ポケモンTS転生〜リーフは原作を忘れかけている 作:はらへりニャンコ
これまでカントー中を旅して、集めてきたバッジは七個。
手持ちのポケモンは――。
リオル・フシギバナ・オコリザル・ロトム・メタングの五体。
そして今日。
カントー地方最後の一匹が、私の仲間になる。
◆
クチバシティ郊外にあるポケモン研究所。
そこで私を待っていたのは――。
「ブイブイ!」
元気いっぱいの、茶色いポケモンだった。
「久しぶり、イーブイ!」
私はしゃがみ込み、両手を広げる。
するとイーブイは、嬉しそうに私の胸へ飛び込んできた。
「ブイ~!」
「ふふっ」
かつて進化の街で出会った、進化しないイーブイ。
その毛並みのもふもふっぷりは、私の記憶にあったそれと、全く変わっていなかった。
あの時はキョダイマックスして暴走してしまったけれど――。
その後、研究者たちが詳しく調査を続けてくれていた。
なんでもキョダイマックスできる力を持つイーブイは進化できないというのが彼らの立てた結論らしい。
そして昨晩。
調査を終えたイーブイを、私に譲りたいという連絡が届いたのだ。
「でも……本当に私でよかったんですか?」
私はイーブイを優しく撫でながら尋ねる。
すると、研究員の一人が笑顔で答えてくれた。
「はい。あの時、リーフさんはイーブイのことを何度も心配してくれましたよね」
「……」
「あのことを、イーブイも覚えていたのでしょう」
研究員は、少しだけ笑みを深くする。
「研究所に戻ってきてからも、何度もリーフさんの写真を眺めていたんですよ」
「写真を……?」
「ええ」
研究員が一枚の写真を見せてくれる。
そこには――。
進化の街で撮ったのであろう、私が写った写真をじっと見つめるイーブイの姿が写っていた。
「ブイ……」
イーブイが少し照れくさそうに鳴く。
「……イーブイ」
思わず頬が緩んだ。
あの時は、ただ目の前で苦しんでいるこの子を助けたいと思っただけだった。
まさか。
こんな形で、もう一度会えるなんて。
「きっとリーフさんなら、この子を幸せに育ててくれるはずです」
研究員がイーブイを見る。
「これから、よろしくお願いしますね」
「ブイブーイ!」
イーブイが元気よく鳴いた。
私はイーブイを抱き上げる。
「分かりました」
そして――。
「これからよろしくね、イーブイ!」
「ブイ!」
イーブイが嬉しそうに尻尾を振る。
こうして。
私の手持ちに――。
最後の仲間が加わった。
◆
「それと、これもどうぞ」
「……?」
研究員から渡されたのは、一つの腕輪だった。
「これは……?」
「ダイマックスバンドです」
「ダイマックスバンド!?」
思わず声が大きくなる。
「はい。イーブイはキョダイマックスが可能な個体ですから」
研究員が説明する。
「ただ、私たちはポケモンの進化に関する研究が中心です」
そう言って、研究員は苦笑する。
「ですから、ダイマックスに関する設備や研究資料を持っていても、私たちには使う機会がほとんどありません」
「そんな大事なものを……?」
「イーブイをお願いするお礼とでも思ってください」
「でも……」
私が戸惑っていると、研究員は優しく笑った。
「それに、この子がこれから旅をするなら、きっと必要になるかもしれませんから」
「……」
私は腕輪を見る。
そして、隣で嬉しそうに尻尾を振るイーブイを見る。
「……ありがとうございます」
本当に。
何から何まで感謝してもしきれない。
「大切に使います」
◆
研究所を出る。
隣には――。
「ブイ!」
新しい仲間。
「これで……六匹」
私は腰のモンスターボールを眺める。
七つのバッジ。
六匹の仲間。
カントー地方の旅も――。
いよいよ最後の一歩だ。
「残るバッジは、あと一つ」
私は前を見る。
目的地は――。
ヤマブキシティ。
カントー最大級の都市にして、エスパータイプのジムリーダー・ナツメが待つ街。
「……よし」
最後のピースが揃った。
なら――。
最後のバッジを取りに行こう。
「行こう、イーブイ!みんな!」
「ブイブイ!」
私たちは、ヤマブキシティへ向かって歩き始めた。
◆
そして――。
ヤマブキシティ。
巨大な都市の中心部。
その一角に、異様な存在感を放つ建物が立っていた。
「あなたがここに来るのを待っていたわ、リーフ」
「え?」
振り向く。
そこに立っていたのは――。
不思議な波動を漂わせる、カントー屈指の超能力者。
そして――。
ヤマブキジムのジムリーダー、ナツメさんだった。
いつの間にか背後を取られていた……
「ナツメさん……」
「久しぶりね」
ナツメさんは静かに私を見る。
その瞳は、まるで私の奥底まで見透かしているようだった。
「かつて私たちは、二度すれ違った」
「……」
「一度目は、私の用意ができていなかったから」
ナツメさんが指を一本立てる。
「二度目は――あなたの心が不安定だったから」
二本目の指が立つ。
「そして、ようやく三度目」
ナツメさんが、わずかに微笑んだ。
「こうなる予感は、だいぶ前からしていたわ」
「予感……?」
「ええ」
ナツメさんはジムの扉へ視線を向ける。
「あなたがここへ来ることを」
「……」
何だろう。
この人に見つめられていると、妙に落ち着かない。
それなのに――。
不思議と逃げたいとは思わなかった。
「今回の私のジムバトルは3vs3」
ナツメさんが淡々と告げる。
「さらに特殊ルールとして、メガシンカやダイマックスなどの特殊戦術を、一度だけ使用可能とするわ」
「わかりました」
私は頷く。
定位置となった肩の上では――。
「ブイブイ!」
イーブイもやる気満々だ。
私はその小さな身体を軽く撫でる。
「大丈夫」
やれることは、全部やってきた。
七つのバッジ。
六匹の仲間。
そして――。
目の前には、最後のジム。
「さあ、最後のバッジを取りに行こうか」
「ブイ!」
私たちは、ヤマブキジムに入ると互いにバトルコートで向き合った。
・リーフのカントーパーティ、これにて完成
リオル、フシギバナ、オコリザルの性別は♂。イーブイだけが♀です。
リーフに使わせたいZ技
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ノーマル
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くさ
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でんき
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ドラゴン
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フェアリー