俺だけ反転できる件   作:天叢

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ゲツナの姿は零斗が許可した人には見えています。


第弐拾肆話 報酬

青天月〜零斗の射撃場にて〜

 

「………」

 

「ターゲット、5m。ローレディ、スタンバーイ……」

 

ピー

 


ドンッ

 


「……0.75秒」

 

「………」

 

「次、頭1、胴体2。ローレディ、スタンバーイ……」

 


ピー

 


ドドンッ

 

ドンッ

 

「0.59秒……」

 

「……(まぁまぁだな)」

 

「次、マグニファイア・イン。ローレディ、スタンバーイ……」

 


ピー

 

カチッ

 

ドンッ

 

「1.23秒……」

 

「もっと速くしないとな」

 

「次、カンテッド・シューティング。ローレディ、スタンバーイ……(あれでもっと速くと言っている時点で相当やばいですね)」

 

ピー

 

スチャッ

 

ドンッ

 


「0.78秒……」

 

「………遅ぇな」

 

「(どこが!?)次、胴体3、頭2。ローレディ、スタンバーイ……」

 


ピー

 

ドドドンッ

 

ドドンッ

 


「0.48秒……」

 

「………」

 

「次、リロード射撃。ローレディ、スタンバーイ……」

 


ピー

 


ドンッ

 

カチャッ

 


カチッ

 

ドンッ

 


「0.6秒……」

 

「……」

 

「……撃ち方やめ」

 


「フゥ……」

 

「す、すごいです!あなた様!」

 

「……(射撃速度、リコイル制御がワカモさん以上のレベル、いやそれ以上かもしれない……)」

 

ウィーン

 

ワイヤー式ターゲットキャリアが近づいてきて、射撃跡を見る。

 

「全弾名中、ほぼど真ん中……まぁ速い方か」

 

「速いなんてレベルじゃないと思いますけどね」

 

「いや自分でも言う速いとは少し違うと思うんだがなぁ」

 

「ていうか何で刀じゃなく銃を使うんですか?零斗だったら刀の方がやりやすいはずなのに」

 

「鈍ってないか確認するためだよ」

 

「鈍ってないか?」

 

「俺多分記憶無くす前にどこかで銃を使ってたと思うんだよ」

 

「そう……何ですか……(ていうか記憶喪失だったんですね)」

 

 

 

 

 

◇◆◇◆◇◆

 

 

 

 

 

「ふぅ……そういえば今日だったな。報酬もらうの」

 

射撃練習が終わり、風呂から上がった零斗はそう呟いた。

 

「今日なら依頼も危なそうなものは無いしラブたちに任せて報酬受け取りに行くか」

 

そう呟き、先生に連絡を入れる。

 

『今日なら連邦生徒会に行けそうだ』

 

『分かった!リンちゃんに連絡しておくね!』

 

「これで良し。行く準備すっかな」

 

そう言って準備を始める。準備と言っても特にすることはないが身だしなみを整えるぐらいだろう。白のカッターシャツに黒色の上着を合わせ藍色のネクタイをつける。ズボンも黒色だけど少し余裕のあるものにする。

 

「ラブ!ワカモ!みんな!俺今から連邦生徒会に行ってくる!」

 

「ん~?なんで~?」

 

「この前の報酬をもらい忘れてたから。向こうから信用に関わるってことで、受け取りに来いって催促が来た」

 

「そういえばそうじゃない!たしかにあんたから報酬は山分けって言ってたわね!」

 

「あぁ、だから今日行くんだ」

 

「そうなのね。どのぐらいもらうつもりなの?幾らでも良いって書いてあったけど?」

 

「まぁ、良識的な値段にしておこうかなと思ってる。これから何かあった時連邦生徒会から依頼がしやすいようにな」

 

「そう?少し多くても良いんじゃない?」

 

「うーん、出来るならもう少し多くしたいが、信用は大事だからな」

 

「それがあんたの考えならそれでいいと思うわよ?」

 

「そうか、ならそうしよう」

 

そう会話し事務所の出入り口に行く。

 

「じゃぁ、行ってくる。依頼の事頼んだぞ」

 

「私もついて行ってもよろしいでしょうか?」

 

「いや大丈夫だ。てかついて行ったら余計な事に巻き込まれるかもだからワカモは待機」

 

「……分かりました。気をつけて行ってくださいませ」

 

「分かったわ。…って、ちょっと待って」

 

「どうした?」

 

扉に手を掛けたところで呼び止められる。

 

「ネクタイ少し緩んでるわよ」

 

ラブはそう言いネクタイを直してくれる。

 

「な!?」

 

「ん、サンキュー」

 

「しっかりしなさいよね。あんたはここのトップなんだから!」

 

「いつもワカモがやってくれるから少し気が緩んじゃったな」

 

「ワカモはあんたに甘やかしすぎなのよ。あんたを甘やかしすぎるのも良くないけどあたしの前だったからいいよ。それはそれとしてしてだけど」

 

「あぁ、気を付けるよ。今度こそ行ってきます」

 

「行ってらっしゃい」

 

そうして扉を開けて外に出る。

 

「少し暑いぐらいか」

 

天気は快晴。日が直接当たり少し暑いが神秘を使って少し体温調節をして、連邦生徒会の建物まで移動する事にした。

 

 


 

 

 

「ふぅ……ラブさん」

 

「!な、何……どうしたのよ」

 

ワカモから負のオーラが出始めた瞬間、ラブは嫌な予感がした。

 

「まさか私の近くにこんな伏(・)兵(・)が潜んでいたとは驚きましたよ」

 

「伏兵って何!?ちょっと待って!銃構えないでよ!?」

 

「問答無用です!仲間でも容赦しません!ご覚悟を!」

 

「ちょっとは話を聞きなさいよ!?」

 

 


 

 

「ここが連邦生徒会の建物か」

 

随分と縦長だけど綺麗な建物だな。

 

「先生からの連絡によると…『受付で案内してもらえ』と。なるほど、じゃぁ早速入るか!」

 

そうして俺はサンクトゥムタワーに入る。

 

「ねぇあの人…」「もしかして噂の!?」「男の人だ…初めて見た」「私顔が好みかも…」「確かに、カッコイイかも……」

 

何やら話をしているがあまり気にしないことにして、受付の人に話しかける。

 

「すいません。七神リンさんに用があってきたのですが」

 

「は、はい!すぐに確認してきます!」

 

そうして受付の子は確認をしに行ったため少し暇になった。椅子に座って待とうと考え椅子に向かって歩き出す。それにしてもここは綺麗だな。

 

「おっと。すいません」

 

内装を観察しながら歩いていると誰かとぶつかった。

 

「いえこちらこそあまり前をよく見てなかったもので…って零斗じゃないか」

 

「ん?あぁ、カンナか」

 

ぶつかった相手は尾形(おがた)カンナ。鋭い眼つきにギザ歯、そして犬耳という見た目で、【ヴァルキューレ警察学校】という治安組織の局長を務めている者だ。

 

彼女とは賞金首や指名手配犯の受け渡しの際に何度か会っていた。初めは事務的な会話しかしなかったが次第に仲良くなり、今では時々屋台で彼女の愚痴を聞いたりしている。あとは彼女の部下の訓練に付き合わせているし、依頼を出してくれている。

 

「零斗はどうしてここに?」

 

「俺はこの前の依頼の後始末をな」

 

「あぁ、シャーレ奪還作戦か」

 

「そうだ」

 

俺の話を聞いてカンナは納得する。

 

「零斗も大変だな」

 

「いや、そうでもないぞ?カンナはどうしてここに?」

 

「上の者に呼ばれてな…」

 

彼女の犬耳がペタンと下がる。明らかに気を落としている。きっと無茶ぶりを言われたのだろう。

 

「…またあの屋台で会おうぜ。いくらでも愚痴聞いてやるから」

 

「すまない。気を使わせてしまったな。だがありがとう」

 

ニコリと笑い、犬耳がピンとなる。元気になったようだ。

 

「そういえばその目の隈はなんだ?」

 

カンナは思い出したかのように言う。

 

まさか気づいているとは思わなかったな。誰にもバレないように隠しているのに。鋭い洞察力だ。

 

「……正直な事を言うと最近忙し過ぎてるんだ」

 

「そうか、……因みに何だが何時間寝てるんだ?」

 

「大体10分くらい」

 

「………は?」

 

「どうした?」

 

「……一日に?」

 

「そうだが」

 

「……零斗は少し寝た方がいい」

 

「あぁ、やっぱり?」

 

「やっぱりも何もあるか。少しは自分の身体を大事にしろ」

 

「正直10分くらいしか寝ても大丈夫な身体になったからな」

 

あの試練に挑んだからなのか、あまり寝なくても大丈夫な身体になった。隈が出来てるのは今朝知ったけどな。流石に眠くなくても隈が出来るんだな。けど、寝たい。寝ること自体が好きなのに自分の仕事が多くて大変で……そう思ってたら胸が苦しくなってきた。

 

「そう言う問題じゃない。もしも零斗に何かあったら私は」

 

「私は?」

 

「零斗を収監(監禁)するしかなくなる」

 

「やめてくれ??」

 

なんて恐ろしい事を言うんだこの人は!あんた局長だろ!?前までこう言う事を言う人じゃなかっただろう!!

 

「じゃあ今日は依頼受け取ったらすぐ寝てくれ。……そうでもしないと監禁して襲うからな?」

 

ついに収監と言わなくなったな。

 

「分かった。帰ったらすぐ寝るから心配しないでくれ」

 

「……分かった。だが、今度またこういうのが起きたらすぐに駆けつけるからな?」

 

「……気を付けます」

 

カンナはヨシと言いこの場から離れようとする。

 

「じゃあ私はこれから用事があるからこの辺で失礼するぞ」

 

「あぁ、また連絡する」

 

そうしてニコニコのカンナは学校に戻っていった。

 

「大変だな。…次は奢ってやるか」

 

そんなことを呟いていると先程の俺とカンナの会話を見ていた周りの職員たちが何かを話している。

 

「見た!?あの狂犬の顔!」「うん、見たよ。ありゃ完全に女の顔だね」「なるほど、あの狂犬も一人の女という訳か」「私も殿方から労わられたい!」「けど、なんか叱った雰囲気が、あったような」「まさかあの二人付き合ったりして」「やめてくれ……その考えは脳が破壊される!」「今度余計なこと言ったら口縫い合わすぞ?」

 

少し離れているため聞き取りずらい。そうしていると———

 

「お、お待たせしました!確認が取れたので案内致します!」

 

「あぁ、よろしく」

 

そうしてその職員の後ろをついていくのだった。

 

 

 

 

 

◇◆◇◆◇◆

 

 

 

 

 

サンクトゥムタワー応接室

 

「し、失礼します!行政官連れてきました!」

 

「ありがとうございます。後は任せてください」

 

七神リンがそういうと案内してくれた職員の人は「し、失礼しました!」と言って出ていった。

 

「わざわざご足労ありがとうございます。零斗さん」

 

「いや、こちらこそ忘れていたので、申し訳ない」

 

「大丈夫ですよ。ではこちらへどうぞ」

 

そう、笑顔で促されたのでソファーに座る。

 

「では、報酬の話ですが———」

 

そう言いながら七神リンは俺の隣に座った……?

 

もう一度言おう俺の隣に座った……なんで?

 

他に座るところあるでしょう!?なんで俺の隣に?普通こういう時って俺の目の前の場所に座るもんじゃないのか!!?しかも、少し近いような、俺と七神リンの隙間がほぼ無いない。アッ!なんか腕にやわらかいものが……。それに近いから女の子特有の甘い匂いがダイレクトに…。まずいこれは非常にまずい。ヤッベェ普通に集中出来ねぇ!

 

「どうかしましたか?」

 

七神リンが俺の固まった表情に気付き声をかけてくる。

 

「い、いえ。なんでもありません。大丈夫です」

 

そう言って七神リンは話を続ける。

 

大丈夫なわけねぇだろ!なんとか表情に出さず誤魔化したものの内心バックバクである。

 

キヴォトスではこれが普通なのか?我、思春期の男ぞ?こんなにいい身体をした人がほぼ密着してくると俺の精神衛生上まずいのだが………アッ!ヤバっ!あたってるぅ!めっちゃあたってるってぇ!

 

いや、今はそんなことを考えるな俺!これは真面目な仕事の話なのだ!集中しなければ!平常心、平常心!!

 

「…という訳で連邦生徒会は零斗さんの好きな値で報酬をお渡しします」

 

「そうですね。ならこれぐらいでどうでしょうか」

 

俺は、いつもの依頼料とより少し高い値段を提示する。ざっと数十万くらい。

 

「その値段で良いのですか?」

 

「えぇ、これぐらいでいいですよ」

 

俺がそういうと———

 

「いえ、少しこれだと少なくないですか?」

 

ん?

 

「流石にこれは少ないです。後ろに0を四つ付け足します」

 

おっとぉ?

 

「待て待て待て!?流石にそれは多すぎるぞ?!」

 

「いえ、これはこちらからの誠意ですので。それに先生から聞きました。これからも先生の助けになってくれると。なのでその感謝も込めてです。あと、私の個人的に好みですから…」

 

リンはそう言い、顔が赤くなった。

 

「えぇ……」

 

おいおいおい噓だろ?確かに言わんとしてることは分かるがここまで出すか!?普通!数十億を超えてるぞ!?しかも最後の方はなんて言ったか聞き取れなかったし。

 

「ほ、ホントにいいのか?」

 

「えぇ。もちろんです。というか受け取ってほしいとお願いしたいぐらいです」

 

……そこまでなのか……この好意を無駄にする訳にはいかなくなったな。

 

「わ、分かりました。では有難く頂戴致します。七神リンさん」

 

「……」

 

俺が感謝すると七神リンの表情が固まる。え?俺、なんかやばいこと言ったか!?

 

「ど、どうし……」

 

「名前」

 

「名前?」

 

名前がどうしたのだろうか。

 

「なぜ?フルネームなんですか?」

 

「いや、依頼相手ですし、失礼のないようにと…」

 

「リン」

 

「?」

 

「これから私のことは『リン』と呼んでください。それと堅苦しい喋り方は無しで良いです。」

 

「わ、分かっ…た?」

 

「ついでに連絡先を交換しましょう。スマホの出してください」

 

「あ、あぁ」

 

そうして俺とリンはお互いに連絡先を交換する。

 

「フ……フフ…………フフフ…………♡零斗さんの連絡先を手に入れました♪」

 

リンは何か言っているが声が小さいので聞こえなかった。

 

「リ、リン?」

 

「どうしました?あなたのリンですよ?フフフ♪」

 

「???????」

 

「大丈夫ですか?零斗さん」

 

リンが声をかけてくる。きっと聞き間違えだろう最近疲れてたしな!ハハッ!それに早く寝ないと監禁されてそれどころじゃなくなるしな!まぁ監禁されたとて普通に抜け出せるけど。

 

「と、取り敢えずこんな感じか?本当にこんなにもらってもいいのか?」

 

「先ほども言いましたが大丈夫ですよ。」

 

俺の問いにリンはニコリと笑って返す。可愛い。さっきのあれは俺の幻覚か。本当に疲れてんだな。後でカンナには感謝しないとだな。

 

「あ、あぁ。今日はありがとなリン」

 

「えぇ、こちらこそありがとうございました。お金は何処に振り込めばいいでしょうか?」

 

「なら、俺の口座に頼む」

 

「分かりました」

 

そういうとリンは端末を取り出して操作する、すると俺の携帯が鳴る。

 

通知は銀行からだ。…マジで入ってる。億越えの数字が口座入金されていた。政府ってスゲーな。

 

「じゃぁ、俺はこの辺で帰るか」

 

「あら?もう行ってしまうのですか?」

 

「あぁ、依頼があるからな。あいつらにまかせっきりは流石に悪い」

 

「そう………ですか」

 

そう言うとリンは少し悲しそうな表情をする。

 

「………なら、今度どこかに出かけようぜ?立場とか関係なく友人として」

 

「……フフッ♪そうですね。なら今度お互いに時間が作れた時どこかに出かけましょう」

 

「あぁ!」

 

リンは嬉しそうに了承してくれた。

 

「また連絡するからな!」

 

「えぇ、お待ちしております。零斗さん。」

 

そうして俺は応接室から出るのだった。

 

 


 

 

「やはりいい人でしたね零斗さん」

 

リンは応接室で一人呟く。

 

「私がわざと身体を近づけた時、表情は変わってませんでしたが、少し声がワントーン上がってましたね」

 

「こんなもの邪魔だと思ってましたが。役に立ちましたね」

 

「会長は零斗さんの存在を隠していたつもりなのでしょうけど、あなたの行動をバレずに監(・)視(・)していましたから分かってましたよ?」

 

「それに抜け駆けなんて、なんて恐ろしい事を考えるんでしょうか」

 

そう言いリンは自分の胸を触る。

 

「零斗さんは私が手に入れます。フフフ…♡会長には渡しませんよ?」

 

 


 

 

「ただいまー」

 

「あ!お、お帰り〜」

 

「お帰りなさいませ。あなた様」

 

事務所に帰るとラブとワカモが出迎えてくれて、ワカモがカバンを持ってくれた。それに何故かラブは少しボロボロになってるけど大丈夫なのか?

 

「依頼は?」

 

「全部終わったわよ」

 

俺はネクタイを緩めながら聞き驚く。

 

「マジで?結構あったと思うんだけど」

 

「私たちにかかればこんなもんよ♪」

 

「やっぱ頼りになるな。ありがとう」

 

「ふふっ♪私たちはあんたのメンバーであり相棒だからね!」

 

「あなた様の為だったらこのワカモ。必ずお役に立ちます!」

 

「ありがとな。ワカモ」

 

俺とラブとワカモはそう会話をする。

 

 

 

 

 

◇◆◇◆◇◆

 

 

 

 

 

「それで?どれぐらいもらったの?」

 

「このくらい」

 

そう言って口座を見せる。そこには、億を超えた金額が表示されていた。

 

「えぇぇぇぇ!!噓でしょう!?」

 

「本当だ。向こうがこれぐらいじゃないとって」

 

「あら」

 

「これ……現実?」

 

「もちろんだ。分け前はこれの半分だからこれくらいだな」

 

そう言いもらった金額の半分をラブの口座に送る。

 

「何か急に大金持ちになっちゃったわね、私達」

 

「いや、そうでもないぞ」

 

「え?」

 

「実際に青天月で活動していてこんくらいは入ってるぞ」

 

そういうと俺はラブに口座の中身を見せた。

 

「………(思ったよりうちらってとんでもなかったのね………)」

 

その時ラブは遠い目をしていた。

 

 

 

 

 

◇◆◇◆◇◆

 

 

 

 

 

ピロン

 

「ん?」

 

突如零斗のスマホから音が鳴る。

 

「先生から?」

 

先生から連絡がきた。どうしたんだ?

 

「えーっと……『今からアビドスに行くんだけどそこにある【アビドス高等学校】まで一緒に来てくれない?あわよくば一緒にアビドスの学校に入って生徒の助けになろうよ!シャーレで待ってるから!』か………」

 

アビドス………確か頭の片隅に誰かと一緒にいた記憶がある。もしかしたら何か思い出せるかもしれないな。だったら———

 

「行くしかないか」

 

零斗は軽く準備を済ます。

 

「じゃあ行こっかな———

 

 

 

 

アビドスへ

 

 

 

 

 

◇◆◇◆◇◆

 

 

 

 

 

学校の屋上には髪の長いピンク髪の女性がいた。

 

「……………零斗」

 

その女性は零斗のデザートイーグルを見て、上を向き、虚空を眺めた。

 

「ホシノちゃん……」

 

もう一人の女性はそのピンク髪の背後に立ち声をあげた。

 

「ユメ先輩……」

 

「零斗くんが居なくなってもう二年か……」

 

「……長かったような感じがしますね」

 

「……ホシノちゃんは零斗くんが生きていると思う?」

 

「生きていると信じたいですね」

 

「私も」

 

ユメはホシノの隣に座り同じく虚空を眺めた。

 

「……そうだ。ホシノちゃんを呼びに来たんだった」

 

「何がですか?」

 

「会議するよ」

 

「分かりました。今行きます」

 

ホシノとユメは立ち上がり教室へと移動する。

 

(零斗くん……)

 

(零斗……)

 

((会いたいよ………))

 

零斗が生きている事を信じ、彼女たちは今日も憂鬱な日々を過ごす。この秘密は彼女たちしか知らない。今日も彼女たちはこの秘密を隠して、会議を始めるのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

次回 対策委員会編




そろそろ鬼神の方も投稿したいな。
あとさ、ネタはあまり思いつかないのに新シリーズのアイディアがドンドン溢れてくるんだけど何故?
回答.知らねーよ

先の話になるけどパヴァーヌ二章は一章が終わってから繋げた方がいい?因みにこれを実行するかは今は分からない。

  • いい
  • エデン条約を終わらせてからにして
  • そんな事はいいからさっさと書け
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