ポケモンTS転生〜リーフは原作を忘れかけている 作:はらへりニャンコ
段々先人達の小説に寄っていってる気がする…差別化できるように頑張ります。
そしてアンケートの結果が拮抗していてヤバい。このまま決まるだろうなーと思って書いていたら逆転しかけてることに気づいてヒエッとなった。
オーキド博士からポケモンをもらう前日。
私たち家族は、久々にマサラタウンに集まっていた。
普段、父さんと母さん、そして私は、シルフカンパニーの本社があるヤマブキシティで暮らしている。
けれど、リオルをゲットしてからは、私がのびのび過ごせるようにと、お姉ちゃんの別荘があるマサラタウンへ引っ越してきた。
それでも両親の仕事量が変わるわけではない。
家に帰ると、雇われたお手伝いさんしかいない――なんてことも珍しくなかった。
お姉ちゃんはお姉ちゃんで、世界中を巡ってはポケモンをゲットしたり、大会に出場したりしている。
当然、もっと家にいない。
大抵マサラタウンにいる時は、大きなリーグに備えて手持ちのポケモンを鍛えている時だ。
だからこそ。
こうして家族のお祝い事がある時には、四人みんなが集まってお祝いする。
いつのまにかできていた、我が家のマナーってやつだ。
「いやあ、ついにリーフもポケモントレーナーかぁ。あっという間だな」
「そうね。おねしょを直したのが、つい最近のことみたい。確か一年前だったかしら?」
そんなにちょっと前じゃないよ!?
もっと前だからね!
……というか、なんで今その話をするの!?
「旅は危険がいっぱいだからな。リオル、リーフをよろしくな」
「キュイ!」
「……それなんだけど、ちょっといいかしら」
いつもニコニコしているお姉ちゃんが、真剣な顔で話し始めた。
あれは――ポケモントレーナーの顔だ。
他のポケモントレーナーがどんな顔をするのかは、よく分からないけど。
「リーフ。あなたは旅で、どんなことをやりたいの?」
「ええっと……いろんなポケモンと出会って、いろんな場所に行って……」
「リーグに挑む気はあるの?」
「うん。どこまで行けるかは分からないけど、ジム巡りはしようかな」
「……だったら、提案があるの」
お姉ちゃんは少し間を置いてから、私を真っ直ぐ見つめた。
「しばらく、リオルを私に預けてみない?」
「クゥン……クゥン!?」
え?
リオルは最初のパートナーにすること、確定だったんだけど。
隣では、リオルも「なんのこっちゃ」と言わんばかりに、マッサラに燃え尽きている。
……マサラタウンで過ごしてきた成果というのだろうか。
「驚かせたいとか、意地悪で言ってるんじゃないのよ。色々と理由があってね」
お姉ちゃんは、ゆっくりと説明を始めた。
「まず第一に――色違いのリオルはレアすぎる」
「……まあ、それはそうだね」
「旅に出れば、人のポケモンを奪おうとする心ない連中もたくさん出てくる。新人トレーナーが色違いのポケモンを連れて歩くなんて、カモネギが鍋を持ってやってくるようなものよ。危険すぎるわ」
それは分かる。
だって、隣町のジムリーダー。
ロケット団団長だからね。
……うん。
冷静に考えなくても、治安が終わっている。
実は、そこまで考えていたからこそ、私はリオルを使わずに、オーキド博士からもらったポケモンでジムに挑もうと思っていた。
犯罪者組織に付きまとわれるサトシくんみたいな旅は、お断りです。
「第二に、リオルのレベルが高くなりすぎた」
「レベル?」
「ええ。大体二十五前後ってところかしら。今のあなたたちなら、ジムバッジ二つか三つくらいなら余裕で取れるでしょうね」
「そんなに!?」
思わずリオルを見る。
本人は誇らしげに胸を張っている。
「でも、リーグに本気で挑むなら、最初の町から本格的なバトルの基礎を積むべきよ」
お姉ちゃんは続ける。
「一番道路やトキワの森で経験を積んで、少しずつ強くなっていく。そのためには、オーキド博士からもらえるポケモンくらいのレベルがちょうどいいわ」
なるほど。
これが、世界レベルのトレーナーの目線か。
確かに、お姉ちゃんは初めて訪れる地方へ旅立つ時、相棒のラプラス以外は、現地でゲットしたばかりのポケモンだけを連れて行く。
恐らく、最初から冒険を楽しみたいのだろう。
「だから、リオルは私がニビシティで鍛えておくわ」
「ニビシティで?」
「ええ。そして、あなたがジムバッジを二つ集めたら、正式にあなたのパートナーとして譲る」
お姉ちゃんは笑った。
「それまでは、あなたも一から頑張ってみる。――どう?」
「……」
私は少し考えた。
そして、リオルを見る。
「私はいいけど、リオルはそれでいい?」
「……キュイ!」
リオルは力強く鳴いた。
その目は、出会った頃と変わらない。
だけど――
強くなれる。
そう理解した瞬間、その瞳に決意が宿った。
……本当に分かりやすい子だ。
でも、私はそんなリオルが大好きだった。
優秀なパートナーで、あたしゃ嬉しいよ。
「よし。お姉ちゃん、リオルをお願いします」
「任せて。リーフも冒険を楽しむんだよ」
そう言うお姉ちゃんの顔は――
いつも通りの、優しい笑顔に戻っていた。
◆
翌日。
お姉ちゃんが出かける前にリオルを連れて、オーキド研究所までやってきた。
玄関前には、すでにシゲルと、トキワシティからやってきたもう一人のトレーナー志望の少年がいた。
「おはよう。サトシくんはまだ来てない?」
「やあやあ、リィーフちゃん。サトシくんなら、いつも通り寝坊じゃないかな」
シゲルが呆れたように肩をすくめる。
すると、トキワから来た少年が首を傾げた。
「え、もう一人いるの? 確か、最初のポケモンは三匹ってのが通例じゃなかった?」
「お祖父様のことだから、忘れているんだろうね。今頃、四匹目を――」
「捕まえに行ってるんじゃない?」
そう軽口を叩こうとした、その時。
――バチィィン!!
研究所の中から、凄まじい電流の音が響き渡った。
続いて――
「ぎゃあああああっ!?」
男性の悲鳴。
私たちは顔を見合わせた。
「今のは!?」
「オーキド博士よ!」
私は真っ先に研究所へ駆け込んだ。
中に入って目に飛び込んできたのは――
あちこち焼け焦げた研究室。
そして、その中央で黒焦げになっているオーキド博士。
さらに、そのすぐそばには――
「ピィ……カァ……」
見るからに不機嫌そうな電気ネズミ。
ピカチュウがいた。
「……」
ピカチュウと目が合う。
その瞬間。
「ピカァ!」
頬に電気を迸らせ、ピカチュウがこちらへ飛びかかってきた!
「リオル、しんくうは!」
リオルが一歩前へ出る。
次の瞬間――
「アオン!」
リオルから放たれた真空の波が、空中のピカチュウを迎え撃った。
「ピカッ!?」
まともに攻撃を受けたピカチュウが、床へ落ちてくる。
その隙を逃さず、いつの間にか復活していたオーキド博士が、イナズマ模様のモンスターボールを投げた。
「ほっ!」
カチッ。
ピカチュウがボールの中へ吸い込まれる。
「ふう……危ないところじゃった」
「……復活が早い」
「伊達に何十年もポケモン博士をやっとらんわい。お主らも、怪我はないか?」
「ええ、リーフのおかげです」
「リオルもね」
「アオン!」
リオルが胸を張る。
「サトシは……寝坊か。まあいい。ほれ」
そう言うと、博士はボールの入った台を引っ張ってきた。
そこには、三つのモンスターボールが並んでいる。
「そこに三匹のポケモンがいるじゃろう!」
「ほっほ!」
「モンスターボールの中にポケモンが入れてあるんじゃ。昔はわしも、バリバリのポケモントレーナーとして鳴らしたものじゃ!」
「老いぼれた今は三匹しか残っとらんが、お前たちに一匹ずつやろう!」
博士は胸を張る。
「……!」
おお……。
間違いない。
これは、ポケモン赤緑の台詞そのもの!
初めてのパートナーを決めるワクワクをぶち上げてくれる、魔法の呪文じゃないか!
まさか、本当にこのシチュエーションに立ち会う日が来ようとは……!
「おーい、リーフ。何ぼーっとしてるんだ?」
シゲルの声で我に返る。
「もう俺たちは受け取ったぞ!」
「ちょ、あんたたち、レディーファーストって言葉を知らないの!?」
まずい。
リオルが不在となる序盤。
ここで序盤ジムにタイプ相性不利のヒトカゲを選んだ日には、詰む!
残っているのは――
「……ダネ」
その鳴き声に、私は振り返った。
そこにいたのは――
緑色の身体。
体の上に広がる、大きなつぼみ。
そして、つぶらな瞳。
「……」
間違いない。
「良かった!」
私は思わず駆け寄った。
「あなたがお目当てだったの!」
「フシ……ダネ?」
「フシギダネ!」
第3話 「キミに決めた」!
私は、その小さな身体を抱きしめた。
「これからよろしくね!」
こうして――
私のパートナー、2匹目が決まった。
・転生リーフちゃんの秘密
第一話時点ではまだおねしょが治っておらず、おむつを脱げなかった
追記:明日の投稿は試験的に17時にしてみます。