ポケモンTS転生〜リーフは原作を忘れかけている   作:はらへりニャンコ

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幕間② リーフvsサトシ!(前編)

 

 

 

 

 

「大丈夫か、リーフ?」

 

「ゼェ……ゼェ……大丈夫、大丈夫……」

 

お嬢様パワーを舐めていた。

 

よく考えてみれば、あれだけパワフルなサイドンとあんなに仲良くできるんだ。

 

本人にも相当なフィジカルがないと無理だろう。

 

「落ち着けお嬢さん!本人の意思なく無理やり交換を迫るのは、泥棒と変わりないですよ!」

 

タケシが間に入って説得してくれたおかげで、なんとか逃げ切ることができた。

 

本当に助かった。

 

「えーと……決勝戦、始めてもよろしいでしょうか?」

 

審判が不安そうに尋ねてくる。

 

「うん……いいよ」

 

私は息を整えながら頷いた。

 

「よし、手加減しないぜ!」

 

サトシも気合十分。

 

とにかく、ここからはサトシとの決勝戦だ。

 

意識を切り替え、バトルへ集中する。

 

決勝戦は3vs3のバトルだ。

 

「行こうか、フシギソウ!」

 

「ソウ!」

 

「ピジョット、キミに決めた!」

 

「ピジョーット!」

 

両者のポケモンがフィールドへ飛び出す。

 

相性だけを見れば、ピジョットが有利。

 

だが、フシギソウには毒タイプがある。

 

状態異常を絡めてじっくり戦えば、十分に勝機はある。

 

「バトル開始!」

 

開始の合図と同時に、ピジョットが翼を広げた。

 

「つばめがえし!」

 

「ピージョオー!」

 

一直線に突っ込んでくる。

 

速い。

 

でも――。

 

「フシギソウ、どくどく!」

 

「ソウゥ!」

 

フシギソウが猛毒を吐き出す。

 

「ピジョッ……トォ!」

 

紫色の毒がピジョットの身体へ絡みついた。

 

「よし!」

 

これで時間は、こちらの味方になる。

 

しかし――。

 

「そのまま攻撃だ、ピジョット!」

 

「ピジョォ!」

 

翼を振り抜く。

 

バシィッ!

 

「フシッ!」

 

フシギソウの身体が吹き飛ばされた。

 

「いいわ!草タイプのフシギソウには大ダメージよ!」

 

観戦していたカスミが拳を握る。

 

「だが、どくどくはゆっくりとピジョットの身体を蝕んでいく。ピジョットに時間はないぞ……!」

 

「……あれ?」

 

いつの間にか、カスミとタケシが実況を始めていた。

 

「まあ、ジムリーダーの解説なんて貴重だし……」

 

観客たちも興味深そうに耳を傾けている。

 

なら、好きにやってもらおう。

 

「フシギソウ、やどりぎのたね!」

 

「ソウッ!」

 

背中の蕾から放たれた種が、ピジョットへ絡みつく。

 

「ピジョォ!?」

 

蔓が伸び、ピジョットの体力を少しずつ奪っていく。

 

猛毒とやどりぎのたね。

 

二つの継続ダメージが、確実にピジョットを追い詰めていく。

 

「くそっ!」

 

サトシが歯を食いしばる。

 

「急いで決めるぞ! でんこうせっか!」

 

「ピジョォ!」

 

高速で迫るピジョット。

 

「まもる!」

 

「ソウ!」

 

フシギソウが身体を光の壁で包み込む。

 

ドォン!

 

ピジョットの突撃を、寸前で防いだ。

 

「ぼうふう!」

 

「ピジョオオオ!」

 

今度は至近距離から、猛烈な風が巻き起こる。

 

「くっ……!」

 

だが、ぼうふうの攻撃範囲は意外と狭い。

 

蔓を地面へ突き刺し、バネのように縮める。

 

「フシギソウ!」

 

「ソウッ!」

 

縮めた蔓を思い切り伸ばして地面を叩く。

 

するとフシギソウの身体が大きく跳ね上がった。

 

そのままぼうふうの範囲から離脱する。

 

「何っ!?」

 

「そこ!」

 

空中で身体を反転させる。

 

狙いは――ピジョットの背後。

 

「ベノムショック!」

 

「ソウッ!」

 

紫色の毒のエネルギーが、ピジョットへ直撃する。

 

「ピジョオオッ!?」

 

猛毒状態の相手には威力が跳ね上がる。

 

さらに――。

 

やどりぎのたねが、最後の体力を奪っていく。

 

「ピ……ジョォ……」

 

ピジョットの身体が力なく落下した。

 

「ピジョット、戦闘不能!」

 

審判が腕を上げる。

 

「リーフ選手の勝ち!」

 

「やった!」

 

観客席から歓声が上がる。

 

「相性の差を覆した!」

 

「フシギソウって、あんなに高く跳べるの!?」

 

鮮やかな逆転勝利に、会場が沸き立つ。

 

「強いな……」

 

サトシは倒れたピジョットをボールへ戻す。

 

「もっとキョウさんから、どくタイプについて学んでおくんだった……」

 

悔しそうに呟きながらも、すぐに気持ちを切り替える。

 

「よし……次だ!」

 

そして――。

 

「リザードン、キミに決めた!」

 

「グオオオオオウッ!」

 

炎を纏ったリザードンが、フィールドへ降り立つ。

 

「やっぱり来たか……」

 

サトシのリザードン。

 

今の私の手持ちで、リザードンに相性有利を取れるのはウォッシュフォルムのロトムだけ。

 

でも――。

 

「……」

 

実は私のロトムは、一度フォルムチェンジすると、次にフォルムチェンジできるようになるまでは一定の時間が必要なのである。

 

先ほどのバトルから時間が経っていない今は、フシギソウで時間を稼ぐしかない。

 

「フシギソウ、やれる……?」

 

「ソウソウ!」

 

強大な相手を前にしても、フシギソウは怯まない。

 

今のフシギソウは、草タイプの攻撃技に頼らない長期戦特化型。

 

毒と回復を絡めて、粘り強く戦えば――。

 

まだ勝負は分からない。

 

「かえんほうしゃ!」

 

「グオオッ!」

 

リザードンの口から炎が噴き出す。

 

「フシギソウ、まもる!」

 

「ソウッ!」

 

光の壁が炎を受け止める。

 

ゴォォォォッ!!

 

熱気がフィールドを覆う。

 

それでも、フシギソウは耐えた。

 

「ドラゴンクロー!」

 

「グオッ!」

 

炎の中からリザードンが飛び込んでくる。

 

「どくどく!」

 

「ソウゥ!」

 

再び猛毒を吐き出す。

 

だが――。

 

リザードンは腕を振り抜いた。

 

ザシュッ!

 

ドラゴンクローが毒を切り裂く。

 

「グオオ!」

 

そのまま、竜の爪がフシギソウへ迫る。

 

「フシーッ!」

 

「フシギソウ! やどりぎのたね!」

 

「ソウッ!」

 

リザードンに当たった種から蔓が伸び、絡みついていく。

 

「グオッ!?」

 

少しずつ体力を奪いながら、フシギソウの傷を癒していく。

 

「もう一度、まもる!」

 

「ソウ!」

 

フシギソウが再び守りの姿勢へ入る。

 

「だったら――ちきゅうなげだ!」

 

「グオオオオ!」

 

リザードンが一気に距離を詰める。

 

フシギソウを両腕で掴み――。

 

「なっ!?」

 

そのまま上空へ飛び上がった。

 

「グオオオオオッ!」

 

ぐるぐると旋回。

 

何度も何度も、空中を回転する。

 

「フシ……ギ……ソウ……」

 

フシギソウの目がぐるぐる回る。

 

そして――。

 

「まもるが解けた!」

 

守りの姿勢が崩れた。

 

「いっけぇっ!」

 

「グオオオオッ!」

 

リザードンが急降下する。

 

ドゴォォォォン!!

 

フシギソウの身体が、地面へ叩きつけられた。

 

轟音とともに土煙が舞い上がる。

 

「フシギソウ!」

 

数秒後。

 

クレーターの中心から、フシギソウがふらつきながら姿を現した。

 

「ソ……ソウ……」

 

しかし――。

 

もう立っているだけで精一杯だった。

 

「フシギソウ、戦闘不能!」

 

審判の判定が下る。

 

私はモンスターボールを握りしめた。

 

「お疲れ様、フシギソウ」

 

ボールへ戻す。

 

「よく頑張ったね」

 

そして。

 

私は次のボールを見る。

 

「……よし」

 

ロトムのフォルムチェンジが可能になるまで――。

 

もう少し。

 

フシギソウは、その時間を作ってくれた。

 

「ありがとう」

 

私は小さく呟く。

 

「まだまだ、バトルはここからだ……!」

 

◆

 

「ロトロトロト!」

 

「10万ボルト!」

 

リザードンの背後を取ったロトムが、強烈な電撃を放つ。

 

バリバリバリッ!!

 

「グオオ……!」

 

電撃がリザードンの身体を貫く。

 

効果は抜群。

 

「地面に降りて、かえんほうしゃ!」

 

「グオオオオッ!」

 

サトシの指示に従い、リザードンは二本の脚でしっかりと地面を踏みしめる。

 

そして、狙いを定めて炎を放った。

 

ゴォォォォッ!!

 

「効かないよ!」

 

「ロットロト~♪」

 

ロトムはリザードンをからかうように空中を飛び回り、そのまま――。

 

「ハイドロポンプ!」

 

「ロトォォォ!」

 

ゴォォォォッ!!

 

大量の水が、リザードンへ叩きつけられる。

 

「グオオッ!」

 

リザードンが苦しそうに後退した。

 

ロトムを繰り出してから、すでに数分。

 

それでも、リザードンは未だにロトムへ有効打を与えられていない。

 

サトシとリザードンは、カットロトムのうちに勝負を決めようとガンガン攻めていった。

 

だが、ロトムのトリックを応用した瞬間移動めいた動きに翻弄され、決定打を与えられない。

 

そして――。

 

「ロトロトロト!」

 

ロトムが青白い光に包まれる。

 

ガシャン!

 

その姿が、洗濯機型へ変化した。

 

ウォッシュロトム。

 

「しまった……!」

 

そこからは、完全にこちらのペースだった。

 

「リザードン、苦しい戦いね……」

 

カスミが呟く。

 

「ロトムの瞬間移動をどうにかしないと、リザードン自慢の火力を活かせないぞ……」

 

タケシも腕を組む。

 

「どうする、サトシ……!」

 

「何か……何か打つ手はないのか……!」

 

サトシはフィールドを見渡した。

 

地面。

 

空気。

 

リザードン。

 

そして――ロトム。

 

その時。

 

「……そうだ!」

 

サトシの顔が上がった。

 

「リザードン、地面めがけてかえんほうしゃだ!」

 

「……グオオ!」

 

麻痺した首を持ち上げ、リザードンが地面へ向かって炎を放つ。

 

ゴォォォォッ!!

 

「サトシ、何を……」

 

「もっとだ! もっと!」

 

リザードンが何度も炎を放つ。

 

地面へ染み込んでいたハイドロポンプの水が、猛烈な熱によって一気に蒸発していく。

 

「……!」

 

白い水蒸気が、バトルフィールド全体へ広がっていく。

 

「うわっ、あっつ!?」

 

「ロット!?」

 

あまりの熱気に、ロトムが一瞬だけ攻撃の手を止めた。

 

そのまま上空へ逃げる。

 

「今だ!」

 

サトシは叫ぶ。

 

「リザードン、もう一度!」

 

「グオオオオッ!」

 

さらに炎を放つ。

 

水蒸気が、さらに濃くなる。

 

「……!」

 

私は思わず目を細めた。

 

なるほど。

 

視界を奪って、ロトムの動きを制限するつもりか。

 

その間にソーラービームを貯める算段だろう。

 

「ロトム、あまごい!」

 

「ロトォ!」

 

ロトムが力を解き放つ。

 

暗い雲が空を覆い――。

 

ザァァァァ……。

 

雨が降り始めた。

 

雨水が熱された地面へ落ち、さらに大量の水蒸気が発生する。

 

フィールド全体が、白い霧に包まれた。

 

「これで、かえんほうしゃの威力は下がる!」

 

私は考える。

 

「ちきゅうなげも、ロトムなら瞬間移動で回避できる。接近戦に持ち込まなければ――」

 

「……う!」

 

「……え?」

 

雨の中、サトシが叫んだ。

 

「リザードン、ぼうふうだ!」

 

「グオオオオオオッ!」

 

リザードンが大きく翼を広げる。

 

次の瞬間――。

 

ゴォォォォォォッ!!

 

猛烈な風が巻き起こった。

 

「しまった!」

 

ぼうふう。

 

本来なら命中率に不安のある技。

 

けれど――。

 

今は、雨が降っている。

 

「ロトォォ!?」

 

雨によって威力を増した暴風が、フィールド中を吹き荒れる。

 

水蒸気を吹き飛ばしながら、ロトムの身体を巻き上げた。

 

「ロトロトォ!?」

 

「ドラゴンクロー!」

 

「グオオオッ!」

 

動きを封じられたロトムへ、リザードンが一気に接近する。

 

「ザシュッ!」

 

鋭い爪がロトムの身体を切り裂いた。

 

「ロトォォ!?」

 

そのままロトムは、地面へ叩き落とされる。

 

「ロトム、戦闘不能!」

 

審判の声が響く。

 

「……まさか」

 

私は倒れたロトムを見つめる。

 

「私のあまごいを、読んでいたの?」

 

サトシへ尋ねる。

 

すると――。

 

「いや、たまたまだよ」

 

「……たまたま?」

 

サトシは頭を掻いた。

 

「本当は、スチームの中でソーラービームを長時間溜めてから、一気に何本も撃つつもりだったんだ」

 

「……」

 

「でも、リーフがあまごいを使ったから、作戦を変えたんだ」

 

「……策士策に溺れる、か」

 

自分で作った状況を、逆に利用された。

 

やっぱり――。

 

サトシとリザードンは強い。

 

こちらも、もう手段を選んでいられないようだ。

 

私は次のモンスターボールを握る。

 

「全力で行くよ、メタング!」

 

「メッタァ!」




・ロトムの弱点発覚
毎回ホイホイフォルムチェンジすると強すぎるので縛りを設けてます。基本的に1バトルでフォルムチェンジできるのは1回だけ。連戦だとチェンジできないこともあります。

・やっぱり強いよリザードン
書いた後に気づいたけど、このパーティ炎にも弱いな……

リーフに使わせたいZ技

  • ノーマル
  • くさ
  • でんき
  • ドラゴン
  • フェアリー
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