気づいたら騎士にスカウトされてたんだが   作:礼夢

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この『セカイ王国』には、姫を魔族や敵国から

守るための騎士団があった。

彼等の犠牲の上に、平和な日常は成り立っている。

そんな事、まだオレは知る由も無かったが。

(アキトside)

「あー!アンタ、また素振りなんかして。

騎士にでもなりたいわけ?」

「…うっせぇな、ほっとけよ」

庭で偽物の剣を振るっていたオレに、実姉の

『エナ=シノノメ』が絡んできた。

鬱陶しい限りだ。

オレの家は庶民階級だ。

親父は名が知れた画家だから、暮らしには

困っていない。

そんな父の影響で、エナは王宮画家になる事を

夢見ている。

…が、オレは絵の道に進むつもりは毛頭無かった。

エナの夢を否定するわけでは無いが、

オレには良さが分からない。

と、言ってはいるものの、他に特にする事も無い。

商人から荷物運びの礼として渡された偽物の剣を

こうして振り、退屈を紛らわせていた。

「アンタは知らないでしょうけど、ここ最近

この地区、治安悪いんだから。

騎士の人達が巡回警備してくれているけど…。

問題起こされると面倒なんだから、うろちょろ

しないでよね」

エナはいつもみたく、眉間にシワを寄せて言った。

オレは皮肉を込めて言い返す。

「知ってるっての、そんなことくらい。

お前みたいに注意散漫じゃねーし、大丈夫だっての」

「は?アキトのクセに生意気なんですけど?」

エナは溜め息を吐いた後、

「まぁ、そんな事よりパン買ってきてくれる?

暇なんでしょ、どうせ」

「うろちょろさせたくないんじゃ無かったのかよ…」

さっきのやり取りは何だったんだ、と内心で呟く。

渋々財布を受け取って、商店街に赴いた。

エナにパシられる事はしょっちゅうだし、今更苛立っても

しょうがない。

パン屋から受け取った、焼きたてのパンが入った袋を

抱えて帰路に着く。

袋ごしでも充分温もりが伝わってきた。

「…さっさと帰るか」

治安が最近悪くなってきているのは本当の事だし、

長居は無用。

住民同士のトラブルなんかも相次いでいる今、

巻き込まれるのは控えたかった。

…それなのに。

「ふざけんじゃねえぞ!」

「…!?」

男の怒鳴り声が辺りに響いた。

(何だ?)

子供のすすり声も聞こえてくる。

(…いや、待て)

声のした場所に向かおうとしていた足を留める。

厄介事に巻き込まれるのは確定事項だろう。

オレには関係無い事。

…そう割り切ろうとした。

「ひっぐ…うっ、ぐすっ」

オレがそう悩んでいる間にも、子供のすすり声は

止まなかった。

焦燥感と罪悪感に囚われる。

「あー、ったく!」

オレは声の聞こえる路地裏へと、足を運んでいた。




サヨ天復刻引きたい…。クリスタル集め頑張ります
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