ポケモンTS転生〜リーフは原作を忘れかけている 作:はらへりニャンコ
「それがZリングか。初めて見たな」
「ふふん、私だけの特別製なのですよ」
P-1グランプリの大会後。
エビワラーのおっちゃんがご飯をご馳走してくれるというので、ありがたくご馳走になっている私たち。
この町で最も評判の高い焼肉店らしく、何のポケモンのお肉なのかは分からないが、どのお肉もとにかく美味い。
「アオン!」
「ピカチュウ~♪」
リオルやピカチュウたちは、優勝賞品としてもらった極上ポケモンフーズを美味しそうに食べている。
しかしそこにサトシとヘラクロスの姿はなかった。
「ヘラクロス、大丈夫かしら。物凄く落ち込んでいたけれど……」
「ううむ。サトシくんと仲良くなるためには、一回天狗の鼻を折った方がいいかなーと思ったけれど……もしかして、余計なことしちゃいました?」
すると、おっちゃんが口を挟んだ。
「いや、因果応報。盛者必衰。いずれ、あのヘラクロスが壁にぶつかるのは必然のこと。そこからどう立ち直るかが肝心である」
確かに。
あの調子では、私が手を出さなくても、どこかで負けていたであろう。
今頃、サトシくんと和解しているのかな……。
いや。
むしろ、まだ喧嘩していたらどうしよう。
「ちょっと様子を見に行ってくるね」
「なら私も行こうかしら。この調子だとサトシ、夕飯抜きになりそうだしね」
私たちはリオルとピカチュウを連れて、店を出た。
◆
「にしてもサトシとヘラクロス、どこ行っちゃったのかしら?」
「虫ポケモンなんだし、山じゃないかな?」
波動を辿りながら、暗い山道を歩くこと十数分。
その先から、何かが激しくぶつかる音が聞こえてきた。
「そうだ、ヘラクロス! もっとまっすぐ角をぶつけるんだ!」
「へーラァ!」
ゴォンッ!!
見ると――。
ヘラクロスが、サトシの持った丸太に何度も角をぶつけている。
そしてサトシは、その全てを真正面から受け止めていた。
その顔には大粒の汗が浮かんでいたが、ヘラクロスを受け止める足腰はびくともしなかった。
「サトシ、凄い汗……。一体いつから特訓を……」
「こりゃ邪魔しちゃあ悪いわね。私たちは帰りましょうか……」
カスミがそう言った。
その次の瞬間――。
バシュッ!!
「え?」
何かが私たちを包み込んだ。
それが網だと分かった時には――。
「「きゃあああ!?」」
「アオン!?」
「ピカ!?」
私とカスミ、そしてリオルとピカチュウは、まとめて空中へ吊り上げられていた。
「リーフ!?カスミ!?」
「何よこれ!?」
そして――。
「「「だーはっはっはーい!」」」
前世で散々聞いた声が響く。
「なんだかんだと聞かれたら!」
「答えてあげるが世の情け!」
「世界の破壊を防ぐため!」
「世界の平和を守るため!」
「愛と真実の悪を貫く!」
「ラブリーチャーミーな敵役!」
「ムサシ!」
「コジロウ!」
「ニャースでニャース!」
「銀河を駆けるロケット団の二人には!」
「ホワイトホール、白い明日が待ってるぜ!」
「ニャーンテニャ!」
「ソーナンス!」
ロケット団!
この名乗り口上……パチモノではなく、ムコニャ本人たちか!
「うふふ、P-1グランプリ優勝者もこの通り! 私たちの手にかかればイチコロよ!」
「珍しいリオル! しかも珍しい色違い! サカキ様も大喜びだぜ!」
「やっぱり狙いはリオルか……!」
私は網を引きちぎろうと力を込める。
「ぐっ……!」
けれど、網はびくともしない。
「それはニャー達が夜鍋して作った、ケーシィの毛で作った特製ネット! 格闘タイプにはびくともしないんだニャ!」
「「「色違いのリオルに、ピカチュウゲットでいい感じ~!」」」
「そんなことさせるか!」
サトシが叫んだ。
「エスパータイプには虫タイプだ! ヘラクロス、キミに決めた!」
「ヘラッ!」
ボールから飛び出したヘラクロスは、昼間の暴走が嘘のようにサトシの指示へ反応した。
「ヘラクロス! 気球を落とすんだ!」
「ヘラァ!」
ヘラクロスが地面を蹴り、大きく跳躍する。
そのままロケット団の気球へ向かって飛んでいく。
「そうはさせないぜ!」
コジロウがスイッチを押した。
「カイロスロボ、発進!」
ガシャン!!
気球から巨大なカイロス型ロボットが飛び出した。
「ヘラァ!?」
地上でヘラクロスとロボットが激突する。
ガギィン!!
互いに押し合う二体。
だが――。
「ぐぐぐ……!」
「ヘ、ヘラァ……!」
ロボットのパワーは凄まじい。
少しずつ、ヘラクロスが崖際へ押し込まれていく。
「ヘラ……」
その光景を見たリオルが、網の中から声を上げた。
「クオン!」
「リオル?」
「リオル! どうしたの?」
「クオン! クオン!」
リオルは必死に叫んでいる。
その声を聞いたヘラクロスが、一瞬だけこちらを振り向いた。
「ヘラ……」
リオルは、ヘラクロスをじっと見つめている。
波動を通じて――何かを伝えている。
「……一緒に戦おう」
リオルの目が、そう語っているように見えた。
ヘラクロスの表情が、わずかに変わった。
「ヘラ……」
その瞬間。
「そうだ、ヘラクロス!」
サトシが叫ぶ。
「お前には俺がいる!」
ヘラクロスが振り向く。
「俺たちで、リオルたちを助けるんだ!」
「ヘラァ……!」
ヘラクロスの身体に、再び力が戻っていく。
そして――。
「うおおおおおっ!!」
サトシがロボットへ体当たりした。
「サトシ!?」
人間の力でどうにかなるはずもない。
……普通なら。
だが。
「ヘラァァァ!!」
ヘラクロスが雄叫びを上げた。
サトシとヘラクロス。
二人がかりでロボットを押し上げる。
「「「うそーん!?」」」
「も、持ち上げちゃった……」
「ヘラクロスのパワーが上がったんだわ!」
「うおおおおおっ!」
「ヘラァァァァァ!!」
二人の力が一つになる。
そして――。
「うりゃあああああ!!」
「ヘラァァァ!!」
ドォン!!
ロボットが宙へ放り投げられた。
そのまま気球へ突っ込んでいく。
「うわああああっ!?」
ガシャン!!
ロボットの角が、私たちを捕らえていた網に引っかかった。
ビリビリビリッ!!
網が破れ、私たちは地面へ落下する。
「きゃっ!」
「アオン!」
「ピカチュウ!」
リオルが私を抱えて着地し、ピカチュウも無事に地面へ降り立った。
「よしっ!」
「「「あ~! 夜鍋して作ったのに!」」」
ロケット団が泣き叫ぶ。
「ピカチュウ、10万ボルト!」
「リオル、しんくうは!」
「ピィーカーチュー!」
「クオオオゥ!」
バリバリバリッ!!
ドォォォン!!
雷撃と衝撃波が、ニャースの形をした気球を直撃する。
「「「やな感じ~!」」」
夜空に輝く大爆発。
星の彼方へ、ロケット団が吹き飛んでいった。
◆
「それじゃあヘラクロス。修行、頑張れよ!」
「ヘラッ!」
翌日。
サトシくんは、ヘラクロスをおっちゃんのジムへ預けることにしたらしい。
ヘラクロスと一緒に戦うには、サトシくんはまだまだ実力不足。
だから、まずはヘラクロス自身が修行を積み、サトシくんがバッジを8個集めたところで、オーキド研究所へ送ってもらうとのことだ。
「サトシ、本当に良かったのか?」
タケシが尋ねる。
「ああ」
サトシは、遠くなっていくヘラクロスを再度見つめた。
「アイツも俺も、まだまだ強くなれる」
そして、少しだけ笑う。
「そのためには、一度別れた方がいいかもって思ったんだ」
「……」
私は、その言葉を聞いて思う。
P-1グランプリで負けたこと。
サトシの言うことを聞かなかったこと。
それでも、最後にはサトシと一緒に戦ったこと。
ヘラクロスはきっと、あの街の戦いで何かを見つけたのだ。
「じゃあ代わりに、私がついていこうかな」
「リーフ!」
カスミが嬉しそうに笑う。
「ええ、あなたなら大歓迎よ! これからよろしくね!」
「うん、よろしく!」
リオルも隣で拳を握る。
「アオン!」
こうして――。
私たちは次の街。
セキチクシティへ向けて、再び歩き出した。
・ヘラクロス、また会う日まで
オコリザルの離脱回とリザードンの離脱回がごっちゃになっちゃいました。
ポケモンリーグまでには戻ってくる予定です。
リーフに使わせたいZ技
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ノーマル
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くさ
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ほのお
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みず
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でんき
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むし
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ひこう
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いわ
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どく
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じめん
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こおり
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エスパー
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ゴースト
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ドラゴン
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あく
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フェアリー