守護者の憂鬱   作:那谷屋

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再会

「もう一度問う貴様は何者なんだ?」

 

アーチャーの問いに俺は答えられないでいる。

どう答えたらいいのか解らないが口を開いて言葉を紡ごうとした瞬間、住宅街の一角が光った。

 

「あれは―――」

 

アーチャーは呟くと光った家を目指し跳んだ。

事態を飲み込めてない俺も、慌ててアーチャーの後を追って跳ぶ。

 

「ちょっと待て、説明してくれ」

「着けば解る」

 

よほど急いでいるのか返答が素っ気ない。

光った場所に近づくとそこが何処なのか解った。

衛宮邸だ。

2年間居候させてもらった家なので懐かしさが込み上がってくる。

 

「ん?あれは・・・・・・」

 

衛宮邸の屋根に着地し庭を見ると右手に朱の長槍、左手に黄の短槍を持った男と不可視の剣を持った見覚えがある少女が対峙していた。

 

「なあアーチャー、ランサー(槍兵)のサーヴァントってクーフーリンが召喚されてる筈なんだよな」

「そうだな」

「今いるランサーの正体、解るか?」

「紅の破魔の槍に黄の呪いの槍、右目下の魅了効果のある黒子、おそらく―――」

「彼の名はディルムッド・オディナかつて私と剣を交えた相手です」

 

俺たちの会話にセイバー(剣士)のサーヴァントが割って入ってきた。

 

「お見受けしたところ、貴方たちもサーヴァントのようですが彼との決着が付くまで黙って見ていて欲しいのですが」

「イヤだと言ったら?」

「切り捨てます」

「お~怖」

 

軽口を叩いて場を和ませようとしたが効果がなかった。

この状態を破ったのは蔵から出てきた赤毛の少年、衛宮士郎だった。

 

「じいさん、逃げろ!!」

 

屋敷向かっては叫ぶが、確か士郎ちゃんはこの時は一人暮らしのはずだが誰かいるのか?

しばらくして衛宮邸から一人の男が庭に出てきた。

 

「貴様ッ!」

「切嗣!?」

「じいさん!?」

 

ランサー怒りに顔を歪め、セイバーとアーチャーは驚愕している。

「アナタッ」

「キリツグ、シロウ!」

 

屋敷から銀髪の女性が二人出てきて、その姿を見て俺は驚いた。イリヤスフィール・フォン・アインツベルンが成長したものだったからだ。

そんな中、切嗣はゆっくりとした動作で地面に膝を付き土下座した。

 

「僕がした事は許されないだろう、この身を捧げるからどうか妻と子供たちの命は見逃してくれ頼む」

激昂するランサーに顔を上げ懇願する切嗣、だがランサーは

 

「貴様が何をしたか忘れたのか?人質を取りマスターに令呪を使い俺に自害せよと命じ

用済みとなれば、人質もろともマスターを殺害したお前が何を言うか?」

更に怒り狂うランサー

 

「貴様にも失う絶望を与えてやる」

そう言い手に持つ槍を女性二人に向け構えるランサーの前にアーチャーが立ちふさがった

「邪魔をするな!!」

「悪いがそう言う訳にはいかない。彼らを見捨てると後味が悪いのでね」

動揺から回復したアーチャーは二本一対の剣を構えいつものニヒルな表情で返す。

セイバーも動揺から回復したのか不可視の剣を構え直す。

 

さて、俺はどう動くかなアーチャーに荷担してランサーを退けたいが切嗣となにやら確執がありそうなセイバーがどういった行動に出るか分からない。

令呪が有っても使い方が解らない士郎ちゃんにはセイバーを止められない、最悪ランサーと決着を付けたいセイバーはランサー側に付いて二対二で戦闘なりかねない。

 

膠着状態に陥ったが乱入者によって崩された。

 

「は~はっははははははは」

 

門の上長身の女がビニール袋を手に持ちながら高笑いしていた。

銀髪の少女は叫んだ。

 

「もう遅い!!バーサーカー(狂戦士)」

 

「ゴメン、ゴメン」

 

バーサーカーと聴きサーヴァント達は警戒するが、バーサーカーの女はあはは、と笑いながら手振っている。

 

「さて気を取り直して、天が呼ぶ、地が呼ぶ、人が呼ぶ、衛宮邸に侵入した不届き物をメイドのあたしに倒せと地球が叫ぶ」

 

変なポーズを取りながら口上を述べているバーサーカー

皆、ポカンとしている。

よし逃げよう、アレが変なやる気を起こすとろくな事にならないとは経験上解っている。

 

「邪魔をするなら貴様から倒すまでだ」

 

ランサーが地雷を踏むどころか核弾頭のスイッチ押してしまったよ・・・・・・

 

「すでに遅いかもしれないが俺からの警告だ。今すぐ武装を解除して撤収しろさもなければ、バーサーカーに痛い目に遭わされるぞ」

 

「貴様何を―――」

 

ランサーは最後まで喋れなかった。バーサーカーにショートアッパー喰らい体が浮いた所を腹を掴まれ地面に叩きつけられていた。

 

 

「な―――」

 

 

セイバーは蹴りを放たれ直感的に不可視の剣でガードしていたが吹き飛ばされワンバウンドして塀に激突していた。

 

 

アーチャーは俺が横っ飛びでキャッチして地面に伏せ回し蹴りをやり過ごす。

 

 

「何なんだアレは・・・・・・」

 

「アーチャー、ランサーの拘束と他のみんなの介抱、頼んでもいいか?」

 

「どうするつもりなんだ?」

 

「アイツの気を引いて俺は逃げるから」

 

「は?」

 

「まあ、多分途中で捕まるが絞り取られるくらいだから死にはしないさ。合図したら目と耳を塞いで口は開けててな」

 

会話を打ち切り俺はバーサーカーと向き合う。

 

「よう、久しぶり朱音」

 

「悠理だ久しぶり~」

 

右手を後ろに回しアーチャーに合図を送り手のひらに丸い銀の球体2つ出現させる。

 

 

「と言う訳で―――」

 

 

スイッチを押し朱音の足下に球体を転がす。

 

 

「さらばだ、トッツァン」

 

 

体を反転して跳躍した瞬間、激しい光と音が炸裂した。さて何処まで逃げられるかな?

 

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