家に帰り付き、仕方ないので姉さんの部屋に荷物を置き次の日に空き部屋を掃除することにした。
「けどご飯の材料を買ってたのはこのためなんだね」
「うん。さすがに二人だし」
僕は肉、野菜を炒めながらユキを見る。
ユキはレタスなどをまぜ、サラダを作っていた。うんこれくらい炒めればいいか。
「……上手だね」
「一人暮らしだしね。ユキはおばさんに教えてもらったの?」
「女の子だし、一人暮らしする時必ずしなきゃいけないことだからって。
皿ってどこ?」
「うん?そこの棚の右だよ」
結論から言うとご飯ってやっぱ一人で食べるより誰かと食べる方が楽しいんだよね。
__________________
「………」
僕はユキがお風呂にいっている間にあるところに連絡をかけていた。
『……はい』
「あっお久しぶりです、明久です」
『あ~明久君か!!国際電話だったから誰かと思ったよ』
「はい、おじさんも元気そうでなによりです」
ユキのお父さんはロシア人だが日本語が上手だ。
『明久君も元気そうだね。如何だい?雪香は無事着いたかな?』
「怪我とか何もなくですね。それよりおじさんも大丈夫なんですか?
仕事忙しいんじゃ……」
『いや、部下が優秀でね。この頃暇が出来るようになったのさ。
軍人だからそこら辺は諦めてたんだが大助かりだよ』
「確かに会ったのは一回だけですが、すごく頭良さそうで優しい人でしたね」
『私からすれば君があの退魔師の弟子になってた方が驚きさ。
それ以上にあの娘が弟子をとった方が驚きだがな』
「そんなに驚くことですかね?」
『今まで誰も弟子をとらず、オマケにすべて断ってたらしいからね。
仕事関係上あまり知られてないが、あの娘が君を連れてきて、
「あ~彼は私の弟子です」と紹介したあと上が大慌てだったよ。
なんせあの冷徹の狩人と書類にまで書かれた娘が頬を赤らめながら紹介したんだからな』
「へ~~~」
『あまり興味なさそうだね』
「いや冷徹ってのと途轍もなくかけ離れた印象しか感じませんから……」
『それは私自身驚いたくらいだ。昔会った時は異形を処理次第すぐに消えるような娘だったが……
君を連れて来た時はまるで別人……そうだね、とてもいきいきとしていたね』
昔の春架ってそんな印象だったのか……
『それより明久君……』
「なんですか?」
『雪香は友達は出来たかな?学校生活で何か困ってないかな?まさかいじめに合ったりしてないよね?それ以上に今困ってる事とか言ってなかったかい?』
あ~やっぱり娘馬鹿は治ってなかったか……
「別に何か困ったりしてるとかは無さそうでしたよ?クラスは別ですが解け込めている印象でしたし。
と言うかよく一人暮らしをOKしましたね」
『普通なら却下するところだが……雪香が泊まり先に君の家を選択してね。
まぁ君なら大丈夫かと思って泣く泣く許可したよ』
「いや、泣く泣くって……」
『……君には本当に感謝してるんだよ。大怪我をしながらも異形から娘を守ってくれたからね』
「……守れてませんよ。結果的にユキも大怪我しちゃってますし」
『そうでもないさ。あの子は怪我の事は気にしてない……いや、むしろ大事にしてる節がある。
君との繋がりだとね』
電話越しだがおじさんが笑ってるのがわかった。
『むしろ守られてばっかだったと泣いてたぐらいだ。
今ではそれ以来習ってる護身術でそこら辺の男連中よりかは強いがね』
そこまでわかってて何が心配だと言うんだ……
『雪香をよろしく頼むよ?明久君』
「まるで嫁に出すような言い方しないで下さいよ」
『在り来たりな言葉だが君なら構わないのだよ?』
「僕にはもったいないですよ。でも……任せてください」
『あぁ。とりあえず雪香の分の生活費は君のお母さん経由で渡すから安心しておいてくれ。
では……』
そう言って電話が切れた。
「……なにが暇さ……部下の人から呼ばれてたじゃん」(苦笑
僕は携帯を仕舞うと同時にリビングのドアが開く。
「あ~ユキ。お風呂の湯加減どうだt……ブフッ!!!???」
僕は振り返りながら聞こうとし、吹き出した。
「下着忘れた」
扉に立っていたのはバスタオル1枚で歩き回る、先ほどまでの話題の中心であった我がはとこ。
「ユキ!!なんて格好で歩き回ってるの!?」
「下着と服忘れた」
「あれ!?さっき下着しか言ってなかったけど服まで!?
ちゃんと用意して入りなって言ったでしょ!?」
「気にしない」
「気にしろ!!」
……おじさん、僕はユキの面倒を見る自信がもう崩れそうです。