僕達はさすがに今のFクラスの状態では道具等がないということで雄二と二人で学園長室前にいる。
『……の賞品の……として隠し……』
『……こそ……勝手に……如月グランドパークに……』
「……失礼します」
「Fクラスの代表かい。声をかけるのはいいがノックと返事を待つくらいしな」
「……やれやれ。取り込み中だというのに、とんだ来客ですね。
これでは話を続けることもできません・・・・・・まさか、貴女の差し金ですか?」
確かこの人は教頭の竹原先生だったかな?女子に人気らしいけど僕は好きになれない。
その目は他人を人とは見ておらず、道具程度にしか見ていないように見える。
「馬鹿を言わないでおくれ。
どうしてこのアタシがそんなセコい手を使わなきゃいけないのさ。負い目があるというわけでもないのに」
「それはどうだか。学園長は隠し事がお得意のようですから」
「さっきから言っているように隠し事なんて無いね。アンタの見当違いだよ」
「……そうですか。
そこまで否定されるならこの場はそういうことにしておきましょう。
それでは、この場は失礼させて頂きます」
教頭はそう言うと部屋を出ていく前に僕達に視線を向ける。
その目は明らかに好意的ではなく……いや、はっきり言おう、軽蔑や汚いものを見るような目だった。
「で、なんのようだい?」
「あぁ、それは……」
雄二と学園長が話し始めたあいだに僕はある一箇所を見る。
それは教頭がチラチラと見ていた場所、植木だ。
僕は黒楼を漂わせそこを探る。
(ビンゴだな)
何やら金属物を見つけたので黒楼で破壊する。
「じゃあそう言う事でいいんだな」
「あぁ、頼んだよ」
こっちも話がちょうど終わったようだ。
「じゃあ、明久もどる……」
「あぁ、吉井は少し残りな」
「……わかった、先に戻ってる」
雄二が部屋を出り離れたのを確認し、
「何か用ですか?」
「あぁ、大事な話でね。しかし……」
学園長は部屋をざっと見る。
「大丈夫です。盗聴器とかは壊しましたから」
「壊したってことはあったってことかい……
でさっき坂本に話したことだが……聞いてなかったろう?」
「聞いてもわかりませんし」
「少しは勉強に腰をいれな。今回の大会の景品回収さ。
しかし坂本にはチケットといったが重要なのはそっちじゃない。もう一つ……白金の腕輪を回収して欲しいさね」
「なんでまた?」
「アンタは頭は回る方だと思ってたんだがね……欠陥品さね。しかし出すと言ってしまっては出すしかなかった。だから少しでも改良するために、アンタに回収して欲しい」
「はぁ」
「盗聴もそうだが……教頭が関わっている可能性が高い。しかし現状証拠がなくてね。
だからあんたにやってほしいのさ」
「まぁ、こっちも色々と助けてもらってますからいいですけど……いいんですか?
そんな重要なこと一般生徒の僕に」
「何が一般生徒だい。
……アンタには個々の生徒を守ってもらっているという恩、そして信用がある。
これじゃダメかい?」
「……わかりました。できるだけ努力します」
「そしてだ、これが一番重要なことなんだが……入ってきな」
「はい」
……おかしい、なぜ彼女の声が聞こえるのだ?その声は聞こえるはずのないハズのなのに……
なんかこの振り、前もしたな。
「おひさしぶりです、ご主人様」
「うん、とりあえずそのご主人様ってやめない?
そこには薄い紫の長髪を三つ編みにし、紅い眼をした女性。
何よりはっきり言って浮いているとも言える外見。その服は首元にリボン、エプロンのような装飾。
スカートは長く、しかし腰近くまで切れ込みが有り、頭にヘッドドレス。俗にいうメイド服だ。
彼女はスカートの橋をつかみ、お辞儀する。
しかしその手は指空きグローブを付けてるという……
彼女の名は詩祇 晶(しがみ あきら)。
大人びた雰囲気だが同じ年だ。
「それは無理です。私はメイドで貴方様はご主人様ですから」
「わかった。じゃあご主人様と言ってる限りは口は聞かない」
「えっご主人様」
「……」
「すみません。お願いしますから無視しないでください、明久様」
「……もうそれでいいや」
必死に頭を下げる晶に僕は頬をかき、学園長は苦笑する。
元は言うと彼女がこうしてる方がおかしい。
なぜなら彼女は春架と同じく退魔家の名家である。まぁ、その関係で平凡な僕は彼女と知りあったのだが。
……彼女には年の離れた姉がおり、僕もかなりお世話になった。
それこそ本当の姉のように。しかしその彼女は亡くなった。そして晶はそれ以来こうしてメイドをしている。そして僕を主として従う。それこそ盲目に、それこそまるですがるように……
僕自身それはダメだと思うからこそ住所とかは教えず、距離をとっていた。
なのになぜ?
「晶、なんでここを……」
「明久様の住所を見つけましたので。資料で」
「ねぇ、それってプライバシーの……」
「それで至急こちらへときたというわけです」
「詩祇はAクラス上位並みに学力がありながらアンタがいると言う理由でAクラス入りを蹴ってね。
まぁそういうことだから特例でFクラスだよ」
「格好については?」
「……構わんよ、特例理由とでもしとくよ」
う~ん、学園長がこう言ってるんだ。もうどうしようもないか。
しかしだ。
「晶、バンザイして」
「はい」
彼女が両腕を上げると強調するものは無視し、
「……」
そんな彼女を黒い霧が通り抜け、スカートからチェーンソーが落ちてくる。
「「……」」
「ちょっと学園長、待っててください」
僕は晶の腕をとり、隣の部屋へと向かう。
「さてと」
「あの明久様、少し待ってください。心の準備が……」
「‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥」
少々お待ちください。
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あのあと持ち物点検すると出てくる出てくる。
マグナム、デザートイーグル、ハンドアックス、サバイバルナイフなどなど……
とりあえずどこに隠してたんだこの山をって程でてきたので戻し、
「痛かったですよ、明久様」
「それで済んだだけ良かったと思いなよ」
頭をさすりながら晶は言う。
「……まぁ、彼女も関係者だから問題ないだろう。
じゃあ吉井は主なんだろう。めんどうは任せたよ」
「……はぁ」
さて、どう説明しようか……特にユキに。