俺だけ反転できる件   作:天叢

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今日でシルバーウィークが終わるね……。
明日から仕事かぁ。やだねぇ


第二部
第拾参話 山海経


「ふざけないでください!息子を預けることは出来ません。お引き取り下さい」

 

「しかし、彼の潜在能力は、ずば抜けています。ここで活用しないと人々に被害が出るかもと」

 

「あなたたちはそう言って子供たちをどうしてきたのですか!」

 

「………また来ます」

 

「もう来ないでください」

 

父さんはいつも誰かと話していた。多分、俺関係なんだろうなと思うけど……なんか俺の潜在能力が凄いとかって言ってた。温厚な父さんがここまで気が荒れているのは初めてだった。

 

この世界は魔法や剣、能力やらスキルがある。それで自分に期待してくれるのは嬉しいが、自由を奪われるのはごめんだ。

 

「……おや?零は起きていたのですか?」

 

「うん、父さんは誰と喋っていたの?」

 

「いえいえ、少し知り合いと話していただけですよ」

 

嘘だ。父さんはそうやって話をはぐらかした。今はそういう気持ちになるけど、昔はふーん程度にしかならなかった。

 

 

 

 

 

◇◆◇◆◇◆

 

 

 

 

 

「………ん」

 

どこだ?ここ。久しぶりの夢を見たな。またこうして父さんや家族の声が聞きたいな。

 

「目覚めたかのう?」

 

「………誰だ?」

 

自分が目覚めたのを確認したのか1人の女性が入ってきた。

 

「妾の名は竜華(りゅうげ)キサキじゃ」

 

この子?はキサキと名乗った。名前もそうだが、何処か風格ある所が綺咲と似ていた。てか服際どいな!?

 

「ここはどこだ?」

 

「ここは山海経(せんがいきょう)という所じゃ」

 

周りを見渡すと中華系のものが並んであった。

 

「………中国と似ているな」

 

「なんか言ったかの?」

 

「何も言ってないぞ?」

 

そうかと言いたげな表情でこっちを見るキサキ。

 

「所で其方はどこからきたのじゃ?」

 

「俺は……?」

 

あれ?そういえば俺、()()()()()()っけ?

 

確か、いや…………けど、誰かといた事は覚えているんだが、忘れてしまったのか?けど、一先ずは———

 

「分からない」 

 

「分からないか……」

 

「……まぁここに居ても仕方ないし、短い間だったが、世話になった」

 

「?今自分がどんな状況か理解しておるのか?」

 

「ん?どういうことだ?」

 

「其方は」

 

「———左腕右目が無いんだぞ?」

 

「……え?」

 

そして確認した俺、けど現実はそうは甘く無かった。

 

「………ほんとだ」

 

ほんとに俺の右目と左腕が無くなっていた。けど無くなった経緯も覚えてないし、どうしたもんか。ただ、思った事が———

 

「………少し、1人にしてほしい」

 

「……分かった」

 

流石に状況が読み込めない。突然記憶を無くして、片腕と片目を無くしてショックを少し隠せない。

 

 

 

 

 

◇◆◇◆◇◆ 

 

 

 

 

 

そしてキサキが部屋から出た後。

 

「………どうしたもんか」 

 

俺は少し考えた。どうしたら元に戻るのか。いやもう戻らないか、けど義手や義眼を用意すればいけるか?……義眼じゃなくて、眼帯にした方が芽生えがいいかもしれないな。*1

 

「………片腕はいいとして、まず右目をどうにかしないとな」

 

もういっそ右目再生しないかな?例えば、右目が無くなったところを反転させて元に戻すとか。

 

「………って出来るわけないk」

 

そして俺の右目が突然光った。

 

「うぉ!?急になんだ!?」

 

そして俺の右目の光がなくなった瞬間、視界が急に広くなった。

 

「……とりあえず鏡見るか?」

 

鏡を見るとそこには———

 

「……ほんとに再生してる。けど目の色が変わったな」

 

右目が黄色くなっていた。

 

「…………もしかしたらこれ、片腕も同じこと出来るのか?」

 

そして俺は同じように左腕に欠損を反転させた。

 

その結果は———

 

「…案の定だな」

 

成功した。どういう原理だ?これ。

 

「一先ずは着替えるか」

 

流石にこのままこの服で着ても困るだろうし、いつもの服に着替えるか。………いやなんであんだよ。

 

「其方よ。もうよいk」

 

「あ」

 

そこで着替えてる所をキサキに見られるのであった。

*1
呑気…

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