ポケモンTS転生〜リーフは原作を忘れかけている   作:はらへりニャンコ

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第41話 炸裂!全力の必殺拳

 

 

 

 

 

P-1グランプリが始まった。

 

第一試合は、サトシのヘラクロス対ワンリキー。

 

「ラクロォス!」

 

ゴォンッ!!

 

ヘラクロスの『あばれる』が、ワンリキーをロープへ叩きつける。

 

そのまま反動で跳ね返ってきたワンリキーへ、さらに体当たり。

 

そして――。

 

「ラクロォ!」

 

ドゴォンッ!!

 

最後の一撃で、ワンリキーが場外へ吹き飛んだ。

 

試合時間――わずか六秒。

 

終わってみれば、圧倒的な瞬殺だった。

 

「ヘラクロス、強いね」

 

「ああ……」

 

勝者であるはずのサトシの顔は、どこか浮かない。

 

「でも、今の試合も俺の指示を全く聞いてくれなかったんだ……」

 

「……」

 

恐らく、レベルはリザードンと同等か、それ以上。

 

よくサトシくんは、こんな強すぎるポケモンをゲットできたな……。

 

◆

 

そして――私たちの番が来た。

 

「リオル対エビワラー! ファイッ!」

 

「注意一秒! 怪我一生! 波動弾注意!」

 

「まだリオルははどうだんを覚えてないわよ!」

 

って相手は依頼してきた娘さんのお父さんじゃん!

 

試合開始のゴングが鳴り響く。

 

カァーン!!

 

「豪華絢爛! 疾風怒濤! 風林火山!」

 

「最初の言葉はバトルに関係ないよね!?」

 

「エビィ!」

 

一瞬だった。

 

エビワラーが姿勢を低くし――。

 

「マッハパンチ!」

 

シュババババッ!!

 

無数の拳が、リオルへ殺到する。

 

普通なら、どこから拳が飛んでくるのか見極めることすら難しい。

 

けれど――。

 

「……」

 

リオルは動じない。

 

波動を通して、相手の動きを感じ取っている。

 

右、左、正面。

 

死角からの一撃。

 

すべての攻撃が、リオルには見えている。

 

「オゥ!」

 

スッ。

 

リオルが体を逸らすだけで、マッハパンチは空を切る。

 

ガッ!

 

拳をいなし、受け流し、紙一重で避ける。

 

そして――。

 

「つばめがえし!」

 

「オオゥ!」

 

リオルの身体が跳ねた。

 

その拳が、エビワラーの顎を正確に捉える。

 

ドゴォンッ!!

 

エビワラーはそのままリングの外へ弾き飛ばされた。

 

「エビィ……」

 

「エビワラー、戦闘不能!」

 

一瞬の決着だった。

 

「エビワラー!」

 

吹き飛ばされたエビワラーを、父親が慌てて肩で担ぎ上げる。

 

その姿を見た娘が、どこか見直したような表情を浮かべている。

 

……うん。

 

いい話……なのかな?

 

「……なあ」

 

隣でサトシが呟いた。

 

「俺たち、別に出場しなくてもなんとかなったんじゃないかな?」

 

「……サトシもそう思う?」

 

「ピカチュ……」

 

「クゥン……」

 

私たちのツッコミは、ますます盛り上がっていく会場の熱気に溶けて消えていった。

 

◆

 

その後。

 

タケシがサトシから借りたオコリザルが、試合中に突然動きを止めたと思ったら、サワムラーに逆転負けを喫したり。

 

「ピカチュ」

 

「アオン」

 

「これを押せってか?」

 

サトシが、ピカチュウの持ってきた謎のボタンを押した途端――。

 

ドゴォン!!

 

対戦相手が吹き飛んだり。

 

「初登場がこんな雑だなんて!」

 

「「「やな感じ~!!」」」

 

汗と涙のドラマは……。

 

あったかな?

 

……まあ、とにかく。

 

試合はいよいよクライマックス。

 

決勝戦が始まった。

 

◆

 

「リオル、準備はいい?」

 

「オォウ!」

 

リオルが拳を握りしめる。

 

その向かい側では――。

 

「ヘラクゥーロ!!」

 

ヘラクロスが興奮したように吠えていた。

 

試合前に吹き飛ばされた怒りが、まだ忘れられないのだろう。

 

確かに、あなたは強い。

 

でも今のあなたじゃ、私たちには勝てないよ。

 

カァーン!!

 

試合開始のゴングが鳴った。

 

「ヘラクゥーロ!!」

 

ヘラクロスが一直線に突っ込んでくる。

 

巨大なメガホーンが、唸りを上げる。

 

速い。

 

けれど、速いだけだ。

 

「みきり!」

 

リオルは守りの構えを取った。

 

ドゴォォン!!

 

凄まじい衝撃。

 

それでもリオルは耐えた。

 

そして、角を受け流した瞬間――。

 

「懐に入って!」

 

「オゥ!」

 

リオルがヘラクロスの懐へ潜り込む。

 

「つばめがえし!」

 

シュバッ!!

 

燕のように鋭い拳がヘラクロスの身体を斬り裂くように叩き込まれる。

 

「ヘラァ!?」

 

四倍弱点。

 

大きなダメージのはずだ。

 

だが――。

 

「ヘラクゥーロ!!」

 

ヘラクロスの動きは止まらない。

 

ズガガガガガッ!!

 

今度は巨大な角による連続攻撃、乱れ付きだ。

 

一見すれば、逃げ場のない槍衾。

 

けれど、それも私には見えている。

 

リオルと波動を通して、視界を共有する。

 

角の動き。

 

身体の軸。

 

踏み込み。

 

そのすべてが、波動を通して伝わってくる。

 

「そこ!」

 

「オゥ!」

 

スッ。

 

リオルが角と角の僅かな隙間を潜り抜ける。

 

「そこも!」

 

シュッ。

 

また一つ。

 

「まだ!」

 

シュバッ!

 

また一つ。

 

みだれづきの隙間を、まるで最初から道が用意されていたかのように駆け抜けていく。

 

「ヘラッ!?」

 

攻撃が当たらない。

 

焦り始めたヘラクロス。

 

その瞬間――。

 

「きあいパンチ!」

 

「クゥオオオッ!!」

 

ドゴォォォン!!

 

剛拳一発。

 

ヘラクロスの身体がロープまで吹き飛ばされる。

 

ビィィンッ!!

 

そして反動で――。

 

「ヘラァ!?」

 

こちらへ跳ね返ってきた。

 

リオルは逃げずに、そのまま飛んできたヘラクロスの角を両手で掴んだ。

 

「ともえなげ!」

 

「クゥオッ!」

 

グルンッ!!

 

ドゴォォン!!

 

ヘラクロスが反対側へ叩きつけられる。

 

「す、凄い……!」

 

カスミが目を見開く。

 

「ヘラクロスを一方的に攻撃してる!」

 

タケシも頷いた。

 

「リオルは波動を通して相手の動きを見極めるという話だ。直線的なヘラクロスの攻撃は、リオルにとって読みやすいんだろう」

 

「ヘラクロス! 落ち着くんだ!」

 

サトシが叫ぶ。

 

「ヘラクゥーロ!!」

 

けれど、サトシの声はヘラクロスに届いていない。

 

再びメガホーンによる突進。

 

「……」

 

私は、ヘラクロスの角を見る。

 

先ほどまでとは違う。

 

角の先端が、わずかにブレている。

 

焦っている。

 

そんな中途半端な攻撃なら――。

 

技を使う必要すらない。

 

「……」

 

リオルは手を伸ばした。

 

ガシッ。

 

「へ、ヘラッ!?」

 

ヘラクロスの角を――片手で止める。

 

ズズズズ……。

 

足元がわずかに後ろへ滑る。

 

それでも。

 

「止まった……」

 

ヘラクロスが目を見開く。

 

流石に、必殺の角攻撃を片手で止められるとは思っていなかったらしい。

 

その身体から、力が抜けていく。

 

「そろそろ……終わりかな」

 

私はリングへと飛び乗る。

 

そして――。

 

リオルの隣に立った。

 

「サトシ!ヘラクロス!」

 

「……!」

 

二人の視線が、私たちへ集まる。

 

「見てて!」

 

私は両手を胸の前で組んだ。

 

「これが――私たちの力だよ!」

 

リオルも拳を握りしめる。

 

次の瞬間。

 

私は腕を大きく振り――。

 

腰を落とす。

 

そして。

 

「……ふっ!」

 

正拳突き。

 

一発。

 

二発。

 

三発。

 

拳を突き出すたび、身体の奥から何かが湧き上がってくる。

 

もっと速く。

 

もっと強く。

 

もっと――全力で。

 

私は最後の構えを取った。

 

リオルも同じように身構える。

 

ドクン。

 

胸の奥が、大きく鳴った。

 

その瞬間。

 

バァンッ!!

 

黄金の光が爆発した。

 

私の身体から溢れ出した光が、リオルへと伸びていく。

 

そして――。

 

私とリオルを何本ものの光の線で繋いだ。

 

「クオオオオオオッ!!」

 

リオルの身体からも、黄金の光が噴き上がる。

 

二つの光が重なっていく。

 

私の動きとリオルの動き。

 

私の意志とリオルの意志。

 

すべてが一つになる。

 

キィィィィン……!!

 

オレンジ色のZクリスタルが輝き、凄まじいZパワーが溢れ出した。

 

その光は空へ伸び、そして私たちの周囲を渦巻きながら収束していく。

 

ドォォォォン!!

 

爆発的なZパワーが、会場全体を包み込んだ。

 

「クオオオオオオオオオオオオオオオオッ!!」

 

リオルが吠える。

 

その声に呼応するように、私たちのZパワーがさらに膨れ上がる。

 

無数の光がリオルの拳へと集まっていく。

 

「へ、ヘラクゥーロ……!?」

 

ヘラクロスが後ずさる。

 

目の前で膨れ上がる力に、初めて恐怖を覚えたのかもしれない。

 

「ヘラクゥーロ!!」

 

慌てたヘラクロスは、やぶれかぶれに突撃した。

 

「サトシの声すら……聞こえてない」

 

私は小さく呟く。

 

そして、拳を前へ突き出した。

 

「それなら、拳で語るまで!」

 

Zパワーが弾ける。

 

「いくよ、リオル!!」

 

「クゥオオオオオオオオオオオオ!!」

 

一瞬。

 

世界から音が消えた。

 

次の瞬間――。

 

「全力無双激烈拳ッ!!」

 

ドォォォォォォォォォォォン!!

 

リオルの拳から、爆発的な闘気が噴き出した。

 

無数の拳撃が、光の軌跡となってヘラクロスへと殺到する。

 

ドドドドドドドドドドドドドドッ!!

 

「ヘラクゥーロ!?」

 

ヘラクロスもメガホーンで迎え撃つ。

 

巨大な角が、光の拳へ突き込まれる。

 

だが――。

 

拳撃は止まらない。

 

一撃。

 

また一撃。

 

さらに一撃。

 

絶え間なく降り注ぐ拳が、メガホーンごとヘラクロスを押し返していく。

 

「ヘラァァァァァ!!」

 

最後の一撃。

 

ドゴォォォォォン!!

 

ヘラクロスの巨体が、大きく宙へ舞い上がった。

 

そして――。

 

ドォン!!

 

リングの外へ叩きつけられる。

 

「ヘラァ……」

 

ヘラクロスの身体が、力なく倒れた。

 

静寂。

 

ほんの一瞬だけ、会場が静まり返る。

 

そして――。

 

「ヘラクロス、戦闘不能!」

 

審判の声が、決着を告げた。

 

「リオルの勝ち!」

 

歓声が爆発する。

 

「おおおおおおおおっ!!」

 

私は、ゆっくりと息を吐いた。

 

隣では、リオルが拳を握っている。

 

「オゥ!」

 

拳と拳を、軽く合わせる。

 

「ヘ、ヘラァ……」

 

ヘラクロスは地に倒れることしか出来なかった。




・炸裂!全力無双激烈拳!
ダイゴさんからマーシャドー戦前に貰ったのが鋼Z、マーシャドーがリオルに手渡したのが格闘Zです。分かりづらかったらごめんなさい。

リーフに使わせたいZ技

  • ノーマル
  • くさ
  • ほのお
  • みず
  • でんき
  • むし
  • ひこう
  • いわ
  • どく
  • じめん
  • こおり
  • エスパー
  • ゴースト
  • ドラゴン
  • あく
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