ただ思うがままに初代ポケモンの世界を堪能するTSおっさんのお話 作:茜 空
「さあいくぞー!」
「ダネーッ!」
翌日。
しっかり休んで元気になった俺とハーベストは、マサラタウンの出口の草むらの前で壮大な冒険に出るような主人公ムーヴをかましていた。
ほら、こういうのって様式美じゃん?
それにここから先は未知との遭遇。気を引き締めるためにも気合いを入れないとね。
今日の服装はBW*1のトウコスタイル。動きやすそうっていうのもあるけど、女の子主人公の中でかなり好きだったんだよね。なんなら続編の2のメイちゃんより好き。メイちゃん人気者だけどねー。
服は昨日たまたまクローゼットで見つけた。いやなんであるんだよと思わなくもなかったけど、まああるのなら有効利用しないとね。他にも色々あったのでおしゃれはしっかり楽しみたいと思っている。TSしたらオシャレはテンプレでしょ。
え?コスプレみたい?周りが気にならないかって?全然気にしない。ファッションなんて本人が気に入ればそれがジャスティス。何よりこんな格好元の姿でできると思う?自他共に不幸になる未来しか見えないよ。じゃあいつやるの?今でしょ!*2
ちなみにこんな格好で草むら闊歩するとか大丈夫?って問題も例のポケモン世界の超技術で普通に平気だった。
いや、人用のディフェンダーがあるんよ。これ、服だけじゃなく肌に吹きかけても大丈夫な上に、ちゃんとどっちにも効果が出る。まあ限度はあるみたいだけど、服も肌もちょっとやそっとじゃ破れないし傷もつかない。なんなら虫も刺せないレベルなので虫刺されの心配もなし。どうりでゲームもアニメもあんな格好で出歩いてるし滅多に破れや怪我が少ないわけだ。そっちが同じ仕様かはわかんないけどもさ。
相変わらずやべえ技術すぎる。
あ、昨日帰ってから?
母親がめっちゃハーベスト気に入りました。ハーベストもハーベストで母にすぐに懐いたし。どっちも慣れるのが早い早い。俺でなきゃ見逃しちゃうね。ええ、この言葉を言いたかっただけですが?
それはそれとして、やっぱこの子いい性格してるわ。素直って自分に素直って意味じゃないよね?
んで、俺はと言えば、後回しにしてた自分の声や身体を確認、色々堪能*3したり、レベルアップの時の自己嫌悪に踏ん切りをつけたりと自分の中を色々整理してきた。これで不意に何かが起こっても情緒不安定になることもない。はず!*4
ちなみにこの時にレポートって名前の日記も見つけました。なんか書いといた方がいいっていう直感みたいなのが働いたのでとりあえず記入はしておいた。
はい、回想終わり。
んじゃあ早速草むらに突撃ー
「ポォォォォォォォ!!!」
「ぎゃぁぁぁぁぁぁ!?!?!?」
って草むらに入った途端いきなり何かが襲ってきたんですけどぉぉぉぉぉ!?
驚きのあまり腰抜かすかって感じで後ろに倒れ込み、ヤバいと思った時には時すでにって場面。
けど、その瞬間。
「ダネェッ!」
「ポォッ!?」
目の前で襲ってきたものにハーベストがたいあたりで弾き飛ばす。
「たた、助かったハーベスト!」
「ダネッ!」
ビビった!超ビビった!怖かったぁぁぁぁ!まだ心臓バクバクいってる!
と、とにかくまずは立たないと。
落ち着け、落ち着けーと呟きながら、震える足に無理矢理力を入れて、なんとか立ち上がる。その間はハーベストがにらみをきかせてくれてたおかげか襲ってはこなかったけど、うぉぉ、めっちゃ威嚇してきやがるぅ。
何だよこれ?何だよコレェ!昨日やったポケモンバトルと全然雰囲気が違う!しかもそっちから襲ってきたのに理不尽すぎるだろ!?
これが、野生ポケモンとのバトル。野生怖い……って、あれ?
待って待って待って。
うっそだろ?あれって。
「え?ポッポ?」
「ポォ!」
ポッポじゃん!
俺、ポッポにクソビビってんの?
しかも投影されてるこいつのレベル見たら3じゃん。ハーベストの半分だよ。
屈辱
「……ふふ、うふふふふふ」
「ポ?」
「ダ、ダネ?」
「アハハハハ!」
ダサい。ダサすぎるよ俺。
「ハーベストぉ?この勝負、絶対勝とうねぇ?」
「ダ、ダネッ!!!」
かえってなんか色々吹っ切れたわ。このお礼はバトルでたぁっぷりしないとねぇ?
「覚悟はいーい?」
「ポ……ポォォォォォォォ!!!」
なんか俺が笑った辺りからちょっと様子のおかしいポッポだが、俺の台詞に一瞬たじろいたものの、再び勢いよく襲いかかってきた。
なんか若干ヤケクソ気味にも見えるけど、気のせいだなきっと。
「ダネェッ!」
そこにこちらもさせるかとばかりに再びハーベストが割り込んで、たいあたりをかまして弾き飛ばす。
うん、大丈夫。もう怖くない!
「ダネ!」
頼りになる仲間もいるしね!
「行くよハーベスト!前を見ろ!目の前にあるのは、お前の
「ダァネェェェ!」
「ポォォォォォ!」
なんかどっかの死神の始解した時のような俺の台詞を合図に、ハーベストとポッポは交戦状態に入った。
で、数分後。
「祝!野生ポケモンバトル初勝利!ぶい!」
「ダネッ♪」
「ポ、ポォ」
俺たちがキメ顔でポーズをとっている後ろで、思わずチーンって音が聞こえてきそうになるくらいポッポはボッコボコになって転がっていた。まあレベル差もあったし、ポッポ相手ならざっとこんなもんだ。
ざあまみろ!