守護者の憂鬱   作:那谷屋

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赤の衝撃

幾多の死闘をくぐり抜けてきた俺でも怒り狂う少女、陰流 桜をどうすることも出来ないでいる。 

陰流 桜は俺の事を10年前から知っているようだが、俺は彼女とは初対面の筈だ。

10年前に何が遭ったのか調べる必要が出てきたが、桜からどれだけ情報を引き出せるか不明だ。

 

月明かりの中、改めて彼女を観察してみると

年齢は16~18才くらい

身長は155~158㎝くらいか?

体重は・・・・・・イヤ止めておこう以前女性の体重を当てようとして酷い目にあったから

髪の色は黒でストレートの髪を肩に掛かるくらいの長さで切り揃えている

目鼻立ちは整っており美少女といえる

人種は間違いなく日本人だが、瞳の色は日本人にしては珍しい青色をしている。近親者に外国人が居る可能性が高い

体型はグラビア雑誌に出ていてもおかしくないくらい成熟している。

 

情報整理という現実逃避をしていると、頭部に痛みが走りそれにより現実に引き戻される。

桜の手には辞書が握られていた。どうやらソレで俺の頭部を殴ったようだ。

辞書は打撃武器じゃなく読み引くものだと言ってやりたかったが火に油を注ぐようなものだから止めといた。

痛みのある頭をさすりながら桜を見ていると、ため息を吐きながら

 

「紹介したい人と物があるので着いてきてください。」

 

と言い部屋から出て行った。

桜に後に続き部屋から出る。階段を下っていると踊り場がありそこに姿見の鏡があった。

 

鏡に映る今の自分をみる。

服装は上は両腕に赤く光る線が縦に入ってる黒のコート、手には甲に丸い金属プレートが付いているフィンガーハーフグローブ、下は黒のレザーパンツに黒のブーツ。全身黒ずくめで、今気が付いたのだが室内を土足で歩いていたが良いのかコレ? 

 

顔立ちは整っていて頭髪は黒の日本人顔なのだが、目つきは異様に鋭く瞳は蒼く瞳孔は縦長に開いる。

これは俺が生まれた一族の特徴の一つでもある。普段はコンタクトをして隠しているのだが今は外している状態だ。

眼を隠したかったので手持ちの道具を確認するするためにシステムを起動させる。

仕分けされたウィンドウが空中に現れ、その中から日常品のウィンドウをチェックする。

その中からコンタクトケースを探し当て手元に呼び出し手慣れた動作で身につける。

コレで良し。一人悦に入ってると、

 

「何してるんですか?」

 

階段下り終えた桜に声を掛けられてしまったので時間を掛けすぎてしまったと反省する。

 

「悪いすぐ行く」

 

返事をしてコンタクトケースを粒子収納して階段を下り一階に着くと呼び鈴が鳴った。

 

「あ、姉さんが来たみたいですね」

 

普通に出ようとしてるので急いで止めた。妙な気配を持った相手なのに危機意識なさ過ぎだろ・・・・・・

 

「俺が出るからそこでまってろ」

 

そう言い玄関の扉の前まで気配を消して移動する。左手に銃を呼び出しそのまま扉に背を預け右手でドアノブを回し少しだけ扉を開けて待つ。

 

「桜、来た―――」

 

扉を開け入ってきた赤いコートを着た少女の額に銃の狙いを定め最後まで喋らせなかった。

 

「ちょっと寒いので家に上げてくださらない?」

 

ムっとした顔をしながらそう言ってきた。

肝が据わってるのか何をされたか解ってないのかどちらか判断出来ない俺は呆れながら銃を消し、降参の意志を示す為両手も上げておく。

 

「アーチャー貴方も止めときなさい」

 

何故俺が両手を上げているのか、その答えは少女の背後にいる存在が弓矢を構えて狙ってきているからだ。

 

白髪と浅黒い肌に赤い外套、間違いない俺の知っているアーチャー(弓兵)だ。

 

「貴方、本当に九頭 悠理なの?顔が違うけど・・・・・・」

 

・・・・・・今日は驚かされてばかりだが、やられ放しなのは気にくわないから皮肉の一つでも言っておくか。

 

「名前を尋ねるなら、まずは自分から名乗るのが礼儀じゃないのかねお嬢さん?」

「あら、それは失礼しました。私は遠坂 凛です以後お見知り置きを」

 

皮肉を皮肉で返された。相変わらずの強気な性格だ。

 

「そうそう、桜はどこ?」

「奥で待機させてるよ。あ、後お嬢さんのアーチャー借りたいがいいか?」

 

こちらを探るように眼を細めたが、いいわよと言って奥に消えていった。

さて、許可が出たがまずは、目の前の構えを解かないアーチャーを何とかしないといけない。

 

「君のマスターからの許可は得たから、付き合って貰いたいのだがいいかなアーチャーいや、エミヤ シロウ君」

 

最初からエースのカードを切る。さあ、どう出るかな・・・・・・

 

「貴様何者だ」

 

警戒されてるが想定内なのでそのまま交渉する。

 

「とりあえず話すからまずは、狙うの止めてくれるとありがたいのだがね」

 

渋々といった様子で構えを解いた。

 

「お互い聞かれると不味い話もあるから、場所を変えよう屋根でいいかな?」

「ああ、いいだろうココから離れるのは得策ではないからな」

 

霊体化して屋根に移動して実体化してみた。コレは便利だな。 

「さて、何から話したらいいかな」

「まずはお前の正体からだ」

 

「ああ、等価交換ね。魔術師の基本だったけ、まずは座ろうか色々話したいこともあるし、それと煙草吸ってもいいかな?」

先ほどコンタクトを探すついでに持ち物をチェックしたときに見つけおいた煙草とライターを実体化させる。煙草を一本口に咥え火を付けて煙りを吐き出しアーチャーの顔を見る

「・・・・・・」

驚いてるが説明するのが面倒なので話しを進める事にした。

「俺の名前は九頭 悠理、ライダーのサーヴァントとして召喚された。まあ正体は君の同類みたいなものかな、色々な意味での」

「同類とはどういう意味だ?それと何故私の真名をしっている凛にも隠しているのに」

「言葉の通りの意味だよ。未来の英雄、守護者であること、とか」

「なんだと!!」

「驚くのは分かるけど、声大きいよ」

「っ、すまない・・・」

注意されて冷静さを取り戻したようなので話を続ける。

「君の真名はこの時代にいたことがあってそれで、士郎ちゃんの所に世話になってた時君もいてカマかけたら当たって知ったんだけどね」

「そうか、それと何故守護者などになったんだ?」

そういえば、アーチャーは守護者になったことを後悔してるんだったけ。

「俺は無茶苦茶な事をやって死んでしまったが、まだやらなければならない事があったから生き返らせて貰うために死後、守護者になる契約してなったんだが君は後悔しているのか?アーチャー」

一瞬だけ怪訝そうな顔をしたが、嫌悪感まるだしでアーチャーは俺の質問の答えを口にした。

「当たり前だ霊長の守護者として死後、感情は消され拒絶不可能な虐殺に身を投じることになり、さらには人の暗黒面をまざまざと見せ付けられ、その結果信念と記憶も磨耗し、かつての理想に絶望したよ」

「そうか、そうだよな・・・・・・普通守護者は感情を消され、虐殺の道具として使われるだよな・・・・・・」

 

他の守護者と遇うことなど無かったから、ここまで待遇が酷いとは思ってなかった。

同時に疑問も出てくる俺は何故感情を持ったまま活動できたんだ?色々聞いてみるか

「なあ、聞いてもいいか?」

「なんだ?」

 

「俺の場合感情を持ったまま、自分の意志で動いていたいたんだがそれは異常なのか?」

「他には?」

「え?」

「お前が疑問に思ってることは他にもあるのだろう?」

「ああ、他には地球とは別の星に呼び出されたりすることがあるのかと、世界からの魔力供給が無いのは何故なのかと、魔力が枯渇しないかぎり現界し続けられるのは何故かと、アラヤに死者蘇生が出来るのか、まあこんなところかな」

「・・・・・・」

黙りこんでしまったが、それほど異常なのか俺は?

「私から一つ言えることはお前は正体不明者(アンノウン )だ。守護者ではない」

「何故言い切れる?」

「アラヤは人類の持つ破滅回避の集合無意識だ神に近いが神ではない。それに死者蘇生はアラヤでも不可能だろう。お前は何か別の物と契約したのだろう」

 

 

「・・・・・・熱っ」

 

自分の存在意義が否定され茫然自失になってしまったが、手に挟んでいた煙草の火が手を焼いて正気にもどった。

 

俺は何と契約して何になったんだ?

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