第一話:リンカー
中部太平洋深度3000m付近
ダイオウイカにも匹敵する大きさの機械が、海底に脚をつけて歩いていた
「ドール、目標ポイントがそろそろ見えてくるはずだ」「うん、もう見えてるよ」
機械が向いている方向には、立方体のコンテナを繋いだ潜水艇が沈没していた
「よし、じゃあコンテナを
機体は潜水艇とコンテナの間に手を入れ、二つの接続を断った
機体はゆっくりと潜水艇の方を見る
「……」
潜水艇のガラスの奥にあるのは、シートに座る二つの人だったもの
「ドール、どうした?接続が硬いか?」
「いや、何でもない。運ぶね」
「なるべく中身を傷付けないようにしろよ。既に悪い状態かもしれんが、良品の状態で運んで来れば評価は良くなる」
「面倒…」
「あぁ、面倒だ。だが、リンカー*1としてやっていく以上、少しでも高い評価を得て、ランクを上げる他無いんだ」
機体はコンテナを抱え、歩いて来た方向を向き、推進器で水中を移動する
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「待ったドール、止まれ」
ドールは機体を止め、海底に着地する
「?何かあったの?」
「ソナーに反応、左舷に4つだ。恐らく潜水艦隊…手を出さずに歩いていけ」
「分かった」
―――トライグル*2潜水艦隊旗艦内―――
ピーン………ピーン………
「機影を確認しました」
「識別は?」
「対象、MH*3です」
「所属は分かるか?」
「いえ、不明です」
「モニターに映せ」
白い人のエムブレムが描かれた、グレーのMHが緑色のコンテナを抱えて、海底を歩いている様子が映し出される
「エムブレムが見えるな。そこから識別しろ」
「対象MH、MHA*4のデータから照合、Dランクリンカー"ドール"です」
「ふむ…武装も近接武装のみか」
「いかがいたしますか艦長?」
「向きからして、第4セクターか。…攻撃の必要はない。このまま航行を続ける」
「「了解」」
―――――――――
スススッ…
「…通り過ぎたようだな。よし、航行して、港に向かえ」
「言われなくとも」
ドールは機体の推進器を起動した…
・・・・・・・・・・・・・・・・
――格納庫――
ウォンウォンウォン………ガシャン
プシュー…ガチャ
MHのハッチが開き、女性が降りてくる
「よぉドール、お疲れ様だ」
「…」スタスタ
ジーーッ
「…どうした?何か付いてるか?」
「…ん」テサシダシ
「?」
「報酬見せてケイク」
「…がめついな。ほらよ」
ケイクはタブレット端末をドールに渡し、彼女は画面を見る
依頼:200000U*5
追加報酬:50000U
「ん〜〜」
「不満があるのか」
「うん、だって
『おお〜!何と!ほとんど傷んでおらん!報酬は増やしておくぞ!』
って言っていたのに…」
「元の報酬の四分の一しか増えてないことがそんなに不満か?」
「…」コクッ
「そんなもんだ。まだDランクなんだ、足元見られても仕方ないさ」
「…」
「それに、この内容でこの報酬は滅多にないことくらい、既に知っているだろう?文句を垂れるな」
「…」タブレットオシツケ
スタスタ
「おい、どこに行くんだ?」
「部屋」
「…女ってのはよく分からねぇな。さてと、軽くメンテナンスしておくか」