転生特典がパワプロ風成長だったのでデートして最強になろうと思います   作:らっきー(16代目)

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酒は飲んでも飲まれるな

 こんにちは。TS社畜系冒険者テセリアです。

 

 皆さんはどういう時に疲れたな〜って思いますか? 夜勤明けの日にそのまま夜勤に行った時? 30連勤をやり遂げた時? 休日に日雇いバイトを入れてその日の夜にもバイトを入れた時? ……なんて過労死待ったなしな事は別として。

 

 まあ人によって答えは違うだろうし、誰かにとって疲れる事が誰かにとっては楽しい事、なんてのはザラにあるとは思うのだけど、今の私は──

 

「あの……もう最初のやつで良くないですか……?」

 

「何言ってるの? お金無いなら無いで1番似合う物を選ばないと。ほら、次こっち着てくる!」

 

 受付のお姉さんに着せ替え人形にされています。ひぃん……買い物ってこんな疲れるっけ……? 

 

 

 

「やー、小柄だと可愛い服が似合って良いね〜!」

 

「結構気にしてるんですけど……というか、私だってそのうちアドネさんぐらいには……!」

 

「無理じゃない? 15歳ぐらいで決まるらしいし」

 

「どこ見て言ってます?」

 

 私が言ってるのは身長の話です。胸はいいんだよ、無いわけじゃないから。小柄だからそれ相応のサイズ感なだけ。というかあんなの動くのに邪魔なだけだし。むしろデカかったら前世との感覚の違いで身体が動かしにくかったに決まってるし。アドネさんの目立つ胸が羨ましいとか思ってないし。

 

「持たざるもの……(ダークソウル)」

 

「デカくても困るのよ? 服選ばないと太って見えるし、可愛い下着は無いし、男どもは集ってくるし……!」

 

「ああ、よく声かけられてますよね」

 

「仕事の邪魔なのよねぇ……魔石だけ持って来てくれればいいのに、そういう奴等に限って弱いし……」

 

「マセモク……?」

 

 ちなみにアドネさん……っていうか、受付嬢さん達はみんなそれはもうおモテになっている。まあ単純に美人揃いってのも大きいだろうけど、そもそもの原因は冒険者の男女比のせいだと思う。結局のところ肉体労働だからね。

 

 一応大鎧を着込んだ両手斧の女戦士とかも居るんだけどね。筋肉量とかおかしくない? って思わなくもないが、魔法がある世界に細かい事を考え出してもしょうがない。軽量化の魔法がかかってる鎧です! とか言われたらもう何も言えないし。

 

 余談ではあるけど、女冒険者は魔法使いとか治癒術師が多い。別に男でもそれらは居るのだけど、単純に女性の方が魔法とか治癒の奇跡を使う才能のある人が多いのだとか。私もちっちゃい頃は魔法に憧れたものよ……才能が無かったけど。振ろうかな、万能ポイント。

 

 閑話休題。

 

 さて、今何してるかと言えば服をなんとか決めて許してもらって、その後ご飯を食べてダラダラしている所である。前世風に言うならカフェでお喋りしてる感じ。この世界風に言うと……なんだろ店のジャンルとしては。酒場……? 

 

「そういえばテセリアちゃんは何目的で冒険者生活始めたの? 出会いを求めて?」

 

「お金ですよお金。出会いは流石に他のところの方がいいのでは?」

 

「でも優秀な冒険者捕まえれば玉の輿よ、玉の輿。そのぐらいなら仕事中に声掛けてきてくれてもいいんだけど……」

 

「そういう人ってやっぱダンジョン攻略一筋! って感じなんです?」

 

「もしくはパーティ内で恋愛関係完結してたりね。ハーレムとかもあるけど」

 

「いいんだ……」

 

「当人同士が納得してれば平気よ?」

 

 一夫多妻制……いや、なんなら一妻多夫もありそう。英雄色を好むって言うし。

 

「でもまあ、私はそういうのは……お金も孤児院に送らないとですし」

 

「……地雷踏んだ?」

 

「いえ、別に……?」

 

 ちなみにこの世界……レベルかは分からないけど私の出身の村は結構孤児多かったです。産めよ増やせよな割に獣……って言うか今思うと野良のモンスターとかなのかな……? に殺される大人とかそんなに珍しくないので。まあその分孤児への偏見もそんなには無いのだけど、やっぱり可哀想とは思われるみたい。いや、仕事に就けないのは結構な偏見か……? 

 

「それで冒険者かー……こんなちっちゃい子がなんで? って思ってたんだよねー」

 

「いえ、ちっちゃくはないですけど……」

 

 身長はちっちゃいかもしれないけど……平均ちょい下かもしれないけど……! 

 

「でも成人はしてないんじゃないの?」

 

「どうなんでしょう? 自分の歳知りませんし……村では働いてればもう大人でしたし」

 

「文化の違いってやつ?」

 

「それで済ませていいんですかね?」

 

 まあでも因習村とかなんてファンタジーあるあるか……? そもそも明文化された法とかこの街にすらあるのか怪しいし。王を侮辱したら死罪、ぐらいはありそうだけど。

 

「むしろこの街って成人いくつからなんです? いえ、分かったところで自分の歳知らないんでアレですけど……ほら、お酒を飲める歳とか」

 

「お酒に年齢……? もしかして飲酒が成人のお祝いとかだったりする? そうだとすると18まで飲めないよ?」

 

「18なんですね成人。というかもしかして、もっと幼い頃から飲んでたりします?」

 

「え? うん。10代前半ぐらいだったかな」

 

「そんな頃から飲まないとやってられないようなことが……?」

 

 お酒の美味しさと現実の辛さは比例関係。だからお酒は上手くいかない現実みたいな苦い味がするのです。

 

「うーん、なんで飲み始めたんだっけな……もう覚えてないや」

 

「まあ私もあえて深く踏み込もうとは思いませんけど」

 

 お酒と煙草は20歳から! というのはあくまで前世での話。まあこの世界に煙草は無いけど、もっとやばいオクスリ的なのはあるらしい。絶対にそれにだけは手を出すなって孤児院の頃に言われたことがある。

 

「ちっちゃいのに頑張ってるんだねぇ……立派だねぇ……」

 

「馬鹿に……は、してなさそうですね……。まあ立派かは知りませんけど……孤児院のチビ達にはお金の心配して欲しくなくて……なんて言えるほど稼げてはませんけど」

 

「だから強くなる方法なんて聞いてきたんだ。……でも、休みは取らなきゃダメだよ?」

 

「ッス……」

 

 休みを取ってなかったのはステ振りが楽しすぎただけで……とは流石に言えない。だって凄いのよ。例えば『料理』を上げると勘で味付けするだけでめっちゃ美味しい料理が出来るし、『盾』に振ってみたらパリィして致命の一撃! が出来るようになったし。代わりに割り振ってないスキルは終わってるけど。多分今歌ったら音響兵器になれる。『歌唱』0なので。

 

「結局、地道にやってくしかないんじゃないかなぁ。一足飛びに強くなれる人なんて見たこと……なくは無いけど」

 

「いるんですねぇ……」

 

 天才……いや、転生特典的にはセンス〇……? もしくは切れ者……? この辺万能ポイント使ったら取れないかな。夜にでも見てみよ。

 

「ま、テセリアちゃんはこれからこれから! ほら、お姉さんが美味しいもの奢ってあげるからリラックス!」

 

「むぅ……」

 

 子供扱いされるほど幼くはないんだけどなぁ。前世云々を抜きにしても、院でもお姉ちゃんやってたし。というかそろそろお金届けに行こうかな。それなりに貯まってきたし、ステータス開くたびに小目標が表示されて鬱陶しいし。今更だけどステータスって言うかメニュー画面だよねこれ。地図とかも表示してくんないかな。

 

 それはそれとして美味しいものは気になるからお言葉に甘えておくことにする。自分の懐が痛まない飲食なんてなんぼしてもいいですからね。人の金で焼き肉が喰いたい。

 

「テセリアちゃんの今後にかんぱーい!」

 

「か、かんぱーい」

 

 うーんノリが陽キャ。まあそうでもなきゃいきなり一緒にお出かけなんて誘ってこないか。ともあれ『美味しいもの』とやらを飲んで──

 

「って、お酒じゃないですか!」

 

「ん? そうだけど?」

 

 まあ日本じゃないしいいのか……? って思ったんだけど、法は許しても私の舌が許してくれない。具体的には苦味がキツイ。結構いける口だったはずなんだけどな。

 

「もしかして飲んだことない?」

 

「そんな事はないっていうか、むしろ強い方だと思ってたんですけど……苦くて……」

 

「ありゃ、子供舌」

 

 じゃあそれはお姉さんが貰っとこう、ってことで改めて注文してくれたやつはかなり飲みやすかった。もしかしてただのジュース? ってぐらい。

 

「確かに美味しいですねぇ」

 

「口にあったようでなにより。甘い物がお好み?」

 

「……子供だと思ってます?」

 

「まっさかー」

 

 嘘だぞ、絶対お子ちゃまだと思ってるぞ。なんとなく悔しくなったので、手元のお酒を一息に飲み干す。炭酸じゃなくて助かるね。

 

「おかわりしてもいいです?」

 

「あっはっは、どんどん飲みなー?」

 

 お金の心配しなくていいって素晴らしいね。人のお金で飲む酒サイコー! というかぶっちゃけ人の金サイコー! 

 

「そんなにお金困ってるの?」

 

「別に今は不自由してませんけどー……貧乏の性っていうか〜」

 

 あれ、声に出してた? まあなんでもいいでしょう。ふわふわしてよくわかんないし。

 

「昔はほんとにびんぼーで〜、今は三食たべられるから幸せですよ〜?」

 

 雑草を食べて飢えをしのぐ! なんてほどの貧乏ではなかったけれどもね。セルフ口減らしとして街にでてくるぐらいには貧乏だったわけですよ。

 

「……苦労してるね」

 

「そんなことないですけど……甘えられるあいてはほしかったですねー……私はおねえちゃんだから、がんばらないと──」

 

 

 

 

 

 こんにちは、二日酔い冒険者テセリアです。

 

 目が覚めたら知らないベッドだったし、裸の、皆からのアイドル的お姉さんと一緒に寝てました。

 

 ここから入れる保険ってありますか? 

 




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