「では・・・会議を始める」
「はっ。今日の議題は」
会議室の前方、議長の後ろにあるボードに書紀が書き始める
カカカカカッと小気味いい音をたてながら現れる文字には
『死にたくない俺たちの、無難な凌辱の仕方』
と勢いよく書かれた。
・・・全員がゲンドウポーズで下を向きながら、陰鬱な空気を隠そうともせず。
重い空気を肺から絞り出す。
黒ずくめ、筋肉質な男が右手をおずおず差し出して声をだす。
「昨日、魔法少女に襲われて返り討ちにしたんですが・・・その後どうすればいいのか本気で悩みまして」
それに返すのは首領と思わしき男。
「返り討ちにしたんだから凌辱すればよかろう」
「バカですか!?議題を!お忘れですか!死にたく無い!無難な!凌辱!ですよ!そこで安易にヒャッハーしたら後々死亡フラグ立ちまくりだるろうがよおおおお!」
「それはそうだが、俺たちはエロゲー世界の悪役、つまり凌辱してなんぼな世界に転生させられた男達であってだな」
「それ以前のモンダイなんだよバカ首領!俺たちの性癖が完全に凌辱エロゲーとは程遠いヤツラだろうが!」
「いやまぁ・・・死にたくない、が最初に来てるわけだし、そこはほら建設的な意見をだな」
「ああ、ああ。そうだな!最後に凌辱した!って意気揚々と報告しに来たやつは!
「壁ドンからの、愛の囁きでメス顔にしてやったぜ!」
だったからな!ジャンルが違うんだよぉおお!!!」
「そうは言うが、敵対組織の幹部を骨抜きにしたんだから大金星では?」
「議題を!思い出せ!バカ!」
「いやそれは否定できんが、そもそもお前の性癖が「逆レ」だからなぁ・・・お前の望みが叶って篭絡されたらお前が俺たちの敵になるし下手したら俺たちがお前に殺されるし。」
「だから困ったんだよ!逆レされたいのに返り討ちにしちゃったし逆レするタイプのヤツじゃなかったし俺にどうしろってんだ!?」
「同情はするが・・・他の奴らのほうが悲惨だぞ?純愛廚なのに触手系怪人になって図太いアレなせいで何もできないヤツとか、イケオジな見た目な癖に限りなくロリコンなヤツとか居るからな。お前はまだ、筋肉質だけど逆レ願望ってだけじゃないか」
「つうか悲惨具合で言ったら首領の「純度99パーのケモノっ娘といちゃいちゃしたい」が一番のアウトだろうが!ありえねぇだろ現代よりのこの世界でその性癖は!」
「お前、言うてはならん事言ったな!?探せばそんな感じのケモノっ娘が居るかも知れないだろうが!!!」
そう叫びながら拳を交える首領と武闘派幹部の会話を聞きながら、今日もまた「くすぐりフェチ」の書紀はため息を吐く