おはようございます、そう頭では挨拶をして、天井に書かれた文字を見る。
お前の名前は掟上現
見滝原中学二年生、14歳
寝ると記憶がリセットされる
自分が誰だか分かったところで、細かい調整をしていく。ノートを読んである程度の掟上現の補完が完了したら、朝食を食べる。
ずる休みは普通に許可されているので、平日の見滝原市を歩くことにする。空気は知っているのに、視界では知らないそんな街、そこを歩いていると、黒髪が揺れている。木の上から何かを見ているようだ。
違った、ピンク色の髪を少女を見ている。ピンク色の髪の少女の隣にいる、青髪の少女の方にはインキュベータがいる。契約者を増やさないようにってところですかね。
まぁ関係ないはなしですが……あちらも気づいたみたいですね。できるならば、丑三つ刻とか、逢魔ヶ刻、黄昏時、せいぜい暁月時でしょう、すでに、夜明けから、時間は経っているのでどれにも当てはまらない、だと言うのに、魔女の気配がする。
「存在証明《普通の魔法使い》面倒事になる前に倒しましょうか。土は土に、灰は灰に、人を呪いし魔女はグリーフシードに。魔砲〈ファイナルマスタースパーク〉」
魔女の結界のなかで使い魔を一掃する。全く朝から下らない労力を使わせないでほしい。セーラー服に腕が生えたような魔女……!
なんだ?今、違和感が……魔女の攻撃?いや、使い魔の数が減っている。試してみる価値はあるかな。
「存在証明《完璧で瀟洒な従者》」
《時間を操る程度の能力》証明完了
「ザ・ワールド、時よ止まれ……なるほど、まさか、時を停める魔法少女がいるとは思いませんでしたよ」
「さっき貴方は私の魔法で止まっていた、なのに今は動いてるどころか、自力で時を停めた。何者なの?」
「僕の名前は掟上現。昨日もなければ、明日もない。魔法少女を知る忘却記者。覗き見は感心しませんよ、警戒するその心は正しいですが」
「忘却?」
「ええ、寝ると記憶がリセットされるということです。僕には今日という現在しかありませんから、それでどういったご要件ですか?」
わざわざ、時を停めて介入してきたならば、こちらに認識されないほうが良かったということでしょう。そちらのほうが都合がいいという、まぁ、彼女の時を停めに反応できたのはたまたまだとは思いますがね。
「……なら、先に魔女を倒しましょう、長時間の停止は疲れるでしょう?」
「賛成ですね、とは言え、今の僕は武器を持っていませんので戦うことはできません」
「どういうこと?」
「僕の魔法は、複数種類存在しますが同時に使用できるのは一つまでです、時を停めている状態では他の魔法が使えません。ですので、武器をお貸しいただけるとありがたいです」
「……使いなさい」
「ありがとうございます、では、二十秒後に時停めを解除します、撃ち続けてください」
二人で魔女に発砲し続けて、魔女の周りが弾丸で埋め尽くされた後に、時停めを解除する。
「上手くいきましたね、ありがとうございました。これ返しますね、」
「それで、なんで私服なのかしら?今日は学校よ」
「そうですね、ですが忘却体質で定期テスト以外での出席は自由にさせてもらっています。まぁ偶に呼ばれて行くこともあるようですがね、実際昨日の僕は学校に行ったようですし」
「…そう、厄介ね、暁美ほむらよ、ここで待っているから学校に来なさい、長話になるから休むなら連絡をしないと」
「わかりました、では少しお待ちください、あ、その前に貴方のお名前は?」
「暁美ほむらよ」
「暁美ほむら、なるほど、覚えました。字は明るいに美しいですか?」
「いえ、暁に美しい、ほむらは平仮名よ」
「確かに、では行ってきます」
手早くノートに暁美ほむらと書いて、時止めで家に帰り制服を回収、着替えてから暁美さんのところへと戻り、休むつもりだった学校へ行く。