キヴォトスにある1つのカフェ   作:ミハマ

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夢を辿るは鷹の目

カフェ「ルミナス」

2階の居住スペース

ミコト用の部屋とミサト用の部屋

そしてゲスト用の部屋があり

ゲストルームにはユメが泊まっている

にゃんこ3匹は動物病院で検査があるのでしばらくお預け

 

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「…じゃあ、ご飯もご馳走になりましたし、お会計お願いします」

 

「は?要らんが??」

 

「え?いやでも…」

 

「ただ手料理を仲のいい友人に振舞っただけだ、金とるつもりはねぇよ」

 

「いやでも…」

 

ミコトとユメが話していると外をぼんやりと眺めていたミサトが声をかけてくる

 

「ねぇユメさーん、社長〜」

 

「「??」」

 

「雨降ってきたよ」

 

「は?今日そんな予報出てなかったよな…」

 

「傘…持ってきてない…」

 

「…いい事思いついたぜ」

 

「どうしたんですか?」

 

ミコトはスタッフルーム側へ行き、指を天井側に指す

 

「ユメ、今日うちに泊まってけ」

「それでミサトとなんか話してやってくれ、それを対価としよう」

 

「えっえぇぇぇぇ!?」

 

「っちょ社長!女性を突然家に泊めるってどんな神経してんすか!?」

「あと私?!なんで!?」

 

「別にいいだろ、外は大雨で日も落ちきってて真っ暗、いくら連邦生徒会が近いといえどここはキヴォトス、治安なんてクソ喰らえだ」

「そんなところに可愛い女を放り出してみろ、もしもの事があるかもしれん、そう考えたら結構まともだろ?」

 

「いや、そうかもしれませんけど…」

 

「あと大人の階段を登ってる女性から何か聞くのも社会勉強になると思うからな」

「それで…」

 

ミサトの方へ向けていた体を次はユメの方へ向ける

 

「お前はどうしたい?」

 

「えぇ!?…その…」

 

「その?」

 

「ずっとお世話になってるのにまたなっていいのかなって…」

 

「別にいいだろ…お前そんなこと考えてたのか」

「さっきも言っただろ?お前はまだガキだ、ガキは大人しく大人に甘えとけ」

 

「そうッスよユメさん!この人何かと子供には甘いんスから甘えるなら今のうちっすよ!」

 

ミサトの言葉を聞き申し訳なさそうに聞いてくる

 

「お世話になっても…いいですか?」

 

「「もちろん!」」

 

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という事があり、ユメはルミナスの2階で泊まっている

ちなみに、風呂、トイレ、洗濯機

さらには予備の男女兼用のできるパジャマもある

なおミコトはガタイが子供とは当然違うため着れない

建設当時は住み込みで働くつもりだったから普通に生活することも可能

ミサトは基本ここに寝泊まりしているが、ミコトは本社の仮眠室で定期的に書類と格闘をした後に寝ている

 

「ふぁ…おはようございます…」

 

時刻は0600

開店一時間前にユメは起きてきた

その姿はゆったり系のパジャマに身を包んでおり

男女兼用のパジャマでギリギリ保たれているそのたわわはいつ解放されるかわからない時限爆弾のようだ

そんな事を知ってか知らずか、ユメは眠そうに目元を擦りふらふらとあゆみ出す

 

「おはよう」

 

「おはようッス!」

 

俺とミサトは開店準備もあり早めに起きていた

スタッフルームにある階段から降りてくると一直線にミコトの元へ行く

 

「どうし…っ!?!?!?」

 

ユメは寝ぼけているのミコトに抱きつく

 

「ん〜ふふ…ミコトさぁん…」

 

「お、おい!離れろ…!」

 

ミコトも負けじと離そうとするが、流石はキヴォトス人

それであり見た目によらず力もかなりあるユメががっちりとホールドしている為、剥がそうにも剥がせない

 

「…ッケ!リア充め…」

 

「テメェ言ってねぇでこいつ剥がすの手伝えって!…ユメ、離れろって」

 

「うへへ〜ミコトさんだいすきぃ〜うへへへ」

 

「だ、だから離れろって…///」

 

「…しゃ、社長が押されてる…!?」

 

「だぁぁぁ!」

 

ミサトの言葉でキレたのか普段あまり出さない本気を出しユメのホールドから脱する

 

「はぁ…朝っぱらからなんでこんな…」

 

「うへへ…ミコトさぁん」

 

ユメは相変わらず寝ぼけているようで再び抱きつこうとする

寸前でミコトは逆にユメを抱き込み、頬を少しぺちぺちする

 

「ほら、起きろ」

「客が来るぞ〜」

 

「うへへへ〜!?」

 

ぺちぺちされていると同時にしっかり目が覚めたのかぺちぺちされる度にうへうへ言い目をぱっちりと開ける

 

「うへへ…へ?ミコトさん?なんでそんな近くに…!?」

 

抱き込まれていることに気づいたのか頬のみならず、顔を真っ赤にし口をパクパクとさせミコトの目を見ている

 

「ようやく起きたか寝坊助」

「とっとと歯磨いて顔洗ってきな」

 

「は…はい…//」

 

ユメはミコトにそう言われるとそそくさと消えていった

 

「社長」

 

「あ?なんだ?」

 

「式はいつですか?」

 

「だからなぁ…!」

 

こうしてカフェ「ルミナス」開店作業はどんどん進んでいく

 

 

 

 

 

「「いらっしゃいませ!」」

 

あれから1時間ほど経ち、カフェの入口付近にて、2人が客を案内していた

 

「お席へご案内しまぁす!」

 

「ユメさんその調子です!」

 

「えへへ…!」

 

「ユメ、せっかくの休みなのにすまねぇな」

 

「いえ、いいんです…先日クビになって休みは貴重じゃ無くなったんで…」

 

「まて、初耳だぞ?」

 

「そうでしたっけ?」

 

ミコト突然の爆弾発言で体の動きを止めてユメの方をじっと見る

 

「この間カイザーで色々あったじゃないですか、その時にリストラされて…ひん…」

 

「「あっ…」」

 

葛城親子は何かを思い出したかのように声を小さく発する

 

「社員寮からも追い出されて…」

 

ユメは話し始めるとひんひん悲しそうに呟く

 

「えっじゃあ今まで何処で寝泊まりしてたんスか?」

 

「後輩のお家に…」

 

ユメが呟くとミコトも口を開く

 

「じゃあ、うちで働くか?」

 

「え?」

 

「このカフェって従業員俺とミサトの2人しかいなくてな」

「俺は本社で仕事もあったりしてミサトがワンオペの時もあるからよ、もちろんカイザーよりもいい給料は出すし、あのゲストルームで寝泊まりしてもいいんだからな?」

 

「いやいや!そんなずっとお世話になって…」

 

「だぁかぁらぁ!ガキは!大人しく!甘えろ!」

 

ユメがお世話になってるのに発言をしようとする所をミコトは大声でかき消す

 

「別にいいんだ、ミサトもこのカフェに来てくれたらお姉ちゃんができるのかな〜ってちょっと期待してたわけだし、なにより、お前と過ごせること自体が俺からすれば嬉しいんだからな」

 

「え…///」

 

大きな声で集まっている客の視線何てものは気にせず恥ずかしげもなく言い切る

言い切ると同時に舌打ちだとかも聞こえるが、同時に暖かい視線が送られてくる

 

「だからよ、うちに来ねえか?」

 

ミコトは聞いてくる

ここまで言われたら流石に

 

「あの…不束者ですが…末永くよろしくお願いします!」

 

ユメもこう答えるしかない

 

「え結婚?」

 

ユメの答えるにミサトは思わず声を漏らす

 

 

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あの後すぐにスタッフルームのミコトの机の中から雇用契約書を取りだしトントン拍子で契約が完了した

 

「給料は…月38でどうだ?」

 

「え゛」

 

「あ?少ねぇか?」

 

「い、いや、いやいや!多すぎないですかっ!?」

 

「そうか?」

 

「私がカイザーで働いてる時だなんて28万でしたよ!?」

 

「10万もアップしたのか、良かったな」

 

「えぇ…」

 

「まぁとりあえず、ミサトにさっき教えてもらった通りに接客すればいい」

「責任案内して、注文を取って、テーブルの上を片付ける」

 

簡単だろ?とユメにいいキッチンへと戻っていく

 

「…とにかく、がんばるぞ!」

 

ユメも覚悟をしたようでエプロンをつけ直し両頬を叩きホールへ出る

 

 

 

 

時刻は1100

昼頃、昼食を求め客足が増えてくる時間帯だ

次第に店内に入ってくる客も増えてきて

ユメ達ホールのみならずキッチンで鍋で茹で、フライパンで炒め、さらに盛る、3人が止まる暇もないハードワークをこなしながら、わちゃわちゃと働いている

 

「ユメ、これ6番!」

 

「はーい!」

 

手を止めず、足も止めず

ホールで料理を運んでいると突然勢いよくドアが開き、1人の生徒が入ってくる

 

「…っはぁ…ユメせんぱっい!」

 

その姿はつい先日みた強者の目を持つ桃色の髪の生徒…

 

「小鳥遊ホシノ?」

 

「誰?」

 

「ホシノちゃん?」

 

ホシノはドアを開けると中へ入り込んできて視界の先にいるユメを確認すと同時にドスドスと足を踏み込ませ近づく

 

「ユメ先輩!なんでこんな所に!」

「あの男には関わらない方がいいって!」

 

どうやらミコトのことでなにか怒ってるようだ

 

「あー、申し訳ないが、そこで騒いでくれるなよ?せめてスタッフルームで話してくれ」

 

「黙れ!お前がユメ先輩を…」

 

「ホシノちゃんが想像してる事はわからないけど、多分ち、違うよ?」

 

ユメはホシノをなだめようと声をかけるがその声はホシノに届いていないようでショットガンを片手にミコトの方へ近づく

 

「ユメ先輩何をした!」

 

「別に何もしてねぇが…」

 

「シラを切るな…お前がユメ先輩を誘拐してこんな所で働かせてるんだろ…!」

 

「…おい待て、誘拐?」

 

「昨日急に連絡がつかなくなって、先生が探してくれたんだ…!」

 

その話を聞くとミコトは手を目元にやる

そして口を開く

 

「…ユメェ…」

 

少し怒っているような声でユメの名を呼ぶ

 

「は、はいぃ!」

 

「お前、泊まる時連絡したのか?」

「お前、してないとかは言わないよなぁ?」

 

「…忘れてました…」

 

「…っはぁ…」

 

ミコトは呆れたようで2人のことをしっかりと見る

 

「ホシノ、お前は誘拐と言ったが、それは違うぞ」

「昨日帰りの際に雨が降ってきてそんな状況で外に放る訳にも行かんから泊めただけだ、ユメからも同意を取ったから無理やり泊めたわけじゃねぇ」

「嘘だと思うんならユメに聞きな」

 

ショットガンを構えられているのにも怖じけず、言い放つ

ホシノは確認を取るようユメの方を向く

 

「ほ、ほんとだよ?ミコトさんの好意に甘えさせてもらっただけだから…ホシノちゃん、銃を下ろして欲しいな…」

 

その言葉を聞くと銃を下ろす

そしてミコトに背を向けユメの手を引っ張り帰ろうとする

 

「ちょっホシノちゃん!?」

 

「帰りますよユメ先輩」

 

「ど、どこに?」

 

「私とあなたの家に帰るんです」

 

その言葉を聞いたミサトは入口の目の前へ行きとうせんぼする

 

「…どけ」

 

「退かないよ、ユメさんは今は私の後輩なんだから!後輩を見ず知らずの人間にはいはいそうですかって引き渡す訳には行かないからね!」

 

ミサトはホシノを止めようとする

そこでユメも口を開く

 

「ホシノちゃん、いい?聞いて?」

 

「…なんですか?」

 

苛立った表情でユメの方を見た

 

「私ね、ここで住み込みで働く事になったんだ」

 

ホシノはその言葉を聞くと同時に動きを完全に止め凍ったかのように動かなくなる

そんな事をユメは知らずか続ける

 

「だからね、もうホシノちゃんに面倒をかけなくても良くなったの、だからね?もう私の事で悩まなくてもいいんだよ?」

 

「お前…もっと言い方ってもんが…まぁいい」

 

言い切るとミコトがキッチンから出てきてユメとミサトをホシノから離すように動かす

 

「そういうことだ」

 

「アビドスに行く頻度は減っちゃうけど…」

 

ユメのその言葉でしびれを切らしたのかホシノが動き始める

 

「うっあぁぁぁぁぁぁ!お前ぇぇぇぇ!」

 

ホシノはショットガンをユメとミサトの前にいるミコトに向け引き金を引こうとする

ミコトはそれを見てホシノに対しタックルを行い店の外へ出す

 

「お前がユメ先輩を…っ!」

 

「ユメをなんだ?話はいくらでも聞いてやるからせめて外に出ろ」

 

「お前がっ…お前がユメ先輩を奪ったんだ!」

 

「奪った?」

「別にお前のものではないだろ」

 

ミコトはそう言い肩に着いた砂埃を落としホシノと向き合う

 

「うるさい…!お前が…!」

 

「ダメそうだな」

 

ミコトは対話を選ぼうとしたが相手が戦闘を選んだ事を理解するとホシノへ近づく

それにホシノは散弾を撃ち、ミコトを殺さんとする殺気に満ちた目でミコトをを見定める

 

「ミコトさん!」

 

その一瞬の間に出てきていたユメがミコトの名を呼ぶ

 

その瞬間

ホシノの目の前に巨体が迫ってきて首元を捕まれ地から話される

 

「カハッ!」

 

「流石にヘイローの無い人間に散弾はおいたが過ぎるぞ」

 

その巨体の正体はミコトだった

傷ひとつなくホシノの首をつかみ持ち上げていた

ホシノはその言葉が耳に入っていないようで再びショットガンをミコトへ向け撃とうとする

が、ミコトはそれを許さずホシノの手からショットガンをとりあげそこら辺へ投げる

 

「っっ!ぎ…さ゛ま…っ!」

「話をしようと言っているだ…」

 

ミコトがしゃべり出すとホシノはミコトの顔面に拳を入れる

だからミコトは怯むこともなく依然ホシノの首を掴んでいる

ミコトはそれに少し腹を立てたのか少し首に入れる力を強める

 

「ガッハッ!?」

 

強く喉を掴まれたことにより苦しみに声と空気を吐き出す

 

「ホシノちゃん!」

 

それを見たユメがミコトに近づく

 

「ミコトさん!やめて!」

「お願い!」

 

ユメの言葉でだんだんを力を緩めていってそのうちその場に座らせる

 

「っはっゲホッゲホッ…っはっは…」

 

「ホシノちゃん大丈夫っ!?」

 

ホシノは座らされると同時に10数秒間まともに吸えていなかった空気を勢いよく吸い込みえずきながら呼吸を整えようとする

まともに力が入らないのかたまにこひゅっお喉を鳴らしユメのことを見る

ユメがその場にいることに安心したのかそのまま目を閉じ意識を失う

 

「…ちとやりすぎたな」

 

ミコトは服に着いた砂埃を取り除くと2人のことを見てポリポリと頭を書きながらいう

 

「救急車呼ぶっすか?」

 

「いや、ゲストルームにでも運んでユメに見ててもらおう、今日は店じまいだ」

「ユメ、そいつをお前が昨日寝たゲストルームへ運んで看病してやれ!」

 

ミコトは言い切る前に背を向け店に戻っていく

 

「…また雨かァ?」

 

 

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あれからだいたい1時間ぐらい経った

ミサトはさっきの戦いで壊れかけたドアを治す為の材料を買うため外出しに行った

気絶した小鳥遊ホシノはユメが自前の腕力で抱き上げて部屋まで連れてった

そのままベットに寝させ傍にずっといる

 

「…なぁ、なんか食うか?」

 

「…大丈夫です…」

 

「…そうか」

 

特に話せるようなこともなく、会話は続かなかった

さらに10分

さらに20分時間が経つ事にその場の空気は淀むかのように重く苦しいものになった

 

「…謝るつもりはないからな」

 

「…わかってますよ、今回悪いのは私ですから…」

 

「ま、そうかもな」

「連絡を入れなかったお前も悪いが、後輩の家で寝泊まりしてるって言ってた時にもう少し聞いておけば良かった」

「つまるところ、俺のせいでもあるのかもな」

 

「そんなことないですよ」

「本当に私がホシノちゃんに連絡しなかったのが悪くて…」

 

「せん…ぱい…」

 

その重い空気の中

ホシノが一言つぶやく

それと同時に目を覚まし始める

 

「あ…おはよう、ホシノちゃん」

 

それに気づいたユメが声をかける

 

「…おはようございます…先輩」

 

ホシノは辺りを見回しミコトがいることを確認すると

少し嫌そうに「おはよう」を言う

 

 

 

 

カフェ「ルミナス」

時刻は1228

ホールテーブル席にてミコトの横にユメが座り、その正面、対面するようにホシノが座っている

 

「先輩…なんでそっちに…」

 

ホシノは悲しそうに

それであって不快感が同時に込み上げているような表情でユメに問う

 

「あのね、ホシノちゃん」

「これから大事な話があるの、いい?」

 

ホシノの問いかけにそう答える

以前空気は重いものである

それに痺れを切らしたか、ミコトが口を開く

 

「…まぁ、久しぶり…という訳でもないな」

「改めてこんにちは、アビドスの小鳥遊ホシノ」

 

「…こんにちは、ルミナクラスの葛城ミコト」

 

「今はただの店長だ」

「んで?"何をして欲しい?何が欲しい?お前は何を望む?"」

 

「…ミコトさん?」

 

ミコトは昔

ユメに出会った時のようにホシノに問う

そんな事はホシノは当然知らないだろう

ホシノはぴしゃりと言う

 

「ユメ先輩を返してください」

「私が望むことはそれだけです」

 

「返す?」

「なぜ?ユメはお前のものじゃない」

 

「黙れ…それはお前が…」

 

「ホシノちゃん…?」

 

ホシノが再び怒りを顕にしようとするとユメがストップを入れる

 

「あのね、ホシノちゃん」

「まず最初に、昨日連絡しなくてごめんなさい」

 

そう良いユメは頭を下げる

 

「そんな、ユメは悪くないですよ、悪いのはその男で…」

 

「ううん、違うのホシノちゃん」

 

「…何が違うんですか…」

 

そのやり取りを見てミコトは永遠と表情に笑みを浮かべ見ている

そしてユメが口を開く

 

「昨日はね、夜遅かったし、雨も降ってきて…それで傘もなくて…そんな時にミコトさんが泊まってもいいって言ってくれたの」

「それで厚意に甘えさせてもらったんだけど、そこでホシノちゃんに泊まるって連絡をするのを忘れてたの」

 

「ごめんなさい」と再び頭を下げる

そしてまだ続ける

 

「私…会社クビになっちゃって、やる事ないでしょ?」

「それで、ミコトさんに頼んで手伝わせてもらってたの」

 

ミコトとホシノは互いに2人のことを見ながら沈黙を貫く

 

「その時に、ここで働かない?ってミコトさんから打診してもらったの」

「ミコトさんに昔から甘えさせてもらってたんだけど、まだ子供なんだから甘えろって、うへへ…また甘えちゃったの…」

「昔、私が遭難した時にホシノちゃんがいっぱい悲しい想いをして、私のことで悩んでることも知ってる」

 

ユメは「だけどね」と付け加え、ミコトの方を見る

 

「ホシノちゃんが私にいい感情を抱いてくれてるのも知ってる」

「だけど、私はホシノちゃんのものじゃないの」

「ホシノちゃんからしたら酷な話かもだけれど…私は、私の意思でここにいるの」

「だからごめんね」

 

ユメが言う

ホシノは肩を震わせ制服のスカートの裾を掴み俯いている

 

「…私が…」

 

ホシノは俯きながら言葉をこぼす

 

「…私が重い女だから…嫌になっちゃったんですか…?」

「だったら、治しますから…だから…」

 

「違うよ、ホシノちゃん」

 

ホシノの言葉に否定を入れてユメは口を開く

 

「ホシノちゃんは確かにちょっと重いかもしれないよ?だけどね、ホシノちゃんのせいじゃないよ」

 

「じゃあなんでっ!」

 

「私は、4年前、この人に助けてもらった」

「私が生きてるのも、アビドスの借金返済への道に希望が見えてるのも、全部ミコトさんのおかげなの」

「私は…私はそんなミコトさんに憧れたの」

「だから、私はミコトさんのことを追い続けるの」

 

その言葉に今まで笑みを浮かべていたミコトの顔の笑みが消え困惑したような顔になる

 

「えっお前…」

 

「すみませんミコトさん、少し静かにして貰ってもいいですか?」

 

「あっはい…」

 

珍しくミコトが小さくなっている

そんな事を知っても知らずかユメは口を開き続ける

 

「だからね、ホシノちゃん」

「私はもうアビドスから巣立つの」

「もう20歳にもなるし」

「ずっとホシノちゃんのお世話になってたら、ホシノちゃんにとてつもない負担が行くでしょ?だから、ホシノちゃんのためにも、私の為にも…だからね」

「私はアビドスから出ます」

 

その言葉にホシノは顔を上げ涙を貯める

 

「わっ私のことが、きっ嫌いになったんですか…?だから…」

 

「違うよ、ホシノちゃんの言葉大好きだよ、もちろん」

「アビドスのことも、ノノミちゃん、シロコちゃん、アヤネちゃんにセリカちゃんも」

「みんなの事が大好きだよ」

「でも、いつかみんなもアビドス高校っていう学び舎から巣立つの」

 

ユメは席から立ち上がり

ホシノの横に座る

 

「そんな中に私はいない方がいいの、それに」

「自分の夢を追い続けて巣立つのも悪くないでしょ?」

 

そう言いホシノを抱き抱えハンカチで涙を拭く

 

「だからね、ホシノちゃん」

「もう二度とアビドスに行かないってことじゃないの」

「だから、私の巣立ちを、どうか祝福して欲しいな」

 

その言葉を聞くとホシノはユメに抱きつき

 

「わかりっました…でも、アビドスに…っ…みんなに、私にまた会いに来てください…お願いします…」

 

「うん、絶対いくよ」

「流石に今まで通り週に何回もっていうのは厳しいけど、週に1回行けるように努力はするね」

「だからホシノちゃん、ごめんね」

 

抱えたままホシノの頭を撫でる

 

「いいんですっ…私が…勝手に思い上がってっ…先輩達にっ…迷惑かけただけなんです…」

「私はっ…」

 

少し涙をまた貯めながらもユメの顔を見る

 

「ユメ先輩の門出を祝福します…!」

 

「…ありがとう、ホシノちゃん…」

 

ホシノの言葉を聞いたユメはまた優しく抱き込み頭を撫でる

ホシノも我慢の限界なのか、大切な人が自分の元から遠ざかる真実が悲しいのか、わんわん泣き始めた

ミコトはその光景を見て何か目を瞑り過去を思い出す

 

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じゃあね!ミコト!

 

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何か懐かしく悲しいことを思い出したようで

何かをつぶやく

 

「…いけねぇ…思い出すのは最後でいいんだ…」

 

ミコトは席から立ち上がりキッチンへ行く

 

「…お前ら、飯にしよう」

 

 

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ミコトは注文を聞き、注文の品を作り3人でテーブル席に座る

 

「…それにしても、またおかゆか…」

 

「うへへ〜別にいいじゃないですか〜!」

「私とミコトさんのオマージュみたいでいいじゃないですか!」

 

「そう…なのか?」

 

ユメはなんだか嬉しそうにうへうへ笑いホシノのそばに座っている

ホシノは申し訳なさそうにミコトの方を見ている

 

「…なんだ?」

 

「…その」

 

ホシノは立ち上がる

それと同時に頭を下げる

 

「ごめんなさい…!」

「柴崎の時も、今日も…話を聞かないで襲って…」

 

「…別に気にしてねぇからいい」

「あと座れ、髪の毛が粥に入る」

 

「あっ…こめんなさい…」

 

ホシノはミコトの催促に従い席に座る

それを確認したミコトは口を開く

 

「まず、大切な人を奪われたって思ってその人を助けようと躍起になるのもわかる」

「昔人を亡くしたからな、痛いほどわかる」

 

「…え?」

「…えっ」

 

唐突な爆弾発言で2人とも困惑しているようだ

 

「…まぁ、その話はいい」

「大切な人を持つってのは大切なことだ」

「だが、周りが見えなくなるようなら大切な人にも迷惑をかけかねない」

「だから、気をつけろ」

「以上だ」

 

そう言いホシノとユメに対し笑みを浮かべ2人を見る

 

「…ミコトさん、すみませんでした」

 

「なんでお前も謝る…?」

 

「私が来たからこんなことになったから…」

 

「そんな訳ないだろアホ」

 

「アホって…」

 

ミコトは頭を抱えるとはぁ…と溜息をつきユメを見る

 

「お前が来たからこんなことになった?」

「笑わせるなよ、それならお前を店に招いた俺が全部悪い、そうだろ?」

 

「それはちが…」

 

「ならお前のせいでもなく、俺のせいでもない」

「だろ?」

 

ミコトは呟くと両手を2人の頭に置き撫でる

 

「今は食事の時間だ、んな話はやめて食おうぜ?」

 

「…はい…!」

 

「私も…いいんですか?」

 

「当たり前だ」

 

ホシノが聞いてくると頭に置いた手をどかし腕を組み言う

その様子を見たホシノはなんだか先程とは違いなんだか嬉しそうな感じでミコトをみる

 

「じゃあ手を合わせて」

 

「「「いただきます」」」

 

そういい3人はスプーンを進める

 

「…ん!昨日のと違う!」

 

「昨日のはあん時作った時と同じで梅干しの叩きを入れてたが、今日のは炊く時からカツオ出汁とニボシの粉末を入れて和風に仕上げてるからな」

「…そういえば」

 

そういうと一瞬立ち上がりキッチンへ行き何かを思ってくる

 

「卵焼き…ですか?」

 

「ああ、朝の残りだ」

 

「ミコトさんって相変わらず少食ですよね」

 

「わりぃか?」

 

「ふふ、別にそういう訳じゃないですよ?」

 

ミコトが持ってきたのはだし巻き玉子だ

マリヌピスというルミナクラス系列の会社から取り寄せた評判の養殖カツオとニボシを使っている

 

「…香りがいい…」

 

「だろ?うち自慢の出汁だ」

 

ホシノも1口口に運ぶと思わず声が出たようだ

 

「にしても、"先輩を返せ"だなんて」

「お前もいい後輩持ったじゃねぇか」

 

「ふっふっふ〜!自慢の後輩ですよ〜!」

 

「あのやさぐれてた頃が懐かしぜ全く」

 

「ちょっと!その話はなしですよ!」

 

「へっへっへ」

 

2人の会話を聞いているとホシノが一つ質問を投げかけてきた

 

「あの、2人っていつから…」

 

「4年前からだな」

 

「うんうん、そうだねぇ」

 

「そうか…あれから4年か」

 

ミコトはなんだか面白いことを思い出したのかホシノに語りかける

 

「こいつ、今はこんなふわふわしてるが、昔色々あってやさぐれてた時期があんだよ」

 

その言葉にホシノは思わず声を出す

 

「えっユメ先輩がっ!?」

 

「あぁ、しかも今はこんな…いやセクハラだな…すまん今のは聞くな」

「んで…」

 

ミコトが話を変えたので思わず聞いていたユメも口を挟む

 

「えっこんなって?」

 

「だから聞くなって」

「んでぇ、こいついつか来る後輩の為にって話し方だとかを変えようと頑張っててな」

 

ミコトはどこから取り出したのかグラスに茶色の液体を注ぐ

それは茶とは違うもので…

 

「えっお酒?」

 

「別にいいだろ?今日は早めの店じまいなんだから酒ぐらい飲んでも許されるだろ」

 

その言葉を聞いたホシノは途端に顔を歪める

それを見たのかミコトが訂正を入れる

 

「…別に誰もお前が悪とは言ってねぇ、だから気にすんな」

 

「…ありがとう…」

 

「…ん」

「…続きだか、変わろうと頑張って頑張って」

「最終的に今のふるふわのユメになった訳だ」

「こいつなぁ、後輩ができたら〜ってずっと言ってたからな、お前が来て相当喜んだんじゃねぇか?」

 

あっていたようでホシノの顔に笑みが浮かんでくる

 

「2年前に後輩ができた〜って鬼電された時は流石にキレそうになったぜほんとによ…」

 

「へへ…嬉しかったんだもん」

 

「ま、本当に嬉しそうだったから怒ろうにも怒れずな…」

「この際言うが、お前はもっと限度って言うのを弁えろ」

 

「うへへ…ごめんなさーい…」

 

「わかればいい」

「そんでよ、2年前突然連絡がつかなくなったと思えば可愛い後輩達連れてカルガモ親子みたいに歩いてるって知った時は呆れたぜ」

「心配して損したってな」

 

ミコトはグラスの中身をイッキすると懐かしい物を思い出すかのように語り出す

 

「仕事が忙しくなって1年ぐらい会わず…」

「…連絡がつかなくなって半月で捜索に乗りでたんだか見つからなくてなぁ…失踪したか、誘拐されたか」

「死んだんじゃねぇかって不安になりつつ2年…生きてるって話を聞いて探してみりゃ昔のユメとは見違えるほど変わったユメがお前とお前の後輩達と笑ってんだから…安心したよ」

 

「…」

 

ミコトはグラスに再び酒を入れ飲む

 

「そういえば、なんで連絡してくれなかったんだ?」

 

「えーっと…実は何回かしようとしたんだけど…」

「遭難した時に砂嵐にあってその時にスマホ無くしちゃって…そのまま連絡先だとかも全部消えちゃって…」

 

「なるほど…だからダメだったのか…」

 

「うん…毎日のように電話とかしてたのに突然連絡が消えたら心配するよね…ごめんなさい」

 

「お前が無事だったなら別にいいさ…あ…そういえば腕時計のお陰で助かったって言ってたが、あれどう言うことだ?」

 

「あーそれは…」

 

ユメが口を開くと同時にホシノも口を開く

 

「2年前…ユメ先輩と喧嘩しちゃって…」

 

「…うん、それで私が飛び出しちゃってね」

 

「その後すぐ探し始めたんですけど、中々見つからなくて…」

「藁にもすがる思いで連邦生徒会だとか、ヴァルキューレに問い合せて捜索してもらったら、腕時計の発している電波をキャッチしてギリギリのところで助けれたんです…」

 

「うんうん、ミコトさんがあの電波時計をくれたから私は助かったの!ありがとう!」

 

「感情の起伏が激しすぎるだろお前…」

「まぁ…ほんっっっとうにあげて良かった」

「お前が無事で俺は嬉しいぜ…」

 

そう良いミコトは目元を抑える

 

「俺なぁ…あん時ほんとに心配してたんだぜ?ほんと無事で…」

 

ミコトが珍しく涙を流しているようで2人のがオドオドと大丈夫かと声をかけてくる

そんなこんなしているとドアが開き誰かが入ってくる

 

「ただいまッス〜…って社長が泣いてるっ!?」

 

帰ってきたのはミサトらしい

入ってすぐのテーブル席でミコトが泣いていることに気づいたようで

近寄ってくる

 

「えっ…?ミコト…?どうしたの?お腹痛いの…?」

 

普段とは違う姿を見て思わず素が出てきているようで2人と同じよう近寄ってきて声をかける

 

──────────────

─────────

─────

 

カフェ「ルミナス」

2階ミコトの部屋

にて、ベットの上でミコトが寝息を立て寝ている

ユメとホシノとミサトの3人で巨体を運んだらしい

 

 

「ははーん…そういう事…」

 

ミサトが2人から話を聞くと何か察したかのように言う

 

「お酒飲んでたのね…」

 

「こういうことよくあるの?」

 

「まぁ度々あるよ?」

「多分泣き上戸だったんじゃないかな…ミコトってお酒飲むとよく泣き上戸になるし…」

 

「そういえば…2年前の今ぐらいにもなにか何か泣きながら言ってたなぁ…それこそ"夢……帰ってきてくれ…"だとか…あぁ!」

 

点と点が繋がったようで大きな声をあげる

 

「あの時言ってたのってユメさんの名前かぁ!」

「そうかそうか…さっき話してもらった話とも一致する…じゃああん時求めてたのはユメさんってことか!」

 

はぁーなるほど…といいながらひとり納得している

ミサトの言葉でユメは顔を真っ赤に染め上げ、体から蒸気が出るかもしれないほど体が暑くなっていた

 

「みっみみみミコトさんが私のことをっ!?」

 

「ん〜?そうですよ?」

「あの時期って仕事が忙しくてやけ酒でもしてんのかと思ってたけど、ユメさんの失踪だとかでやけ酒してたって訳かぁ…ユメさんよくうちの人引っ掛けましたね」

 

「うへっへへっへ」

 

ユメはミサトと話しているとうへうへいいその場で倒れた

 

「ユメ先輩!?」

 

「ユメさんっ!?」

 

今までの話を聞き頬を赤らめていた

空気になっていたホシノがユメに駆け寄る

 

「うへへ…ミコトさんが私のことを思ってくれて…うへへ…」

 

顔を真っ赤にして目をぐるぐるとさせ嬉しそうに呟く

 

「っちょユメ先輩!こんな所で寝たら風邪ひいちゃ…」

「ユメ先輩?ユメせんぱーい!」

 

どうやら嬉しすぎて気絶したようだ

 

「…リア充め…」

 

その光景を見てミサトが舌打ちをして呟いていると、騒音で目を覚ましたのかミコトが体を起こす

 

「あぁ…?…どんぐらい寝てた?」

 

当たりを見回して何がなんだという顔をしていたが、理解することを諦めたのか聞いてくる

 

「10分20分ぐらいじゃない?」

「にしても…」

 

「にしてもなんだ?」

 

「式はいつっすか?」

 

普段のおちゃらけた様子にもどる

 

「だからなぁ…!」

 

 

 

 

 

ユメをゲストルームのベットの上に寝かせ3人はカフェに戻ってくる

 

「はぁ…なんだか色々迷惑をかけたな」

 

「別にこれが初ってわけじゃないんだから、今更っすよ」

 

気にしないでくださいと付け加え、ミコトの作っていたミサトへと書かれたメモの付いているサンドイッチを頬張りながら言う

 

「…なんだか、ユメ先輩の知らない一面を見れたような気がして、私は満足です…」

 

ホシノがそういうとミコトが口を開く

 

「…なぁ、さっきから思ってたんだがよ…」

「んなかしこまった言い方しなくても別にいいんだからな?」

「普段の"おじさん"とかそういうのでいいんだからな?」

 

「おじさん…?」

 

ミコトは普段通りでいいと言うがミサトはその普段がわからないので困惑している

 

「…じゃあお言葉に甘えちゃおうかなぁ…」

 

「…それでこそアビドス3年の小鳥遊ホシノ先輩ってもんだ」

 

「…ミコト…さん」

 

「ミコトでいい」

「好きに呼べ」

 

「じゃあミコトちゃん…?」

 

「それでもいいぞ」

 

ミコトがそういうとホシノはしっかりとミコトの方を見る

 

「んんっと、なんだか言いにくいんだけどさ、ユメ先輩のことをよろしく」

「ユメ先輩って、昔は昔の私みたいだったってさっき聞いてるけど、今は抜けてるところがあって悪い人によく騙されてるから…そんなユメ先輩を守って欲しいんだ」

 

「…別にわざわざ俺が守る必要があるか?」

 

「うん、あるよ」

「これから1番ユメ先輩に近くなるのはミコトちゃんだから」

「だからお願いします、どうか、ユメ先輩を幸せにしてください」

 

「おうわかっ…おい待てお前今…」

 

「うへ、式はいつか上げるの〜?」

 

「お前までっ…!」

 

 

こうして本日も営業終了

色々ハプニングもあったが、今日も平和に1日を終える

 

実績解除

「幸せな夢を願う鷹の祝福」

 

ユメという新しい家族ができ、ホシノとその後輩達がカフェ「ルミナス」に来るようになった

 

 

 

 

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