キヴォトスにある1つのカフェ 作:ミハマ
開業と先生との邂逅からはや数日
カフェの中では開業した時と変わらず、ミコトとミサトの話し声で和気あいあいとしている
「社長、またカイザーの連中から共同事業を手がけないか〜って旨のメール来てますよ」
「おーヨシヨシ〜…カイザーだって?ほっとけ、アイツらと契約なんかしたら金絞るだけ絞ってしてられちまうよ」
ミコトはミサトと話しながら今日はクロとは違う、少し警戒心の強い三毛猫とじゃれている
「ミケも可愛いなぁ〜」
「じゃあ断っとくッスね」
「頼むわ」
会話しつつもミケの顎をこしょこしょとしながら返答する
メールを書き込んでいるミサトだが
キーボードを打っている途中に何かを思い出したかのように大きな声でミコトに話しかける
「社長!今日ミレミアムのエンジニア部と予定あるじゃないっすか!」
「やっべ忘れてた!」
ミレミアムへ行くことをすっかり忘れていたミコトが大きな声を出すと膝に乗っていたミケがビックリして飛び降りる
「ミサト、予定何時だったっけ?!」
「えぇーっと…1時間後っす!」
「とっとと着替えねぇと遅刻しちまう!」
ミコトは椅子から立ち上がり急ぎでスタッフルームのロッカーへ行く
ロッカーにエプロンを入れ元々着ていたYシャツの上からスーツを羽織り、ネクタイを締めスタッフルームから出てくる
「すまん一瞬店番頼む、なんかあったら電話寄越してくれ!」
「あいさ!行ってらっしゃーい!」
「おう、行ってくる!」
ミコトは急ぎ足で付近にある自前の駐車場に停めている車に乗り込むとエンジンを付けミレミアムへと行く
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「…では、改めてアビドス高等学校へようこそ、先生!」
「うん、みんなもこれからよろしくね!」
今私はアビドスにいる
つい先日アビドスから地域の暴力組織から襲撃を受け大変だから助けて欲しいという旨の手紙を受け取り、弾薬や食料を持ちアビドス自治区に来た
……来たはいいが持っていた地図が古いものでアビドスに来てそうそうに遭難して2日、たまたま通り掛かったアビドスの生徒、砂狼シロコに助けて貰ってアビドス校舎に来た
着いてすぐに死体に間違われたりしたけど、軽く自己紹介をした所で噂の暴力組織「ヘルメット団」の襲撃にあい戦闘した
結果はアビドスの子達も強かったというのもあり、補給もあってか負傷ゼロで勝利
そして今改めてアビドスについての話を聞こうとしていたんだけど…
「私は認めない!」
「セリカちゃん!」
「ちょっと私探してきます!」
彼女達は黒見セリカと奥空アヤネ
このアビドス高校の一年の生徒だ
セリカはどうにもアビドスに7億以上の借金があるようで、戦闘終了後にセリカが口に出していたことに気づき詳しく聞いてみたんだけど、今まで助けてくれる大人がいなかったこと、何度も助けを呼んでいたにも関わらず今更来た事に腹を立ててしまったようで教室から飛び出て言ってしまった
「うへぇ、ごめんね先生、悪い子じゃないから許して欲しいな」
「もちろん許すよ、今更って言うのも事実だし、今まで寄り添ってこなかった私たちの責任だからね、しょうがないよ」
「うん…じゃ、私も改めてよろしくね〜」
彼女は小鳥遊ホシノ
このアビドス高校唯一の3年生でアビドス廃校対策委員会の委員長だ
アビドス廃校対策委員会と言うのは
アビドス全生徒…と言っても5人しか居ないのだけれど、有志で集まった委員会でアビドスが廃校にならないように対策するという組織だ
少し話して今日は午前だけだったので今日は解散した
次の日、アビドス周辺をマッピングしているとたまたま通り掛かったセリカに会った
「おはよう、セリカ」
「げっ先生!?」
(げって…)
先生のことを認識したセリカは露骨に嫌そうな顔になる
嫌われてしまったのだろうか…
「…なに?」
「んん〜?いや、学校はどうしたのかなって思って」
「今日は自由登校の日よ、これでいい?私予定あるの」
「何処に行くの?」
「言うわけないでしょ!」
セリカはそう言うと走り出して消えてしまった
「まっ!…てぇ…やっぱり嫌われちゃったかな…」
ここにいてもどうしようもないので学校へ行こう…
アビドス、柴崎ラーメン
アビドスでも人気のあるラーメン屋であるここにある男が来ていた
カウンター席に座っている
ひさしぶりにアビドスに来るな…あの時以来か
アイツ、元気にしてるかな?
顔見に行くか…
「かー!やっぱりアンタのラーメンは最高だな!大将!」
「はっはっは!そう言ってもらえると嬉しいな」
「にしても久しぶりだなぁ、柴大将」
「そうだな、いつぶりだったか?」
「あー…最後にあったのが4年前だったか?」
「もうそんなか!いや〜…時の流れってもんは早くて困っちまうよ…」
「同感だよ、うちのヤツもすっかり大きくなっちまってな…」
来ていたのはミコトだ
「にしても、あの嬢ちゃんも今じゃ高二か」
「ああ、高校に入ったはいいが出席が足りなくてやばいらしくてな…」
「仕事を手伝ってくれてた訳だからあんま強く言えねぇんだ…」
そうかそうかと大将はいいふと何かを思い出したかのように聞いてくる
「仕事で思い出したが、あんた今は何してんだ?」
「あぁそっか、大将、ルミナクラスグループって知ってるか?」
「あぁ、知ってるぞ?カイザーと同等かそれ以上の大企業グループだよな」
「俺、そこの創設者なんだ」
「はぁ!?アンタが?」
大将はびっくりしてスープを混ぜるのを止めた
「いや〜デカくなったもんだよ、最初はただの1技術者だったんだがなぁ」
「へぇアンタも変わったなぁ」
「だろ?」
柴大将とミコトが話していると正面の扉が開く
黒の猫耳の生徒だ
アビドスの生徒か?
「大将おはようございます!」
「ああおはようセリカちゃん」
「すぐ着替えるから待ってて!」
「おう、お客さんもそんな以外からそんな急がなくてもいいからな!」
「はーい!」
ミコトは今の生徒を目で追いながら大将に聞く
「今のアビドスの生徒さんか?」
「あぁ、一年のセリカちゃんって言うんだ、いい子だぞ」
「見るからにわかるわ、にしてもアビドス高校ねぇ」
「なんだ?なんかあるのか?」
「ん?ああいや、昔つっても4年前、4月あたり話なんだが…うちの事業が軌道に乗ってきて余裕ができたもんだから、アビドスやらほか自治区の特産品について調べてたらアビドス砂漠の砂に微量なとある金属が含まれてることに気づいてな?」
「ああ」
「あぁちょっと話の腰をおるようですまんが…」
ミコトは朝にも関わらず酒を注文する
「おいおい朝から酒か?」
「今日は久しぶりの休みだ、こんぐらい許してくれ」
「あんた車だろ?まさか飲酒運転する気じゃ…」
「ないない!運転手同伴できてるから問題無ーい!」
「なら構わねぇ、それで?」
「んで、その砂の採取の為に当時のアビドス生徒会に取り合わせてな」
ミコトは懐かしいことを思い出すかのように語る
「そん時に世話になった生徒会ここが居て、娘かのように可愛がってたんだが、契約を結んですぐに連邦生徒会との共同事業の立ち上げが決定してこっちに来れなくなって…それから4年か…もう卒業しちまってるだろうから会えねぇかもなぁ…可哀想なことしちまったなぁ…」
度々連絡してるんだが、ある時から連絡がつかなくなってな…と付け加え大将から貰ったジョッキの中の酒を飲む
「ねぇ、それってユメ先輩のこと?」
「あ?」
声の主の元へ視線を向けるとアビドスの制服ではなく、柴関の制服に着替えた先程の生徒がたっていた
「知ってんのか?」
「えぇ、知ってるも何も、OGとして週に何回か様子見に来てくれるわよ?」
「…ははっ!そうか…まだ居るのか…」
ミコトは安心したかのように顔を綻ばせる
少し顔を綻ばせていたミコトだが
次にセリカの方へ体を向ける
「なぁ嬢ちゃん」
ミコトが問いかけるとセリカは急にこっちを向いたことにびっくりしたのか少し警戒しつつ声を出す
「な、なによ」
「今幸せか?」
「本当に急になによ…」
「急にすまねぇな、だがこれだけは聞いておきたい、嬢ちゃんは今アビドスの一年なんなんだろ?」
「本当…なんなの…?…でも…幸せだと思うわ、先輩達に優しいアビドスの人達、大将だって私に良くしてくれるんだし」
それを聞いた大将少し恥ずかしそうに笑う
「そうか…ならいい、急にこんなこと聞いてすまなかったな」
「いいわよ、大将と仲が良さそうに見えたし、悪い人じゃないだろうから!」
呆れたような表情で言ってきた
セリカは言い終わると新しく入ってきた客の元へ案内をするために行く
「俺が?いい人?」
「そらそうだろ、アンタあのルミナクラスの社長さんなんだろ?」
「そうだが…」
「じゃあ良い奴だろうよ、だって退学になった生徒だとかを集中的に雇って更生させたり、真っ当に会社を動かしてんなら良い奴だろ」
「そ、そうなのか?」
「あぁ!アンタのとこには少なからずあんたのお陰で幸せになれたって言ってる奴が大体なんだろ?大勢を幸せにできるならそうさ」
「…大将…!」
大将と熱い握手を交わしていると後ろから大きな声が聞こえてくる
「5名様テーブルです…!」
セリカが案内をしているようだ
「あいよー!…って、アビドスの生徒さんか」
大将の言ったことに思わず後ろを見るとアビドスの制服を着た生徒四人といつだかカフェに来た大人がいた
「あれ?ミコトさん?!」
「先生…?アンタなんでここに?」
「私はこの子達の為に少し…それで貴方は?」
「久々の休みなんで馴染みのある店に来ただけだが…それにしても奇遇だなぁ!」
思わず席を立ち先生の方へ行く
「ほんとですよ!」
「お知り合いですか?」
ブロンドヘアののほほんとしたお嬢さんが聞いてくる
「…ん?アンタどっかで…」
「ああ、紹介しますね!この子達はアビドス高校の生徒達で、この子は十六夜ノノミちゃんです!」
「十六夜…あぁ!ネフティスの!」
「ッ!?」
そう言うとノノミという生徒の顔が少し引き攣り桃色の髪の生徒がこっちを少し睨んでくる
…何か禁句だったのか?
「…覚えてないか?」
「…すみません…」
「そうかぁ…」
「うへぇ〜お兄さんノノミちゃんとお友達…って訳でも無さそうだねぇ」
「お兄さん…?そんな歳じゃ…まぁいいか…」
「友達って訳じゃないんだが…昔ネフティスの社長さんから娘が産まれたって鬼電かかってきてな…」
その話を聞いていたらしいセリカがえぇ…と困惑の声を漏らす
「10…7年前?だったか?親御さんと仲が良くて偶に家飲みするぐらいには仲良くてな、それで急いで病院まで行って、お嬢ちゃんの事抱っこしたり…まぁ親戚の叔父さんみたいなことしてたな…」
「それから度々会いに行ってたんだが…覚えてないか…仕事が忙しくなって随分会い行ってないからな…」
「すみません…」
「いやいいんだ、しょうがないさ、誰だって赤ん坊の頃の記憶なんてそうそうないからな」
「にしても、あんなにちっちゃかったノノミが…いやウチのとそう変わらんのか…」
ミコトはポットから財布を出し、中から1枚の髪を取り出す
ほら、と先生やアビドスの子達に見せる
「この子ノノミ?」
「あぁ、それで抱っこしてんのが俺だ」
写真だ
写真の中にはブロンドの髪を伸ばしつつあるであろう赤ちゃんを抱っこしつつ髪の毛を引っ張られ痛いのか顔を少し歪ませている金髪の好青年がいる
「それで、これが俺だ」
「わぁ可愛いねぇ〜今じゃママみたいなのにノノミちゃんも赤ちゃんだったんだねぇ〜」
「そらそうでしょ」
ホシノの発言にツッコミを入れるセリカ
まぁまぁと宥める黒髪のメガネの子
興味深そうに見るケモ耳の生えた子とノノミと桃色の髪の生徒と先生
「ん、可愛い」
「だねぇ!ノノミは可愛いねぇ!」
「ノノミちゃんはなんて可愛いんだ〜おじさんこんな可愛い子を後輩にもてて嬉しいな〜」
「や、やめてください…!」
先生とケモミミ生徒と桃色の子達による可愛い攻撃により顔を赤くして照れているノノミ
桃色の生徒の事を見ていると何か頭に浮かんでくる
それは3年前、当時のアビドス生徒会の委員長であった梔子ユメが「可愛い後輩ができた!」と送ってきた手紙に送付うされていた生徒と似ている気がする
「君…もしかして小鳥遊ホシノって子?」
突然名前を呼ばれたのにびっくりしたのか、推定小鳥遊ホシノは体を硬直させる
見た目は当時と違う、当然と言えば当然だが、目が違う
あの時見た目は自分の力を何にでも振りかざしかねない獣のような目だったが、今は全然違う
家族を守らんとする獣の目…鷹の目とでも言うべきか?
そういえばアイツがホルスだとかなんだかって言っていたような気がしたな…
当時素性やらを調べあげはしたがそれから何も見てなかったからな…分からないのも当然か
「お兄さん、おじさんの事知ってるの?」
なんだか警戒されているようだ
まぁ当然と言えば当然か
見知らぬおっさんに教えたはずのない名前をフルネームで言われればそら警戒するわ
「知ってるも何も、君の先輩から昔紹介してもらってな…あぁ、これもまた運命か…!」
「運命?」
先生が不思議そうに聞いてくる
「…さっき大将にも話したんだが…」
「昔仕事でこっちに来たことがあってな、当時のアビドス生徒会の生徒…と言っても1年生が1人、全校生徒1人として世話になってな」
「それが、君の先輩にあたるはずの梔子ユメなんだ」
「先輩と…知り合い?」
ああそうだそうだ、といいホシノ達に背を向ける
「そういえばちゃんと自己紹介してなかったな」
ミコトは持ってきていた鞄の中に手を突っ込む
それに反応してホシノが銃に手をかける
「ホシっ!」
先生が止めようとするが
「おーっと撃ってくれるなよ、ヘイローがないんだ、ショットガンで撃たれたらミンチになるぜ」
言い切る前にミコトが声をかける
「あれ…確かここに入れてたはず…」
「っ!?」
ホシノ達に背を向け鞄の中を見ていて、気づくはずがないが何故かそれを止めてくる
「おっさん、戦闘はあんまだが、そう言う気配には強いのよね」
「あったあった」
ミコトは鞄の中からひとつのケースを取り出す
それを開け中から紙を二枚取り出す
「改めて、先生、小鳥遊ホシノさん、そしてアビドスの皆々様、私はルミナクラスグループ代表取締役の葛城ミコトです、今後とも是非ご贔屓によろしくお願い致します」
ミコトは元々着ていたスーツを整わせネクタイをしっかりと締め
頭を下げ
丁寧な口調で話しかける
「ルミナクラス…?」
「これはご丁寧に…って…!?」
「あのルミナクラス!?」
何が何だかわからなそうな先生を裏目にメガネっ娘が反応している
メガネっ娘がルミナクラスについて触れると同時に頭をあげる
「ウン、そのルミナクラス」
「アヤネ、ルミナクラスって何?」
コソコソとメガネっ娘に申し訳なさそうに聞く
メガネっ娘も先生の方に振り向き説明する
「このキヴォトスでも有数の大企業グループのひとつです!私達が借金をしているあのカイザーと同等、もしくはそれ以上とも言われていて食品から兵器開発までに関わるキヴォトスで扱われている大体のものを作っているとも言われているグループです!」
「お、よく知ってんね!」
「ご名答!食品から兵器までなんでもござれのルミナクラスですよ」
「…そのルミナクラスのお偉いさんがアビドスになんの用?」
ホシノが警戒しつつ、銃に手をかけながら聞いてくる
「用も何も、久々の休暇だったので昔馴染みの店に来ただけですよ?」
胡散臭い笑顔を貼りつつ言う
「ま、他意はないぜ、あわよくばユメに会えたらいいななんて多少は思ってたりはするが」
「だからそのショットガンから手を離しな、じゃないと…」
「じゃないとなんdッ!?」
「ハンズアップ!」
ホシノが本格的に照準を合わせようとすると同時に柴崎の入口から数人が入り込んできてホシノに照準を合わせる
全員黒いボディアーマーを重ねサブマシンガン、アサルトライフル、ショットガンなど様々な武器を持っている、特殊部隊のようにも見える
「ホシノ先ぱッ!」
「静かにしな」
咄嗟にシロコが反応しライフルを取り出そうとするが部隊員がヘッドロックを決め銃を近くに投げ両手を拘束する
「シロコちゃん!」
ホシノはその光景を見てさらに強く睨む
「おいおい、やめろって離してやれ」
ミコトもそれを見て辞めるよういう
「しかし…」
部隊員が何かを言おうとすると少し冷たい目でいう
「やめろってのが聞こえねぇのか?聞こえてんならやめろって言ってんだ」
「…了解」
部隊員はシロコを話す
「ゲホっ…フー…フー…」
「先輩!」
離されたシロコは大きく空気を吸うと同時に咳き込む
離されたシロコを守るようにアヤネが部隊員との間に入る
「まぁなんだ…」
「大将に迷惑かけちまうからさ、やめようぜって言ってんだ」
「とっとと下げな」
「…っ…わかった、だがこれ以上後輩達には手を出すなよ」
「…私からもお願いしてもいいですか?私の大切な生徒なので」
先生もミコトに近づこうとし部隊員に拘束されかけるがミコトが手でやめるよう指示をする
「出すわけないだろ、ほらお前らもとっとと戻れ」
「…よろしいのですか?」
「俺がいいと言っている、戻れ」
「…わかりました、何かありましたらお呼びください」
「そん時はそん時で頼む」
部隊員達が柴関が出ていこうとする
「…あー、待て」
唐突なミコトの呼び掛けに振り向くと財布から札を数枚取り出していた
「小遣いだ、みんなでなんか買って食え」
「…ありがとうございます…!」
「じゃあとっとと行った」
札を貰うと同時に部隊員達から喜びの声が聞こえてきたような気もして場の空気も少し和む
「あんたら、飯食いに来てんだろ?」
「ならとっとと座って注文しな、セリカちゃん、同じ学校のヤツらなんだろ?注文とってあげな」
「…言われなくてもわかってるわよ」
セリカが先生達の方へ行く
先生達はシロコが無事かどうか確認している
セリカも心配そうに見ている
「…なぁ旦那」
「なんだ、大将」
「やりすぎだ」
「…俺もちょっと思った」
ミコトもミコトで体の向きをカウンターに戻し大将と話す
「話によるとアビドスの奴らはクソ強いって話を聞いてたし、さっきのやつらにもアビドスに来る時に気をつけるように言ってたんだが…それが仇になったな」
「大将、あの子達の分奢るわ、勘定後で頼む」
「わかってんならいいが、あんまり暴れすぎると会社の方に響くぞ?」
「響いたら響いたらだ、気にしない気にしない」
未だこちらを警戒するホシノだが
席に着き食べるようだ
…自分で言うのもあれだがあんな事あったのによく食えるな
多方あのシロコって子が「大丈夫、せっかくなんだし、食べよう」みたいなことでも言ったんだろ
少しして注文を取ったセリカが戻ってくる
彼女もミコトのことをキッと睨むが大将に注文を伝えるとアビドスの方へ行く
心配なんだろう
…やりすぎたな
「大将お勘定」
「あいよ、そんであの子達の分もつってたよな」
「あぁ、遠慮なく乗せてくれ」
「あいよ」
「セリカちゃん、頼むよ」
「…はい…」
大将は麺やらを茹でている途中だったためセリカにそう伝えると少し顔を歪めて返事をする
「…なんかすまねぇな、お友達のこと傷つけてよ」
「責任感じてんならもう来ないでよ」
「それは困るな、仕事とかもあるから来んなってのは無理だ、どうせ少ししたらまた顔合わせることになるだろうからな、また今度会おう」
会計を終わらせそのまま正面から手を振りながら出ていく
「大将、美味かった」
「また頼む」
「おう!やりすぎんなよ!」
「おーう」
ミコトは戸を閉めて完全に外へ出た
柴関周辺のコインパーキングに1台の装甲車が止まっている
ミコトはその装甲車の元へ行き上り上のハッチを開ける
そこから中に入り声をかける
「さて、諸君、元気にしてるかな?」
中では先程渡した金で買ったのかは知らないが直近で買ったであろうお菓子達が置いてあった
「ミッさん!元気です!」
「お怪我は?」
「ない」
「本当に?」
「本当にだ」
声をかけると
1人の子供がこちらを見て返事をする
1人が返事をすると続々に返事が来る
「私は元気ですよ」
「いつも通り元気いっぱいだよ!」
「眠い…」
「アイツ強そうだったんだけどな…まぁ、元気だよ」
それぞれが別々の回答をする
「みんな元気そうでなにより」
「では我がルミナクラスグループ専属PMC諸君、君達にひとつのオーダーを下そう」
オーダーという言葉に全員が反応する
眠そうにしていた1人も目をぱっちりと開けミコトの方を見る
「今回下すオーダーはひとつ、セリカの尾行だ」
「セリカ…あの店員さんの?」
「ああ、あの子を狙っているような妙な気配を感じた、あの子が出勤してきた頃からあったから確実だろうな」
「了解、いつまでです?」
「とりあえずは2日間、襲撃があっても手を出すな」
「今回のオーダーはあくまでも尾行だけだ、襲撃者の確保はしなくていい」
「以上、開始は本日
「「アイコピー」」
その日の夜
柴関ラーメンも営業を終えセリカは先に退勤していた
「はぁ…色々あったな…なんなのよあの男…」
歩きながら家まで歩く
急に幸せかどうか聞いてきたり、先輩のこと押さえつけるし…
「もー!イライラする!」
セリカが声を出ししている銃声がなる
「いっ!?」
私が撃たれたようだ
それを認識すると自分も負けじと銃を取り出そうとする…だが、取り出した瞬間1発の銃弾とは言えない爆発するような音が聞こえてくる
「Flak41…!?」
音の方へ音の正体を認識すると同時に自分のすぐ近くにその砲弾が着弾した
「アンタ達…何も…の」
砲撃の衝撃で気絶してしまう
「せん…ぱい…)
「こちらアルファ1からアルファ5へ、目標気絶、尾行再開を急ぐ、オーバー」
『アルファ5了解、HQへ報告する、見つかるなよ、アウト』
数時間前
昼間の一件から少しして
私達は校舎に戻ってきた
それからアヤネにミコトさんについてを聞いてみた
「葛城ミコト、キヴォトス有数の企業グループを手がける経営者で巷ではキヴォトスを支えている事から英雄…あるいはキヴォトスに兵器をばら撒き平和と安寧から遠ざけようとする悪魔とも呼ばれている男性です」
「本名と性別以外は開示されていのですが、あの場にいた方は本物だと断定してもいいでしょう」
「その心は?」
アヤネの言葉にシロコが首元を少し触りながら聞く
「そうですね、ホシノ先輩な銃を構えようとした時に入ってきた彼女達はルミナクラスグループ専属の傭兵の方々です」
「傭兵?」
「えぇ、傭兵としての活動はもちろんですが、ミコトさんの私兵としても動いているようです」
「ん…アイツら多分強い、私よりも」
「シロコ、本当?」
「うへぇ〜そうだねぇ、多分あの子達はシロコちゃんよりも強いだろうねぇ〜」
先生の問いにホシノが答えてくる
「一人一人の練度…ほぼ私と同等ぐらいには強いはずだよ」
「そんなのがアビドスを襲ってきたら…」
「…いい?皆」
「ん、どうしたの?先生」
「彼…ミコトさんは多分アビドスを襲うことはしないと思うの」
「そうでしょうか…」
「うん、言えるよ」
「まず、彼がアビドスを襲う理由がない、一応彼はラーメンを食べに来たって言ってたよね、多分それに嘘偽りはないと思う、見ていてそんな気配は感じなかったし、何より前に会ったことあるけど、そんな事をするような人には思えない」
「そうなんでしょうか…」
「ま〜とりあえず今は保留でいいんじゃない?」
アヤネが悩んでいるとホシノが声をかけてくる
「もし襲ってきた時に考えればいいんじゃない?」
そんなこんなで話をしていると気づけばもう夕方だ
ノノミとシロコはもう先に帰ったようで、この場にはアヤネとホシノと私しかいない
「うーん…とりあえず、明日また少し話すってことでいいかな」
「私もそれがいいと思います」
「じゃあそれで決まり、長い間拘束しちゃってごめんね、じゃあまた明日!」
「「先生、さようなら」」
2人とも声を合わせ帰って行った
「さて、私も帰るか」
その晩、セリカが居なくなったと連絡が来た
「先生!セリカちゃんが!」
「アロナ!今すぐセリカの居場所を探してれ」
「えぇ!?サンクトゥムタワーのセントラルネットワークに接続するってことですか!?」
「そうだよ、早く!」
「えぇ?もう、怒られても知りませんよ!」
「生徒の為ならなんだってするよ、早く」
アロナに指示を飛ばしサンクトゥムタワーのセントラルネットワークに侵入してセリカのスマホの位置情報アプリを強制起動させて居場所を探す
「わかりましたよ!アビドス砂漠の郊外です!」
セリカがいるであろう場所には赤い丸が点滅しており、そこに確かにいるといことが分かる
「じゃあみんな、行くよ!」
「はい!」
「ん」
「うん、可愛い後輩を助けに行こう」
「セリカちゃんを助けに…!」