転生特典がパワプロ風成長だったのでデートして最強になろうと思います 作:らっきー(16代目)
おはようございます。久しぶりに長期休暇を取ってる元社畜系冒険者テセリアです。別に申請とかは必要無いんだけど、心配かけたら不味いよな……ってアドネさんにしばらくダンジョンお休みしますって言ったら熱を計られました。誠に遺憾です。
私の故郷はダンジョンのあるこの街からだと、まずは近場の大きめの街まで寄り合い馬車に乗って、そこから馬を借りて数日走らせて……って感じで往復だけでも結構な日数がかかるからこその長期休暇──の予定だったのだけれど。
「うんうん、いいではないか長閑で。それで、お前の家は?」
「家って言うか孤児院ですけど……なんか楽しそうですねルヴィアさん」
「あの街では滅多に子供は見れないからな」
ロリコン吸血鬼がよぉ……!
「良いのか? そんな態度で。誰のおかげでこんなに楽に来れたんだ?」
「ロリコン魔女のおかげです……」
「よし、一発グーだ」
ひぃん……!
ファストトラベルが無いオープンワールドってクソゲーですよね。徒歩を除くあらゆる移動手段が有料で、しかも遅延とか渋滞とかのランダム要素がある現実ってもしかしてとんでもないクソゲーなのでは……?
ということで転移魔法でひとっ飛びの誘惑に負けました。数日休みをとる予定で……ってルヴィアさんに申し出たら提案してくれた。でもまさかチビ達目当てだとは思わなかったけど。
「お前は魔法が学べて良し、私は子供に癒されて良し、路銀の節約になって更にお前が良し、吸血が出来てお互いに良し、得しか無いではないか」
「そのせいで貧血気味なんですよこっちは……!」
「その分気持ち良くしてやっているだろう?」
「そういう問題じゃなーい!」
最近の私の主食は鉄分が豊富そうなものです。この吸血鬼様は普通の食事で栄養摂れる癖に私の血を狙ってくるので。デザート感覚で採血(婉曲的表現)しないで欲しい。ただでさえ女の子は貧血になりやすいっていうのに。
「はぁ……そんなに気に入りました? 私の血」
「ああ。お前も飲んでみるか?」
「流石に地産地消はちょっと……」
血の味ってどう決まってるんですかね。そもそも処女の血は美味いってのも理屈がよく分からないけど。童貞と非童貞だったらどっちが美味しいんですか?
「……と、着きましたよ。私の実家──みたいなところです」
「教会か。……孤児院としてどうなんだ?」
「まあ炊き出しの延長線上なのでは? あ、もしかして教会嫌いだったりします? 十字架がある所には入れないとか」
「どういう発想なんだ? まあ教会の教えに気に食わないところはあるが……別に普通の人間のフリくらい出来るさ」
「じゃあもう杭で心臓を貫くしか……?」
「何故殺し方を考えているんだお前は。というか生物なら大体死ぬだろう、それ」
それはそう。銀の弾丸とかも別に吸血鬼じゃなくても致命傷になるよね。というか心臓に杭を突き立てられるぐらい追い詰めてたら、それはもう勝ちじゃない?
「アホなこと考えてないで紹介してくれ。出来ればお前と同い歳ぐらいの処女を優先的に頼む」
「て、手を出すなら私だけに……!」
「冗談、だ」
どこまで本気なのか分かんないよこのロリコン。取り敢えず先生に紹介……なんて紹介したらいいんだろ? パーティメンバーってわけでもないし……魔法の師匠? まず先生は私が魔法使えるなんて知らないのに?
と唸っていたら、教会のドアが開きまして。久しぶりに顔を見た孤児院のチビが──
「せんせー! 姉ちゃんがエロい女の人連れてきたー!」
「あっ! テメェ!」
「ははっ、エロいお姉さんだよ。よろしく」
結局紹介の仕方が何一つ思いつかなかった私、北半球の出たドレスみたいな服を着て露出を控える気が全くないルヴィアさん。悪いのって後者じゃないですか?
「お帰り、テセリアちゃん。怪我してない? ちゃんとご飯食べてる? 風邪とか引いてない?」
撫で繰り回される~、久しぶりだなこれも。身長同じ位のはずなのになんか小さくなった気分。
「だ、大丈夫だよ先生。だから人前で子供扱いは……」
「私が居なかったら満更でもないのか?」
そうだが(憤怒)いや、でもどうだろう。結局恥ずかしくなって拒否しちゃうかも。反抗期になった気分。
「ごめんなさい、つい……ええと、それで貴女は……?」
「初めまして。テセリアさんの妻のルヴィア・ブラッドレインと申します。本日は結婚の御挨拶に……」
「嘘を! つくな!!」
「仲良しさんねぇ」
この人があっぱらぱーなだけです。てか苗字初めて知ったよ、いかつ過ぎない? というかもう称号とか二つ名じゃない? それは。血の雨て。
「……だからあの人は魔法を教えてくれる教師みたいな人で、そういう関係じゃなくて……」
「でもテセリアちゃん可愛いし、街に行ったら彼女の1人や2人作ってくるかなって」
「せめて彼氏だろうが……!」
先生からの過大評価が辛い。残念ながらテセリアさんは一夜の過ちしか出来ていませんよ。別に彼氏作りたいわけじゃないけど。結局のところホモでは? になっちゃうし。
「うん、まあ、あの人のお陰で色々順調なんだけどさ。悔しいけど。そうそう、お金も持ってきたよ……どうやるんだっけ……」
ルヴィアさんお手製の──『アイテムボックス』らしい。普通の箱を空間魔法やら何やらで拡張したり軽量化したりした結果、サイコロサイズに数十キロの荷物が入る優れもの。特定の手順を踏まないと開かないから防犯性もバッチリ! 欠点は小さすぎるから普通に失くしそうなこと。バカか? 作った本人は子供達の面倒を見ておく、とのことです。お前の趣味だろそれ。
「できたできた、生活の足しにしてよ先生」
「……冒険者だってお金かかるでしょ? テセリアちゃんが持ってた方が」
「言うと思った。言っとくけど、受け取ってくれなくても置いて帰るからね? 出したお金を引っ込めるわけにもいかないし」
「うう、ごめんね……」
「そう思うなら資金繰りとかをさ……」
そういえばどこからお金入ってきてるんだろ。教会だし大本から寄付金とか回ってきてたのかな。あーでもみんなで農業してたしその辺の売り上げもあるのかな。孤児を集めて育てる資金……やっぱ寄付金かな。そもそもこの世界の宗教ってどうなってるんだろ。気にしたこと無かったな。
「ご飯は食べてくわよね? それまでゆっくりしとく?」
「ゆっくりできるようなスペースないでしょ」
教会兼孤児院。ざっくりと保育園を思い浮かべてくれれば騒がしさは分かってもらえると思う。流石に保育園よりは年齢の幅広いけどね。
「いいよ、チビ達の面倒見とくからさ。先生もちょっとは休んでよ。……というか、いつ休んでるの?」
「みんなが見てない時よ。それにしても、テセリアちゃんも気が使える大人になったのねぇ」
「む、まるで私がワガママガールだったみたいな」
「そんなこと思ってないわよ。甘えん坊さんだったとは思ってるけど……」
「う……」
若気の至りってことで……
運動場……というか裏手の空きスペース。子供達は昼間の自由時間は大体ここに集められてる。インドア派の子? 中に残ってるとお手伝いをすることになるから皆アウトドア派になったよ。お手伝いは持ち回り制です。まあ私はお掃除すると余計に散らかるので料理担当にされてましたが……
「ああやっぱり居た……馴染みすぎじゃないです?」
「子供はやはり美しいものが分かるようでな」
まあ子供って知らない人が来ると割と喜ぶし、歓迎はされてるだろうとは思っていたのだけど……思っていた以上だった。氷の馬やら騎士やらを作って男の子と遊ばせたり、氷の冠を女の子に被せていたり。もしかして保母さんとかやったことあります?
「はっはっは、人徳だよ、人徳」
「魅了してないでしょうね……」
ちなみに院には私より結構年下しか居ません。年上は独り立ちしちゃってて、同年代は偶々居なかった。だからこそお姉ちゃんをやってたわけです。この子達を魅了してたらもう犯罪だよ。
「しとらんしとらん。というかこんな子供には効かんよ。性欲が無いとな」
「チビ達の前で性欲とか言わないでくれません?」
じゃあなんすか。私が魅了されたのは私がスケベなせいだって言いたいんすか。訴訟も辞さない。
「あ、姉ちゃん! このお姉さんすげーよ! 魔法めっちゃきれいだし!」
「おうおう。遊んでもらえてよかったねぇ」
「あと姉ちゃんと違ってめっちゃ柔らかい!」
「あぁん!?」
なに堪能しとるんじゃエロガキ。子供の特権を存分に活かしよって。というか私だってちゃんと柔らかいが。なんだろう。貧乳扱いするのやめてもらっていいですか? 比較対象が先生なせいだよ絶対。
「ふふふ……よく分かったよおチビ……ぶっ倒れるまで追いかけ回してやるからな……!」
「やはり争いは同レベルでしか起きないんだな……」
「大人として分からせてやるだけですよ……! あ、ルヴィアさんは女子陣と遊んでていただければ。……手出さないでくださいよ? ほんとに」
「合意が無ければせんさ」
魅了が出来る、ロリショタコン(性別は可変らしい)……ツーアウトってところか……?
あったけぇ言葉、皆ありがとねぇ…