1945年から7年間、苦しい戦いを強いられてきた。
...だが、それも今日で終わる。
―――立ち上がれ。
今こそ、戦況を好転させる時だ。
―――ドイツ キール軍港
救援要請を出してから数日。
そろそろ、艦隊が到着する頃だろう。
―――
ヴィクトワール「ふいー!綺麗になったぁ...!」
ビスマルク「はぁ...まさかここまで汚れが酷いとは思わなかったわ...」
この数日の間に俺とビスマルク、基地の人たちで協力し、軍港設備の清掃を行った。
...特に、入渠施設の汚れ具合はひどいものがあった。
ヴィクトワール「ここまで綺麗になれば、後は殺菌と配管整備か...」
ヴィクトワール「ま、それは明石さん達に頼むしか無いか...」
ヴィクトワール「...さて、休憩にしましょう」
ビスマルク「...休憩ついでに、艤装の様子を見てきてもいいかしら」
ヴィクトワール「良いですよ。」
ヴィクトワール「...確か、出撃ドックの辺りで応急修理してましたよ」
ビスマルク「分かったわ。」
ビスマルク「じゃあ、行ってくるわね」
ヴィクトワール「足元に気をつけてくださいね」
...ビスマルクは走って入渠施設を後にした。
ヴィクトワール「...これから何をしようか」
ヴィクトワール「建造設備でも見に行きますかね」
―――ドイツ キール軍港 工廠
ガシャンッ!
ギギギギギ....
ヴィクトワール「うわッ...建付け悪...」
ヴィクトワール「...ここもボロボロだな」
入ってすぐに、ここの異常さが目に入ってくる。
ヴィクトワール「...そもそもの建造ドックが壊れてるな」
ヴィクトワール「そりゃ、ここの艦娘が少ないわけだ」
...ここの修理は当分の間行われなさそうだ。
...窓から見える景色は良いんだけど...
ヴィクトワール「って...ん?」
俺は窓の外を見る。
ヴィクトワール「...誰だ?」
誰かが海の上を走っている。
ヴィクトワール「艦娘...」
ヴィクトワール「ビスマルク...さん?」
俺は、ビスマルクが向かっている方向を凝視する。
ヴィクトワール「...何も見えんな」
ふと床を見ると、廃棄されたであろう双眼鏡の片割れがあった。
ヴィクトワール「...片目分しかないな」
ヴィクトワール「...まぁ、良いか。使わせてもらおう」
俺は双眼鏡を使い、もう一度同じ方向を見る。
ヴィクトワール「...げェッ!」
俺は双眼鏡に写った人影の大群を目にした瞬間、工廠を飛び出し出撃ドックへ向かった。
―――一方、ビスマルクは...
ビスマルク(中破)(...応急修理だからか、艤装があまり言うことを聞かない...!)
ビスマルク(中破)(この状態じゃ無謀...かしら)
ビスマルク(中破)「...でも、奴だけは絶対に...この手で仕留めてやるわ...!」
―――数分後
???「...オオ。ヒサシブリジャネェカ」
???「...マタ、マケニキタノカ?」
ビスマルク(中破)「
V-V「オボエテイテクレルトハナ。」
V-V「ゼンカイハトリニガシタガ...コンカイハ、キサマヲシズメテヤル」
V-V「...ナツカシイヨナァ」
V-V「イツノコトダッタカハ、ワスレタガ...」
V-V「キサマノリョウカンヲシズメタトキ...アノトキノオマエノカオ」
V-V「ワスレラレナイゼ...」
ビスマルク(中破)「...」
V-V「...マァ、コンカイデソレモワスレルトスル」
V-V「...キョウ、ココデシズムキサマヲ...キオクスルタメニナァ...!」
ビスマルク(中破)「...独り言はそれで終わりかしら?」
V-V「アア?」
ビスマルクは、V-Vの独り言が終わる前に主砲を旋回し終えていた。
ビスマルク(中破)「Feuer...!」
(((ドガッドガドガァァァァァァァンッ!!!!)))
V-V「...フッ」
((バシュッ!!!))
V-Vは、砲弾を余裕な表情で回避。
ビスマルクの放った砲弾は、虚しく水面へ着弾した。
V-V「オソインダヨ...ウゴキガ...」
キィィィィィィン...
((ドッガァァァンッ!!!))
その直後、V-Vは放たれるように急加速。
一瞬にしてビスマルクの懐へ入り込んだ。
V-V「キカイジャネェンダ。コッチモヨォ...」
ビスマルク(中破)「ッ!?」
ビスマルクは、反射的に艤装をV-Vに向け、射撃を試みる。
V-V「オソイワッ!」
((ガギンッ!!ドガッ!!!))
V-Vは腕部から生えているエネルギーブレードで、ビスマルクの主砲を溶断する。
ビスマルク(中破)「主砲が!?」
...この時、ビスマルクの艤装はあくまで応急修理。
主砲も二門しか動かせず、精度も低かった。
ビスマルク(中破)「クッ...」
V-V「...オワリダ」ブンッ!!
エネルギーブレードは、主砲を溶断した勢いで艤装の右舷側を全て切り落とした。
...これにより、ビスマルクは実質的に戦闘能力を失った。
V-V「...キサマノアクウンモ、ココデオワリダ」
V-V「ドウセサイゴダ。ユイゴンクライハ、キイテヤロウ」
ビスマルク(大破)「遺言...ですって...?」
V-V「...」
ビスマルク(大破)「...最期に見る物が、アンタの顔だったなんて...」
ビスマルクは、ここでV-Vの後方から近づく機影に気づいた。
ビスマルク(大破)「...フッ...。最悪、よ!」
((バシャッ!!!))
ビスマルクは、V-Vの隙を突き、距離を取る。
―――その瞬間。
(((ドガンッドガドガドガドガドガンッ!!!!)))
V-V(小破)「チッ...ナンダヨ...」
V-V(小破)「ザコドモ...キサマラハ、シキカンヲマモルコトモデキンノカ...!」
V-Vは周囲で待機しているはずのV-Seriesへ向け言い放つ。
V-V(小破)「...ッ!?」
球磨改五「...もう遅いクマッ!」
長門改四「...既に取り巻きは私たちで撃破した」
長門改四「残っているのは...お前だけだ」
...この世界の日本海軍では、ヴィクトワールの艤装および戦闘データの解析によって、かつてないほどの近代化が施されていた。
そして、完成したのが―――改四、改五型超重艤装である。
V-V(小破)「クッ...」
V-V(小破)「...ヒョウテキハフエタガ...ヤルコトハ、カワランナ...」
V-V(小破)「ビスマルク...マズハキサマカラダッ!!」ブォンッ!!
V-Vは、ビスマルクにエネルギーブレードを振り下ろした。
―――だが、その刃が届くことは無かった。
((ガギンッ!!!))
V-V(小破)「ナッ...」
ヴィクトワール改二「危ない危ない...そういうのは周りを警戒しながら使わないと...」
ヴィクトワール改二「...沈むことになりますよ」
((ドガンッ!!))
その瞬間、V-Vに槍が突き刺さる。
V-V(中破)「グッハァッ!!」
V-V(中破)「クソッ...!」
V-Vは、周囲を確認する。
V-V(中破)「チッ...」
((バシャッ!!))
V-Vは素早く体勢を立て直し、ヴィクトワール達から距離を取る。
V-V(中破)「コンナモノデッ...ガハッ...シズンデ...タマルカッ!」
((ザギンッ!!))
V-Vは勢いを付けて、突き刺さった槍を引き抜く。
V-V(中破)「マズハ...テオイカラ...!」
V-Vはブレードを構え、斬りかかる姿勢になった。
だが、その時だった。
(ピピッ...ピピッ...)
V-V(中破)「チッ...ナンダヨ。イイトコロダッタノニ...」
V-V(中破)「ハイハイ」
???「アナタ、ムリヲシスギヨ。シズムツモリ?」
V-V(中破)「ウルセェナ。カッテニサセロ」
V-V(中破)「ソモソモ、アイツ...ビスマルクノゲキチンガ、ニンムジャネェノカヨ!」
???「オダマリ。クチゴタエハユルサナイワ」
???「メクラマシハ、スデニオクッテアルカラ」
???「...サッサト、キカンナサイ。」
V-V(中破)「アアクソッ...」
V-V(中破)「ワカッタカエリャイインダロ!カエレバッ!」
(ブツッ...)
V-V(中破)「...ハァ。マノワリィオネェサマダコト...」
V-V(中破)「...ジャアナ。コノショウブ、アズケトクゼ」
(キィィィィィィン...)
((ドッカァァァァァァァァァァァァァァァンッ!!!!))
―――その瞬間V-Vは、衝撃波だけを残し、戦場から忽然と姿を消したのだった。
ヴィクトワール改二「...逃げたか」
ビスマルク(大破)「...また、助けられたわね」
ヴィクトワール改二「...今回は助けられましたが、次助けられるかは分かりませんから」
ヴィクトワール改二「無理な戦闘は、できるだけ避けてください」
ビスマルク(大破)「...」
ヴィクトワール改二「沈んでしまったお仲間達が、貴方が沈むことを望んでいるのですか?」
ビスマルク(大破)「...ッ」
ヴィクトワール改二「...ちゃんと冷静になってから、戦いに挑んでください」
―――その直後。
(((ドッカァァァァァァァァァァァァァァァンッ!!!!!)))
ヴィクトワール改二「ッ!?」
ヴィクトワール改二「今度は何だ!」
ヴィクトワールは、音の方向に振り返る。
球磨改五「...なんて大きさクマ...」
長門改四「...新手か...面白い」
...そこに存在したのは...
???「フフフ...キョウノギセイシャハ、コノコタチ...ナノネ?」
???「ワタシヲ、タノシマセテ...チョウダイ?」
巨大な、全容を見渡すことすらできないほどの艤装を纏った―――
「空中母艦」のような深海棲艦だった。
さぁ、ある意味最強クラスのボス降臨ですねぇ...。