ジュースを受け取って質問をする。ギリギリおはようございます。掟上現です。現在、朝のHome Roomが終わりました。
「いただきます……固形物食べないんですか?暁美さん」
「十分よ。それにしても、貴方、私の行動に違和感を持たないのね」
「まぁ、昨日以前の前は、魔法少女に対して深く調べていたようなので、ある程度、契約させないという意思は尊重できますよ」
学校に登校すると、担任の早乙女和子先生に驚かれた。連日で学校に来ても問題ないと思うんだけどね、どうやら僕の知らない僕は、定期的に学校に訪れることは少ないようだ。
「まぁ、僕が知っている内容と、暁美さんが知っている情報に差があって、それがどこまでの歪を生むか分からないので、あまり説明はしないほうがいいとは思いますが」
「なら、ソウルジェムについてどこまで知っているの?真実と聞いて思い当たる節があるならYES、真実も何もインキュベータ、いえ、キュゥべえが最初に言ったことしか知らないというのならNOで答えで」
「なるほど、YES。インキュベータと呼ぶ方も知っています。いえ、記録されていました」
「そう、貴方とは仲良くなれそうね」
「それはどうも、まぁ、周りの視線は酷いですけどね」
昨日転校してきたという暁美さん、美人だからか、男子たちの視線も多いし。さらに不登校児の僕が話していれば、注目も集まる。
「それについては、無視すればいいわ」
「そうですね、それではそろそろ授業なので、僕は自分の席に戻ります。詳しい話はお昼に」
「ええ、」
まさか、ソウルジェムの真実について知っている魔法少女がいるとは、インキュベータはそのへんを説明しない存在らしいけど、いつ知ったんでしょうか。まぁ忘れてしまうならば、忘れさせてしまうなら、聞く必要もないでしょう。
いえ、僕の記憶に執着していないなら、わざわざ記憶を消す必要もないですかね。
四時間の授業を経て、お昼休み。
「それでは、どうしましょうか?」
「なら先に、一番重要なことを聞いていいかしら?貴方は変身できるの?」
「できまそんよ、インキュベータと契約したわけではありませんから、まぁ、そのおかげでインキュベータを警戒でき、真実を知っていますからね。では、僕の方からソウルジェムの行き着く先を知っていますか?YESかNOで」
「YES、」
「では、契約させたくないという、鹿目まどかさんのところにいきましょうか、」
屋上に行くと、インキュベータと鹿目まどかさん、そして、暁美さん曰く、面倒くさいという評価の美樹さやかさん、がはなしていた。
「噂をすれば……」
「おや、君が彼女といるのは珍しいね」
「知ってるの?!キュゥべえ……」
「知っているよ、」
「おや、昨日以前の僕を知っているんですか、では、少し借りますよ鹿目まどかさん、」
「え、あ、うん」
鹿目まどかさんも美樹さやかさんも、僕は知らないからね、だったら僕じゃない僕を知っている孵卵器と話したほうが得策だ……だれが付いてきているね、だれだろう。
「どうかしましたか?黄色い髪の毛……なるほど、貴方が暁美さんが言っていた、魔法少女に肯定的な方ですか。初めまして、掟上現です。魔法少女については少なくとも貴方よりかは知っていますよ、それで、何の用ですか?」
「本当は、暁美ほむらさんの方を見ていたいのだけれど、キュゥべえをどうするつもり?」
巴マミさん、現在魔法少女。三年目のベテラン、戦闘は避けたいですね。何よりここ学校ですし。
「何もしませんよ、強いていうならば、事実確認です。客観的な、第三者に近い意見を聞くならば、インキュベータ、おっと失礼。貴方にとってはキュゥべえでしたね、そのキュゥべえに聞くのが一番いいかと思いまして、」
「傷つけるわけではないよね?」
「ええ、こんなところで戦闘はごめんですからね、」
「そう、なら傷つけないようにね、傷つけたら、容赦しないから」
「わかりました。忠告、痛み入ります」
去っていった巴マミさんを見送り、インキュベータに向きなう。
「本当に理解できないね、君は。昨日は彼女の味方だったのに」
「……聞きたいのは僕のことではないんですよ?あくまで聞きたいのは、どこまで話したのかってこと、」
「君は知っているからね、いつもどうりだよ」
「そうですか、では、戻りますよ。知りたいことは知れましたし、それと、僕のことはほかの方に話さないように、もちろん暁美さんにもね」
「わかったよ、掟上現」
さっきの屋上に戻ると、明美さんはすでにいなかった。
「先に行ったんですかね、」
「アンタ、転校生とどんな関係なのさ、」
「協力関係ですよ、それ以上でもそれ以下でもない、」
「なら、キュゥべえをおいてどっかに行って」
「さやかちゃん、そんな言い方は……」
「まどか、コイツは男なんだよ、なのに、キュゥべえをみているし、話もしている、明らかに可怪しいよ」
「まぁ、僕も魔法少女いえ、魔法少年ですからね、契約者はキュゥべえではありませんが。紹介はできかねます、僕も彼女の事を知りませんし、忘れていますから、では、また会いましょうか」
インキュベータをおいて屋上をあとにする。さて、暁美さんは…いましたね。
「こんにちは、守備は芳しくなかったようですね」
「ええ、だから、聞きたいんだけれど、貴方は記憶はどうやって維持できるの?」
「?言っている意味が分かりませんね」
「正直、あなたの力を今後も借りるために、貴方が忘れてしまうのは何とかしないといけないの、どうすればいいのかしら?」
「なるほど、ありがとうございます。そして、ごめんなさい。駄目ですよ、それは。貴方がすることは、鹿目まどかさん達の契約阻止です、僕の記憶は僕の問題です、」
「なら、まだ事情を説明して協力関係を築くしかないのね?」
「それもありませんよ、」
ああ、本当に残念です。貴方達魔法少女の物語に、本来魔法少年はあってはならない。あくまで僕は記者で、物語には関与しない、訳ではないですが、それでも、貴方の願いは。
鹿目まどかのためだけの願いには、偽りがあってはいけない。全く、僕もとんだ悪魔ですね。魔法少女の願いを尊重するがあまり、自分を否定するとは。
「貴方が、鹿目まどかの隣を歩くための行動に、僕は居てはいけない。貴方が繰り返した36回の時を、僕に使い必要はないんですよ」
「っ!あなた、どこでそれを……」
「知っていますから、僕の魔法は、存在証明、貴方が繰り返した世界の存在を知っている……だからこそ、さようなら、見知らぬあなた。互いのエゴを最後まで……」
「――――――どうか、良い未来を!」
《謗滉ク顔樟》証明完了、《時間を操る程度の能力》証明完了
「さてと、学校に来たのは問題ですね、今日の僕は暁美さんと会っていたという事実があってはいけない。となれば、学校全体に、今日の掟上現という存在の不在を証明しないといけないわけですか。不在証明《忘却記者》」
《謗滉ク顔樟》証明完了
「これも、無駄になってしまいましたか。『鹿目さんとの出会いをやり直したい。彼女に守られる私じゃなくて、彼女を守る私になりたい』……たった一人のための願いを、僕のために使わないでください、」
「存在証明《蓬莱の人の形》」
《老いることも死ぬこともない程度の能力》証明完了
「さようなら、」
燃えて灰になった、暁美さんの記事を、風に乗せて捨てる。彼女達に何ができるんでしょうね、恋心だけじゃいけませんよね。
見滝原中学校から外に出て、今日にさようならをする。多分、今の僕はもう何もできないから。