「準備はよろしいですか?」
立会人はAクラス担任であり、学年主任の高橋先生が行うみたいだ…
今起こってることありのままに話すぜ?
はとことの再会に焦り一人でテスト受けていたら何時の間にAクラスとの試験戦争に参加してたんだ。
言ってる僕も……
「バカやってないで現実見ろ」
「うん、さすがに今のはひどいかなって自覚してる」
しかしどうするか……いや、僕が悩んでも仕方ないけどさ…
「さて明久、お前の番だ」
「へ?」
あれ?僕の前に須川君が…
「あれ見ろ」
Fクラス須川 DEAD
あれ?おかしいな……
「ねぇ……」
「気にするな」
「けどさ戦死の……」
「気にするな。お前の番なんだ、早く行け」
「へいへい……」
僕は前へと進む。担架で運ばれるカッターまみれの須川なんて見ていない!!
「私が行きます」
そう言って出てきたのはユキ。
「さっきぶり」
「だね」
う~んやっぱすぐに…は無理だな…
「はとこなんだし昔みたいに話そうよ」
「「「「「はとこ!!??」」」」」
AクラスとFクラスからの叫び。
まて、Aクラスは分かる。しかし
「で、試合はどうする?」
「あ~じゃあ歴史で」
「いいよ」
「おいおい、転校生てか留学生に歴史って……」
「酷いな…さすが観察処分者」
何か聞こえるが無視。
てか君たちこそ気づかないかな……
彼女は転校生。それこそ……
歴史
Fクラス 吉井明久 125点
VS
Aクラス 雪香・Y・アレイシア 324点
君達と同じA…てか!?
「「「「「300超え!?」」」」」
「すごいね」
「お母さんの影響かな?それに明久の家によく遊びに来てたしね」
「そっか…ところで召喚してみて……どう?」
「う~ん動かしにくい」
「じゃあ歩くことから練習しようか?」
「む?明久、私の事子供扱いしてない?」
「気のせい」
やっぱ変わってないか……
昔から見た目もあって大人びてるようだけど……
「くく……」
何僕は身構えてたのだろうか……嫌われると思った?拒絶されると?
「答えなんて分かり切ってたね」
「何か言った?」
「い~や」
僕は操作に悪戦苦闘するユキを眺める。
しかしユキは召喚獣の動かし方に慣れてきたようだ。
うわ……すげ……
「よし、これでいいかな」
「じゃあ始めようか」
ユキの召喚獣は例えるなら戦乙女。
姫路さんとはまた違った感じの騎士だった。武器なんて細身の少し長い西洋剣。
「うし」
僕は右手袋を外す。その甲には大きな切り傷。
一瞬部屋にいた生徒達が息を飲む。
少なからずそうそう簡単には見れないものだしね…
「……そこまで怪我してたっけ?」
ユキは僕の手を見て聞いてくる。
「いや、この傷は修行で出来たヤツ」
僕の召喚獣は木刀を
「ちょっと!?アキ!!何やってるのよ!?」
見ようによっちゃ試合捨ててるよね~
「はぁあああ……!!」
召喚獣は地面に手を付け……そのまま引き抜くと、召喚獣の身長並の黒く、布のついた刀剣が現れる。
「「「「「え?」」」」」
あら?高橋先生まで驚いてる?
「能力?しかし腕輪はない?ではなぜ?」
うん?学園長は教えてないのか?
「それが腕輪の能力?」
「いや、これはバグだよ」
召喚獣は召喚者の点数、そして本質が影響するそうだ。
要するに僕の召喚獣は僕の異質を読み取り、観察処分者の証である学ランに木刀と言う装備を捻じ曲げてこれ……黑楼を出せる。
「さてと……」
召喚獣は剣を振り、
「行くよ!!」
ユキの召喚獣の目の前に現れ、斬りかかる。
「っ……」
ユキの召喚獣はそれを何とか剣で防ぎやり返してくるが、
「ほいっと。甘い甘い」
剣を蹴るようにして宙返りし、怒涛に様に斬りかかる。
「……くっ……」
まだ操作に慣れず当たるが堅いな…見た目よりも結構防御があるようだ。
「……!! そこっ!!」
「痛っ!?」
おまけにもう慣れてきたか。
まるでスポンジだな……扱い方を水を吸うかのようにどんどん呑み込んでいく。
「え?なんで明久に……」
あ……やばっ……
「あ~僕観察処分者だからね。フィードバックがあるんだよ」
「!!!!」
「あ、止めるなんて言わないでよ?僕だって覚悟の上でこれをやってるんだから」
「でも……」
「僕が頑丈なのはユキは知ってるでしょ?」
「……わかった」
それに痛みはもうないしね。この力にはよく助けられるな。
しかし……
吉井明久 34点
VS
雪香・Y・アレイシア 198点
一気に点数減ったな……
対してユキの点は当てた回数から考えてあまり減ってないよ。
「決めなきゃだね」
僕の召喚獣は右手を剣の峰の先端に持って行くように構える。
ユキは何かするのか?と言うふうに僕を見て、構えを取る。
「……」
「………!!」
疾走。明久は刺突のように構え突撃し、ユキはそれを読むように、
「今!!」
召喚獣をジャンプさせた。
「おわ……!!」
しかしそこに見たのは剣を地面を抉る様にして止まる明久の召喚獣。
「(先を読まれた!?)」
「でやっ!!!!」
「やぁあああ!!!!」
落ちる勢いを剣に乗せるユキの召喚獣。
剣を振り上げながら飛び上がる明久の召喚獣。
「……ちぇ、やっぱ点数差が仇になったか……」
そこには胴を斬られたユキの召喚獣。そして左肩に剣を突き立てられた明久の召喚獣。
吉井明久 0点
VS
雪香・Y・アレイシア 12点
あと少し……明久の召喚獣の剣が斬っていれば勝てた……
しかし、切り落とす前に点数が消えてしまっていた。
「勝者、Aクラス」
教室に響く高橋主任の声。だが周りは静寂に包まれていた。
初めての操作でありながら初心者を思わせぬ動きをした雪香・Y・アレイシア。
観察処分者と言う不名誉な称号を持ちながら3倍近くの相手を地に落としかけた吉井明久。
「お疲れだな」
「うん、ごめん負けちゃって」
「なに、気にするな」
「少し休むよ」
僕は奥に進み壁に寄り掛かる。
別に肩はもう痛くない。てかあの程度の痛みはもう慣れた。
「疲れた……」
しかしユキに会ってずっと気を張り詰めてたせいか何時もより疲れたのだ。
僕は試合がどうなるか考えながら目を閉じた。