私がこの老人にあったのは、一昨日の金曜日の事だった。
「すいません、ビニール袋に入っていた腕時計は知りませんか?。」
と、1人の老人が言った。
「いいえ、届いてありませんけど。」
「そんな、確かにここで置き忘れたんだけど。」
そこへ、南は50代の男に声かけた。
「あのー、どうしましたか?。」
「はっ、あなたは。」
「鉄道公安隊の南と言います、何があったんですか?。」
と、南は手帳を見せた。
「実は、腕時計を置き忘れたらしいんですよ。」
「どんな腕時計でしたか?。」
「銀色の腕時計で、ビニール袋が入っていたんです。」
と、老人は南に言った。
「ほう、なるほどね。」
「早く、探してください。」
「わかりました、とにかくお忘れ物預かり所へ行ってみますか?。」
「えっ、はい。」
東京駅お忘れ物預かり所
「わぁー、よかったよかった。」
「では、ここにサインをお願いします。」
「はい。」
そして、井原は男に言った。
「いやー、ありがとうございました。」
「いえいえ、そんな。」
「私は、倉本茂雄と言います。」
「私は、南です。」
そして、南は倉本を新幹線ホームへ向かった。
「本当に、いろいろ有難うございました。」
「いえいえ、これも仕事ですから。」
「では、私はここで。」
「これからは、何処へ行くんですか?。」
「私は新大阪から新幹線に乗って熊本へ行くんですよ。」
と、倉本は言った。
「ほう、熊本ですか。」
「ええ、私は九州へひとり旅へ行こうと思いまして。」
「ほう、それはいいですね。」
倉本は、東京駅から7時21分発の東海道・山陽新幹線「のぞみ235号」に乗って新大阪へ向かった。
「ありがとうお世話になりました。」
「では、気を付けて。」
「ええ。」
ファーン!
7時30分、倉本が乗った東海道・山陽新幹線「のぞみ235号」は東京駅を発車した。
ところが、彼の九州旅行が事件になるとは予想もしなかった。
そして、次の日。
「えっ、ご主人が行方不明!?。」
と、高山が驚く。
「ええ、名前は倉本茂雄と言いまして倉本は詩人でよくひとり旅をすることはこれまでもあったんですが、よく旅行記を書くときもあるんです。」
「なるほど、ひとり旅に出てから5日もたっていたので帰ってこなかったんですね。」
「ええ。」
「という事とは、東京駅から新幹線に乗って旅に出たまま行方が分からなくなったのか。」
「ええ、その男ならトイレへ行った時に探し物をしていた時にあったな。」
「何時の新幹線に乗ったか覚えているか。」
と、小海は言った。
「確か、7時30分発の新幹線「のぞみ」に乗って新大阪へ向かったと思われます。」
「ほう、という事は新大阪で九州新幹線に乗って熊本へ向かったのか。」
「ええ、熊本のホテルにも問い合わせたのだがすでにチェックアウトされていたそうです。」
「そうか。」
そして、熊本で事件が起きた。
犯人は誰なのか?