ポケモンTS転生〜リーフは原作を忘れかけている 作:はらへりニャンコ
ホウオウの技構成はダンテのリザードンに寄せました。
出力は比べ物にならないくらいとんでもないことになっていますが。
悠情編おまけ・始まります
「クオン……!」
赤い目で上空を見上げる黄色いリオル。
その瞳には、苦悶の感情が浮かび上がっていた。
「ココロモリ、エアカッター!」
上空を高く飛ぶココロモリが翼を振るう。
瞬間、旋風が巻き起こった。
無数の風の刃が地上のリオルへと襲いかかり、その小さな身体を次々と切り裂いていく。
「リオル、しんくうは……!」
リオルも必死に飛び道具で反撃する。
だが、圧倒的に射程が足りない。
「サイコキネシス!」
こちらに打てる手がないことに気づいた相手は、ますます攻撃の手を強めてきた。
念動力に捕らえられたリオルの身体が宙へと浮かび、そのまま地面へ叩きつけられる。
ドォン!
「……クゥン」
リオルは目を回し、その場に倒れ込んだ。
終わってみれば、一方的なバトルだった。
「……バトル、ありがとうございました」
これで、今日だけで三連敗だ。
◆
ヤマブキシティへ帰ってきた私たちを待ち構えていたのは、スーパーレインボーバッジ獲得者である私を倒して、名を上げようとするポケモントレーナーたちだった。
当初は、私もリオルたちも受けて立ち、勝ったり負けたりを繰り返していたのだが……ある弱点を突かれてからは、まったく勝てなくなっていた。
それは、タイプの偏り。
かくとうタイプのリオルにマンキー。
そして、くさタイプのフシギソウ。
私の手持ちは、みんなひこうタイプに弱いのだ。
これまでなら、空中戦はバタフリーに任せておけば問題なかった。
けれど、彼女が抜けた穴は、私の想像していた何倍も大きかった。
上空からわざを繰り出され、一方的に攻撃されては負ける。
先程のバトルも、まさにその典型だった。
そのうえ、別の地方からやってきた格上のトレーナーまでバトルを挑んできては、ボコボコにされる始末。
結果として、ここ数日。
私たちは一つも白星をあげられていなかった。
◆
「はぁ……」
「クゥン……」
自販機でミックスオレを二本買い、リオルと一緒にベンチへ座る。
甘いミルクの味が、疲れた身体に染み渡る。
敗因がわかっている以上、ここは新たなポケモンをゲットして、タイプの偏りを補うべきなのだろう。
なのだけれど……。
「はぁ……」
ポケモン図鑑を開き、電気タイプや岩タイプのポケモン一覧を眺める。
しかし、出てくるのはため息ばかりだった。
ビビッとくるポケモンは、カントー地方では見たことのないポケモンだったり。
化石ポケモンのように、そもそもゲットする算段がつかなかったり。
今すぐ旅に出たところで、出会えるとは思えないポケモンばかりだった。
「はぁ……」
かれこれ、こんな日々が三日ほど続いている。
ヤマブキジムには挑戦を断られた。
リオルたちも、流石に疲れ切っている。
さすがに、そろそろ旅に出ないといけないことはわかっている。
けれど、ポケモンタワーのある東へ向かうのか。
それとも、クチバシティのある南へ向かうのか。
そのどちらへ行けばいいのかすら、決められない。
今の私は、宙ぶらりんな状態だった。
「はぁ……」
「どうしようかな……」
「おや、悩み事かい?」
「はい。新しいポケモンをゲットしたいんですけど、なかなかビビッとくる子がいなくて……」
「ふむふむ。でんきタイプに……いわタイプ?」
「ん?」
「クオン?」
いつの間にか会話が成立しているけど……。
何奴?
「いいチョイスだ!」
声の主を見る。
いつの間にか、私たちの後ろのベンチに座っていた男性が目を輝かせていた。
「さては鳥ポケモンに対抗できるポケモンを探しているんだな! だったらプテラがオススメだ!」
「プ、プテラ……?」
「最近、グランキャニオンでしんぴのコハクを見つけてね! もしかしたらプテラの化石本体が見つかるかもって探していたんだけど、プテラの骨は弱くて化石になりにくいせいか、見つけることができなかったんだよね。でも、プテラが齧った跡のあるコイキングの化石は見つかったんだ! これは凄い発見だよ! コイキングの生命力は非常に強くて、どの地方の川や池にも生息していることはよく知られているけど、その生命力の強さは古代ポケモンの強大さに由来しているのではないかっていうのが僕の仮説なんだ。もちろん、まだ仮説の段階だから――」
「うわあああっ!!」
い、イケメンが文章量で殺しに来たー!
おかーさーん!
◆
「いやあ、ごめんよ。いわタイプを探しているキミが、同好の士だと思っちゃってね」
「こちらこそ、驚かせてしまってごめんなさい……」
ハハッと笑う姿すら絵になる、こちらのイケメン。
彼の名前は、ツワブキ・ダイゴ。
ホウエン地方を代表する大企業、デボンコーポレーションの社長の息子。
そして、化石ポケモンやいわ・はがねタイプのポケモンをこよなく愛し、その知識と実力を極めた結果、ポケモンリーグチャンピオンにまでなった人物だ。
自他共に認める、強くて凄いポケモントレーナー。
そんな人が、どうしてこんなところに?
「ダイゴさんは、どうしてここに?」
「一つはシルフからの依頼かな。新型のあなぬけのひもの評価テストをしてほしいって頼まれたんだ」
「シルフとデボンは張り合うことも多いライバル企業だけど、優れた道具は、どこが作っていようとありがたいものだよ。あれには何度も命を救われたからね」
そう言って、ダイゴさんは穏やかに笑った。
ダイゴさんは世界各地を旅して、珍しい石を集めていることでも有名だ。
まさか、実家のライバル企業とも繋がりが深いだなんて……。
一体、どれだけの旅と出会いを積み重ねてきたんだろうか。
「もう一つの目的は、リーフ。キミに会いにきたんだ」
「私に?」
「うん。よければ、スーパーレインボーバッジを見せてくれないか?」
「……」
少しだけ迷う。
けれど、この人なら信用できる。
直感的に、そう感じた。
私はポケットからバッジを取り出し、ダイゴさんへ手渡した。
「ありがとう」
ダイゴさんはバッジを受け取ると、懐から小さなルーペを取り出した。
そして、じっくりと観察する。
角度を変え。
光に透かし。
表面を指先でなぞる。
さらには、レポートを取り出して手早くスケッチまで始めた。
「ふむ……なるほど」
ブツブツと呟きながら、今度は太陽の光にバッジをかざす。
七色の輝きが、わずかに揺らめいた。
「やはり……虹の岩を……」
「……何か分かったんですか?」
「伝承通り、聖火を使っているのなら……」
ダイゴさんは、バッジから顔を上げる。
「興味深いね」
「興味深い?」
「この輝き……普通のバッジとは少し違う」
「どういうことですか?」
「どうやら、君が思っている以上に、このバッジには長い歴史があるみたいだ」
「歴史……?」
「うん」
ダイゴさんは、バッジを返しながら微笑む。
「そして、その力を引き出すには――君自身の力も必要になる」
「私自身の……力?」
「そう」
その声音は穏やかだった。
けれど。
チャンピオンとして数多くのポケモンと戦い、世界中を旅してきた人だからこそ出せる、確かな重みがあった。
「僕でよければキミの力を引き出す手伝いができるけど……どうかな?」
・今更突っ込むタイプ問題
飛行だけでなくエスパーにも弱かったり。
なのでナツメのジムは断られました。
・ちゃっかり登場ダイゴさん
HGSSでシルフカンパニーにいたので出してみた。
ホウエンチャンピオンの傍ら、あちこちフラフラしているみたいです。
みんな誰が好きですか?
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リオル
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フシギソウ
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バタフリー
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マンキー