雪の瞳の乙女   作:八田里

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 スカートのプリーツは乱さないように。
 セーラーカラーは翻らせないように。
 ゆっくりと歩くのがここでの嗜み。

 ここは私立リリアン女学園。
 汚れを知らぬ乙女がマリア様の下で儚い青春を過ごす場所。彼女たちは、健やかに、華やかに、春の訪れを喜ぶ小鹿のように軽やかに駆け回る。ここはまるで楽園みたいだ。
 だからこそ、私は清らかな学び舎を冒さないように粛々と影を潜める。だって、黒い羊はいくら洗っても黒いままなのだから。表にでてはいけないのだと、戒めてきた。

 でも、ここの白い羊たちは皆清らかで、黒い羊にも親切だった。だから、私は私を認めてくれたこの場所を守っていきたい。




マリアさまの心
1話 


銀杏の木もすっかり黄色くなった頃。山百合会では今日も薔薇の館で今年の学園祭に向けて話し合いが行われていた。

 

 山百合会というのは生徒会のような自治組織で、紅薔薇、白薔薇、黄薔薇の三人の代表とその妹達が幹部とされる。妹と言っても本当に血のつながりがあるわけではない。この場合、リリアン特有の姉妹制度という特殊な先輩後輩の関係を指す。

 

 ちなみに、三薔薇様の直属の妹は蕾と呼ばれ、例えば白薔薇を姉に持つ私は白薔薇の蕾と呼ばれている。

 

 薔薇様とその妹達は学園のアイドルみたいな存在で、毎年、学園祭では劇をすることが恒例だ。話し合いの結果、シンデレラを上演することになったのだが、肝心の主役を務める紅薔薇の蕾が猛反発。

 

 どうやら王子役がお隣の男子校の生徒会長だというのが気にくわないらしい。

 すでに顔を合わせたけれど、顔はよく頭も優秀な絵本の中の王子さまみたいなのに、祥子さんのお眼鏡にはかなわなかったようだ。  

 

 「千尋も何か言ってよ。」

 ぼんやりしていたら、矛先がこちらに向いてきた。長い黒髪が本人の震えにあわせて波打っている。こうして激高する彼女をみるたびに、妹にした紅薔薇様を尊敬する。

 

 「祥子さんが主役に相応しいと思うから。」

 「ほら、反対しているのは貴女だけよ。観念して頷きなさい。」

 ここぞとばかりに紅薔薇様が追い討ちをかけた。日数も迫ってきたから、さっさと本決まりにして準備したいのだろう。

 

 「横暴ですわ!お姉さまの意地悪!」

 そう捨て台詞を吐いて紅薔薇の蕾、もとい祥子さんは勢いよく部屋を出て行こうとした。

 しかし、ドアノブに手をかけた時、ちょうど外から私の妹の志摩子さんが開けたようで、空振りした拍子に祥子さんがバランスを崩した。

 

 「大丈夫!?」

 しかも、不幸なことに一年生も巻き込まれたらしい。祥子さんの下でつぶされていた。

 ドアの外にいたのは志摩子と下敷きになった一年生の他に写真部で有名な蔦子さんの姿もあった。

 

 「あーあ、随分派手にいったわね。」

 「悲惨じゃのう。50キロにつぶされるなんて。」

 「ちょっと、祥子。早くどいてあげなさい!」

 白薔薇様と黄薔薇様は呑気そう。紅薔薇様だけが、真剣に怪我の心配をしていた。

 

 「え、私が押しつぶしちゃったの!?ちょっと貴女大丈夫!?」

 「あ、はい。お尻を打っただけですから。」

 祥子さんがあわてて一年生を抱き起そうとした。二つ結びの幼い雰囲気を残した少女だった。

 

 「祥子、簡単に動かさないほうがいいよ。頭打っていたら大変だから。」

 「あ、大丈夫です。お尻を打っただけだから。」

 

 令さんの言葉に、顔を赤くして立ち上がった一年生を祥子さんが「よかった」と抱きしめた。大きな怪我もなさそうで一先ず安心。だが、二人は何やらコソコソ会話をしている。

 

 すると、突然祥子さんが「妹にする!」と宣言した。被害にあった一年生は福沢祐巳さんというらしい。可哀想な祐巳さんは目を丸くしている。周りも驚き半分、呆れ半分といったところ。仕切り直しということで部屋の中に招き入れ、詳しいことを聞いていく。

 

 「確かに妹一人つくれない人に発言権はないとは言ったけど、妹を作ったら役を降ろすとは言ってないわ。」

 「もう無理よ。祥子、第一その子と初めて会ったんじゃないの?名前も知らなかったみたいだし。」

 

 紅薔薇様と白薔薇様の言葉に祥子さんが黙る。固く握りしめた拳は、彼女がまだ戦闘態勢をとかない表れだ。まだまだ挽回の機会を伺っている。膠着状態がつづくかと思っていたら、意外なことに志摩子さんが一石を投じた。

 

 「あの、お二人はさっき初めてお会いしたのではないと思いますが?」

 「どうして?」

 「だって、祐巳さん、祥子さまを尋ねてここにいらしたのですもの。」

 

 志摩子さんの促しで、蔦子さんが写真を差し出した。写真に写っていたのは、タイを直す祥子さんと、タイを直されて真っ赤な顔で俯く祐巳さんの姿だった。写っている二人は確かに姉妹だと言われても違和感がない。

 

 「あら。」

 「本当に初対面ではないみたいね。」

 写真をみた薔薇様方も納得されている様子だ。

 

 「わかった。妹の件は認めましょう。でも、シンデレラを降りるのはダメ。」

 「お姉さま!!!」

 

 紅薔薇様の言葉に祥子さんがヒステリックに叫ぶ。ここまで嫌がるのなら、止めたほうが良いのではないかと思うが、裏の事情もあって難しい。隣で事の成り行きを見守っている黄薔薇さまに耳打ちする。

 

 「黄薔薇様、祥子さんが可哀想に思えてきました。」

 「そうねえ。でも、祥子の男嫌いを治すためだから。」

 事の発端は、祥子さんに王子様のように素敵な同世代の男性との交流して、男性不振をなおしてほしいという紅薔薇様の親心から始まった。他藩の姉妹の話に口をつっこむわけにもいかないけれど、親の心子知らずというべきか、祥子さんは紅薔薇様の企みには気づいていないみたい。

 

 それはそうと先ほどから祐巳さんが蚊帳の外だが大丈夫だろうか。赤くなったり、白くなったり百面相をしている。目の前におかれた紅茶でも飲んで落ち着いてほしいが、一般生徒にそんなことができるのはそうそういないだろう。

 

 「ご希望でしたら、皆様の前で儀式いたしましょうか?」

 「それもいいわね。」

 

 引くに引けなくなったであろう祥子さんが、目の前で証明してみせると言い始めた。儀式というのはロザリオの授与のことだろう。

 姉妹とは、姉となる上級生から妹にする下級生にロザリオを渡すことで成立する。稀に逆のパターンもあるらしいけど。

 

 「動かないで、祐巳。」

 

 祥子さんが胸元のポケットからロザリオを取り出した。あれは紅薔薇さまが祥子さんに渡したもの。冗談で言っているわけではないみたい。志摩子さんがチラっと私のほうを見てきた。頷いてGOサインを出す。

 

 「お待ちになって。祥子さまも他のお姉さま方も、皆様大切なことをお忘れになっていませんか。」

 「大切なこと、って?」

 「祐巳さんのお気持ちです。」

 「志摩子さんの言う通り、一度祐巳さんの意見も聞きませんか?」

 妹の言葉につづいて、私も待ったをかける。

 

 「祐巳さんのお気持ちですって?」

 薔薇様方は鼻で笑った。

 

 「この子が、ロザリオを受け取らないとでも思って?」

 「そうは申しません。けれど一応、お気持ちを聞くのが筋というものですわ。」

 「なるほど。たとえ紅薔薇の蕾からの申し出であろうと、志摩子のように「ごめんなさい」してしまう人がいないとも限らないわね。」

 紅薔薇さまは牽制球を投げてきた。私の方も見て言うのだから、これには黙るしかない。

 

 「でも、祐巳さんは祥子さまの信望者よ。断るわけないわよ。」

 「私もそう思う。この子、祐巳さんをちょっと観察していたら、祥子のファンだってすぐにわかったもの。」

 蔦子さんと白薔薇さまが口々に言う。

 祥子さんのほうをチラとみると、こちらも気づいていたようで相当の自信があるのか堂々とした態度を崩さない。

 

 「祐巳さんはどう思っているのかしら?」

 

 皆の視線が祐巳さんに集まる。

 祐巳さんは下を向くと意を決して口をひらいた。

 

 「私、祥子さまのファンなんです。だから、受け取れません。祥子さまの妹にはなれません。」

 小さなざわめきが起きた。

 紅薔薇さまは目を瞬せ、黄薔薇さまはポカンと固まり、白薔薇様は面白くなってきたと言わんばかりに笑っていた。私は内心よく言ったと拍手を送っていた。はっきりと拒絶をしてみせた祐巳さんに好感を抱いた。

 

 「祥子さん、諦めましょう?」

 何にせよ勢いだけで姉妹の契りを交わすのはやめたほうがいいと思う。私だって志摩子さんを妹にしたときは相当悩んだから。

 

 「どうして、って聞く権利くらい私にはあるわよね。」

 私の言葉を無視して、祥子さんはこめかみをピクピクと震わせて言った。

 血管が切れても知らないぞっと。

 

 「確かに私、祥子さまのファンでしたけど。」

 「どうしたの、本性をみて嫌いになった?」

 紅薔薇様が間に割ってはいる。

 薔薇の館にはいってから見た祥子さんはヒステリックに大声をあげるか、薔薇様方に喰ってかかるか、なにしろ淑女とは遠い姿だ。幻滅しても仕方がない。激しい気性に逃げ出したお手伝いさんが何人もいたことがそれを証明している。

 

 「そうじゃなくて、うまく説明できないけれど。ファンだからって、必ずしも妹になりたいかっていうと、そうじゃないんじゃないかと。」

 「ふうん。」

 「ファンだからこそ、ファンなりのプライドがあるわけで。」

 「祥子さん、それぐらいにしましょう?」

 祐巳さんはおどおどしているが自分の意見を拙いなりに一生懸命に伝えようとしている。その健気さに免じて、この場は味方をしよう。志摩子さんの同級生でもあるらしいし。

 

 「どっちにしろ、祥子はまたもやフラれたというわけ。」

 「かわいそうな祥子。番狂わせの二連敗。」

 「今年の一年はやってくれるわね。」

 

 三薔薇さまは、祥子さんを取り囲んで口々に言った。言葉とは裏腹に、慰めるというよりも揶揄っている。そうするから、祥子さんの血圧が高くなるのに、とは思ったものの、この件に口出しするのは憚られるので黙る。

 

 「かわいそう、とおっしゃるなら。シンデレラの一件をどうにかしていただけない?」

 おお、笑顔だが唇がひくひく引きつっている。

 

 「おや、同情されるのが嫌いな祥子が泣き言を言っている。」

 「どうにかって、どうしてほしいの?」

 「大丈夫よ。祥子ちゃんはシンデレラにぴったりだわ。」

 祥子さんは完全に薔薇様方のオモチャにされている。祐巳さんもそれに気づいたらしく、同情的な眼差しをむけていた。祥子さんは外面は完璧なお嬢様なのだが、こうして身内だけになると猫の皮が剥がれる。

 

 「私か花寺学院の生徒会長か、どちらか役から降ろしてください。」

 「何言っているの。祐巳さんにフラれたからと言って、どうしてあなたの云うことを飲まないといけないの。」

 これはそろそろ決まったな、と思った時に意外なところから待ったがかかった。

 

 「あ、あの。せめてシンデレラを他の方に代えて差し上げたらどうでしょうか?例えば、志摩子さんとか。」

 志摩子さんが「何を言うの?」という顔をしている。思わず、祐巳さんを見るが先ほどまで怯えていたのが嘘のように、はっきり意見を述べている。

 

 「志摩子さんも祥子に負けないぐらいきれいだし、1年生だけどしっかりしていらっしゃるから。」

 この子は本当に祥子さんのことが好きらしい。必死に弁護する姿は、姉思いの妹にみえる。

 

 「そうよ。適正のある人は候補にいれるべきだわ。」

 こっちは少し自重して。

 味方を得て勢いを取り戻した祥子さんが喰ってかかる。

 

 「蕾でいいのなら、令や千尋でだっていいはずです!」

 「あの2人にシンデレラ役ができると思っているのかしら。」

 「できます!」

 「そう思っているのは祥子だけでなくて?」

 

 流れ弾のように飛んできた黄薔薇様の言葉に私と令さんはひっそりと目を合わせる。

 王子の代役を務めるほど凛々しい令さんとガリ勉な私。三人の中でお姫様役にぴったりなのは祥子さんだけなのだ。でも、そうは言っても祥子さんは納得できないのだろう。

 

 私は傍観者の顔をしている令さんに声をかけた。

 「というわけみたいだから、令。私の分も含めて祥子さんの期待に応えてあげて。」

 

 「何を言ってるの?」と令さんが凝視してくる。黄薔薇様は大爆笑。令さん、ごめん。私と志摩子さんのために巻き込まれてくれ。

 

 「令さんだってウィッグを被ればできるはず。」

 「ムチャ言わないで!」

 「そうよ。令にも責任があるわ。王子役だと思っていたのに。いつの間に変わったのよ!」

 言い争っていると紅薔薇様が手を叩いた。

 

 「熱意はわかったわ。」

 「じゃあ、」

 「でもね。今回祥子がシンデレラを務めるのは祥子の為でもあるの。次期紅薔薇としての生徒の評価を高める布石としてね。」

 たんなる意地悪ではない、と弁明した。

 しかし、祐巳さんは納得していないようだった。

 

 「先ほどの会話の流れから察するに、祥子さまは相手が花寺の方になるとはご存じではなかったようです。ちゃんと知らされていなかったのには、薔、」

 「止めなさい!祐巳。」

 鋭い叱責が祐巳さんの言葉を遮った。

 

 「それ以上は言わせないわよ。」

 「も、申し訳ございません!」

 ハッとした顔で祐巳さんが頭を下げた。彼女は悪くないのだけど、上下関係に厳しい祥子さんからすれば、あの先の言葉は聞き逃せなかったのだろう。

 

 「祐巳ちゃんの云うことも一理ある。」

 白薔薇様が言った。

 

 「でも、タダってわけにはいかない。そこでこういうのはどうだろう?」

 「何でしょうか?」

 警戒した様子で祥子さんが問いかける。

 

 「祥子が祐巳さんを妹にできるか否かに賭けるのはどう?」

 賭けの内容とは、もしも祥子さんが祐巳さんを妹にできたらシンデレラ役を降りてもいい。その代わり、祐巳さんが姉の代わりを務めるという内容だった。期限は学園祭の前日まで。

 

 こうして紅薔薇の蕾姉妹の戦いが火ぶたを切って落とされた。




 「祐巳さん、大丈夫でしょうか?」
 「クラスメイトなんでしょ?明日、お昼の時に聞いてみるといいんじゃない?」

 バス停までの途中で、志摩子さんは浮かない顔をしていた。
 私たちは山百合会で仕事があったときはこうして一緒に帰る。いつもならクラスのことや最近読んだ本など取りとめのない話をするのだが、今日は先ほどあった騒動について話していた。

 その気持ちはわからなくもない。一年生なのに劇の主役にされるかもしれないなんて、祐巳さんにとっては不安でしかないだろう。しかも、賭けの対象は彼女の憧れの紅薔薇の蕾との姉妹関係だというのだから気の毒だ。

 「志摩子さん、祐巳さんのサポートをお願い。まあ、言うまでもないみたいだけど。」
 「はい。」
 無事に終わりますように。
 リリアンに通う生徒は、善き人ばかりだけれど、嫉妬というのは怖いもので容易に人を狂わせる。純粋な憧憬とは突き詰めれば、それ即ち狂気なのだ。私は暴力よりも怖いと思っている。

 「でも、妹の立場から言えばお姉さまのシンデレラも少し見てみたかったかもしれません。」
 「王子より大きいお姫様なんて見たくないでしょ?」
 「お姉さまは可愛らしい人ですから、きっと似あいますよ。」
 中学生で170センチを超えていた身長はいまや180センチを越えた。学園どころか世間一般でも私より身長の高い女性はあまり見ない。

 「では王子役は志摩子さんが立候補?」
 「いいえ。王子はすでにいますから。それよりも私はシンデレラをプリンセスに変身させる魔法使いになりたいです。」
 
 なぜか脳内に日朝のアニメの衣装をきた志摩子さんがステッキをもって「魔法少女志摩子!」と名乗りをあげている場面が想像された。疲れているのかな。やけにしっくりくるのがこわい。
 それはそうと志摩子さんが言う王子役も気になる。

 「王子は誰なの?」 
 「白薔薇さまです。」
 「似合わない。」
 王子役が似合わないというより、私を口説く姿が想像できないというほうが正しい。

 「お気を悪くされましたか?」
 「そんなことはないよ。ただ想像できないなと思っただけで。」
 顔色を伺うように見上げる志摩子さんの頭を撫でる。

 「猫みたい。」
 「喉を鳴らしてみせましょうか?」
 「おかしいな。私が妹にしたのは人間のはずなのに。」

 志摩子さんは笑いながら、私の手をとって頬にあてた。あたたかく柔らかい肌が固い指先に触れる。思春期の男子がみたらひとたまりもないほど蠱惑的な表情。本人には自覚はないのだろうけど誘惑するような眼差しは目に毒だ。

 「お姉さま。私、この賭けは無効になると思います。」
 「どうして?」
 「だって、打算で姉妹になることはできないでしょう?」
 姉であるなら、妹を盾にすることはできないから、と志摩子さんは言った。

 「どうかな。私は白薔薇の蕾の席が欲しくて白薔薇様の妹になったよ。」
 私はあくどい笑みを浮かべて、反対のことを答えた。

 「いじわるしないでください。」
 志摩子さんが身を離す。
 空いた隙間に秋風が吹き抜けた。

 「......それだけではなかったはずです。」

 志摩子の瞳はステンドグラスのように透明だ。身の内から白い光が漏れ出るように神秘的でもある。志摩子さんの目が好きだけど、その青灰色の瞳に映されるのは苦手だった。

 「さあ、帰ろう。じきに日が暮れる。」
 聞こえなかったことにした。
 だんだん日が落ちるのが早くなってきた。
 学園祭の騒動が落ち着くころには、秋の深まることだろう。そうして暫くたてば、イエス様の聖誕祭がやってくる。

 「はい。お姉さま。」

 青春は人生のある期間ではなく、心の様相をいうのだと言った詩人がいたそうだけど。私はそうは思わない。青春は一瞬、あっという間に終わってしまう。

 だからこそ、マリア様に道を踏み外さないように願うのだ。焦りのあまり行きすぎていくことのないように。
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