黒龍とアンネ   作:ボーヒーズ

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続きを書いてみました。


第2話

黒龍ミラボレアスはアンネの周囲を旋回しながら、その巨大な翼を羽ばたかせた。風圧で彼女の制服が激しく揺れ、髪が乱れる。

 

「あ、あの...」

 

アンネは混乱していた。伝説の黒龍が自分を主人と認め、懐いている。これは学院始まって以来の異常事態だ。

 

「どうなってるんだ...」

 

教師の一人が呆然と呟いた。黒龍はアンネに害を加えるどころか、むしろ彼女を守るような動きを見せている。その姿はまるで忠実な番犬だ。

 

突然、儀式の間の扉が開き、数人の魔法騎士たちが飛び込んできた。彼らは黒龍の姿を見ると、即座に武器を構えた。

 

「黒龍だ! 討伐せよ!」

 

騎士隊長が叫んだ。黒龍はその声に反応し、アンネを背後に隠すように立ち塞がった。まるで主人を守るかのように。

 

黒龍ミラボレアスはアンネを背後に庇いながら、騎士たちを睨みつけた。その赤い瞳が危険な光を放ち、喉の奥から低い唸り声が漏れる。

 

「く、来るな...」

 

アンネは震える声で言ったが、黒龍は微動だにしない。むしろ威嚇の姿勢を強め、翼を広げて巨大な影を作り出した。

 

「馬鹿な! 黒龍が人間を守っているぞ!」

 

騎士隊長は信じられないという表情で叫んだ。黒龍は伝説では破壊と殺戮の象徴。人間を守るなど有り得ないはずだった。

 

「アンネから離れろ!」

 

一人の騎士が魔法の槍を投げた。しかし、黒龍は素早く動き、その巨大な爪で槍を掴み取った。そして、槍を粉々に砕いた。

 

「こ、これは...」

 

教師たちも困惑していた。黒龍は明らかにアンネを主人と認識し、その命令に従っているようだった。

 

黒龍ミラボレアスは砕いた槍の破片を床に落とすと、再び騎士たちに向かって威嚇の姿勢を取った。その巨体が威圧感を放ち、騎士たちは思わず後ずさる。

 

「退却だ!」

 

騎士隊長が叫んだ。黒龍の力は予想以上だった。伝説では古代文明を滅ぼした存在。騎士団では太刀打ちできないことを悟ったのだ。

 

騎士たちは慌てて儀式の間から逃げ出し、扉が閉まる音が響いた。

 

黒龍はアンネに向き直ると、その大きな頭を彼女の胸に押し付けた。まるで「もう安全だ」と言うように。

 

「あ、あの...ありがとう...」

 

アンネは混乱しながらも、黒龍の頭を撫でようと手を伸ばした。黒龍は目を細め、気持ちよさそうに顔を擦り付ける。その姿は伝説の恐ろしい黒龍とは思えないほど、愛らしかった。

 

アンネの手が黒龍の硬い鱗に触れると、不思議な温かさを感じた。伝説の黒龍は冷たい存在と思われていたが、実際は生きている証拠だ。

 

黒龍はアンネの撫でる手に頭を擦り付け続け、まるで猫のような仕草だ。その巨大な体でありながら、その様子はどこか愛らしくもあった。

 

「アンネ...」

 

教師の一人が呆然と呟いた。儀式の間には他の生徒たちも残っており、皆一様に驚愕の表情を浮かべている。

 

「伝説の黒龍が...アンネに懐いている...」

 

一人の生徒が信じられないという声で言った。Fランクの魔力しか持たないアンネが、伝説の黒龍を手懐けたという事実は学院の常識を覆すものだった。

 

黒龍はアンネに甘えるように頭を動かし続け、その瞳はどこか満足げだ。まるで長年待ち続けていた主人を見つけたかのように。

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