俺だけ反転できる件   作:天叢

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第拾陸話 出発

山海経に住んでから約3ヶ月くらい経った。あっという間だったような長かったような、そんな感じが頭によぎった。

 

まずキサキが寝る時に勝手に入ってくるし、玄武商会に来たら精のつくものばっか食べさせてくるし、その時のエミさんの表情が面白半分顔赤らめ半分みたいな感じだったし、梅花園に行ったらシュンが誘惑してくるし、滅茶苦茶だったな。

 

今日は山海経から他のところに行く日。

 

いつまでもここに居座る訳にはいかないし、何なら男が俺1人だから場が悪くなったら嫌だし。

 

そういう訳で最後の1日にルーティンを残そうと思う。

 

 

 

 

 

◇◆◇◆◇◆

 

 

 

 

 

4:00……起床

 

「ふわぁ…」

 

ねみぃ…けど朝練は欠かせないな。

 

「ん?」

 

布団の中が暖かい。少し確認するか。

 

「…………zzz」

 

キサキが横で寝ていた。

 

………何してんだ?コイツ。

 

また勝手に入ってきたのか。もう慣れたからいいけど。

 

キサキを起こさないようにそっと出て顔を洗う。

 

そして着替え終わって外に出る準備が出来た。

 

「………さて、走るか」

 

俺は毎朝、ほぼ誰もいないし起きてない時間に走っていた。軽く10キロくらい走るかな?

え?走り終わってから風呂入ってるかって?入ってるわ!

 

 

 

 

 

◇◆◇◆◇◆

 

 

 

 

 

6:00……朝ご飯を食べる

 

その前に———

 

「おーい。キサキ起きろ」

 

「………んう」

 

寝起きの姿可愛いかよ。

 

「…………起こして」

 

「は?」

 

「起こしてくりゃえ……」

 

「………はぁ」

 

偶にこう言う要求するもんなキサキは。

 

そして俺はそのままキサキをお姫様抱っこした。

 

「ほら、起きたか?」

 

「…………うむ」

 

自分から要求してきたくせに顔赤くしやがって可愛いかよ。

 

「朝ごはんできたから食べるぞ」

 

「………分かった」

 

キサキは起きるといつもご飯が並べてあったけど、ご飯が冷めてからじゃ美味しく食べれそうにないと思ったからここに住んでから毎朝作ってる。

 

今日はご飯に味噌汁、鮭に卵焼きを作ったな。

 

「相変わらず其方が作るご飯は格別に美味いのう」

 

「喜んでくれたようで何より」

 

 

 

 

 

◇◆◇◆◇◆

 

   

 

 

 

8:00……書類仕事

 

この時間からは毎回3時間程度、書類の整理や仕事をしている。主に山海経に関する仕事だな。他校との交流があまりないけど、人件費やご飯代、部費等も山積みだから、暇が無いだけまだマシである。

 

 

12:00……昼ご飯

 

この時間になると食べたくなるから今日は玄武商会に行ってそこで食べる事にした。

 

「どうも〜」

 

「どうも〜って零斗くんじゃん!元気?」

 

「元気元気」

 

「そりゃいい事だねぇ。今日もまた?」

 

「あぁ。いつものでいいか?」

 

「おっけー!任して!ルミー手伝ってぇ」

 

「分かったからちょっと待ってぇ」

「………」チラッ

 

そしてルミはこっちを向いて顔を赤くした。

 

ルミは毎回俺を見ると顔を赤くする。俺なんかやったかな?

 

 

 

 

 

◇◆◇◆◇◆

 

 

 

 

 

「ふぅ……美味しかったぁ♪」

 

「満足してくれたようで何より!」

 

「………」

 

ルミは毎回とは言わないが俺とは喋りたがらない。嫌われるようなことしたかな?

 

「…」チョイチョイ

 

エミがこっち来いという風にジェスチャーしてきた。

 

「?」

 

「ルミにも何か言ってあげて。ルミも手伝ってくれたから何かしら言葉が欲しいと思うから」

 

「分かった」

 

そう小声で会話すると零斗はルミの元に歩いた。

 

「ルミ」

 

「…………?」

 

「ご飯ありがとな。今度はルミの手料理を直接食べたいからその時はよろしくな」

 

そう言うと零斗はルミの頭に手を乗せ、撫で始めた。

 

「!?………」

 

「ルミ?」

 

「フゥッ!フゥッッ!!フゥッッッ!!!」

 

「!?何だ!?」

 

「やり過ぎ!やり過ぎ!」

 

そしてそのままエミが落ち着かせて、少し会話して玄武商会から出た。

 

 

 

 

 

◇◆◇◆◇◆

 

 

 

 

 

13:00……梅花園

 

「あら!零斗さんじゃないですか。来てくれたんですね!」

 

子供たちと遊んでたシュンが子供たちと一緒にこっちに来た。

 

「あ!零斗お兄ちゃんだ!」「お兄ちゃん遊ぼーよ!」「ずるいよ!私も遊びたい!」「お兄ちゃーん!なでなでしてぇ!」

 

「零斗お兄ちゃん!来てくれてありがとう!」

 

そう言うと子供たちは零斗の周りに来始めた。

 

「分かったから1人ずつな?」

 

「「「「「「「はーい」」」」」」」

 

「………フフッ」

 

シュンは微笑ましそうにこちらを見る。

 

その後は零斗と子供たちは2時間ぐらい遊んだ。シュンと会話しながら。

 

 

 

 

 

◇◆◇◆◇◆

 

 

 

 

 

17:00……出発

 

「じゃあまたな!楽しかったぜ!ここでの日常」

 

「いつでも玄龍門に来てもよいぞ?席入れてある」

 

「何の?」

 

「玄龍門のNo.2か3の席」

 

「……考えとく」

 

「それか妾のむk」

 

「言わせねぇよ?」

 

「いつでも梅花園に来てくださいね。子供たちがとても喜びますから!」

 

「時間がある日に寄らせてもらいます」

 

「また食べに来てね〜!ルミも来るの待ってるから」

 

「また食べに来ます。それにルミとは今後も仲良くしたいと思っています」

 

「………これルミが来てたら求婚されたって勘違いしちゃうかもね」

 

「なんか言いました?」

 

「何も?」

 

 

 

 

 

◇◆◇◆◇◆

 

 

 

 

 

「………さて」

 

漸く出発したな。これからどうするか。一先ずは、金を稼ぐために何でも屋を経営するか、それとも傭兵として活動するか。迷うな……。

 

父さんの手伝いを少ししてたから多分大丈夫だと思う。

 

………それとは裏腹に別なこともしてたけど。

 

裏のやつじゃなく本家の仕事なんだけどね。あくまで会社は第二。本家の仕事が第一だったけどね。

 

「…………ここが連邦生徒会が手を出さない土地か」

 

ここがブラックマーケット。

 

連邦生徒会が寄りつかない場所か。不良や退学になった生徒がごまんといる無法地帯か。

 

まぁ不安だけど、実力があるからこの際どうって事ない。

 

「……此処にするか」

 

しばらく歩くといい所を発見した。

 

建物は20階以上あるタワマンかな?此処に人が1人もいないとは思わないでしょ。此処そんな事故物件だったりする?まぁ使える建物は何でも使うけどね。

 

 

 

 

 

◇◆◇◆◇◆

 

 

 

 

 

結論何もいなかった。幽霊やその他の気配はしなかったからおそらく誰も手を出していないだけだと俺は思った。

 

びっくりしたよ。内装はかなり綺麗で、机やソファー、なんなら冷蔵庫やお風呂もまだ使える状態だった。外見も少し綺麗にすれば申し分ないし。

 

そしてずっと上に上がっていたら———

 

「此処が最上階か、結構いい場所だな」

 

「どうもこんにちは」

 

「誰だ?」シュッ……

 

そして刀を顕現させた俺はそのまま手を刀に添えた。

 

「初めまして。貴方が朝霧零斗さんですか?」

 

そこには1人の女性が立っていた。

 

「…誰と聞いてるんだから先に答えたらどうだ?」

 

そう言うと長(・)髪(・)で(・)水(・)色(・)の(・)髪(・)の(・)女(・)性(・)が言った。

 

「私は連邦生徒会長です」

「私をここで働かせてください!」

 

「…………………………………………は?」

 

まさかのこの国のトップがここに来るとは思わんやん。

 

そしてこれが連邦生徒会長の初対面であり、これから何でも屋として活動していくとは思わなかった。

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