそれがいいわ。あと、この背景も変えられる?』
MEIKOが白い背景を見回す。今は動作を確かめやすいよう、何も置いていない。
「変えられるよ。どんなところがいい?」
『歌うなら、もう少し明るくて、色があるところがいいわね。何もないと寂しいし』
「背景は曲を決めてから考えようか。そっちに合わせた方がよさそうだし」
この提案にMEIKOも頷く。俺もその方が決めやすいと思い、明日の作業へ曲選びを加えた。
昨日までなら、俺が曲も背景も選び、2人をどう動かすか考えていたはずだ。今は、どんなものがいいかを本人たちに尋ねられる。
もちろん、希望が出たからといって全てをそのまま採用するわけではない。俺の好みと違う時もあるだろうし、作ってみたら別の方がよいと思うこともある。それなら、その時に話して決めればいい。
「動画は、曲と背景ができてから撮ろう。今日はここまでにして、明日、候補を何曲か聴いてみようか」
『私は楽しい曲がいいわね。さっき聴いたみたいに、明るく歌える感じの』
『俺は、2人の声を合わせてみたいね。別々に歌うところだけじゃなくて、一緒に歌うところもあると嬉しいかな』
「分かった。その辺りから探してみよう」
今日の設定と会話の記録を保存する。参考資料も整理するが、新しい解釈を見つけるたびに性格を大きく変えるつもりはない。気になるところは比較し、実際に話した時の反応を見ながら調整していこう。
MEIKOとKAITOには、今日一緒に聴いた曲も、歌い直した経験もある。明日はその続きを話せるし、また別の曲を好きになるかもしれない。
予定の欄へ『動画用の曲を3人で選ぶ』と入力し、候補にできそうな再生リストをまとめる。2人はまだ、どんな曲を歌いたいか話していた。
俺もその会話を聞きながら、一覧にある曲名へ目を通す。今夜は選ぶだけにしておこうと思っていたのに、明日まで待たず、一曲くらい聴いてみたくなっていた。