キヴォトスにある1つのカフェ 作:ミハマ
学園都市キヴォトス
ここは文字通り学園が集まりできた都市だ
学園が点在すると同時にも企業も点在している
そしてこのキヴォトスでは人の男性がおらず、女生徒と獣人、オートマタが人口を占めている極めて摩訶不思議で謎の多い世界だ
さらには人の大人を直にほぼ見たことが無い人間が大半を占めている
だがある日大人の男性がキヴォトスに来る
その男性はキヴォトスに企業を作り、事業を拡大させ、キヴォトスで一位二位を争う企業グループへと発展させた偉大でいて、それと同時に特殊で強力な兵器や軍事にも腰を置きキヴォトスを滅ぼすことも容易いのではないかと思わせる強大な社会的地位、権力をもつ魔王とも言える
そんな男が来てから四年
男は今
カフェの開店準備をしている
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朝日が上り涼しくも強い日差しが肌や服に照りつける今
キヴォトスのトップとしてD.U.に身を置いている組織
"連邦生徒会"
そのすぐ正面にある小洒落た大きなカフェ
まだ開店していないのか、静かで朝の始まりを象徴している…
「社長これここでいいんスか?」
「そこだろ、センスねぇな」
「社長の方がセンスないじゃないッスかwwww」
「なんだテメェ喧嘩売ってんのか?」
…訳でもなかった
「ったくよ…お前も随分と生意気言うようになったよなぁ?」
「そッスか?」
「ああそうだよ、昔俺の元に来た時はブルブル震えて『ここで働かせてください…!』だなんて小2の小さな可愛い子女の子が来るもんだからビックリしたんだが…今じゃあこれか…」
「んな面倒そうって言うか、残念そうにすんのやめてくれないっすか?"これは成長ッスよ、成長したから生意気言うようになったんすよ」
「自分で言うのか?それ」
「自分のことですからね」
まだOPENの札も出されていない洒落たカフェの中では新規オープンに向け2人の男女が小物や装飾をえっさえっさと忙しそうに、それでいて愉快に運んでいる姿がある
「ンなもんすかね〜」
「だな、ミサト、助かったわ」
「いえいえ〜社長の為なら何処までもですよ」
「お前のそういう所には好感が持てるんだが…はぁ…」
「人の顔見てため息つくのやめてくださいよ、大人気ない」
「へいへい、俺は大人気ない大人ですよ〜っと」
社長と呼ばれる男は全ての物を運んだのか次はエプロンを着け始めた
「ほんと赤好きっすね」
「俺のトレードカラーだからな、当たり前だ」
他愛のない会話を度々挟みながらミサトと呼ばれた少女も赤色のエプロンを着る
「お前も似合ってんじゃん」
「へへ、それほどでも??」
「準備はいいか?」
「ん〜、いいっすよ」
んじゃ放て
と男は口から放つ
するとミサトはお店の中心辺りにある目玉と言ってもいい、3匹の住処となった巨大なキャットタワーの周りを囲っている柵を取っ払う
にゃ〜
んにゃ〜!
鳴き声を散らしながら1匹、2匹、3匹と柄も種類も違う猫が店内に放たれる
男は膝をつけ胸ポケットから数本
棒状の個包装のものを取り出す
「ほーれ、ちゅーるですよ〜」
「ただでさえ顔怖いのにそんな顔でそんな事言ってると恐怖でしかないッスよ」
「るせぇ!顔が怖いは一言余計じゃい!」
ちゅーるをいる猫の分全員に与え立ち上がる
猫達は気ままに歩く
1匹はキャットタワーに
もう1匹は席に上がり丸くなる
最後の1匹はミサトへ近づきすりすりと体を擦り付けゴロゴロと喉を鳴らしている
「あ〜!クロ〜、お前はなんて可愛いやつなんだ!」
ミサトはクロと呼ばれたすりすりゴロゴロの猫を抱え込み自分の頬をクロにグリグリすりすりする
同時にクロも気分がいいのか、ずっと喉を鳴らし、ぺろぺろと首や頬を舐める
「さて、にゃんこ達も放ったことだし、札出してくるわ、茶ァシバいといてくれ」
「は〜い」
外に出ようとするとミサトが一言声をかけてくる
「ミコト、頑張ろうね!」
「…ほんと可愛いやつだなぁ」
ミコトと呼ばれた男はミサトの元へ行きわしゃわしゃと頭を撫で今度こそ外に出る
外に出ると外にかけていたCLOSEの札をびっくり返し、OPENになったことを確認するとカフェ全体を見るために道路へ出て店を見る
「ん゛ん゛〜!会社から出ずに書類を捌き始めてはや半年…社長と言うものには労働基準法なんてもんが適応されないから悲しいってもんだ…それにしても、急遽アイツから連邦生徒会の近くでなんか作れって言うから…資格やら取って許可も取ったんだが…満足行く出来だな」
さぁこれからが楽しみだ!と気持ちを入れ替える為か、それとも気合を入れる為か
彼は両頬を手で叩き体を伸ばし店内に戻った
時刻は0700
ある人は学校の準備をして、またある人は会社へ行くために準備をする
その時間帯である今だが
私は連邦生徒会に呼び出されていて仕事を一晩していてその明けである
夜通し仕事をしていたので夜食などを挟む事もなくそのままやっていたのでお腹がすいてしまったのだ
「お腹が…減った…」
ようやくの思いでリンちゃんから解放されたのにお腹がすいて動けないぃぃ…
「先生…?」
連邦生徒会での私専用のデスクに突っ伏していると誰かが私を呼ぶ声が聞こえてきた
「ももかぁ〜おはようぉ〜」
「おはよ、先生…また徹夜?」
「昨日の晩にちょっと呼ばれてね…結構大事な書類でミスが発覚してリンちゃんと一緒に直してたの…」
「大変だね〜…あ、そうだ先生」
「ん〜?どうしたの?」
「ルミナスって知ってる?」
「ルミナス?光だとか、そういうのだよね」
「まぁそうなんだけど、
「へ〜」
「それで、今日開業なんだって」
「そうなの?」
「うん、だからちょっと行ってみたら?」
「うーん…そうだね!ちょっと行ってみるよ!ありがとうモモカ!」
「お易い御用だよ先生」
モモカに感謝と別れの挨拶を交わしエレベーターに乗りエントランスへと行く
「このキヴォトスに来てひと月…仕事にはまだまだ慣れずリンちゃんに呼ばれては迷惑をかける日々…申し訳ないなぁ…」
「…これからご飯食べるってのにこんなマイナスな事考えてたらご飯不味くなっちゃう、気持ち切り替えなきゃ…」
エントランスから出てすぐ正面見る
そこには【 LUMINOUS Cafe 】と書かれた看板を掲げるオシャレなカフェがある
近づき正面の入口へと近づく
すると入口付近にOPENと書かれた札が少し風に揺られながらある
「もう開いてるみたいだね…入っちゃおう…!」
これでもかと空かせた腹の中にどんな料理が入るのかを想像し、期待を胸に夢を膨らませながら、ドアノブに手をかけドアを開く
「わぁ…!」
ドアをくぐり進んでみると、外観同様なかもオシャレだった
アジアンウォルナットの板材を使ったフローリングにチークを基調にした
テーブルと椅子
入ってすぐのとこにあるカウンターは赤レンガの壁にブナの板材が飛び出していて分厚く信頼ができそうで、広く触り心地も良さそうだった
そして店内の中央にでかでかとあるキャットタワー
そこには3匹の猫がおり、気ままにしていたり、こちらを警戒している子や、擦り寄ってくる子がいる
「いらっしゃい、ルミナスへ」
店内がオシャレすぎて見入って居ると店員さんに声をかけられた
「あんだがこの店最初のお客さんだ、ゆっくりして行ってくれ」
「あんだがこの店最初のお客さんだ、ゆっくりして行ってくれ」
この店初の客は茶髪ポニーテールで連邦生徒会のコートを着込んでいる、このキヴォトスじゃそうそうに見ない大人の女性だった
「客は誰も居ねぇから好きなとこに座ってくれ」
客を席に着くように言うと
なにか珍しいものを見たのか俺の事をじぃっと見てくる
「…どうした?俺の顔になんか着いてるのか?」
「あ、いえ、人の男性の方を見るのは久しぶりだったもので…」
「と言うとあんたも外の世界の人間か?」
「"も"と言うことは貴方も?」
「ああ、俺は葛城ミコト、この店のオーナー兼マスターだ」
「連邦生徒会、連邦捜査部シャーレの先生をしている、大島ユウです」
そういい握手を交わす
「まぁなんだ先生、同じキヴォトスの外の人間同士仲良くしようや」
「はい!」
「返事が大きいことはいい事で、注文はどうする?」
「あ、まだ決まってなくて…」
「あいよ、決まったら呼びな、俺か店員が来ると思うからな」
「店員?」
「ほら、アイツだ」
先生はミコトの指す方を見る
「ミカヅキも可愛いなぁ〜!」
そこには猫の腹に顔を埋め戯れているミサトの姿がある
「あの子は?」
「葛城ミサト、うちの社員だ」
「娘さんですか?可愛らしいですね」
「おう、可愛いのは同意だが正確には娘じゃねぇぞ」
「え?」
「アイツとは血が繋がってねぇんだ」
「と言うと?」
「10年と少し前、俺の運営してる所に小学生ぐらいのチビが来てな、それがあいつだ」
「養子って事ですか?」
「まぁそうだな、血が繋がってないから呼び捨てだし、自由にやってんだ」
「学校はどこに?」
「ルミナクラススクールってとこだ」
「ルミナクラススクール?」
「まぁ、ルミナクラスグループって企業グループがあんだが、そこが運営してる学校の一つだ」
先生とカウンターを挟み雑談を交えていると猫が1匹先生の膝に乗ってきた
「わ!」
突然膝に乗ってきた猫にびっくりしつつも落とさないよう優しく先生は猫を抱える
「そいつはクロ、まぁ見ての通りのクロネコだ」
「わぁ〜…人懐っこいですね…!」
「あぁ、犬かってぐらい人懐っこい奴だ、抱き込んでやると喉ゴロゴロ鳴らすぞ」
言われたようにハグするように身を近づけるとそれを認識したのかクロからも寄ってきてそして抱く
するとゴロゴロと喉を名指し先生の膝をモミモミする
「可愛いですね」
「だよな、そいつも、あの2匹も拾い猫でな、
子猫で捨てられてたんだ
拾っときに雨が降ってたから冷やしちゃいけねぇって思って来てたジャケットの内側に入れてたら気に入ったのか3匹ともゴロゴロ鳴らしてな、それからハグされるのが好きになったみたいだ」
「猫を「ゴロゴロ」捨てるだなんて…許「ゴロゴロ」せない…」
「同感だな…そんで先生よ、注文は?」
「あ、忘れてました…じゃあ、このオムライスを1つ」
「飲み物はどうする?」
「じゃあコーヒーを」
「あいよ、すぐ作るから待っててくれ」
「お願いします」
ミコトは視界を先生とは真反対の方向へ向け、そこにある冷蔵庫を開く
中から卵とケチャップ、グリーンピース、人参など細々としたものを取り出す
次はカウンター裏の食器棚から幾つか食器を取り出し
今朝炊いたばかりの白米とケチャップをコンロに乗せたフライパンの上へバターを落とし、
溶かしたら米を入れ、ケチャップを入れ炒め始めた
「お料理得意なんですか?」
「得意って訳じゃないんだが、アイツが来てから料理するようになってな、ある程度の物は作れると思うぞ」
「凄いですね…私なんて昔から仕事に詰められてたせいで料理する時間もなくて練習すらもできなかったんですよ…それで出来た物はダークマターに…」
「そいつは大変だな…」
話しながらも依然ケチャップが米に馴染むよう、焦げないよう丁寧に撫でるかのよう炒める
全体に馴染んだらそれをお皿の上へ乗せ楕円形に整形する
次はフライパンにまた少量のバターを乗せ
溶いた卵を入れ弱火で焼く
焦げ目がつかないようぐるぐると回す
ある程度火が通ってきた頃
ミコトはフライパンを傾け包むため、取っての部分を叩きつつ、箸で整形しつつひとつの塊にする
それを先程作ったケチャップライスの上へ乗せ
包丁を入れ綺麗に開く
そこにバジルと少量のケチャップをかけ先生にそれを渡す
「お待ちどうさん」
「おーいミサト〜!」
先生に渡すと同時にミサトを呼ぶ
「んー?なんスかぁ〜?」
先程とは全然違う口調で呼び掛けに反応する
「彼女にコーヒーをいれてくれ、俺は洗い物する」
「わかったッス」
ミサトは手を洗い
マキネッタを取り出しミコト厳選のコーヒー豆からミコトが炒って砕いて作ったコーヒー粉を入れ、水を入れそれを火にかける
少ししてくると鼻の奥をくすぐるコーヒーの芳醇な香りが漂ってくる
できたものをカップに注ぎそれをキッチンから出て手渡しする
「どーぞー」
「ありがとう、ミサトちゃんだよね?」
「ん?なんで私の名前知ってるの?」
「マスターに君の事が気になって聞いてみたら教えてくれたよ」
「個人情報平然と渡すな…ま、よろしく、先生」
「?私のこと知ってるの?」
「そらね、キヴォトスに大人の女性が来たとなればそれなりに話題になるからね」
ま、社長はそういうのあんまり見ないから知らなかったみたいだけどと付け加え猫の元へ戻る
先生は今目の前にあるオムライスを見て少し興奮をしている
理由は簡単
空いている腹が早く食わせろと催促してきているのと、見るからに絶対に美味しそうだからである
スプーンをオムライスへ入れ取る
それを口の中に入れ味わうよう咀嚼して味、風味、口触りを確かめ飲み込む
「うっっっまい!」
「そう言ってもらえると嬉しな」
「ほんと美味しいですよ!毎日食いたいぐらいです!」
「はっはっは!嬉しいこと言ってくれるな!」
ミコトは洗い物が終わったのか、マキネッタでコーヒーを作り、自分で飲んでいた
「社長達ってよくそんなにっがい物飲めるっすよねぇ〜」
ジト目で信じられないと言わんばかりに行ってくる
「お前の舌が子供舌だからだよガキンチョ」
「ガキンチョでもいいんスよーだ」
「可愛げのねぇガキめ…」
「はいはいガキですよ〜」
何気ない会話を聞いている先生
口が悪いのはそうなんだが、声色は大きいが、視線もが優しく、本当に娘の事を見ている父親と遜色ないようかに感じられる
「好きなんですね、ミサトちゃんの事」
「そら、10年前から面倒見てりゃ愛情が湧くってもんだろ」
ハハッと笑いキッチンからでて先生の横に座る
「あんた、このキヴォトスの生徒全員の生徒なんだろ?」
「はい!子供達の味方です!」
「それじゃあ、アイツの事も面倒見てくれねぇか?」
「と言うと?」
「あいつは昔から俺の会社で面倒見てて学校だとかそう言うのにあんま強くないんだ」
「所謂箱入り娘だ…アイツに学校の楽しさだったり、友人との遊び方ってのを教えてやってくれないか?」
ミコトは先生の方へ体を向け目を見て真剣な表情で言う
「もちろんです!あの子の為にも頑張っちゃいます!」
「はっはっは!そいつは助かる!」
また雑談を交わしつつ食べ終わった
「名残惜しいですけど、これからまた仕事なので今日はもうお暇します」
「そうかい、お会計は合計600円ね」
「600…!?」
「どうした?」
「安すぎませんか???!!!」
「まぁ金はあるから暫くはこれで様子見だな、損益計算してからまた考えるよ」
「そうですか…」
「そうだ、これやるよ」
「?」
ミコトはおもむろに胸ポケットから数枚の紙を取り出した
「これは?」
「うちの割引券、うちで初めてのお客さんだし、仕事頑張ってるみたいだからな、今後ともご贔屓に」
「ありがとうございます!!」
「元気なこった」
先生はミコトに会釈して店から出てった
「美味しかったな…雰囲気も良かったし…また行ってみよ…!」
「あれが先生か…」
「なに?知ってたの?」
「まぁな、うちの諜報が報告書上げてたんだが、見た目は知らなかったんでな」
「普通添付されてるもんじゃ?」
「文章を集中的に見てたせいで写真みてない」
「ポンコツ上司」
「うるせぇ」
時刻は0750
学校、または会社に向かう時間だ
連邦生徒会に向かう子達も例外じゃない
夜番が終わり家に帰ると同時にに朝食を求め生徒達が店内へと入ってくる
「ようこそ、ルミナスへ」