申し訳ございません。
脱力していると、急に無理矢理誰かに片腕を掴まれた。
「っ…!」
振り返ると、先程の男が口から血を滴らせながら、
砕けたガラス瓶を持って此方を睨んでいた。
怒りで顔が歪んでいる。
掴まれた腕を振りほどこうとしても力が入らなかった。
「テメェら、さっきはよくも…!」
男がオレの脳天目掛けて瓶で殴りかかろうとした瞬間、
「大人しくしてなさい!」
ナギサがいつの間にか間合いに入り込み、柔道のような
鮮やかな動作で軽々と男を地面へと叩きつけた。
「…はっ!?」
あまりにも一瞬の出来事だったので、目の前の光景に
目を疑いそうになる。
その華奢な体格のどこからあんな馬鹿力が出てくるのやら。
「やるな!ナギサ」
「そっちこそね。危ないし、早く此処から離れた方が
良いかも。これ、君のパン?」
近くに置いたままだったパンの紙袋を見つけて、ナギサは
オレに手渡した。
「あ、そうっすけど…」
「よーし、じゃあ君、しっかり掴まっててね!」
「…ん?」
意味が分からず首を傾げると、これまた軽々とナギサに
背負われた。
「いやいやいや!オレ、自分で歩ける、って…!」
問答無用でナギサはオレを背負って疾走を開始した。
ふと隣を見ると、親子もツカサに抱えられていた。
(ったく…何でこんな事に…)
オレ達は騎士の2人に身を委ね、路地裏を脱出したのだった。
*
だいぶ遠くまで逃げてきたみたいだ。
「此処ならもう心配ないだろう!」
ツカサが親子を降ろすのと同時に、ナギサもオレを
慎重に降ろしてくれた。
…人抱えたままあれだけの速度で走れるとか…。
身体能力化け物すぎるだろ。
「ありがとうございました、
本当にありがとうございましたっ…!」
親子は騎士の2人に何度も頭を下げて礼をした。
詳しく聞いてみると、あの男には言い加減な理由を
つけられては何度も危害を加えられていたらしい。
「困ったらいつでもオレ達が守ってみせるからな。
もう怖くないぞ」
ツカサはしゃがみ、男の子と目線を合わせて笑いかけた。
「ー!うん!あと、オレンジのお兄ちゃんもありがとう!」
男の子はオレにも礼をしてきた。満面の笑みを浮かべている。
「…あ、いや、オレは…」
特に何も出来ていないというか。
母親からも頭を下げられてしまい困惑していると、
「素直にもらっておけ。お前が居なければ、この親子は
もっと危ない目に遭っていたかもしれない」
と、ツカサがオレに言った。
「…そうだな」
*
親子を見送りながら、ふと、
(人を助けると、こんなにも清々しい気持ちになれるんだな…)
と思いに耽った。
あの時面倒だからと切り捨てなくて良かった、と心の底から
感じられたのだった。
うーん、またもや中途半端な〆ですね。
今回の映画で、ほむさや(もしくはさやほむ)が話題になった理由 を痛感しました。
まぁ推しは杏子ちゃんなんですけどね(え?)