ただ思うがままに初代ポケモンの世界を堪能するTSおっさんのお話 作:茜 空
フシギダネ→ハーベスト(すなお) Lv9
ポッポ →ササミ (ずぶとい) Lv3
ピカチュウ→ラム (おっとり) Lv4
「んー?」
「ピカ?」
「ん?ああごめんね、ちょっと気になることがあってね」
今俺とラムの前にいるのは。
「キャタ?」
「こんなところでキャタピー?出てきたっけ?」
キャタピーだった。
現在、二番道路からトキワシティに戻る最中で、案の定というか、懸念通りというか、やっぱり野生のポケモンとは遭遇した。したんだけど。
二番道路にキャタピーなんていたっけ?
俺は訝しんだ。
まあ別に出てきて困るとかはないよ、うん。気持ち悪い!とか、生理的に無理!だとか心配してたけど、そういう拒否反応なかったしね。なんていうか、普通に大丈夫だったのは安心なんだけど。
もしこいつがゲームと違う所で出現してるんだったら大問題だ。
ゲーム通りじゃないってことは、他のところでも違う種類のが出てくるってことだし、逆にそこにいるはずのやつがいないとなると、入手が困難なのが多数出てくる。
ないとは思うけど、下手すればカントーにいない、初代にいるはずのないポケモンが出てくる可能性すらある。
そうなったら図鑑の完成は途方もない難易度に跳ね上がる。てか無理。今ポケモンの数ってどんだけいるんだっけ?ってくらい多いもの。
「ピッカ!」
「あ、重ねてごめんねラム」
まずいまずい。野生のポケモン目の前にして考えに浸るのは危ないわ。ラムに声をかけられて助かった。考察はとにかく後。今は目の前の戦闘に全集中!
「ラム、でんきショック!」
「ピッカァ!ヂュウゥゥゥッ!」
「キャタピピピピピピィー!?」
ラムは待ってましたとばかりにでんきショックを放つ。
まずはこれで様子見だ。これでHPが半分切るようなら次はボールを投げてみる。キャタピーはまだ未ゲットだし、これでゲットできたらトキワの森でゲットする必要なくなるしね。
反撃に関してはいとをはくだったらこっちのHPは気にしなくてもいいし、たいあたりでもキャタピーのだったら急所でも耐えられるはず。
「キャタァ……」
うん、なんとなく半分切るって予想してたけど、やっぱり半分切ったな。
「キャタァピー!」
「くるよ、ラム!」
「ピカァッ!ピカ!?」
キャタピーの反撃に備えてたらキャタピーは糸をはいてきた。ラッキー。すばやさは下げられるけど、特にダメージのないいとをはくならどんだけくらっても平気……
「ピカ、ピィカァ」
でもなさそうだな。めっちゃ動きにくそう。結構な量の糸が出るんだなこれ。しかもなんか嫌な感じでベタベタしてるし。そりゃあすばやさも下がるわ。
「ごめんラム、ちょっとだけ我慢してて。いけ!大リーグボール6号!当たる魔球!」
どっかの漫画で読んでウケたネタを叫びながらモンスターボールを投げる。
スコン。
セリフの割には球威のないボールがキャタピーに命中。
いいんだよこれで。こちとら中身はおっさんだが今は未成年の女の子だぞ。球威出るわけないじゃん。そもそも出ても困るんよ。変にダメージとか出たらゲットに支障出るし。というわけで俺の出した持論、結論。
当たればよかろうなのだぁ!
コロコロ、クルクル、カチッ⭐︎
「キャタピーゲットぉ!」
「ピッカァ!」
ヒャッハー。やっぱ勝った時とゲットした時のこの瞬間たまんないわ!アドレナリンが噴水のように湧き出てくる。てか今のところ初球ゲット率百パーセント!俺って才能ある?なんちゃって。って、
「うお!?ラムなんで動けるの!?」
「ピカ?」
お前さっきまで糸まみれになってたじゃん。
「ピカ?ピッカ!」
ラム自身もあれ?なんで脱出できてんの?って反応。でもま、いっかって感じか?こういうところがおっとりっていうのかな?いかん、本当に性格がよくわからなくなってきた。これもとりあえず棚上げしとこ。そのうちどっかで答えが見つかるでしょ。俺は苦笑いしながらラムを撫でる。
「お疲れ、ラム」
「ピカピカァ」
ドヤるかと思ってたら俺の撫で撫でを嬉しそうに受け入れるラム。かわいいじゃないかウリウリ。
とりあえずひとしきりラムを褒めて撫で終わったら、キャタピーの図鑑登録の確認。
二ヘラ
いやーやっぱ顔がニヨけるな。へへ。
あ、そういえば図鑑に登録されたら生息地も表示されるんじゃない?俺にしちゃ冴えた発想。って事で確認してみたら、しっかり二番道路に出現マークが入ってて一安心。これであの変な心配事は無くなったな。引き続きポケモンワールドを堪能しよう。
でわでわ、キャラピーの詳しい情報を見てこう。
まず性別はオス。タイプ、むし。知ってる(笑)
あー、今ゲットの影響とでっかい心配事が減ったから変なテンションになってるかも。気にしないけど。
持ち物、なし。
そういえばたまにゲットしたタイミングで何か持ってるやついたっけ。それにリメイク版って持たせられるアイテムあったっけ?ま、そこはおいおいかな。まだ序盤も序盤だしね。
性格、おくびょう。
あー、だから出会ってもいきなり襲いかかってこなかったのか。今まで出会ったポケモンが好戦的なのばっかだったからちょっと印象に残ったんだよね。
……おくびょう?
仲間がたくさんいる住み慣れたトキワの森から出てきた個体が?
ああでも最初から二番道路で生まれた可能性や迷子、はぐれって可能性もあるのか。
いかんね、色々あったせいで性格に懐疑的になってるかもなー俺。
ステータスは……うわぁ、軒並み一桁だよ。まあまだレベル五だし、ゲットしたばかりだし、ここから驚異的に伸びる伸びしろしかないって見方もあるだろうけど、ラムが今の時点でこうげき、とくこう、すばやさが既に二桁乗ってるからなぁ。逆に防御が絶望なんだけど。あ、やべ、この思考は落ち込む。いや、キャタピーと一緒できっとこれから伸びるんだ!そうに違いない!次!
とくせい、りんぷん。……りんぷん?このボディのどっからりんぷん出てんの!?てか出てたの?謎だ。
まあポケモンの生態うんぬんはオーキド博士の領分だ。俺はそーなんだ程度で受け止めておこう。詳しい知識持ってるわけじゃないしね。
気を取り直して、りんぷんの効果が、技の追加効果を受けない、ね。要はでんきショックのマヒ追加やどくばりの毒追加なんかは受けないってこと?なかなか悪くないとくせいなんじゃない?
と、ステータスはこんな感じか。とりあえずはボックス行きだけど。まずはハーベストとラムを集中して強くしたいし。
最後にニックネーム。
「オーム!っていうのは冗談で」
最後まで進化させないならありかもだけどねー。名前負けもすごいし。
「パピヨン!」
進化先を見据えてこの名前。出典というか元ネタは武装錬金の蝶野攻爵。あの個性の塊みたいなやつ。なんていうか、クセが強いんだけど、大好きなキャラなんだよね。
というわけで決定!
ボールの中で嫌だぁぁぁぁぁぁ!!ってキャタピーの叫び声が聞こえた気がするけど、きっと気のせいだ。
さて、そろそろ日も暮れ始めたし、少し急いで帰ろう。
「ラム、まだいけ」
「ピッカ!」
「……遮らないでよ。元気なのは分かったからさ」
まだいけるのか。ラム、恐ろしい子…!
思わず白目になった。
リリィ:変に生息地がずれてなくてよかった。むしタイプが大丈夫でマジよかった!
ラム:自分が変なニックネームつけられなくてよかった!
ハーベスト:ご主人ってたまに妙なセンスのニックネームつけるよな。今後も被害ポケモンが増えそう。
ササミ:そんなんまだマシだって。こちとらいつそういう目で見られるか分かったもんじゃないからな。割と不安だぞ?
パピヨン:ニックネームも捕まった先も嫌すぎる……