とある転生譚   作:( ̄ー ̄)ニヤリ

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はじめですから……。
まーこの次からは不定期なんですけどねー!
(;´д`)トホホ…


02

あはは……まったくさ、何でこんな事になってるんだろう?

オレは、オレは――死にたくない、だけなのに――。

 

 

「お兄ちゃんっ! 朝だよ! おっはよーっ!!」

「あぁ、おはよう」

 

 朝。オレは自分の腹に乗る重さと声によって起こされた。

 ん、所謂恋愛系のシチュエーションみたいな感じだな。なにせ、オレの上に乗ってるんは妹なんだから。しかも美が頭に付く少女。

 

「取り敢えず、重いから降りろ」

「はーい。あ、さくらはもう下にいるから早く着替えてきてね、白露(はくろ)お兄ちゃん!」

 

 そう言って二人の妹のうち上の妹の楓花(ふうか)は下に降りていった。

 はぁ……とため息を吐く。一年くらい前から楓花はあぁやって起こすようになった。それに触発されてか、もう一人の末の妹が同じように起こすようになり、オレの寝起きは最悪になった。

 小説(ラノベ)や漫画ではこういうシチュエーションは羨ましがれる様な事だとは知ってる。だが、やられてる身となるとかなり辛いのだとわかるだろう。

 っと、そんなことを考えながらオレは身だしなみを整え学校の制服を着る。一応持ち物のチェックをしたあと手提げ鞄を持って階段を下りた。

 

「おはよ、さくら。ついでに楓花」

「うん! おはよう、お兄ちゃんっ!」

「あ、あれれ? 今私ついで扱いされた? ついで? 白露お兄ちゃん、私ついで?」

 

 階段を下りた先のリビングにいた末の妹のさくらに挨拶をして椅子に座る。途中、楓花の姿も見えたので一応挨拶をしておく。なぜ一応なのかは、起きた時に一回挨拶してるからだ。一応のところに反応して何か言っていたが、無視した。あぁなったら面倒だしな。

 その後、適当にご飯を食べてオレ達は一緒に家を出た。

 

 ✝

 

 雑談しながらゆっくり学校に行ったオレ達は、各々のクラスに向けて別れた。

 オレが向かってるのは高校、しかも二年だ。因みにABCの中のBクラス。一応オレの友人関係は良好で、クラスの中にも何人か友人がいる。

 

「おはよ」

 

 短く言いながら入り、自分に割り当てられてる席に着く。っと同時に二人がオレに近づいてきた。

 

「おはよう、白露。今日も愛しの妹ちゃん達に起こされたか?」

「あぁ? おはよう朋也。何が愛しのだ。そういうオマエは愛しのお母様に起こされたか?」

「うるせー」

 

 この、ちょっと妹に起こされるというものに夢を抱いてる男は有馬(ありま)朋也(ともや)。最初はタダのクラスメイトだったのだが、いつの間にか親友の域に上り詰め、今ではこうやってイヤミ(?)を言い合う中になった。

 

「お、おはよう、白露……君。えっと、今日はいつもより早いけど、どうかしたの……?」

「ん、おはよう怜。まぁ、なんか今日は二度寝できなくてな」

「そ、そうなんだ……め、めずらしいね……」

 

 そしてこの気弱そうな、リスみたいな少女は天藤(てんどう)怜(れん)。オレが一年の頃に裏路地でヤられそうになってた所を助けたら懐かれた。今では朋也と同じように親友になっている。いや、コイツの場合は違うな。さっき言った通りコイツはリスみたいだからコッチが守りたくなるっていうか、目が離せないって感じなんだよな。

 ちなみに、コイツ等以外にも親友と呼べるやつはいるんだが、まぁ、今はいいや。

 

「さてと、早く来すぎたからオレは寝るな。先生が来たら起こしてくれ」

「あ、はい……。わ、わかりました……っ!」

 

 言い忘れていたが、怜はオレの隣の席に座っている。しかも何故か席替えしてもオレの隣にいるのだ。ここまで来ると運命なんじゃないかと思うほどに。まぁ、オレとしては今回みたいに起こしてくれと頼めるから別にいいんだけどな。

 そして、怜の返事を聞いてからオレは微睡みの中に旅立った。

 

 ✝

 

 放課後。学校に来るものの大半にとっては嬉しい時間。学校が終わる時間だ。

 授業を適当に終わらせオレは帰路に着いていた。周りにはオレの妹と親友達がいて、雑談をしながら帰ってる途中だ。ちなみに、オレ以外は全員女子。なんでか、男子の親友達はオレの帰路とはまったく真逆にあるそうだ。何この確率、若干理不尽だろオイ……。

 

「あ、ハクロ先輩。今楓花達と話してこれからゲームセンターに行くことになったんですけど、一緒に行きませんか?」

「んぁ? あー、ゲーセンか。‎最近言ってなかったからなぁ……ま、いいぜ。それに、さっきから後ろの愚妹二人の視線が痛いし」

「あーははは……ホント、すごい眼力ですね……まぁ、こればかりは鈍感なハクロ先輩も悪いと思いますが……」

 

 オレが一人世の中の理不尽さに嘆いていると、妹の友達にして何故かオレの親友にして後輩の井伊咲(いいざき)結城(ゆうき)が声をかけてきた。それにオレは適当に答える。まぁ、実際は聞かれた時点で答えは決まっていた。決めさせられていた。だってこえーんだもん、後ろの愚妹二人が。

 最後に結城が小声で言ったことは聞こえなかったが、結城もあまり重要そうにしてないので気にしないことにした。

 帰路から外れてゲーセンに向かって歩き出す。つっても、家からゲーセンはそんなに離れてないから外れるといってもほんの少しだけなんだが。

 

 歩くこと数分、直ぐに目当てのゲーセンは見えてきた。ゲーセンに入る直前でオレは鞄から財布を取り出し中身をチェックする。……うん、大丈夫そうだ。これならゲーセンではっちゃけても、後輩とかが集ってきても大丈夫だろう。

 そしてゲーセンに入ると、オレ達は真っ先にクレーンゲームに向かった。なんでも、最近新装されて新しいクレーンゲームが増えたらしい。そんでそのクレーンゲームの中に入ってる商品が女子にドストライクして、今回それ目当てでゲーセンに来たらしい。その過程で何故オレが誘われたのかというと、オレがクレーンゲームが得意だからだ。つまり、金あまり出さないで貰いたいけど、私達の腕じゃできないよね……? あぁ、じゃあ白露にやらせればいいんじゃない? みたいな感じだろう。

 ま、それでオレも楽しめる友好関係が円満になんだから別にいいんだけどな。

 

「オラ、取れたぞオマエら」

「おぉっ! やっぱりハクロ先輩はスゴイですねっ!」

 

 少しして、オレは適当に話しながら楓花とさくら以外の全員の分を取る。なぜ取らなかったかというと、嫌に視線がウザかったからだ。その代わり、といっちゃなんだが、怜の分を取っておいた。アイツはこういうかわいい系(?)のモノとか結構好きらしいからな。

 

「あ、あれ? 白露お兄ちゃん、私達のは?」

「ん? あぁ、オマエ達にはねぇよ?」

「えーっ! じゃ、じゃあ今手に持ってるその一つは誰のなの!?」

「あー……リス」

「「リスぅ!?」」

「そ、リス」

 

 一応、嘘は言っていない。怜は校内ではリスという渾名で通ってるんだからな。にしても、なぜそこまで驚く必要があるんだか。親友の一人に、餌付けするのの何が悪いんだか……。

 っと、そんなことを考えてると、何故か他の奴からもジト目で見られはじめた。そっと横目で楓花とさくらを見ると……あー、うん、何だ。ジト目で見られるわけだ。なんか、泣きそうな顔をしながらオレを見ていた。

 はぁ……とため息を吐く。まさか、泣きそうになるだなんて微塵も思っていなかった。流石に、泣かれたらオレも困るし、帰ってからの飯が無くなる……。もう一度、はぁー……とため息を吐いてクレーンゲームで二人分を取った。一応、お詫びという意味を込めて一番取りずらそうに置かれてる他のとは違うやつを。ちなみに、オレもそれと同じだ。さらに言うと怜も同じやつ。うーん……我ながら、すこし怜に甘すぎる気がするな……。ま、いっか。

 その後、女子達はプリクラやら何やらをやりに行って、オレは適当にブラブラしながらガンシューティングゲーム系のものを攻略していった。ゾンビを殺るモノから始まり、ゾンビを殺るモノで終わった。理由は簡単で、それが一番殺り甲斐があって楽しかったからだ。

 

「あ、ようやく見つけたよ白露お兄ちゃん」

「ん? あぁ、さくらか。なんだ、何か用か?」

「いや、用もなにも、外もう真っ暗だよ?」

「あぁ、そういうことか。んじゃ、今から帰りか?」

「うん」

 

 ゲームをやり終わって一段落着いた頃、狙いすましたかのようにさくらが来た。さくらに言われて外を見てみると、真っ暗というほどではないが、もう夜といっても差し支えないくらいに暗くなっていた。これはすこし悪いことをしたかもしれない。ま、アイツ等もはしゃいでて時間を見てなかったみたいだし、お愛顧ということで理論武装完了だ。

 さくらに連れられて出入り口に行くと、もう全員が待っていた。

 

「ん、遅くなって悪いな。んじゃあ、もう外も暗いし、一番家が近い奴から送ってくか。オマエ等もそれで文句ないよな?」

 

 そう言うと、全員が間髪入れずにうんと頷いた。それを確認した後、オレ達は着々と送っていった。最後に残ったのはやはりというかなんというか、結城とオレ達兄妹の四人だけだった。

 

「ねぇ、ハクロ先輩。ちょっと寄りたい所があるんですけど、いいですか……?」

「あー……オレは大丈夫だけど、さくらと楓花は大丈夫か?」

「私は白露お兄ちゃんが大丈夫なら全然平気だよ。お姉ちゃんは?」

「ん~……私は、そうだなー……うん、大丈夫だよ。晩ご飯お用意も昨日の午後に済ましてるしね」

「だってよ。全員大丈夫だそうだ。っで、何処に行くんだ?」

「えっとですね、神社ですっ!」

「「「神社?」」」

「そう、神社なのです」

 

 帰路の途中、結城が行きたいところがあると言ってきた。女の子をこんな時間に一人で居させるのも気が引けるので、オレが行くことは確定なのだが、さくらと楓花は一応聞いとかなきゃな。っといっても、返答はもう予測済みで、二人もオレの予測通りの答えを出した。

 一応、どこに行くのか聞いとかなきゃと思い結城に聞くと、神社にいくらしいことが判明した。オレがこの辺りで神社があるというのは聞いたことはないが、まぁ、結城が言うんだから、隠れ家的神社みたいなものでもあるんだろう。そうアタリを付けて、それ以上追求せず結城を先頭にしてオレ達は神社に向かった。

 

 ✝

 

 森に入り、獣道を進んでいくと、階段を見つけた。それも結構段がありそうだ。オレ達は、いや結城や妹達は疲れからか途中から一言も喋らなくなった。そのせいと言うかなんというかで、森の中は独特の静けさに包まれていた。

 階段も黙々と進んでいくと、突然目の前が明るくなった……気がした。気がしただけで明るくなんてなっていないのだが、開けた場所に出たおかげで月の光を遮るものがなくなったから明るくなったように感じただけだろう。

 階段を上りきった先には、こんな森の中にあるのに何故か綺麗な、神社というより、神殿があった。

 

「ここが来たかった場所か?」

「……はい」

 

 結城はオレの質問に簡潔に答えると、神殿の方に向かって歩きだした。楓花とさくらは嫌に静かに、それに追随していく。おいていかれても困るし、オレは渋々三人についていった。

 三人は躊躇などなく神殿の中に足を踏み入れた。中はやはり綺麗で、中央にある刀は光り輝いて……刀?

 

「なんで、こんなもんがこんな場所に……?」

 

 オレの疑問に答えるものはなく、三人はその刀に向かって片膝を付きながら何かを祈り始める。その三人の寸分違わず同じ行動が、不気味だった……が、オレはそれを頭の隅に追いやって刀に近づいでいった。身体が別のモノになったかの様に、されど違和感はなく勝手に動いた。そして、刀の目の前で止まる。

 自然と手が刀に伸びていき、柄を握った。

 

 そのあとのことは、よく思い出せなかった。いつの間にかオレ達は神殿の入口の前に立たされていたのだから。

 

「よーし、それじゃあ帰りましょうかハクロ先輩っ!」

「ん? あ、あぁ……わかった」

「ん、あれ? お兄ちゃんどうしたの? なんか元気ない?」

「あ、本当だ。白露お兄ちゃん、大丈夫?」

 

 思い出そうとして首を捻っていると、来るまで黙っていた結城が声を上げた。オレはそれに適当に反応しながら、やはり思い出そうと頭を捻る。それを同勘違いしたのか、妹二人が心配そうに声をかけてきた。……うーむ、まぁ、思い出せないのなら仕方ないか。そう思って大丈夫だと言って歩きだした。

 

 この時、多分オレ達は少なからず頭の片隅に疑問を持っていて、それをどこかで無意識に考えていたのだろう。そして、現実絵の注意が散漫になってしまった。それに、もう夜だということも加担したのだろうか。

 階段を下り始めてほんの少し経った時だった。さくらが階段から足を踏み外した。

 

「……え?」

 

 という声と共にさくらの身体が前に傾いていく。それに反応できたのは、まさに奇跡だといってもいいかもしれない。

 

「さくらッ!!」

 

 咄嗟に手を伸ばして、さくらを包むように抱く。それと同時に浮遊感が訪れて、少し遅れて痛みと違和感が襲う。そこでまた意識が途切れた。今度は、目覚めることなく永遠に。

 

 




最後スゴく駆け足になってしまいましたね……すみません。
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