俺だけ反転できる件   作:天叢

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皆さん、大変遅れました!対策委員会編スタートです!
遅れた詳細は活動報告にて上がっておりますのでご了承下さい!


対策委員会編
第弐拾伍話 迷子


私、小鳥遊ホシノは毎晩悪夢を見る。

 

私と同じ同級生である彼が砂漠のど真ん中で片目と片腕が無い状態で私を見る。

 

その表情は恨みではなく、機械のような表情で私を見る。

 

ただただ怖かった。

 

けど、原因は分かってる。

 

私がユメ先輩と喧嘩しちゃったのが原因だ。

 

零斗はいち早く察しがついたのか、ユメ先輩を探しにいった。

 

そして数十分後にユメ先輩は帰って来た。

 

つい先程まで、喧嘩をしちゃったのか言葉があまり見つからなかった。けど、ごめんなさいくらいは言いたいと思い、そう言葉を発する瞬間。

 

『私を庇って……巨大な機械、いや怪物に殺される!』

 

ユメ先輩はそう言うと私は頭の中が真っ白になった。

 

ユメ先輩を落ち着かせ、私は零斗を探しにいった。

 

お願い零斗、無事で居てほしいと。

 

そう願い、零斗を探している時に巨大な爆発音が響き渡った。

 

私はその方向に進んでいった。

 

そしたら辺りには何も無く、気の所為だと思った矢先、私はそれを視認して吐き気がし、血の気が引いた。

 

恐る恐る零斗の名前を呼ぶとそこにあったのは———

 

零斗のデザートイーグルとアビトスの制服の焼き切れの跡と彼の左腕が落ちていた。

 

私はその光景が頭から離れなかった。

 

好きな人が目の前に居ないのに、彼の武器と片腕だけが落ちていた。

 

その光景が悪夢を見ているかのようだった。

 

そして零斗が居なくなって2年が経過した。

 

それでもあの悪夢を見る。多分ユメ先輩も同じだ。

 

お願い零斗。

 

私が悪かったから。

 

私がおかしくなる前に

 

帰って来てよ

 

 


 

 

「おはようございます、先生!」

 

“おはよう!アロナちゃん”

 

「ここ数日間、シャーレに関する噂も沢山広まってるみたいですし、ほかの生徒達から助けを求める手紙も届いています」

 

「良い兆候です!私たちの活躍が始まるのですから!」

 

“頑張ろうね!”

 

「ですが届いた手紙の中に……ちょっと不穏な、こんな手紙がありまして。先生に一度読んでもらった方が良いかなと」

 

“どれどれ?”

 

「こちらです」

 

先生は届いた手紙を読む。

 

『連邦捜査部シャーレの先生へ。こんにちは。私はアビドス高等学校の奥空アヤネと申します。

 

今回どうしても先生にお願いしたいことがありまして、こうしてお手紙を書きました。

 

単刀直入に言いますと、今、私たちの学校は追い詰められています。

 

それも、地域の暴力組織によってです。

 

こうなってしまった事情はかなり複雑なのですが…。

 

どうやら、私たちの校舎が狙われているようです。今はどうにか食い止めていますが、そろそろ弾薬などの補給が底を尽いてしまいます…。

 

このままでは、暴力組織に学校を占拠されてしまいそうな状況です。それで、今回先生にお願いできればと思いました。先生、どうか私たちの力になっていただけませんか?』

 

「…との事です。あ、地図も添付されてますね。アビドス高等学校。…アビドス高等学校…先生、どうしますか?」

 

“行こうよ!アビドスに!”

 

「そうですね。そう言えば零斗さんは誘わないのですか?零斗さんも一応シャーレに所属しているので」

 

“そうだね。取り敢えず連絡してみるよ”

 

先生は零斗に連絡を入れた。

 

 


 

 

ピロン

 

「ん?」

 

突如零斗のスマホから音が鳴る。

 

「先生から?」

 

先生から連絡がきた。どうしたんだ?

 

「えーっと……『今からアビドスに行くんだけどそこにある【アビドス高等学校】まで一緒に来てくれない?あわよくば一緒にアビドスの学校に入って生徒の助けになろうよ!シャーレで待ってるから!』か………」

 

アビドス………確か頭の片隅に誰かと一緒にいた記憶がある。もしかしたら何か思い出せるかもしれないな。だったら———

 

「行くしかないか」

 

零斗は軽く準備を済ます。

 

「じゃあ行こっかな、アビドスへ」

 

零斗はこれからシャーレに行こうとしたその時

 

「零斗!いる?」

 

ラブが突然入ってきた。

 

「どうしたんだ?そんなに慌てて」

 

「ちょっと急に仕事が立て込んできて手に負えそうにないから手伝ってほしいの」

 

「あー、分かった。ちょっと待ってな」

 

「もしかして何処かに出張予定でも入った?」

 

「先生から今、アビドス高等学校に行くらしいんだけど、そこで手伝う事になったからな」

 

「そ。じゃあ行ってらっしゃい」

 

「いや、先生に連絡入れてラブ達の手伝いをする」

 

「え?いいの?」

 

「まず俺らの本業がこっちだしな。量はどれくらいある?」

 

「量は結構あるけど、私たちがやって大体完遂するのに1週間掛かるかも…」

 

「おけ。じゃあ俺も手伝うから3日で終わらせよう。先生に連絡を入れてくるわ」

 

「分かった。本当に助かるわ」

 

「良いってこういう時はお互い様だし」

 

 


 

 

ピロンッ

 

「先生、零斗さんから連絡来ました」

 

“ほんと?何てきたの?”

 

「えぇっと……『こっちの仕事が急に入ってきて手に負えそうにないから3日待ってほしい』だそうです」

 

“そっかぁ、まぁ本業がそっちだから仕方がないね”

 

「どうします?」

 

“待とっか!それまで書類仕事しよっかな!”

 

「………あの、その書類何ですが」

 

そこでアロナが見たのは———

 

「その量の書類を1人で捌くというのですか……?」

 

80cmくらいの書類が幾つものあったのだから。

 

“そうだよ。全くこんなにあって困ったもんだよね〜”

 

「……先生もしかしてまたサボりました?」

 

“サボってないもん!ただちょっと書類の多さに圧感して手がつかなかっただけだもん!”

 

「それはサボってるって言っても差し支えないですよ!?」

 

“ウグッ、そう…だよね”

 

「……ユウカさん達にモモトークで連絡を入れておきますね」

 

“……お願い”

 

その後はユウカ達がシャーレに来て書類を手伝ってくれたが、ユウカにこっぴどく叱られる先生であった。

 

 


 

 

3日後

 

3日間にわたる大型依頼が終わり零斗はソファに屈服していた。

 

「ふぅ、終わった」

 

『お疲れ様です。零斗』

 

「ゲツナも手伝ってくれてありがとな。あんなに沢山あったのに細かく依頼を分けてくれたからスムーズに進める事ができたわ」

 

『このくらいでしたらお安いご用です。そう言えば零斗、アビドスについては?』

 

「あぁ、そうだった。忘れる所だった。ちょっと先生に連絡入れてシャーレに行ってくるわ」

 

『良ければこれを付けたらどうです?』

 

そこでゲツナが渡してきたのが仮面だった。

 

なぜ仮面?とは思ったものの効果がとんでもない物だったので嬉しく受け取っておく事にした。

 

効果は〝あらゆる物の攻撃を無効にしてくれる効果〟と〝自分が外さない限り正体が分からない〟という認識阻害のものだった。それに〝封神の指輪とほぼ同じ性能〟を誇っていた。これはたまげたねぇ。

 

こんな物どこで見つけたんだと思ったけど、そういえばゲツナに俺が今まで試練で保有していた物を預けていたんだった。多分そこから出したんだと思う。

 

そう思っていた時ふとスマホでモモトークを見ていたんだが、先生から連絡が来ないな。もしかして寝ているのか?そう思いシャーレに向かう事にした。

 

 


 

 

シャーレ部室

 

ガチャ

 

「先生?来た…ぞ」

 

そこにあったのはもぬけの殻になったシャーレの部室だった。

 

『零斗、多分先生は』

 

「……あぁ」

 

「『忘れて(ますね)んな?』」

 

『……しかもよく見ると水も机の上に結構置いてあるので多分忘れてますね。確かアビドスって砂漠地帯ですよね?って事はもしや』

 

「……あんっのアホ教師何してんだ!別に3日間の仕事でそっちに手伝いに行けなかった自分も悪いがアビドスに行くんだったら連絡の一つや二つしとくれよ!しかも寄りにもよって大事な水も忘れやがって!後で説教だな」

 

何で子供である俺が説教する羽目になったんだよ。

 

「ウジウジ言ってても仕方ない。ゲツナ、位置情報頼む」

 

「分かりました」

 

俺はゲツナと一緒にアビドスへ向かった。

 

 


 

 

先生side

 

“ゔぅ、あづいぃ”

 

先生は迷子になっていた。

 

「うぅ……すいません先生私がアビドスが砂漠化が進んでいることを早く言っておけば」

 

“アロナちゃんのせいじゃないよちゃんと調べなかった私が悪いし”

 

先生は自分を責めるアロナを慰める。

 

“けどもう、限かぁい”

 

先生は倒れてしまう。飲まず食わずで休憩も無しに夜も一日中砂漠を歩いていたんだ。疲労が溜まっていた。

 

「先生!?先生!しっかりしてください!!」

 

“アロナちゃん。私はもうだめかもしれないよぉ…”

 

「そんなこと言わないでください?!きっと助けが来ま…ん?この反応は!」

 

アロナは弱音を吐く先生を励まそうとしたとき見慣れた反応が近づいてくるのを感じる。

 

「……そう言えば、零斗さんの事忘れてましたね」

 

「先生!無事か!?」

 

“れい…と……くぅん?”

 

そこに居たのは

 

「あぁ、先生。俺だ、零斗だ。顔色が悪いな。昨日から何も飲んでねぇな」

 

謎の仮面を着けている零斗だった。

 

“……零斗くん、なんだよね?”

 

先生は戸惑いながらもそう言う。

 

「……あぁ、仮面してたから気が付かないのか」

 

零斗はそう言い仮面を取った。

 

「ふぅ、やっぱ蒸し暑いな」

 

「それよりも零斗、先生に水を上げたらどうです?今にも干からびそうですけど」

 

「ん?」

 

“み、水ぅ…”

 

「やべえすっかり忘れてた。先生、俺の飲みかけだが今はこれしかないんだ。野郎の飲みかけとか嫌かも知れないが飲んでくれ」

 

そう言い、先生に飲み物を渡した。そしたら

 

“ありがとー!”

 

先生は全く気にしてないのか俺の飲みかけを物をぐいぐい飲んだ。

 

“……ぷはっ!ありがとう零斗くん。助かったよ!”

 

「……先生、喉が渇いてたのは分かるが…異性が口を付けたものに躊躇無しにがっつくのは流石にちょっと引くぞ……」

 

“しっ仕方ないじゃん!必死だったんだから!”

 

先生は今気づいたのか俺の発言に顔を赤くして答える。

 

そうして少し落ち着いてきたところ誰かがこっちに向かって来た。

 

俺たちの前に自転車が止まる。乗っている狼耳の少女がこちらに話しかけてくる。

 

見た目は銀髪の髪でマフラーを着て、そして本来サイズには合わないはずの黒(・)い(・)コ(・)ー(・)ト(・)を身につけていた。しかし、体格にあったのか丁度良いサイズになっている。あれ?この黒いコートどっかで見たような、まぁ気のせいだろ。

 

「えっと?どうしたの?」

 

「実は、道に迷っててな」

 

「なんだ、ただの遭難者だったんだね。ここはそういう場所だから何もないよ」

 

「なるほど、ゴーストタウンってやつか」

 

「完全にではないけどね。その様子からするとこの辺は初めてなんだね」

 

「あぁそうだな」

 

「見た感じ、そっちの大人の人は連邦生徒会の人みたいだけど…あなたは?」

 

少女は俺の方に視線をむけてくる。

 

「俺は……何だろうな。今はこの人の世話役みたいなもんだから気にしないでくれ」

 

“零斗くん!?”

 

先生が声を上げるが気にせず狼耳の少女と会話を続ける。

 

「ん、あなたは零斗って言うんだ。私は砂狼(すなおおかみ)シロコ、アビドス高等学校の二年生、よろしく」

 

アビドス高校の生徒だったか。なら話が早い。

 

「俺は夜霧(やぎり)零(れい)*1だ。青天月って言う何でも屋をやっている」

 

出された手を握り、握手をし返す。

 

「もしかして男の人?」

 

シロコは握手している手を見つめながら聞いてくる。

 

「あぁ、俺は男だよ。どうやらキヴォトスで唯一の人間の男らしい」

 

「そうなんだ。あなたたちは学校に用があってきたの?この近くだと、うちの学校しかないけど…もしかして……」

 

「あぁ、アビドス高等学校だ」

 

「……そっか。久しぶりのお客様だ。……それじゃぁ案内してあげる。すぐそこだから」

 

そう言いシロコは自転車に跨る。

 

「そうしたいのはやまやまなんだがな、先生が」

 

“うぅ、おなかが減っちゃってぇ……”

 

チラリと先生の方を見るさっきから静かだと思っていたが、どうやら空腹で動けない様子。

 

「こんな感じなんだ」

 

「うーん……どうしよう」

 

“シロコちゃんの自転車に乗せてくれないかな?”

 

マジかこの人図太すぎんか?シロコを見てみろよ困惑してるぞ。

 

「えっと、これ一人乗りだから……」

 

そりゃそうだ。どう見ても一人乗りだからな

 

“なら背負ってくれない?”

 

「「…………」」

 

この大人はいったい何を言ってるんだ?初対面だぞ?分かっているのか?分かって言ってるとしたら俺は逆に尊敬するぞ?見ろよシロコも絶句してるぞ。

 

「まぁ、そのほうがいい。」

 

 ……え?納得するのか?………え?ゑ?

 

「それじゃぁ・・・よいしょ」

 

シロコは軽々と先生を持ち上げる。おぉ、さすがキヴォトス人。と思ったんだ何でこっちに近づいてくるんだ?ちょ、シロコさん!?

 

近づいてくるシロコに困惑していると俺も持ち上げられる。

 

「どうして俺も?」

 

「こっちのほうが効率がいい。それに零斗には乗り物が無い」

 

「いや、自転車ぐらいなら走って追いつけると思うが」

 

「バイク並みに早いよ?」

 

「………」

 

やっぱキヴォトスだ、ここ。けど、今の俺ならそのスピード以上出せるのは多分出来ると思うけどな。俺も染まりきったか。キヴォトスに。

 

「…分かった。なら頼む」

 

そう言い俺は脱力する。

 

「あっ……」

 

「どうした?」

 

突然シロコが声を上げる。何かあったのか?

 

「えっと…さっきまでロードバイクに乗ってたから………そこまで汗だくってわけじゃないけど、その……。普段はシャワー室を使うの。予備の服もそこにあるし……」

 

なるほど匂いを気にしていたのか。だがそこまで汗臭いとは思わない。て言うかむしろいい匂いがする。

 

「気にすんな。そこまで匂ってないから。むしろ女の人特有のいい匂いがする」

 

「…………」

 

「そう、気にならないなら……いいか」

 

シロコは少し顔を赤らめて言う。

 

「そ、それじゃ……しっかり掴まってて」

 

そうして俺と先生はシロコに背負われてアビドス高等学校に向かうのだった。

*1:
偽名

先の話になるけどパヴァーヌ二章は一章が終わってから繋げた方がいい?因みにこれを実行するかは今は分からない。

  • いい
  • エデン条約を終わらせてからにして
  • そんな事はいいからさっさと書け
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