えいゆうのはなし   作:中々の柘榴

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悪魔「既存のやつを進めろ」
天使「書きたいものを書くのです」

OK牧場?


Prelude:手記

古びた手帳が落ちている。

 

□□□

 

あるひ、ぼくたちのむらにおうさまがきました。

ひげをはやした、きれいなまんとのおうさまです。

 

ぼくのおうちにやってきて、おとうさんとなにかをはなしています。

 

おかあさんは、はいっちゃだめっていったけど、どうしてもきになったので、こっそりのぞいてしまいました。

 

おとうさんには、すぐにばれてしまいました。

かんかんになっておこってます。

あとでおしおきだ、といわれて、ぼくはちょっとなきそうになりました。

でもおうさまは、だいじょうぶだよ、っていってわらってゆるしてくれました。

 

あたまをなでたては、とてもおっきくてごつごつしてました。

でもいたくはなかったです。

 

おうさまはとてもやさしいひとでした。

またあいたいです。

 

みんなでごはんをたべてると、おとうさんがじっとみてきました。

 

なんにもいわないのでぼくはこまって、おさらのなかをのぞきこみました。

なんだかせなかがむずむずしました。

 

□□□

 

むらのやまであそんでいると、おっきな■■■■にあいました。

ぼくはめがみさまのほこらにかくれていました。

こわかったけど、すぐにおとうさんがきてくれました。

やまにはいったらだめだっていっぱいにおこられました。

たたかれたあたまはいたいけど、たすけてくれたおとうさんはとてもかっこよかったです。

 

いえにかえるとおかあさんが、めがみさまのおかげだといっていました。

めがみさま、ありがとうございます。

 

□□□

 

おとうさんが、むらをでていきました。

どうしてもやらなくちゃいけないことがあるそうです。

さびしかったけど、おかあさんがないていたのでぼくはなきませんでした。

でもさびしいので、はやくかえってきてほしいです。

 

□□□

 

おかあさんが、ないていました。

しくしくと、ないていました。

おとうさんみたいになでてみたけど、なきやんでくれません。

おとうさん、はやくかえってきて。

 

□□□

 

おかあさんが、なかなくなりました。

あたらしいおうさまが、うちにきました。

うまにのったきしさまが、きれいなたてをくれました。

おかあさんは、おうさまとけんかをしていました。

おこってるのにないてるみたいで、ぼくはおかあさんをだきしめました。

 

あたらしいおうさまは、なぜだかかなしそうなめで、ぼくのあたまをなでました。

 

□□□

 

今日から僕は、聖盾騎士団の騎士だ。

かつて王から貰った盾は象徴である聖盾らしい。

僕だけが、盾の力を扱える。

僕の父さんもそうだったようだ。

 

この国のため、国を見守る女神様のため、故郷の母さんのために僕は戦う。

 

モンスターはとめどなく村を、国を襲うけど僕は負けない。

父さんがそうしたように、僕がみんなを守るんだ!

 

□□□

 

聖盾騎士団の団長になった!

この盾を使えるのが僕だけだからだろう。

王の前で女神の像に向けて誓う。

まだまだ僕は若いけど、みんなのために団長にふさわしい騎士になるぞ!

 

□□□

 

今日のモンスターは様子がおかしかった。

普通のゴブリンと、それを従える強いゴブリン。

辺境の村が襲われ、騎士団にも犠牲はでたけどみんなで倒した!

騎士団のみんなと、ゴブリンが占領していた村を取り返すことができた。

ここから少しづつ、モンスターを押し返そう!

 

□□□

 

故郷の近くを襲った大きな蛇のモンスターをみんなで倒した!

とても大きくて家畜の牛も丸呑みにされたけど、村人はみんな無事だった。

母さんにも久しぶりにあった。最後に見た時よりも背が曲がっていて、しわが増えていた。

帰ってこないのかと聞かれたけど、この国を救うまで待っててほしい。

またいつか、母さんの焼いたパンが食べたい。

その時はきっと騎士団みんなで。

 

□□□

 

竜のモンスターが現れた。

これまで倒したどのモンスターよりも強くて、騎士団を総動員して討伐にあたった。

少なくない数が犠牲になった。

それでも、この勝利は無駄ではないはずだ。

この戦いもきっといつかは終わるはずだ。

 

□□□

 

竜のモンスターが以前とは比にならないほど大量に現れた。

群れを率いるのは黒い小竜。

騎士団だけでなく、王国の兵も、臨時の民兵も動員した。

黒い竜とは()が戦った。

これまで戦った全てのモンスターのなかで最も強く、最も苦戦した。

 

苦戦の間に、一体何人が犠牲になった?

 

全ての竜は討伐されたが、王国が負った傷は大きい。

早く平和を取り戻さなければ。

 

□□□

 

黒い竜が空を覆った。

ただ飛んだだけ。

それだけでみんなの心は折られ、続く竜の波濤にいくつもの村が呑まれた。

 

それでも聖盾騎士団は戦う。

全てのモンスターを狩るまで、俺たちは不滅の騎士となる。

 

□□□

 

あの黒い竜以外の全ては討ち果たした。

それでもなお、モンスターはとめどなく湧く。

何が聖盾の英雄だ。何人を死なせた。何人を犠牲にした。

全てはお前()の過ちだ。

 

□□□

 

聖盾騎士団二十一代団長として結論を下す。

この国はとうに滅んでいた。

この国に(英雄)はいなかった。

 




馬鹿野郎俺は(悪魔に)勝つぞお前
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