ポケモンTS転生〜リーフは原作を忘れかけている   作:はらへりニャンコ

18 / 18
高評価、お気に入り登録ありがとうございます


第18話 香水とジムバトル(Hard)

 

 

 

 

 

「フシギソウ、のしかかり!」

 

「フーシ!」

 

フシギソウが勢いよくモジャンボへ飛びかかる。

 

ズドンッ!

 

「モッジャ……」

 

「モジャンボ、戦闘不能! フシギソウの勝ち!」

 

その後のモジャンボとの戦いは、あっさりしたものだった。

 

マンキーのアクロバットとからげんきで受けたダメージが大きかったのか、モジャンボは大した行動もできないまま、フシギソウの連続攻撃で倒された。

 

「お疲れ様です、モジャンボ……。やはり、お強いですね」

 

「そうですか?」

 

「ええ。実はこのモジャンボ、本来はバッジを六個以上集めたトレーナー相手にしか繰り出さない子なんですの」

 

マジでか。

 

思い返せば、ラフレシアがリーフストームを使ってきた辺りから、エリカさんの波動が強くなっていた。

 

もしかして、最初から私の実力を見ながら少しずつ本気を出していたのか。

 

「くさタイプは弱点が多く、弱いタイプだと思われています。それに、タマムシシティを訪れたトレーナーの皆さんはデパートでわざマシンを買ってパートナーポケモンを強くしますの」

 

エリカさんは穏やかに笑う。

 

「ですから私は、他のジムリーダーたちより一層厳しく、トレーナーたちの実力を見極めているんですわ」

 

へ〜。

 

そんな事情があったのか。

 

目から鱗である。

 

「あなた相手なら、この子を出してバトルをしてもいいですわよね……」

 

エリカが最後のモンスターボールを手に取る。

 

「満開に咲きなさい!」

 

ボールから飛び出してきたのは――

 

「フィーアッ!!」

 

薄黄色い身体に四本の足。

 

尻尾と耳は植物の葉っぱのようで、頭にはアホ毛の代わりと言わんばかりに、一際大きな葉っぱが広がっている。

 

「リーフィア……!」

 

……って、ちょっと待って。

 

リーフィアの波動……。

 

お姉ちゃんのラプラスやソウブレイズ並みにあるんだけど!?

 

「ス、ストップ!ストップ! バトルを止めてくださいお二人とも!」

 

審判を務めているアドバイザーさんが慌てて試合を中断する。

 

明らかに普通ではないリーフィアを前に、観客席もざわざわと騒がしくなってきた。

 

「エリカさん、流石にそのリーフィアはジムバッジ三個のチャレンジャー相手には強すぎます!今すぐリーフィアをボールに戻して、ジムバトル用のポケモンに交代してください!」

 

「大丈夫です」

 

エリカは静かに答える。

 

「先ほども言った通り、ジムリーダーはチャレンジャーの力を見極めることこそ役目。リーフさんなら、このリーフィア相手でも十分に戦えるはずです」

 

「はぁ……分かりました。後でリーグ本部には報告しておきますよ」

 

お淑やかなエリカの熱意に押し切られたのか、アドバイザーさんは元の審判ゾーンへ戻っていった。

 

どうやらハードモードだったジム戦が、本来ならありえないヘルヘイム地獄インフェルノモードにレベルアップしたらしい。

 

「フシギソウ、行ける?」

 

「……フーシ!」

 

少し身体が固い。

 

それでも、私のフシギソウはやる気満々だ。

 

なら――最後まで一緒に戦おう。

 

「フシギソウ、どくどく!」

 

「にほんばれですわ!」

 

フシギソウが吐き出した猛毒がリーフィアへ絡みつく。

 

しかし――。

 

「リーフガードですわ。これでどく状態は効きませんわよ」

 

強い日差しを浴びたリーフィアの身体が輝く。

 

毒の影響を受けない。

 

……そうか。

 

リーフガード。

 

晴れの時なら状態異常にならない特性だ。

 

「だったら、それを活かす!」

 

私は叫ぶ。

 

「せいちょう!」

 

フシギソウも太陽の恵みを受け取り、身体に力を蓄えていく。

 

「フー……シィ!」

 

成長によって高まった力を、フシギソウは蕾へ集中させる。

 

「ヘドロばくだん!」

 

フシギソウの蕾から、紫色の毒の塊が撃ち出される。

 

普通のくさポケモンなら、効果抜群の大ダメージになるはずだ。

 

しかし――。

 

「ウェザーボール!」

 

「リィー!」

 

強い日差しを受け、ウェザーボールが炎の球へと変化する。

 

飛んできたヘドロばくだんを正面から焼き払い、そのままフシギソウへと直撃した。

 

「連続で!」

 

次々と放たれる太陽の球。

 

「フ、フギーッ!」

 

一発、二発、三発。

 

炎がフシギソウを吹き飛ばす。

 

そこへ――。

 

「シザークロスですわ!」

 

「フィアッ!」

 

リーフィアが一気に距離を詰める。

 

両前足の葉を交差させ、鋭い一撃を叩き込んだ。

 

「フシギソウ!」

 

ドサッ。

 

フシギソウが地面へ落ちる。

 

「フー……シ……」

 

「フシギソウ、戦闘不能! リーフィアの勝ち!」

 

圧倒的なリーフィアの実力に、観客席は大熱狂だ。

 

強い。

 

私のフシギソウはトキワジムにニビジムで活躍し、お姉ちゃんのフシギダネを倒したこともある強い子だ。

 

そんなフシギソウが手も足も出ずにやられた。

 

これがジムリーダーの本気か。

 

でも――。

 

私たちは諦めない。

 

まだ、この子がいる。

 

「行こう、バタフリー!」

 

「フリフリィー!」

 

出てきて早々、バタフリーは大きく羽ばたいた。

 

その瞬間、バトルコートに再び風が吹き始める。

 

おいかぜ。

 

私のやりたいことを感じ取って、自ら起こしてくれた風だ。

 

この風に乗って――勝利を掴む!

 

「とんぼがえり!」

 

「シザークロスとウェザーボール!」

 

リーフィアが一気に距離を詰める。

 

鋭い葉がバタフリーへ襲いかかり、途切れることなく炎の火球が飛んでくる。

 

一撃一撃が重い。

 

まともに受ければ、一瞬で戦闘不能にされる。

 

それでもバタフリーは攻撃を掻い潜り、リーフィアへ一撃を当てると、すぐさま身を引いた。

 

その一瞬後。

 

バタフリーがいた場所を、炎の火球が通過する。

 

ギリギリの勝負だ。

 

「アクロバットも連結!」

 

「フリィ! フリィ!」

 

私の指示にも力が入る。

 

バタフリーは力強く羽ばたきながら、風に乗って縦横無尽に飛び続ける。

 

リーフィアも負けじと追いかける。

 

やがて、リーフィアのシザークロスがバタフリーを捉えた。

 

「フリィ!?」

 

痛撃にバタフリーの動きが鈍る。

 

「これで決めますわ!」

 

エリカが最後の指示を飛ばす。

 

「とっておき!」

 

「フィィィア!」

 

リーフィアが身体を低く構える。

 

そして――。

 

一気に突進した。

 

向かい風を切り裂き、猛烈な速度でバタフリーへ迫ってくる。

 

しかも、ただ突っ込んでくるだけではない。

 

バタフリーの動きを先読みし、回り込むようにして進路を塞いでくる。

 

「……フィア?」

 

その瞬間。

 

リーフィアが、奇妙な違和感を感じた。

 

確かに、とっておきが当たった感触はある。

 

なのに――。

 

そこにバタフリーはいない。

 

自分の攻撃は、空を切っていた。

 

「みがわり……」

 

エリカが目を見開く。

 

「でも、バタフリーはすでに四つの技を使っている……まさか!?」

 

エリカが天井を見上げる。

 

そこには――。

 

一匹のバタフリーがいた。

 

銀色の鱗粉を撒き散らしながら、ガラス張りの天井近くを飛んでいる。

 

しんぴのまもりが生み出した鱗粉は強い日差しを浴びて、眩い金色に輝いていた。

 

「っ……!」

 

エリカが反応する。

 

「ウェザーボール!」

 

リーフィアが再び炎の火球を連射する。

 

先ほどフシギソウを戦闘不能に追い込んだ攻撃。

 

だが――。

 

今度は、一発も当たらない。

 

黄金色の光の筋が紡ぐ、バタフリーの幻像だけを次々と貫いていく。

 

「質量を持った残像とでも言うのですか!?」

 

――おいかぜ。

 

――しんぴのまもり。

 

――アクロバット。

 

――とんぼがえり。

 

これまで積み重ねてきた4つの技。

 

それらすべてを繋げる。

 

「四連結!」

 

私は拳を握る。

 

「フォーミュラー・インセクトォォォ!」

 

「フリフリフリフリィ!」

 

金色のバタフリーが加速する。

 

風を切り裂き、空を駆ける。

 

その速度は、鳥ポケモンやドラゴンポケモンにも負けない。

 

「いっけぇぇぇぇぇぇ!」

 

「フリイィィィィッ!!」

 

バタフリーが真正面からリーフィアへ突っ込む。

 

ドォォォン!!

 

渾身の四連結大技が、リーフィアへ直撃した。

 

「フィ……ア……!」

 

リーフィアの身体がスタジアムの奥まで吹き飛ばされる。

 

それでも――。

 

「フィ……ィ……」

 

リーフィアは、まだ立ち上がろうとしていた。

 

強い。

 

本当に強い。

 

ここまで受けても、まだ戦おうとしている。

 

だが――。

 

エリカが静かにモンスターボールを構えた。

 

「……もう十分ですわ」

 

光がリーフィアを包み、その身体をボールへ戻していく。

 

「……お見事」

 

審判が判定を下す。

 

「リーフィア、戦闘不能! バタフリーの勝ち!」

 

一瞬の静寂。

 

そして――。

 

ワァァァァァッ!!

 

観客席から、大歓声が巻き起こった。

 

「よって勝者、チャレンジャー・リーフ!」

 

私は肩で息をしながら、バタフリーを見上げる。

 

「……やったね」

 

「フリィ!」

 

バタフリーが嬉しそうに鳴いた。

 

三匹全員で戦った。

 

マンキーが削り、フシギソウが繋ぎ、最後はバタフリーが決めた。

 

ギリギリだったけど――。

 

私たちは、勝った。

 

エリカはリーフィアのボールを見つめ、それから私たちへ穏やかに微笑んだ。

 

「素晴らしいバトルでしたわ、リーフさん」

 

その言葉を聞いた瞬間。

 

ようやく実感が湧いてきた。

 

私たちは――タマムシジムを完全攻略したのだ。




・タマムシは難関ジムに強化
デパートにゲームコーナーと強化スポットがいっぱいあるんだもん、ジムリーダーの枷も緩いのである。
ただ今回みたいなことは稀。流石にあの後リーグから怒られたらしい

・質量を持った残像
元々エリカの一匹目はウツドンでしたが、これを言わせたかったのでラフレシアにしました(笑)
ポケモン二次創作においてバタフリーの強さはいくら盛っても構わない、タブンネ

投稿時間何時くらいがいい?

  • 6時
  • 12時
  • 15時
  • 17時
  • 18字
  • 20時
  • 21時
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
※参考:評価数の上限
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。


  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

読者層が似ている作品 総合 二次 オリ

ただ思うがままに初代ポケモンの世界を堪能するTSおっさんのお話(作者:茜 空)(原作:ポケットモンスター)

タイトル通り。▼初代ポケモンの世界に入り込んだおっさんがただただこの世界を堪能するだけのお話。▼実際プレイして、それを元に自由気ままに面白おかしく書いています。▼独自設定あり。▼主人公は脳内思考は男のまま、会話や外面はキャラ作ってます。▼ロールプレイってそういうもんでしょ。▼ただ、女の子の身体と年齢に精神共々色々引っ張られてる模様。しょうがないね。▼不定期更…


総合評価:45/評価:-.--/連載:10話/更新日時:2026年09月22日(火) 10:38 小説情報

映像機画版携帯獣世界転生物語(作者:こうすけ増田劇場版)(原作:ポケットモンスター)

なんか知らんがアニポケの世界に転生してた。


総合評価:2583/評価:7.38/連載:33話/更新日時:2026年09月06日(日) 00:05 小説情報

転生サトシの旅路(作者:ナノブ)(原作:ポケットモンスター)

これは、アニポケのサトシが一生を終えた記憶と、アニポケを見ていた人の記憶両方を持った転生者サトシが、波導と呼ばれるチートを駆使して行く旅路を記したもの。▼サトシ至上主義が書くポケモン小説です。▼作者はポケモンライト勢であり、にわかです。


総合評価:4050/評価:9.15/連載:36話/更新日時:2026年06月27日(土) 18:00 小説情報

主人公じゃない私のポケモンワールド異聞録(作者:時緒)(原作:ポケットモンスター)

死んだら異世界転生した。転生先はカントー地方マサラタウン。性別は女。▼とはいえスーパーマサラ人ほどの身体能力は無いし、ポケモンの言葉が分かるわけでもないし、超能力者でも高貴な一族の末裔でも勇者の生まれ変わりでもない。何より肝心のポケモン知識がお粗末すぎて、転生ものでお約束の俺TUEEE展開なんてものは夢のまた夢。▼せめて主人公達と同い年だったら特別感も出ると…


総合評価:2067/評価:8.52/連載:32話/更新日時:2026年09月21日(月) 05:00 小説情報

ガラルでヒスイゾロア(色違い)に転生したからユウリの相棒として頑張る(作者:ゴーストタイプ愛好家綺羅)(原作:ポケットモンスター)

ユウリが拾ったタマゴから生まれたのは、前世の記憶を持つ色違いのヒスイゾロアだった。▼相棒としてユウリに可愛がられながらも共にさまざまなライバルやジムチャレンジに立ち向かい、ガラルの頂点である「チャンピオン」を目指して駆け上がっていく。▼


総合評価:133/評価:6/連載:4話/更新日時:2026年08月19日(水) 21:22 小説情報


小説検索で他の候補を表示>>