魔と異能と召喚獣と   作:只今更新凍結中

12 / 21
久々投稿


釘を刺すは弟子のため

「痛っ……」

 

「ご、ごめんね?」

 

「いや、大丈夫だよ」

 

大技勝負は見事に敗北し、

 

「よし、くっ付いた?」

 

「うん」

 

僕の右腕は綺麗に切断され、固定するのを手伝ってもらっていた。

 

「いや……意外と威力が強かったからね~」

 

「均衡したの一瞬ですぐ春架の技に消えたんだけどね」

 

「うぅ~」

 

「しかし、どうしようかこれ」

 

僕は上を見上げると赤に染まっていく空。

見事に屋根部分が消えた小屋だった。

 

「しかしどうしようか……」

 

「そろそろ新しい住居見つけなきゃかもね」

 

ちなみになぜ小屋の屋根が消えたか、それは春架の一撃が原因だ。

 

「よし、動くようになってきた」

 

「相変わらずの再生能力ね……

仕方ないし行くかな」

 

「ん?どこか行くの?」

 

「総本部」

 

「え?」

 

「いい加減報告なしだといけないだろうし……

何より弟子を取ったの報告しとかないと明久にも迷惑が掛かるからね」

 

へ~

と言うより、総本部とかあったんだ。

 

「ついでにアレして……あ~釘も刺さないとね」

 

なんかブツブツと呟きはじめた。

 

「とりあえずそう言うことだから。数日は帰ってこないわ」

 

「了解」

 

「あ、あとクロをつれて行くわね」

 

「良いけど……」

 

「大丈夫、使い魔ってことで登録してくるだけよ」

 

春架はそう言うとクロを持ち上げ、

 

札を投げ、其処から現れたのは数m程になる鷹。

式神らしいが、どう見ても生き物だよね。

 

「じゃあ明久も気をつけて帰りなさいよ」

 

「うん」

 

春架は大鷹に飛び乗ると空へと舞い上がっていった。

 

「……帰るか」

 

流石に遅くなるとユキに心配かけるし。

 

 

__________

 

「さ~て、やることはたくさんあるわね~」

 

春架は予定を立てていく。

 

「とりあえず、今の速度なら夜位には着くから総本部は良いとして。

やることはクロの報告、ある程度の釘刺し」

 

今私はもう継承の儀は行なえない。

私の一族はもういないに等しいし、後は明久だけがそれを行なえる。

だからこそ釘を打たなければならない。私の可愛い弟子に手出しされたら困るからだ。

 

「それと明久の登録ね。

ふふ、本当強くなった。ね、クロ」

 

私はクロを撫でるとクロは尻尾を振り、見上げてくる。

本当、不思議なものだ。

私は弟子は取る気は無かったんだけどな……

でも明久の眼は強い光を持っていた。

ただちょっと鍛えてあげるだけだったのに、いつの間にか弟子同然に鍛えていた。

多分クロもそう言うところを気に入ったのだろう。

例え明久が、自分の親を殺した存在だとしても……

 

「急ごうか、クロも早く明久のところに帰りたいでしょう?」

 

クロは頷くとそのまま眼を閉じる。

う~ん、人化の術を教えたらどうなるかしら……

 

 

___________________

 

 

 

「ただいま~」

 

「おかえり」

 

家に着くとユキが迎えに出てくれた。

何と言うか人がいるっていいな……

 

「ご飯にする?それともお風呂?それとも……」

 

「そう言うネタはいいよ……」

 

「残念」

 

いや、残念て……

 

「お母さんが男性が帰ってきたらやることよ、って言ってたよ?」

 

「おばさ~ん!?」

 

なんちゅうこと娘に教えてるんですか!?

流石にこれでは危険だ。

僕はこう言う事は言わないようにとユキに強く釘刺すのであった。

 

 

______________

 

深夜……

其処は暗い闇に覆われていた。

 

「春架様、おひさしぶりですな」

 

「えぇ」

 

「かれこれ10年も連絡なしでこちらも困っていましたよ」

 

そのホールのような部屋に春架と数名の人間がいた。

 

「悪かった。連絡入れ忘れていた」

 

「ところで其処にいるのは黑煌狼では無いですか?

なぜ魔を……」

 

「ここに来たのはこの子の登録のためだ」

 

「なるほど、ところで昔言った話はどうですかな?」

 

「ぜひわが子を弟子に」

 

「いや、うちの倅を」

 

「我が孫だ」

 

言い合いをはじめる周りに春架は咳払いし。

 

「悪いが断らせてもらう」

 

「なぜですか!?」

 

「……もう弟子なら……育てている」

 

「「「なっ!?」」」

 

周りは唖然とした。

 

「そ、そのものは才能があったと言うのですか!?」

 

「どこのものです!!」

 

「一般人だよ。今年で高2だ」

 

「何も訓練されていない……血筋も無い一般人如きをで……」

 

『バキンッ!!!』

 

「「「!!!???」」」

 

突如春架は床を殴り砕いた。

 

「口を慎みなさい。私の弟子をそれ以上侮辱するなら……切り殺すわよ?」

 

「「「……」」」

 

「才能なら申し分ない。この子も弟子の使い魔だからね」

 

「な!?」

 

「上位種を使い魔に使役するだと!!」

 

周り騒ぎ出す。クロを私の使い魔と勘違いしてたようね。

 

「実力もあるわ……

黑煌狼を倒したって言うね……」

 

此処にいる存在は皆知っている。

上位種がどれほどの力を持っているか。

だからこそ幾等春架の弟子とは言え、見習いが倒したとは信じられなかった。

 

「もうその子とは継承の儀を済ませている。

今回戻ってきたのは使い魔登録と……弟子の対魔士登録のためよ」

 

「「「……」」」

 

「まぁ、それだけだから」

 

春架は立ち上がると出口に向かい、クロもそれに付き従う。

 

「あ、そうそう。

もし家の可愛い弟子に手出ししてみなさい?

そしたら……後は分かるわよね?」

 

濃密な殺気が放たれ、そこにいた人達は息を呑む。

 

「あ~ぁ、私も変わったものよね。

悪くないけど」

 

もし昔の彼女を知るものが見たら……驚愕したであろう。

あの冷酷無比の対魔士が……穏やかな表情をしてたのだから。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。